白狐が見つけた美肌の湯「湯田温泉」。浸って飲んで体の中からも美しく!

2017.04.04

山陽随一の湯量を誇る名湯といわれ、“白狐伝説”が伝わる山口県山口市の「湯田温泉」。そのやわらかいお湯は、肌にしっとりとなじみ、湯上がりは“すべすべ”になると女性に人気です。立ち寄り湯はもちろん飲泉場や趣向を凝らした足湯も多数点在する湯田温泉の楽しみ方を紹介します。

約800年の歴史を誇る名湯。見つけたのは白狐!?

山口県の瀬戸内海側の中央に位置する湯田温泉。東の岩国、西の秋吉台や下関、さらに北の萩・長門・津和野へと、いずれの方向へも高速道路や国道によるアクセスが良く、山口県観光の拠点として人気の温泉地です。

開湯は約800年前とされ、“白狐伝説”が温泉発見の由来として伝わっています。権現山と呼ばれる山の麓にあったお寺の境内で、傷ついた足を池につけている白狐を見かけた和尚さん。その池の水をすくってみるとなんと温かい、さらに池を深く掘ってみると熱いお湯がみるみる湧き出し始めた、というものです。

このため湯田温泉は「白狐の湯」ともいわれ、いたるところでかわいらしい白狐のマスコットたちに出会えます。
▲JR湯田温泉駅の「ゆう太」は記念撮影スポットとしても人気

例えば、JR湯田温泉駅では高さ8mの白狐「ゆう太」が観光客をお出迎え。さらに、駅から徒歩10分ほど、温泉街の中程に位置する湯の町通りには、店頭ごとにふくよかなスタイルの「招き白狐」が並んでいます。
▲湯の町通りに並ぶ「招き白狐」。酒店前の白狐は酒瓶を抱えているなど、店ごとに異なる格好をしている
▲その他にも通りや足湯など、あちこちで白狐のマスコットに出会える

まずは「狐の足あと」で足湯を堪能しながら温泉街の情報収集

最初に訪れるスポットは、湯田温泉観光回遊拠点施設「狐の足あと」がオススメです。「招き白狐」が並ぶ湯の町通りにあり、湯田温泉についてのさまざまな観光情報がてんこ盛り!
▲「狐の足あと」は入館無料。館内では3種類の足湯が満喫できる
▲狐の足あと館内。インフォメーション(写真左側)では、食やお土産など湯田温泉についての情報を提供。観光スポットのパンフレットなども入手できる
▲楽しみながら湯田温泉や山口観光のヒントが得られるような展示も随時行われている(写真は地元山口のオートマタ作家による作品。ハンドルを回せば、湯田温泉出身の詩人・中原中也や白狐のコミカルな動きが楽しめる)

館内には3種類の足湯「窓辺の湯」「四季の湯」「言音の湯」があります(大人税込200円、小中学生税込100円)。お湯に入るのは足だけとはいえ、5分もすれば温泉の熱が全身へと伝わりポカポカに。白狐になった気分で足を温めましょう。
▲インフォメーションコーナー横にある「窓辺の湯」
▲露天足湯の「四季の湯」。季節ごとに咲く花や紅葉を楽しみながら入浴できる
▲中原中也にちなむ「言音(ことね)の湯」。中也の詩をテーマにした音楽が流れる

こちらの施設には、無料でレンタルできる入浴衣装も用意されています。もちろん、着替えなくても足湯には入浴できるのですが、すべての足湯を堪能するなら、スカートやズボンの裾を気にせずにくつろげる、専用の衣装がオススメです。
▲足湯衣装のレンタルは無料。和モダン風でとってもお洒落!

なお、3カ所どの足湯でも、お湯に浸りながらカフェメニューが味わえるそう。カウンターで注文をしておけば、入浴場所まで持ってきてもらえます。

メニューを見ると…、わわ、ここにも白狐にちなんだメニューがいっぱい!なかでも人気の高い「狐のカフェラテ」「白狐アイス」「白狐外郎パフェ」を注文してみました。
▲ドリンクメニューの中で人気の「狐のカフェラテ」(税込420円)

「白狐アイス」をいただこうとすると、ん?油揚げ~!?しっかり油抜きした油揚げでバニラアイスを包んでいるのだそう。これは初体験…クレープよりもふんわりした食感で、風味もアイスクリームともびっくりの相性良し、とっても美味しい~。
▲油揚げでバニラアイスを包んだ「白狐アイス」(税込350円)。顔はアーモンドやレーズンで装飾されている
▲「白狐外郎パフェ」(税込750円)には、わらび粉が使用された山口銘菓・外郎(ういろう)が入っている

そして、スイーツだけでなく「獺祭」「東洋美人」など、山口県内にある18酒蔵の地酒が揃う利き酒メニューも人気!3銘柄ずつ(税込500円)のセットのほかに個別(税込200円)でも味わえます。
▲人気はやはり「獺祭」の入る「サラッと淡麗セット」
▲近隣酒蔵の銘柄を揃えた「湯田から車で30分セット」もオススメ

神に仕える白狐が守る温泉を飲めば、運気も上昇!

お湯のやわらかさが特徴の湯田温泉は「飲泉」もオススメなのだそう。湯冷まし酔い覚ましも兼ねて、「狐の足あと」から湯の町通りを抜けて徒歩5分の場所にある「湯田温泉観光案内所」を訪れました。こちらの一角では「飲泉」をいただくことができるのです。
▲飲泉場と足湯が併設された湯田温泉観光案内所。写真中央の奥に飲泉場がある
▲隣の足湯とともに無料でOK。利用時間は7:00~22:00(足湯は10:00~)

最高で72度もある温泉はさすがに手ではすくえません。そこで、案内所で飲泉用に販売されている「開運飲泉ぐい呑み」を購入しました。かわいらしくてお土産にもぴったり!
▲「開運飲泉ぐい呑み」は湯田温泉マスコット「ゆう太」「ゆう子」の2種類(各税込200円)

なぜ飲泉で開運?…というのも、湯田温泉を風水の「四神相応」における西の守りの地にあたり、その守りを「白虎」(四神の一つで西の方角を司る霊獣)に変わって温泉ゆかりの「白狐」が務めているからだとか。財運を招くといわれる「白狐」の運気を、温泉を飲むことで得られると考えると、なんだかとてつもないご利益がありそうです。
▲ぐい呑みの底には「氣」の文字。運気とエネルギーがさらに増幅されそう!

白狐伝説の舞台・権現山のふもと。人気のお宿で立ち寄り湯

温泉街を歩き回って、さすがにちょっとお疲れモード。今度は休憩も兼ねて立ち寄り湯を堪能することにしましょう。

湯田温泉には立ち寄り入浴のできるスポットが8カ所ありますが、今回は「名勝 山水園」(以下、山水園)へ。温泉街の北東の端、白狐伝説の舞台・権現山のふもとにある旅館で、見事な和風建築は登録有形文化財にも指定されています。
▲市街地に広がる湯田温泉にあって、唯一山に囲まれている「山水園」。白狐がひょっこりと現れそうな神秘的な雰囲気が漂う

「山水園」には温度の異なる3本の自家源泉があり、それらをブレンドすることによってすぐに温度調節が可能で、湧き出たばかりの源泉100%かけ流しのお湯が堪能できます。「良質のお湯であっても、湧きたてを新鮮なまま使わなければ効能は生かされない」と何よりもお湯の鮮度にこだわっているそうです。
▲「翠山の湯」と呼ばれる外湯(写真は男湯)。男女それぞれに大浴場と露天風呂がある。別途貸し切り専用の家族湯も(写真提供:山水園)

アルカリ単純硫黄泉のお湯は、神経や関節の痛み、打ち身、冷え性など効能は多岐にわたります。質感はつるりとしていてとてもなめらか、じんわりと優しく温かさが浸透していく感覚です、気持ちいい~。

国内でも指折りの名物女将が圧倒的パフォーマンス!「西の雅 常盤」の「女将劇場」

最後は湯田温泉の夜のお楽しみを求めて「西の雅 常盤(ときわ)」へ。なんと、同旅館では全国メディアでも度々取り上げられている「女将劇場」が毎晩20時45分から開催されており、宿泊客に限らず誰でも自由に無料で観覧できます。
▲温泉街の西端に位置する「西の雅 常盤」。立ち寄り湯も可能

2017年に52年周年を迎える「女将劇場」は、パンフレットによると、マジック、太鼓演奏など多彩なステージパフォーマンスで構成されている様子。人気の秘密を目の当たりにすべく、早めに良い席を確保しましょう!
▲今や国内でも指折りの名物女将となった宮川高美さん
▲女将を囲む“劇団員”は近隣にある山口大学の学生さんたち。いつの間にか劇場を手伝うサークルのようなものができたのだとか

高美女将の勇壮なかけ声による「トコトンヤレ節」で開演、続いて「SL太鼓」と銘打った太鼓演奏、日本の伝統奇術「胡蝶の舞」、水芸、さらにはマジックショーなど、次々に多彩な演目が繰り広げられます。
▲人気の水芸。芸をしながらの女将のトークに会場も大盛り上がり
▲照明が消えたかと思えば、今度は女将扮する白狐がさっそうと登場!

その中心には常に女将がいて、時にとても70歳代とは思えないほどの派手なアクションも!度々お客を巻き込んでのコミカルなやりとりも交えながら、ひたすら全力なパフォーマンスに、きっと誰もが「驚き」と「笑い」の“女将ワールド”に引き込まれることでしょう。
▲最後はこちらも女将による大技「髪筆文字」で締めくくり。筆として使っているのは、なんと女将の地毛!(いつものスタイルは、実はかつら)

「見た人が元気になれるように」と思いが込められた女将の全力パフォーマンスに圧倒されっぱなしの60分。持ちネタは86もあり、水芸や髪筆文字などの人気ネタ以外は日替わりで上演されるそう。湯田温泉を訪れるたびに、たとえ別の旅館に泊まっていても「女将劇場」に必ず足を運ぶ人も少なくないのだとか。
山陽随一の名湯・湯田温泉を満喫する一日、今回紹介したスポットはほんの一握り。幕末や詩人・中原中也など、歴史や文学に関心があるならさらにディープな楽しみ方もできますよ。

また、毎年4月初旬に開催される「湯田温泉白狐まつり」(2017年は4月8日・9日)では、指定旅館の内湯開放や、幻想的な「白狐の嫁入り松明行列」など、普段では体験できない内容が盛りだくさん。
▲「白狐の嫁入り松明行列」。公募で選ばれたカップルの後に白狐の姿をした約100人の子どもたちが松明を持って続く(写真提供:湯田温泉白狐まつり実行委員会)

日帰りも良し、宿泊すればなお良し。「山水園」「常盤」はもちろん、立ち並ぶ旅館も素敵なお宿ばかり。何度も「湯田温泉」を訪れているうちに、きっと狐たちもうっとり見とれるほどの美肌になっているはずです。
兼行太一朗

兼行太一朗

記者兼営業として、地元山口の地域情報紙に14年間勤務。退職後はNPO法人大路小路ひと・まちづくりネットワークに籍を置き、守護大名大内氏や幕末における歴史資源の取材に携わる。同時にフリーライターとして活動しながら、たまに農業も。自称ネコ写真家。(編集/株式会社くらしさ)

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