「美濃まつり」開催!花みこしの「総練り」が大迫力の春の風物詩
2021.03.11 更新
地元では「この祭りがこないと春が来ない!」と言われる岐阜県美濃市の伝統行事「美濃まつり」。4月の第2土曜日と翌日の日曜日に行われ、美濃和紙を使った「花みこし」の練り歩きや、山車と桜の共演が楽しめます。見どころを地元の方々に聞いてきました!(※最新情報は施設へ直接お問い合わせください。)

「美濃まつり」のルーツは雨乞い!
「美濃まつり」は、その名の通り、岐阜県の中心に位置する美濃市で毎年4月の第2土曜日と翌日曜日に行われているお祭りです。美濃市の「うだつの上がる町並み」と「八幡神社」を中心としたエリアで開催されています。
そもそも「うだつ」とは、屋根の両端に造られた防火壁のことで、「うだつを上げる」のにお金がかかったことから、財を成した裕福な商家の象徴だったそうです。「うだつを上げられそうにない」筆者には憧れの、造作が美しい町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。
そもそも「うだつ」とは、屋根の両端に造られた防火壁のことで、「うだつを上げる」のにお金がかかったことから、財を成した裕福な商家の象徴だったそうです。「うだつを上げられそうにない」筆者には憧れの、造作が美しい町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。

▲「うだつ」の残る19棟もの家屋がまとまって現存するのは全国でもここだけ!
美濃市観光協会の臼井さんによると、「“美濃まつり”は元々、八幡神社の祭礼が始まりで、現在行われている“花みこし”は江戸時代の雨乞い行事が起源です」とのこと。
時代が下って地域の名前が美濃町になったのをキッカケに、現在の「美濃まつり」と呼ばれるようになったそうです。
美濃市観光協会の臼井さんによると、「“美濃まつり”は元々、八幡神社の祭礼が始まりで、現在行われている“花みこし”は江戸時代の雨乞い行事が起源です」とのこと。
時代が下って地域の名前が美濃町になったのをキッカケに、現在の「美濃まつり」と呼ばれるようになったそうです。

▲町並みを練り歩く「花みこし」。町内によって色が違うそうです(写真提供:美濃市観光協会)
気になるお祭りの中身は、初日の“花みこし”、二日目の“山車・練り物(祭礼行列のこと)“、そして両日の夕暮れから行われる“美濃流し仁輪加(にわか)”の3部からなっています。
「花みこし」?「仁輪加」?臼井さんに聞いてみると……。
気になるお祭りの中身は、初日の“花みこし”、二日目の“山車・練り物(祭礼行列のこと)“、そして両日の夕暮れから行われる“美濃流し仁輪加(にわか)”の3部からなっています。
「花みこし」?「仁輪加」?臼井さんに聞いてみると……。

▲この「花みこし」は色が少し濃いです(写真提供:美濃市観光協会)
「“花みこし”は、美濃市の伝統産業である美濃和紙を使い、桜色に染めた和紙にこよりをつけたものを桜の花に見立てて、竹刀(しない)と呼ばれる割った竹竿につけ、それをみこしに飾り付けたものです。毎年ひとつひとつ各町内ごとに作られているんですよ」(臼井さん)
「“花みこし”は、美濃市の伝統産業である美濃和紙を使い、桜色に染めた和紙にこよりをつけたものを桜の花に見立てて、竹刀(しない)と呼ばれる割った竹竿につけ、それをみこしに飾り付けたものです。毎年ひとつひとつ各町内ごとに作られているんですよ」(臼井さん)

▲和紙を桜色に染めたものが花と呼ばれます(写真提供:美濃市役所)

▲染めた和紙は約1カ月間陰干しされます(写真提供:美濃市役所)

「和紙で作った花をひとつずつ手作業で付けるとか、マジ半端ないっすー!」と思わず心で叫ぶ筆者でした。
ちなみに、ここで“美濃まつり”クイズです。
Q.“花みこし”にはいくつの花が付いてるでしょうか?
1.「5,000」
2.「10,000」
3.「100,000」
ちなみに、ここで“美濃まつり”クイズです。
Q.“花みこし”にはいくつの花が付いてるでしょうか?
1.「5,000」
2.「10,000」
3.「100,000」

▲花を付けた竹刀をみこしに取り付けてできあがり(写真提供:美濃市役所)
答えは、臼井さんから。
「1基のみこしにつき、10cm四方の和紙を約100,000枚使っています。ちなみに竹刀とよばれる竹竿を約300本使って作られています」(臼井さん)
写真を見るだけでも分かりますが、でかいです。竹竿1本が1kgだとしても、300kgはあるわけで、重そうです。すごさは伝わるでしょうか?
答えは、臼井さんから。
「1基のみこしにつき、10cm四方の和紙を約100,000枚使っています。ちなみに竹刀とよばれる竹竿を約300本使って作られています」(臼井さん)
写真を見るだけでも分かりますが、でかいです。竹竿1本が1kgだとしても、300kgはあるわけで、重そうです。すごさは伝わるでしょうか?

▲「花みこし」と風情ある町並みは最高に絵になります(写真提供:美濃市観光協会)
「花みこし」は各町内ごとに作られ、八幡神社でのお祓いをすませてから町を練り歩くそうです。
「大小合わせて31基の花みこしが、美濃の町並みを練り歩く光景は、まるで満開のしだれ桜が乱舞しているかのようで、とても見ごたえがありますよ」と臼井さん。
「花みこし」は各町内ごとに作られ、八幡神社でのお祓いをすませてから町を練り歩くそうです。
「大小合わせて31基の花みこしが、美濃の町並みを練り歩く光景は、まるで満開のしだれ桜が乱舞しているかのようで、とても見ごたえがありますよ」と臼井さん。
一番の見どころは「総練り」
「花みこしの練り歩きの中でも、土曜日の午後12:30から広岡町交差点で行われる“総練り”は、とても迫力があり、盛り上がります」(臼井さん)

▲各町内の「花みこし」が一堂に会して乱舞する「総練り」の様子(写真提供:美濃市役所)
「総練り」は、みこしを担ぐ若衆が「オイサー!オイサー!」と声を上げ、みこしの華やかさを競い合うように練る、熱気と興奮に包まれた祭りのハイライト!
写真で見てるだけでも美しさと迫力が混ざり合った不思議な光景で、ますます行ってみたくなりました。
「総練り」は、みこしを担ぐ若衆が「オイサー!オイサー!」と声を上げ、みこしの華やかさを競い合うように練る、熱気と興奮に包まれた祭りのハイライト!
写真で見てるだけでも美しさと迫力が混ざり合った不思議な光景で、ますます行ってみたくなりました。

▲「め組」と呼ばれる女性だけのグループによる「花みこし」もあります(写真提供:美濃市観光協会)
夕方からは“仁輪加”を楽しむ!

▲「美濃流し仁輪加」の様子(写真提供:美濃市観光協会)
「“花みこし”を担いで練り歩いた若衆たちが夕方から行うのが“美濃流し仁輪加”です。そもそも“仁輪加”とはオチのついた即興喜劇のこと。江戸時代末期から始まったと言われる“美濃流し仁輪加”は、お囃子を演奏しながら町の辻つじで上演して歩くことから“流し仁輪加”と呼ばれています」と臼井さん。
簡単に言えば、漫才のようなものでしょうか。落語好きの筆者としてはかなり気になる伝統芸能です。日本酒片手に楽しみたいなと思いました。
「“花みこし”を担いで練り歩いた若衆たちが夕方から行うのが“美濃流し仁輪加”です。そもそも“仁輪加”とはオチのついた即興喜劇のこと。江戸時代末期から始まったと言われる“美濃流し仁輪加”は、お囃子を演奏しながら町の辻つじで上演して歩くことから“流し仁輪加”と呼ばれています」と臼井さん。
簡単に言えば、漫才のようなものでしょうか。落語好きの筆者としてはかなり気になる伝統芸能です。日本酒片手に楽しみたいなと思いました。

▲祭りの二日目に登場する山車(やま)。写真は相生町の舟山車(写真提供:美濃市観光協会)
祭りの二日目には、いわゆる山車の曳きまわしや練り物も楽しめるそうです。
桜の季節なので、山車と桜の共演も楽しめますし、近隣の小倉公園では「さくらまつり」(4月末まで)が行われているので、合わせて楽しむのもオススメです。
祭りの二日目には、いわゆる山車の曳きまわしや練り物も楽しめるそうです。
桜の季節なので、山車と桜の共演も楽しめますし、近隣の小倉公園では「さくらまつり」(4月末まで)が行われているので、合わせて楽しむのもオススメです。

▲かわいい子供たちの「花みこし」もあります(写真提供:美濃市役所)
車で行くなら東海北陸自動車道の美濃ICから約10~15分。総練りが行われる「広岡町」交差点から歩いてすぐの美濃市観光ふれあい広場駐車場(環境協力金100円・税込)が利用できます。
「駐車場がとても混み合いますので、余裕を持ってお越しください」と臼井さんから助言をもらいましたので、準備万端で向かおうと思った筆者でした。
車で行くなら東海北陸自動車道の美濃ICから約10~15分。総練りが行われる「広岡町」交差点から歩いてすぐの美濃市観光ふれあい広場駐車場(環境協力金100円・税込)が利用できます。
「駐車場がとても混み合いますので、余裕を持ってお越しください」と臼井さんから助言をもらいましたので、準備万端で向かおうと思った筆者でした。
美濃まつり
岐阜県美濃市内
<花みこし>
[会場]うだつの上がる町並み周辺
<美濃流し仁輪加>
[会場]うだつの上がる町並み周辺
<山車・練り物>
[会場]八幡神社
※雨天時は中止する場合あり
[料金]観覧無料
0575-35-3660(美濃市観光協会)
※本記事は2017年の取材内容をもとに、一部修正したものです。
※記事内の金額は取材当時のものとなりますので、変更している可能性があります。
※記事内の金額は取材当時のものとなりますので、変更している可能性があります。

澤井敏夫
愛知県・清須市在住のライター。情報誌の編集制作、音楽事務所でのマネジメント業務を経て独立。読書と落語鑑賞とヨガが趣味。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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