秋田で話題のかき氷「生グソ」ってなに?

2015.08.31

軒先に「氷」の文字が揺らめく店のガラスに「生グソあります」。そんな張り紙を見たらどう思いますか?インパクトたっぷりのネーミングで沸かせる秋田名物のかき氷「生グソ」。どんなかき氷なのか、なぜ「生グソ」なのかーー。真夏の秋田に今年も行列ができています。

かき氷はいたってシンプルな食べ物。氷を細かく削って器に盛り、シロップをかけて、真夏に汗だくになりながらほおばる…。ひんやり、きーん。

しかしそれが「生グソ」という名前だったら…。でもやっぱり、気になる!そう思う人は多いはず。

開店と同時にみるみる行列が…大人気の「生グソ」の正体

「生グソ」を提供するのは、秋田市にある「広栄堂」。開店間際の取材だっため、話もそこそこに「生グソ」を注文して撮影開始。生のグレープフルーツ果肉を入れたシロップを器に入れ、そこに氷を削っていきます。
▲まだまだ
▲手でちょっとつぶしたら、ここにソフトクリームをのせて完成
「広栄堂」ではこの「生グソ」が一番人気。ここまでくれば、なぜ「生グソ」なのかお分かりの方も多いのではないでしょうか。
そう、「生グソ」とは「生グレープフルーツソフト」の略。でもこれ、お店側が付けた名前ではないんです。
▲生のグレープフルーツがたっぷり。このつぶつぶ感とほどよい甘さが人気の秘密です。

驚きのネーミングの秘密とは?

「広栄堂」は秋田市で昭和6年(1931年)に創業した和菓子屋。もともとは手焼きせんべいが人気のお店で、戦後になって始めたのがかき氷でした。
▲手焼きせんべいが人気だった頃の面影をとどめる店内。現在のメニューは期間限定のかき氷だけだ
店主の菊地政実さんによれば、当初はどこの店でもやっているように市販のシロップをかけていたとか。

「初めは市販のシロップや白みつをかけていたのですが、出入りの業者さんのアドバイスなどをもとにおいしさを試行錯誤したんです。そのなかで生まれたのが、果肉をまるごとシロップに漬ける方法でした」

なかでもお客さんから人気だったのが、グレープフルーツやオレンジ、イチゴなどの“生”の果肉が入ったかき氷だったそう。さらに、これにソフトクリームを載せるスタイルが『広栄堂』のかき氷になったといいます。

そして、注文を受けるとき、すらすらとボールペンで伝票に書いていたのが、「生オソ」「生イソ」「生グソ」などの文字。…ほら。
▲「生イソ」は生イチゴソフト、「生オソ」は生オレンジソフトのこと
▲注目!「生グソ」は生グレープフルーツソフト
伝票を見ていた女子高生をはじめとするお客さんたちが、ひそかに呼ぶようになったのが「生グソ」。いつの間にか、ちょっとはにかみながら「生グソお願いします」と注文時にささやく女子高生が多くなったのだとか。
▲生グソ500円(税込/左)と生イソ520円(税込/右)
「広栄堂」のかき氷は毎年6月から9月いっぱいまで。暑い日差しのなか、汗をぬぐいながら行列ができています。

その日の天候にもよりますが、開店と同時に混雑してお昼ごろまで行列が続くこともあるため、一段落した13:30ごろが狙い目かもしれません。行列に並ぶ場合は、暑さ対策は万全に。

なんだか不味そうなネーミング、なんて言わずにこの夏あなたも「生グソ」体験してみませんか?
高橋ともみ

高橋ともみ

大学で日本美術史を学んだ後、博物館や美術館、新聞社、制作会社等に勤務。東北を中心にのんびり、気ままに活動中。 (編集/株式会社くらしさ)

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