金沢の伝統工芸・加賀水引で、かわいいアクセサリーを手作り!

2017.05.01

水引(みずひき)とは、和紙のこよりに水糊をたくさんつけて引っ張り、乾かし固めた細い飾り紐のことで、これが名前の由来と言われています。一般的な水引は、長さ3尺(約90cm)、色は100色以上!この水引を基に加賀独自の希少伝統工芸「加賀水引」を考案した老舗水引専門店「津田水引折型(つだみずひきおりかた)」では、色とりどりの水引でかわいいアクセサリー作り体験ができるのです。

▲加賀水引の手法で作られた香袋(4,752円・税込)

細い1本の紐が編み出す雅な水引折型

日本における水引は、遣隋使あるいは遣唐使らが持ち帰ってきた献上品に、紅白の麻紐が結ばれていたことが始まりだとか。長い歴史の中で贈る人と贈られた人を結ぶ日本独特の水引折型(ラッピング文化)へと発展してきました。

西洋ではすぐに開封できるような結び方でリボンが結ばれているのに対し、日本の水引は180度意味合いが異なるそうです。未開封であり、封印していることを示し、両端を引くほどによりきつく結ばれます。それは、贈り手が「あなたとの縁を結びたい」という大切な思いを、水引を用いて表現しているのだそう。1本の紐にそんな意味が込められているなんてステキですね。
▲結納などに飾られる立体的で美しい加賀水引

明治時代までは、折り目が寸分なくそろった平面的な水引折型や細工が主流でしたが、大正4(1915)年に金沢の津田左右吉(つだそうきち)が、日本で初めて立体的で美しい「加賀水引」を考案。2代目の津田梅が全国的に広め、現在知られる「加賀水引」となりました。

立体的な「加賀水引」は、ふっくらと華やかに「包む」、美しく「結ぶ」、贈る理由や送り先の名前を筆で「書く」の3つが基本。豪華な水引細工だけが伝統工芸ではなく、贈ることをトータールにコーディネートし、そこに込められた美しい心こそが、「加賀水引」が大切にしている伝統工芸なのだそうです。

美しい心を手作りの水引細工に込めて

津田左右吉が考案した「加賀水引」は、今も専門店「津田水引折型」でその魅力に触れ、体験することができます。
▲金沢駅からバスで片町(かたまち)下車、犀川(さいがわ)大橋から大通りを南へ歩いて2分の所にあります
▲店内にはご祝儀袋や水引の置物、小物がずらり
▲丁酉(ひのととり)も水引細工もの(左/6,480円、右/金箔・巣・卵付き8,640円・どちらも税込)
▲椿モチーフの水引リングピロー(19,440円・税込)。使用例のためダミーですが、リングも水引でできています
▲お中元時期には朝顔を添える粋な細工も(非売品)

初代津田左右吉の志を受け継いだ4代目、5代目が、ひとつひとつ手作りで生み出す水引細工・折型はまさに芸術の域。多種多様な水引細工の数々に、「えっ、これも水引でできているの?」と驚きの連続です。

いよいよ水引アクセサリー作りに挑戦

では、実際に手作りに挑戦です。今回は5代目の津田六佑(ろくすけ)さんに、あわじ結びの応用で作るあわじ玉タイプのネックレスの作り方を教えていただきました(体験料 税込1,000円~)。
▲約100色の中から好きな色を選びます

まずは水引の色選びから。赤や白以外にも多くの色があるので、相談しながら希望の色を楽しく選べます。
▲いよいよ体験スタート。まずは津田さんの指先の動きをしっかり見ます

津田水引折型の水引細工は「あわじ結び」という結び方が基本となっていて、アクセサリーもあわじ結びをベースに作っていきます。「あわじ結びには、人と人を結ぶという意味が込められているんですよ」と津田さん。だからこそ、あわじ結びで立体化するのが大切なのだそう。心がこもったアクセサリーになりそうです。
▲初めのあわじ結び。これがベースとなります

90cmの水引1本で編み上げていきますが、細かな作業なので案外難しい…。でも、ひと編みごとに形ができていくのはやりがいがあります。
ゆるく編むと玉にはならないため、適度に引き締めながら編みます。水引はコシがあって丈夫なので、ちょっとやそっとじゃちぎれません。安心して編み進めていきましょう。
▲核となる透明の玉を包み、丸く編んでいきます

初めのあわじ結びは一重ですが、これを二重三重にして立体的にしていきます。土台となる形を作ったら、あとは何重にも重ねるようにして順番に水引を編んでいくだけ。それでも、水引は細く小さい上に同じ色ともあって、次にどこへ水引を通せばいいのかわからなくなることも…。
▲水引を通す場所がわからなくなっても、丁寧に教えてもらえます

ラメ入りの水引を選んだため、見る角度でキラキラと違う光り方になり、完成形が楽しみ。「ご縁が結ばれますように」と祈りながら、ひと編みごとに軽く引き締めつつ丁寧に編んでいくと、愛着が湧いてきます。
▲指先よりも小さなあわじ玉が完成!

編み初めは戸惑いますが、慣れてきたらスイスイと編み進められ、かかった時間は約60分。集中しているため、時間があっという間に経っていました。
特に透明な玉を包んで編み上げるあたりは、完成形がより強くイメージできてとても楽しい!

今回は1つだけ作ったのでネックレスにしましたが、同工程でもうひとつ作ってイヤリングやピアスにする人も。
▲左がネックレス、右がイヤリング

完成した水引アクセサリーはとても軽く、水に濡れても大丈夫なので気軽にデイリーで使えます。同じあわじ結びでも、体験では2パターン作ることができ、ほかにも梅の花のような形状のアクセサリーも作ることができます。
同じ色の水引でも形状が異なると、雰囲気がガラリと変わりますよ。

水引細工を金沢のおみやげに

伝統工芸である「加賀水引」は、おみやげとしてもぴったり。お祝いの席で使われる結納品や引き出物、あるいは鯛や亀など豪華な置物は持って帰るのが難しいですが、おみやげにしたくなるお手頃&かわいい水引細工も店内に多数並んでいます。
▲左/水引ピンバッチ(各色1個2,700円・税込)、右/水引ブローチ(3,888円・税込)

梅型に編まれた背広用の水引ピンバッチは、シンプルで気品があります。男性への贈り物にも人気。もちろん自分用にもおすすめ。
水引ブローチは直径が約4cmと使い勝手のいい大きさ。髪飾りにもできるので、ひとつあると重宝しそうですね。
▲手前から梅飾りの箸置き(648円)、一輪梅の箸置き(540円)、蝶のゴムバンド(847円)、花のゴムバンド(594円)※いずれも税込

水引で作られた箸置きは丈夫で、簡単な水洗いも可能。家でのおもてなしや自分へのごほうびに使ってみたくなる作品です。横長のぽち袋も、蝶や花になるだけでこんなにも可憐でキュートに!

もちろんご祝儀袋やかんたんな袋もそろっています。立体的な鶴や亀の水引細工で結ばれたご祝儀袋は、贈る方も嬉しくなるほどおしゃれ。また、出産のお祝いや旅の安全を祈るお餞別など、日常使いにおすすめの袋もそろっています。
▲左ふたつは鶴・亀祝儀袋(各1,728円)、右ふたつは三本結びの祝儀袋(各648円)※いずれも税込

「津田水引折型」では、和紙で「包む」・水引で「結ぶ」・贈る理由や相手の名前を「書く」ことを大切にしているので、依頼すると袋の墨書きもしてくれます。贈りものがより一層優美になりますよ。

色や形が微妙に異なるのも、ひとつひとつが完全手作りだからこそ。ぜひ店頭で実際に手に取って、お気に入りを選んでみてください。

知れば知るほど奥が深く、結びに心が込められている水引。特に立体的で細やかに作られる加賀水引は、贈る方も贈られる方も嬉しくなる思いでいっぱいです。自分のため、または大切な人をイメージして選んだ水引でアクセサリーを作る体験は、なかなかできません。金沢らしい伝統工芸を体験すると、もっと金沢が好きになるはず。
SARYO

SARYO

石川県の温泉地として名高い南加賀在住のライター・エディター、時々シナリオライター。北陸の地域情報誌に10年勤めていた経験と、国内も国外も興味津々な好奇心をフル活用し、さまざまな情報をお届けします。歴史、神社仏閣、旅、温泉に強く、利用者と同じ目線を重視するスタイル。

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