高知で人気の天日塩づくり体験!海沿いの製塩施設「ソルティーブ」へ

2017.04.26 更新

高知県西部に位置する太平洋に面した海のまち・黒潮町では、海水と太陽、風と人の手だけで作られる天日塩(てんぴえん)づくりが盛んに行われています。そんな黒潮町で人気の「土佐の塩丸」を作っている製塩施設「ソルティーブ」で、天日塩づくりができるという噂を聞きつけ、料理好きな女子2人が体験してきました!

海水と太陽と風、人の手が生み出す天日塩

天日塩とは、汲み上げた海水を自然の力で何ヵ月もかけて結晶化させた塩です。火入れを行った市販の塩とは違い、海の中にある約80種類のミネラル成分を逃さず結晶化させることができるので、ミネラルたっぷり!高知では名物・カツオのたたきに使用されることも多く、カツオの塩たたきは地元民にも愛される絶品です。

今回お伺いしたのは、吉田猛(たけし)さん、かずみさん夫妻が約30年前に立ち上げた製塩施設「ソルティーブ」の第2施設。こちらで作られている塩「土佐の塩丸」は、有名な料理店などからの注文も多く、グルメ漫画「美味しんぼ」や料理番組でも取り上げられているほど人気です!
▲美しい海岸の目の前に佇む「ソルティーブ」第2製塩施設

ここでは、天日塩ができるまでのすべての工程を1時間30分ほどで体験できます。天日塩づくりを分かりやすくレクチャーしてくれるのは、ソルティーブの2代目の塩守である吉田拓丸(たくまる)さん。拓丸さんは、塩の増産を目指し、新たな商品開発や販路を拡大したいとの思いから、2013年に第2施設を立ち上げたそうです。
▲「ソルティーブ」の2代目塩守・吉田拓丸さん

美しい海を見ながら天日塩づくり体験

まずは、エプロンをつけて準備完了!ちょっぴり職人さんになった気分を味わいます。エプロンやタオルは貸してもらえるので、動きやすい服装であれば特に準備するものはありませんが、日焼けが気になる方は帽子を持参すると良いそうです。
▲体験用のエプロン(右)と、実際に拓丸さんが使用しているエプロン(左)を貸してもらいました

エプロンを付け終わったら、天日塩がどうやってできるのかを、3種類の海水を使いながら教えてもらいます。
天日塩の原料は、目の前に広がる美しい太平洋の海水100%。それも、晴れの日が続いた満潮時にのみ汲み上げる、透明度の高い綺麗な海水なんだそうです。
汲み上げられた海水はタンクに貯水され、ポンプを通じて海水を濃縮させるための採鹹(さいかん)施設に運ばれます。海水は、採鹹施設の天井から散水することを繰り返すことで、濃度が3%から15%になるそうですよ。
▲風と太陽の自然エネルギーで海水の水分を蒸発させ、濃度を高める採鹹施設

濃度が15%になった海水は鹹水(かんすい)と呼ばれ、この鹹水を結晶ハウスの中の結晶箱に入れて、毎日攪拌(かくはん)作業を繰り返すことで水分がさらに蒸発して塩の結晶が生まれてきます。その結晶から液体(にがり)を取り除いたものが天日塩。
▲左から海水、鹹水、にがりです

体験では、その3種類(海水、鹹水、にがり)を味見します。汲んできたばかりの海水は意外と塩辛くなくまろやか!鹹水が、驚くほどしょっぱく感じます。そして、にがりは苦汁と書くだけあってやはり苦いです。
▲海水の味の変化にビックリ!太陽と風の力を実感

ちなみにこのにがり、お豆腐屋さんなどにも評判で、「ソルティーブのにがりを使ったお豆腐は美味しい」と人気なんだそうです。

夏は1ヵ月、冬は3ヵ月もかかるという天日塩の製造工程をうかがった後は、いよいよ天日塩づくり体験のスタートです。体験ではまず、拓丸さんに教えてもらいながら、結晶箱に入れられた鹹水をヘラでかき混ぜる、攪拌作業を行います。
▲ヘラを使って結晶箱の鹹水をまんべんなく攪拌

鹹水を何日も攪拌していくと、水分が蒸発して結晶箱の底に粉末のようなカルシウムが沈殿してくるそうです。これを、拓丸さんは“塩の赤ちゃん”と呼んでいます。
▲まだ粉末状の塩の赤ちゃんはきめ細かく文字が書けるほどです

結晶になり始めの塩の赤ちゃんは、そのままにしておくと箱にこびりついて取れなくなってしまうため、粉末が鹹水の中で舞うように優しく優しく混ぜてあげます。
▲ハンドクリームなどを付けていなければ、手を使って攪拌することもできます

次は、少し成長した塩の結晶がある結晶箱に移動して、塩の結晶を集めます。攪拌と集める作業を繰り返すことで、塩の結晶はどんどん増えていくそうです。
▲美しい海を見ながら体験できるのも嬉しいところ

最後は塩の結晶が沢山できている結晶箱で、2人仲良く塩の結晶を採取します。
拓丸さんは、第1製塩施設と第2製塩施設で、この作業を1日に何度も繰り返しているんだそうです。全ての工程を手で行っているため、指紋がどんどん無くなってきてしまっているんだとか。
さらに夏場は60度にもなる結晶ハウス内で、この作業を行っているかと思うと、天日塩を作ることの大変さとありがたみが心に染みてきます。
▲集めた塩の結晶はキラキラと輝いています

塩の結晶を採り終わったら、結晶箱に新しい鹹水を入れます。ここからまた新たに天日塩が誕生するのかと思うと、何だかワクワク!
▲不純物が入らないよう、ネットを付けて鹹水を結晶箱に入れます

続いては、塩の結晶からにがりを取り除きます。「採取した塩の結晶は、塩とにがりに分離させる超ハイテクマシーンという名の洗濯機で脱水します(笑)」と、拓丸さん。本当に塩の結晶を洗濯機の中へ!
▲塩専用にしている超ハイテクマシーンの洗濯機に、採取した塩の結晶を投入

塩とにがりを分離させている間に、お楽しみの塩エステ体験に突入。塩エステ体験では、にがりの副産物を使用し、半年がかりで作られた「浴用塩」というクリーム状の液体を使います。

浴用塩は、手を洗ったり、顔に塗ってパックしたり、歯磨きとして使用してもいいそうです。今回は浴用塩で手を洗ってみました。
洗い流した瞬間に、潤いを感じるお肌に驚きを隠せない2人!お互いの手を何度もさすって効果を実感しました。
塩エステ体験でお肌しっとりスベスベになった後は、塩作りの仕上げである不純物を取り除く作業を行います。
▲脱水してにがりを取り除いたサラサラの塩を、大きなボックスに入れます。
▲出来上がった塩は市販されている塩よりふわふわとした触感です
▲不純物を取り除く作業も、もちろん手作業
▲小さな木屑や草の種などの不純物を、丁寧に時間をかけて探します

この作業が完了したら、小瓶に塩を入れてシールを貼って完成!ギュッと詰め込むと塩が30gほど入り、お土産としてプレゼントしてくれます。
▲「ソルティーブ」で作られた塩の証である「土佐の塩丸」シールをペタリ

天日塩「土佐の塩丸」は、しょっぱさだけでなく、甘み、辛み、酸味、苦味といった五味を味わえるので、サラダやステーキ、魚の塩焼きや塩むすびなど、舌に塩が直接触れる料理に使のがオススメだそうです。
▲お土産の塩の小瓶は2人の旅の記念になりました。早くこの塩で料理ををしてみたい!

体験の後は、「土佐の塩丸」で作られている「天日塩ソフト」や「天日塩ジェラート」、「塩もなか」を食べながらまったりするのもオススメ。施設ではもちろん天日塩「土佐の塩丸」も販売しています。
▲甘さの中に天日塩の複雑な風味を感じられる「天日塩ソフト」(220円)、「天日塩ジェラート」(210円) ※全て税込

美しい海を見ながら、その海水から自然と人の手だけでこんなに美味しい塩が作れるということを実感。ぜひ自分だけの天日塩を作りに来てみて下さい。手間ひま掛けてつくった究極の塩は、味も格別ですよ!
畔元志保

畔元志保

高知県生まれ、高知県育ち、高知県が大好きな高知県民。高知県のタウン誌「ほっとこうち」の編集部勤務を経て、フリーライターになり、横長の高知県を西へ東へ駆け巡っている。高知県の大自然と、可杯・箸拳・菊の花を愛するお酒好き!

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