世界で唯一!温泉に入る野生のサルを見に「地獄谷野猿公苑」へ

2017.03.08 更新

長野県を代表する一大スノーリゾート、志賀高原。日本最大級の広さと多彩なコースを誇るスキー場をはじめ、優れた温泉がいくつもあることで知られています。なかでも、世界で唯一(株式会社地獄谷野猿公苑公表)、温泉に入る野生のニホンザルが見られる「地獄谷野猿公苑」は外国人に大人気。「スノーモンキー」とよばれて親しまれています。

一大スノーリゾート・志賀高原の魅力

北信濃、上信越高原国立公園の志賀高原スキー場は、日本最大級の規模や良質な雪質をシーズン通して楽しめる一大スノーリゾート。全19カ所のスキー場が揃い、面積とリフトの数、標高の高さ(2,307m)は日本トップクラス。長野県内でも高い人気を誇ります。
▲大小19のスキー場が揃う「志賀高原スキー場」。長野県でも人気なスキー場のひとつ

コースも初心者から上級者向けまでさまざまあり、1998(平成10)年には長野五輪アルペン競技の主要会場のひとつとして、72の国(地域)の選手たちによる激戦が繰り広げられました。その景観もすばらしく、毎年11月中旬から、標高の高い上層部では5月連休までスキーやスノーボードが楽しめます。
▲とにかく広くたくさんのコースがある志賀高原。ファミリー層からカップル、年配の方まで幅広い世代で楽しめます

温泉に入る姿が人気!地獄谷野猿公苑の「スノーモンキー」

そんな志賀高原で、世界で唯一、温泉に入る野生のニホンザルを間近で観察できるとあって、圧倒的な支持を得ているのが「地獄谷野猿公苑」です。こちらでは、観光客による餌付けを禁止しているため、人に関心がない自然の姿のサルを眺めることができます。

温泉は常設されていますが、特に入浴シーンを見られるのは寒い時期。そこで、冬場は他のシーズンよりも多くの観光客が訪れます。
▲温泉に入ってくつろぐサルたち。予想以上に近くで見ることができて感激です!

近年は外国人観光客からも親しまれ、世界最大級の旅行口コミサイト『トリップアドバイザー』の「外国人に人気の日本の観光スポット2015」では、ちゅら海水族館や金閣寺といった観光地をおさえて第6位にランクインしました。

山道を30分ほど歩かないとたどり着けないというアクセスながら、1年間の外国人観光客は約3万人。1日の訪問者のうち日本人が3割に満たない日もあるそうで、実際に私が足を運んだ時も、ほとんどは海外からの旅行客でした。
▲このような山道を30分ほどかけてようやくたどり着きます
▲温泉に入るサルの周りには外国人観光客がたくさん!

そもそも、こちらの開苑のきっかけは、1952(昭和27)年に日本初のスキーリフトが設けられて以来の志賀高原のスキー場開発にあります。急激に進んだ開発により、生息地を追われた野生のサルがふもとの町に現れ、農作物が被害を受けていました。

そこで「エサが足りていれば田畑への被害はなくなるのではないか」という発想から、地元の長野電鉄職員・原荘悟さんが、地獄谷温泉の一軒宿「後楽館」と長野電鉄山岳部の協力を得て餌付けに取りかかり、構想から約5年を経た1962(昭和37)年の春、とうとう警戒心の強い野生のサルを手なずけることに成功。「後楽館」周辺にはサルの群れが現れるようになりました。
▲「地獄谷野猿公苑」に隣接する渓谷沿いの一軒宿「後楽館」。秘湯の趣が漂います
▲公苑横には大噴泉も。絶えず 噴煙が上がることから「地獄谷」という名がつきました

ある時、好奇心旺盛な子ザルが寒さをしのぐために「後楽館」の露天風呂に入りました。すると、徐々に仲間のサルもつられて温泉に入るように。その気持ち良さそうな表情が『朝日新聞』に掲載されると、全国的に地獄谷のサルへの注目度が高まりました。その結果、公苑として整備をすることで観光地化を進めようとの意見があがり、1964(昭和39)年、「地獄谷野猿公苑」が開苑したのです。
▲「地獄谷野猿公苑」ができたことで、サル専用の露天風呂も完成
▲子ザルも温泉を楽しんでいます

1970(昭和45)年には、米国雑誌『LIFE』の表紙に「地獄谷野猿公苑」のサルが”Snow Monkey”として掲載され、一躍注目をあびるようになりました。開苑から地道に築き上げた人とサルとの適度な距離感が、今や世界的な人気へとつながっています。
▲パイプで温まるサルも。かわいい!

そんな「地獄谷野猿公苑」ですが、豪雪地帯で日陰も多いため、訪れる場合は暖かい日でも防寒対策を万全に。また、山道を歩くので、歩きやすい靴は必須です。そして、ここのサルは人が近づいても威嚇もしなければ餌もねだらず、真横を通り過ぎても平然と毛繕いをしていますが、荷物はしっかりとフタのしまるバックに入れ、背負うか斜め掛けに。ビニール袋を手に持つことは厳禁です。
▲公苑内にはサルを見る時の注意書きもあります。絶対に守りましょう!
▲公苑入口の小屋では、サルの生態を学ぶこともできます

情緒あふれる温泉街で楽しむのもまたよし

地獄谷温泉以外にも、優れた泉質と豊富な湯量を誇る温泉がいくつもあるのも志賀高原の魅力。よく知られるのが、9つの温泉からなる「湯田中渋温泉郷」です。志賀高原から流れ出る横湯川と角間川の渓谷に沿って湧く温泉の総称で、なかでも渋温泉と湯田中温泉は、スノーモンキーが見られる公苑に近い人気の温泉地として知られています。
▲渋温泉には9つの共同浴場(外湯)があり、宿泊者は外湯めぐりを楽しむことができます(渋温泉9番湯「大湯」のみ日帰り客も利用可能)
▲長野電鉄・湯田中駅には日帰り入浴施設「楓の湯」が併設されており、値段もリーズナブル(大人300円・小学生150円 ※ともに税込)。駅前には誰でも気軽に利用できる足湯もあります
▲穏やかな空気が流れる湯田中温泉街の街灯はニホンザルがモチーフ

なお、各温泉地から「地獄谷野猿公苑」に行くには、車かタクシーで「野猿公苑専用駐車場」に向かい、そこから約30分歩きます。公共交通利用の場合は、「白根火山線・ 奥志賀高原線」か「上林線」の路線バスに乗車し、「上林温泉(地獄谷野猿公苑)」か「スノーモンキーパーク」バス停で下車。そこから徒歩5分の「野猿公苑専用駐車場」に向かい、さらに徒歩30分です。

また、冬季(12月23日~3月末)の週末は渋温泉~地獄谷駐車場間で「スノーモンキーホリデー観にバス」が運行されます(予約制)。お問い合わせは渋温泉旅館組合(TEL0169-33-2921)まで。

毎年3月に開催される「スノーモンキービアライブ」にも注目

さらに、ウインターシーズンの志賀高原で楽しみたいイベントが、2017年で6回目の開催を迎える「SNOW MONKEY BEER LIVE(スノーモンキービアライブ)」です。国内トップレベルのクラフトビールのブルワリーと、多彩なジャンルのアーティストが勢揃いする2日間。

音楽を楽しめることはもちろん、各社の醸造家たちが実際に会場に足を運ぶので、造り手の説明を聞きながら100銘柄以上揃う樽生ビールを選ぶことができるのが魅力です。
▲各ブルワリーの醸造家がズラリと顔を揃える貴重な機会!

このイベントだけの限定ビールや初お披露目となる新作ビールが各社から登場するので、ビール通も飽きることがありません。そのうえ、全てのチケットにイベント特製のオリジナルビアグラス付きなのもうれしい!
▲「SNOW MONKEY BEER LIVE 2016」の特製グラスは「雪猿」のイラストが入ったもので、ドイツsahm社製。2017年も特製グラスが登場予定です
▲主催の玉村本店・志賀高原ビールのコンセプトは「自分たちが飲みたいビールを造る」。志賀高原の湧水と、厳選された麦芽や自家栽培のホップを使って仕込んでいます

2017年は3月18日(土)・19日(日)に開催されます。イベントは3部構成で、チケットは各部券(税込前売券4,500円/当日券5,000円)、2部券(税込前売券7,000円/当日券7,500円)、全部券(税込前売券9,500円/当日券10,00円)と多彩な組み合わせで販売されています。
▲「SNOW MONKEY BEER LIVE 2017」のチケット
世界でもここでしか出会えないスノーモンキーはもちろん、ウインタースポーツや温泉、そしてクラフトビールとライブ。冬こそアツいこの時期に、志賀高原にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか!
島田浩美

島田浩美

編集者/ライター/書店員。長野県出身・在住。信州大学卒業後、2年間の海外放浪生活を送り、帰国後、地元出版社の勤務を経て、同僚デザイナーとともに長野市に「旅とアート」がテーマの書店「ch.books(チャンネルブックス)」をオープン。趣味は山登り、特技はマラソン。体力には自信あり。(編集/株式会社くらしさ)

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
PAGE TOP