初めてのキャンプ その3 簡単、安全な焚き火のおこし方

2015.08.11 更新

キャンプの夜のお楽しみといえば、やっぱり焚き火! 焚き火は、キャンプサイトの調理器具であり、暖房であり、照明であるという実用性に加え、炎の揺らめきに魅せられ、原始の声を呼び覚ますような懐かしい香りが……。自分の手で時間をかけて火を育て、炎にし、焚き火を作る。その焚き火で作る野外料理などは、格別で味わい深く感じられます。そんな魅力あふれる焚き火の、簡単、安全なおこし方をご紹介します。

snow peak Headquarters(スノーピーク ヘッドクォーターズ)
ストア店長 青木祐真さん

1986年、東京都生まれ。隣接する広大なキャンプ場で起こるさまざまなハテナをひと手に引き受ける、頼れるお兄さん。休日は、近隣の岩場でクライミング、トレイルランニング、山スキーを楽しむ、マルチなアウトドアズマン。

[基本編]着火剤を使って火を起こす

1.焚き火に必要な道具
まずは焚き火に必要な道具を揃えます。写真右から、火付きのよい薪、ライター、火もちのよい薪、「スノーピーク・焚火台M」、「スノーピーク・ギガパワー2WAYトーチ」、「スノーピーク・ファイヤーサイドグローブ」。このほか炎をあおぐために使ううちわやフイゴ、種火を作る際に使う着火剤(固形やジェルタイプなどが市販されています)や、燃えやすい紙片なども準備しましょう。
2.火もちのよい薪で枠を組む
焚き火台の上に、火もちのよい薪(ここではナラ材)で枠を組むように重ねていきます。水分を含む表皮は外側に向けておきましょう。
3.真ん中に火付きのよい薪を
枠の中央に、小割にした火付きのよい薪(マツや白樺など)を立てるように入れます(松ぼっくりなども油分が多く、火付けには適しています)。火付きのよい薪は燃え尽きやすく、火もちのよい薪は着火に時間がかかるもののゆっくり燃えます。両者の長所を活かすよう、薪をこのように組んでいきます。
4.着火剤に点火する
立てるように並べた薪の足元に、着火剤と段ボール片などをセットしたら、着火剤にライターで点火します。時間がないときや、いち早く火を大きくしたいときなどは、トーチの力を拝借しましょう。
トーチがないときは、うちわや段ボールの切れ端などを利用して風を送ると酸素が行き渡り、火が燃えやすくなります。
5.焚き火の完成!
ナラ材に炎が移って燃えはじめたら、焚き火の完成です。この間、わずか5分ほど。お湯を沸かすならこの火でもよいですが、肉や魚を炙るなら、このまましばらく薪を燃焼させ、「熾火(おきび)」(炭火のような、落ち着いたやわらかな火)になるまで少々我慢です!

[アドバンス編]着火剤を使わずに、火を起こす

焚き火はそれだけでひとつの趣味になるくらい、奥の深いもの。焚き火とじっくり向き合うならば、着火材を使わずに火をともし、じわじわと育てあげることで、その喜びはより深いものに……。
1.小割りをつくる
太い薪はいきなり燃えることはありません。鉈などを使い、木目を読みながら、薪を小割りにしてゆきます。
2.二本の太い薪(親木)の間に小さな火をおこす
まずは親木を、風向きと平行に並べます。親木の間隔は、後で乗せる鍋の大きさに合わせて(親木がゴトクの役目を果たします)。親木に小割りで橋を架けるように渡し、そこにさらなる小割りをもたれかけるように立てかけます。そうしてできた小割りの下の小さな空間に段ボール片を差しこんだら、ライターで着火。このとき、火をつける側が風上になるよう、注意します(写真の左側が風上)。こうしておくと、つねに新鮮な風が送りこまれ、火の勢いを保つことができます。
3.太めの小割りを足してゆく
火が安定してきたら、太めの小割りを少しずつ足してゆきます。焚き火ははじめ、大きな炎を揺らめかせますが、時間をおくと落ち着いた火になります。炎はゆっくりじっくり観察。炎の揺らぎ方や移り方など変化していく様子を見守るのは、実用的に火を燃やす作業でもありますが、心ほぐれる時間でもあります。そして、写真の手前側でおこした火は、そこから熾火になり、大きな炎は奥に移ってゆきます。つまり、肉を焼くなら手前の熾火で、お湯を沸かすなら奥の大きな火で。このように、風に向かって平行に親木を並べることで、ひとつの焚き火で2種類の火力を使い分けることもできるのです。

焚き火のマナー

キャンプ場によっては「直火OK」(地面で直接火を焚ける)の場所もありますが、「直火禁止」の場所もあります。事前に確認しておくべきですが、いずれにしても焚き火台があると安心です。
火の始末のベストな手段は、薪を燃やしきって完全に灰にすることです。まだ赤々と燃えていても、すぐに消したいときは、バケツの水などで消火します(炭バサミで薪や炭をつまんで、バケツの水の中にジャボンと入れる)。燃え残った薪なども同じ方法で完全に消火しましょう。キャンプ場によっては、焚き火用のゴミ箱が設置される場合もありますが、ない場合は燃えるゴミ扱いです。火種が残っていると思わぬ火災につながりかねないので、注意。消火はくれぐれも完全に行ないましょう!
【次回予告】
焚き火が落ち着いてきたら、次は夜に備えて、「ランタン」をセットしましょう。ランタンは、初めて使うときにちょっとした儀式のような手順があります。次回は、そんなランタンの使い方をご紹介いたします。
その1 大自然の頼れる我が家!テントを張ってみよう
その2 キャンプサイトのリビング「タープ」を張ってみよう
その3 簡単、安全な焚き火のおこし方
その4 キャンプサイトを照らす太陽、ランタンの灯し方
最終回 ダッチオーブン料理に挑戦!これでキャンプ料理の鍋番長だ
麻生弘毅

麻生弘毅

カヤックやバックパッキングの旅が好きなアウトドアライター。アマゾンや北極圏など、でかい空が広がる世界でよろよろと旅をしてきた。お気に入りのフェスは「朝霧JAM」で、憧れは「バーニングマン」。フェイバリットバンドは怒髪天。著書に『マッケンジー彷徨』(エイ出版社)がある。

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