東北の熱海・浅虫温泉でサンセットビューと海鮮グルメを満喫!

2018.01.23 更新

青森県青森市にある浅虫(あさむし)温泉は、海に面した歓楽街として栄えたことから「東北の熱海」と呼ばれています。青森市街から車で30分弱とアクセスも良いため「青森の奥座敷」とも称される、青森を代表する温泉地のひとつ。今回はふらっと立ち寄れるような日帰り入浴施設を中心に、その楽しみ方をご紹介していきます!

▲美しい夕日が望める浅虫温泉

東北の熱海・浅虫温泉ってどんなところ?

東に下北半島、西に津軽半島がある陸奥湾。その真ん中に突出している夏泊(なつどまり)半島の根元に浅虫温泉は位置しています。その歴史は古く、平安時代には温泉が見つかっており、弘前藩主津軽家も本陣を設けて領内巡視の際は浅虫温泉を利用していた史実もあるようです。

また、文化人や有名人が訪れた事実も多く、画家の竹久夢二や文豪・太宰治、歌手の淡谷のり子らがよく利用していたと言われています。特に青森出身の芸術家・棟方志功は浅虫温泉の観光ポスターを描いたこともあり、その原画は現在も浅虫で一番古い温泉旅館「椿館」のロビーに飾られています。
▲椿館に展示されている棟方志功のポスター原画。閲覧は自由

浅虫温泉の特徴は、南北1kmほどの海岸に面したエリアに約20もの温泉施設が軒を連ね、温泉だけでなく、海の幸を提供する食堂やお土産店、四季折々の景色を見られること。

そして浅虫温泉の象徴と言えば、海上にぽつりと浮かぶ「湯の島」です。見事な三角の形をした島で、約800mの沖合いにあり、正面には赤い鳥居と弁財天を祀る祠(ほこら)が沖からでも確認することができます。
▲浅虫温泉のどこからでも見ることができる湯の島。「願いが叶う島」と言われ、季節によっては島周辺を遊覧したり上陸したりすることもできる

【楽しみ方その①】麻蒸湯札を手に入れて、はしご湯を楽しもう!

まずは「麻蒸湯札(あさむしゆふだ)」を手に入れて、はしご湯なんていう巡り方がおすすめです。麻蒸というのは浅虫の過去に使われていた表記で、その書き方のとおり、実は麻を蒸していたことから名付けられた地名でした。
▲地名の由来を紹介する木碑

麻蒸湯札は2種類あります。2回まで入浴できる1,000円湯札と3回まで入れる1,500円(ともに税込)の湯札。1人で使っても良いし、友達とシェアして使ってもOK。
販売所は各旅館や民宿のほか、観光案内所でも取り扱っています。浅虫温泉内の旅館9軒と民宿2軒の施設で使うことできます。
▲1,000円湯札(左)と1,500円湯札(右)。湯札の背景にあるのは、購入時にもらえるチラシ。裏面には湯めぐりできる旅館の一覧が掲載されている

3回使える湯札は木版で作られているもので、ねぷた絵が描かれ、青森の雰囲気を味わうことができます。どちらの湯札も利用者であれば、各旅館で浅虫水族館の割引入場券を購入することができます(1,020円→920円・税込)。東北地方では最大規模の浅虫水族館にはイルカショーやトンネル水槽などがあり、温泉の帰りに立ち寄ってみるのもいいかもしれません。

さて、今回は1,000円の湯札を購入して浅虫温泉巡りへ繰り出してみましょう!

【温泉①】海に面した全室オーシャンビューの宿「浅虫さくら観光ホテル」

最初に立ち寄った温泉宿は、海岸に面した浅虫温泉で唯一、波打ち際に接している「浅虫さくら観光ホテル」です。
▲波打ち際に隣接する浅虫さくら観光ホテル

浅虫さくら観光ホテルは3階に大浴場があり、窓から眺める景色はまさにオーシャンビュー。眼下に広がる陸奥湾はまるで湯船から続いているような近さを感じます。湯の島が目の前にあり、その絶景をあますことなく楽しむことができます。
▲湯の島が手に取れるような距離に見える展望大浴場

そして、青森ヒバ造りの眺望露天風呂。青森ヒバの香りとカルシウムイオンたっぷりの肌にやさしい湯を楽しみながら贅沢に堪能できる温泉です。もちろん湯の島もばっちり見えますよ。
▲男性用と女性用の眺望露天風呂は、造りが少し異なる。写真は女性用「弁天」

特別に客室も覗かせてもらいました。全室オーシャンビューの特徴を生かし、どの部屋からも陸奥湾を窓いっぱいに見ることができます。対岸に青森港を望めるだけでなく、天気の良い日は津軽富士・岩木山も見ることができるとか。
▲客室の窓の枠に収めるとまるで絵画のように見える湯の島

夜には、真っ暗な海に青森港や漁船の明かりが見えてロマンチックな夜の世界を楽しむこともできます。客室は日帰り入浴では利用できないため、機会を作ってぜひ宿泊でもこの抜群の景色を体感してみてはいかがでしょうか。
▲9階客室からの眺め。季節によって海の色も変化するのだとか

【温泉②】地上9階の展望風呂からの眺めが自慢「南部屋・海扇閣」

次に立ち寄ったのは、JR浅虫温泉駅から徒歩3分ほどの「南部屋・海扇閣(なんぶや・かいせんかく)」。こちらは最上階9階の展望大浴場から眺める景色が自慢の宿です。浅虫温泉の中では最も高い場所にある風呂からオーシャンビューを堪能することができます。
▲海扇閣の展望大浴場。北海道新幹線開業の際のポスターにも使われた

海扇閣の最大の特徴は、「青森」をテーマにしたアート作品が館内にたくさんあること。展望大浴場には、地元の陶芸家による陶器の壁画が一面にありました。
▲男風呂は湯の島に住む小鳥をテーマに描かれている
▲女性風呂に描かれている壁画のテーマは「うみ」

宿の名前である「海扇」は「ホタテ」とも読み、館内さまざまな場所にホタテの貝殻アートが展示してあります。これらは1997年に開業した際に公募した作品で、ずっと眠っていたものを5年前から改めて展示するようになったのだとか。趣向を凝らした多種多様な作品があり、見ていて飽きることがありません。
▲オープン当初に公募したホタテの貝殻アートも見どころの1つ

もちろん、目で楽しむホタテだけではありません。海扇閣では夕方のレストランでホタテをたっぷり堪能できるバイキングコーナーがあるんです。また、「あさ風呂散歩」という朝食バイキング付き朝風呂入浴プランもあり、1,500円(税込)とお得。「貝焼き味噌」というホタテの郷土料理を味わうことができます。贅沢な楽しみ方ですね。
▲夕食レストランのバイキングコーナーのホタテの貝焼き
浅虫温泉には他にも露天風呂や貸切風呂、歴史ある御湯殿といった温泉宿があり、麻蒸湯札を使っての楽しみ方はさまざま。自分にあった楽しみ方を探してみてはいかがでしょうか?

【楽しみ方その②】浅虫グルメを味わってみよう

湯めぐりを満喫した後は、旅情をそそる浅虫グルメやお土産を探しに向かいましょう。JR浅虫温泉駅にほぼ隣接する道の駅「ゆ~さ浅虫」では、青森のお土産だけでなく、併設する市場で県産の農作物や海産品も買うことができます。
▲県内のお土産が並ぶ「ゆ~さ浅虫」のお土産店

こちらの一押しは「青森カシス」を使った商品。実は青森は、カシス(黒房すぐり)の生産量日本一なんです(農林水産省統計)。こちらの店内にも、多くのカシス商品が並んでいます。その中でも人気なのは、カシスソフトクリーム。カシスのほのかな酸味とソフトクリームの甘さがうまく組み合わさった逸品で、夏には行列ができるとか。
▲「カシスソフトクリーム」340円(税込)

また、ゆ~さ浅虫5階には展望浴場があり、こちらでも浅虫温泉のお湯を楽しむことができます(麻蒸湯札の対象施設ではありません)。
▲ゆ~さ浅虫の大浴場からも陸奥湾や湯の島を見ることができる
次は、県外からもこの食堂を目当てに訪れる人がいるほど話題を集めるグルメスポットへ。店の名前は「鶴亀屋食堂」。こちらが注目される理由はなんといってもそのボリュームです。
▲もともとはドライバーたちの食堂だった鶴亀屋食堂。JR浅虫温泉駅から徒歩約5分

中でも名物「マグロ丼」は、マグロの切り身が漫画のように山盛りで器に収まりきらないほど積み重なっていると、テレビやラジオにも紹介されるほど人気です。
▲名物「マグロ丼(小)」3,000円(税込)

これ実は「小」サイズです。筆者は食べきれないことを恐れて「小」サイズにしました。さらに「中」(3,500円・税込)や「大」(時価)サイズもあるそうなので、想像を絶するような未知のどんぶりが出て来そうです。その大きさは、ぜひ皆様の目で確かめてみてください。(2018年1月現在、「大」サイズの提供はお休みとのことです)

【楽しみ方その③】浅虫の名物お土産「久慈良餅」を手に入れよう

最後に紹介するのはお土産です。「浅虫といえば、久慈良(くじら)餅」と言われるほど有名なお土産があります。青森県民なら複数まとめ買いは当たり前という噂も耳にしました。
▲見た目は羊かんのような久慈良餅

久慈良餅とはもち米の粉と生あんを練って、くるみの実を入れて蒸した和菓子のこと。クジラの肉に形が似ていたことから名づけられたということですが、真相はわかっていません。その味は羊かんよりもっちりしていて羊かんほど甘すぎず、くるみが良いアクセントになっています。

久慈良餅を提供するお店は浅虫にかつて4店舗があったそうですが、2018年1月現在は2店舗のみ。それぞれのお店で味や食感に違いがあり、好みは分かれるかも。食べ比べてみるのもいいかもしれません。
▲永井の「久慈良餅」410円(税込)

「永井久慈良餅店」は、浅虫にこの和菓子を広めたお店からのれん分けしたお店です。保存料、添加物を使わない製法を今も継承し、昔ながらの作り方にこだわります。
▲菊屋の「久慈良餅」420円(税込)

もう1つのお店「菊屋餅店」の久慈良餅は、「永井久慈良餅店」のものよりもちもち感が強く、餅屋の強みを生かした食感になっています。また、自然の味をそのまま保存する特殊包装などを施しています。
浅虫温泉の楽しみ方、いかがでしたか?宿泊して温泉を楽しむことはもちろん、一日かけて温泉のはしごや地元グルメを堪能することもできる浅虫温泉。青森のほぼ中心に位置するため、青森観光の拠点として利用できる穴場でもあります。
▲浅虫のマジックアワー。夕日の色が少しずつ変化していく様子がわかる

浅虫の景色には毎日変化があり、365日で楽しむことができると自慢している地元の方もいらっしゃいました。たとえば、温泉に入りながら沈みゆく夕日をゆっくりと眺めるといった格別の贅沢も浅虫ならではの楽しみ方。ぜひ足を運んでみてください!
くどうたける

くどうたける

東京でウェブライターを経験し、2012年に青森へ移住。地域新聞や地域の情報を発信するお仕事をいただきながら、田舎でせっせと暮らしてます。(編集/株式会社くらしさ)

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