ちんすこうを「むら咲むら」で手作り!石窯で焼く本格体験

2017.03.17

沖縄土産の中でも定番中の定番「ちんすこう」。さくさく、ほろほろの食感と素朴な味が人気のちんすこうは、琉球王朝時代から続く伝統の焼き菓子でもあります。そんなちんすこうを、買うのではなく、自分で作ってお土産にしてみませんか?沖縄県の読谷村(よみたんそん)にある観光施設「体験王国 むら咲むら」では、オーブンではなく「石窯」を使って焼き上げる本格的なちんすこう作り体験が楽しめるんです。

100以上の体験メニューがある観光施設「体験王国 むら咲むら」

那覇から車で約1時間30分。沖縄県の中部に位置する読谷村に観光施設「体験王国 むら咲むら」(以下、むら咲むら)はあります。
▲広大な敷地はとても緑豊か(写真提供:むら咲むら)

ここは平成5(1993)年放映の大河ドラマ『琉球の風』のオープンスタジオを利用して作られた施設。1万5,000坪もの広大な敷地には琉球王朝時代の首里の城下町が再現されていて、その中の古民家の一つでちんすこう作りが体験できるんです。
首里城のような立派な門構えの入口脇の建物が受付。ここでは入場料のみを払い、各種体験メニューの料金は園内のそれぞれの工房で支払います。むら咲むらの中には全部で32もの工房があり、体験メニューの数はなんと100以上。目移り必至のメニュー数ですが、今回は「石釜ちんすこう作り体験」をチョイスします(前々日まで要予約)。もちろん時間に余裕があれば、当日申込み可能なメニューもあるのでいくつか選んでみてくださいね。
入口の門をくぐると、そこはまるで昔の首里の町。石畳の道に石垣、赤瓦屋根の建物が、古都の風情を演出しています。

石畳の道をしばらく歩くのですが、なかなか体験工房へ着きません。とにかくむら咲むらはとても広い!本当に一つの町のようです。一つのドラマのために何と広いスタジオを作ったのかと、驚きを隠せません。
入口から歩くこと約8分。ようやく、ちんすこう作り体験の工房にたどり着きました!この古民家には「よみたん自然学校」という幼稚園やフリースクールを備えた学校が入っていて、その一角がちんすこう体験の施設になっているんです。学校というだけあって、平日であれば学校に通っている子どもたちに遭遇することも。

石窯の火起こしから体験!ワイルドなちんすこう作り

大きな「がじゅまるの木」に囲まれた南国ムード満点の工房。ここで体験するちんすこう作りは、何と石窯の火起こしから全て自分で行う本格的なもの。もちろん指導役がいるのでご安心を。

ここではみんなで楽しく体験することをモットーにしているので、指導者も体験者も、親しみを込めてニックネームで呼び合うのがルール。自然体験活動指導者の資格を持つ “のぶさん”こと小倉のぶさんのもと、窯に薪を入れるところからスタートです。
▲とても明るい女性指導者の「のぶさん」(写真左)。筆者も「じゅんさん」と呼ばれ、若干照れを隠せず……
まずくしゃくしゃに丸めた新聞紙を窯に入れ、その上に小枝、太めの枝と、大きな枝が上に重なるように入れます。そして新聞紙に火を付け、上手く燃え広がるまで注意深くチェック。
火力が足りない場合は、竹筒で空気を送って火を強めます。その姿は、まるで昔の窯のお風呂焚きのよう。なかなかできる体験ではありません。
火力が強くなってきました!いい調子です。さらに火力を強めるために直径15cmほどの丸太をくべて、窯全体の温度が上がるまでしばし待ちます。大体1時間ほどで温まるということなので、その間に部屋の中に入ってちんすこうの生地作りへ。

シンプルな材料で作る伝統菓子「ちんすこう」

材料は、ラード、砂糖、小麦粉のみ。いたってシンプルな材料だけを使っているので安心です。そしてバターではなく「ラード」を使うのがちんすこうのポイント。昔からよく豚が食べられてきた沖縄だからこそ、生まれたお菓子なんです。
▲まず、砂糖のザラザラ感がなくなるまでラードと混ぜ合わせます
▲砂糖とラードが混ざって白っぽくなってきたところで、小麦粉投入。ふるいにかける代わりに、ビニール袋に小麦粉と空気を入れてシャカシャカと振れば、小麦粉はサラサラに
▲最初はしゃもじを使って切るように混ぜ、ある程度生地がまとまってきたら手でこねます
生地が完成!所要時間にしてわずか10分。材料も工程も少ないので、クッキーの生地を作るより簡単かもしれません。次はいよいよ成型に移ります。
適当な量の生地をちぎって、丸めたりこねたり。厚さはだいたい1cmぐらいに揃えます。特に型はないので、好きな形を作りましょう。

触感は粘土とほぼ一緒。小学生の頃の図画工作の授業を思い出します。体験者の中には、生地全部を使って平たく伸ばして、巨大なちんすこうを作る人もいるんだとか。厚すぎると生焼けになることもあるので、ほどほどに!
▲模様も付けられます
▲今回は少し大きめに作りましたが、一般に販売されているちんすこうの大きさなら10個分くらい作れます

全ての生地を成型して鉄板へ乗せたら、いよいよ石窯へ投入です!

再び、ワイルドな石窯へ。いよいよ焼き上げます

石窯ではのぶさんが待機して、火の様子を見ていてくれました。このまま鉄板を入れるのかと思っていたら、ここでもう一仕事。窯の中の炭になった薪を掻き出して、鉄板が入るスペースを作ります。
スコップで炭を掻き出しドラム缶の中へ投入!これが簡単な作業かと思いきや意外と大変。とにかく熱い!最高300度近くにもなるという石窯の中は、まさに灼熱。この作業で温度を150度ぐらいにまで下げる役目もあるそうです。そして、立ち込める煙の量のすごいこと。この作業で筆者は完全にスモーク状態に。
▲ドラム缶を運ぶ姿も様になりつつ?あります
▲この熱々の窯でお肉も一緒に入れて焼いたら美味しそう、と考えずにはいられません

炭を片づけたら、ようやく鉄板を投入。20分ほどで焼き上がるとのことなので、その間ちんすこうの名前の由来と歴史についての話を聞くことに。
ちんすこうの「ちん」は「金」や「珍」、すこうは「お菓子」という意味があり、琉球王朝時代は貴重で珍しいお菓子として、主に貴族の間で食べられていたそうです。そのため一般の家庭では作られることがなく、今でも手作りすることはほとんどないんだとか。かつての高級品を今ではいつでも食べられるという事実に、ただただ感謝。
焼き上がりを待つ間は、工房の敷地内の広い庭の見学も楽しめます。ガジュマルの木の上にはツリーハウスが置かれ、枝にはブランコが。幼稚園の子どもたちはこんなにも自然がいっぱいの場所で遊べるなんて、うらやましい限り。
香ばしい匂いが漂い始めたら焼き上がった合図。ついに完成です!窯から取り出してみるとちょうどいい焼き加減。
▲少し不恰好ですが、それも手作りならではの味わい
まだ温かいちんすこうを一つ味見。表面はカリッとしていますが、中はまだ少し柔らかくソフトクッキーのような食感。口に含むとほろほろと崩れ、優しい甘さが広がります。焼き立てを食べられるのも手作りならではの楽しみ。
月桃の葉を添えたパッケージに入れてお土産に。ちんすこうのレシピを貰えるので、自宅でちんすこう作りが再現できるのもうれしい!今回は本格的な石窯ちんすこうづくり体験をしましたが、もっと短時間で楽しめる「お手軽ちんすこうづくり体験」もおすすめ。手作りちんすこうのおいしさを、ぜひ味わってみてくださいね。

さまざまな体験メニューも見逃せない

むら咲むらでは、ちんすこう作り以外でもさまざまな体験メニューが楽しめます。全部で100以上ものメニューがあり、沖縄料理や伝統工芸、スポーツ体験まで幅広く体験可能。今回は、むら咲むら以外ではなかなかできない体験メニューの一部を紹介します※料金はすべて税込。
▲むら咲むらのある読谷村を始め、沖縄各地に伝わる伝統の織物「花織」作り体験(1名1,300円~)写真提供:むら咲むら
▲琉球王朝時代から続く琉球藍染体験(1名1,620円)写真提供:むら咲むら
▲かんから三線作り体験。戦後の沖縄で、食料配給の缶詰の缶を使って作られたのが始まりと言われています(1名4,350円)写真提供:むら咲むら
▲伝統空手の基礎を教えてもらえる沖縄空手教室(1名2,575円、要予約)写真提供:むら咲むら

紹介したものはごく一部。他にも沖縄そば打ち体験やエイサー体験、沖縄方言教室など、ユニークな体験が盛りだくさんなので、ぜひむら咲むらのサイトをチェックしてみてくださいね!

巨大な観光施設「むら咲むら」は、一日中いても遊び尽くせないほど盛りだくさんのメニューが揃う観光スポット。ちんすこう作りを始め、ほとんどのメニューが雨の日でも問題なく楽しめるのも魅力的です。ここだからこそできる体験をしに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
仲濱淳

仲濱淳

WORD WORKS OKINAWA シニアライター。東京で出版・イベント会社に勤務後、沖縄に移住。沖縄では観光情報誌やウェブマガジンの営業・編集を担当。沖縄本島のあらゆる観光情報を長年かき集め続けた経験を生かして、沖縄の魅力を発信すべくライター業を目下邁進中。

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