700円で露天風呂貸切も!「箱根宮ノ下」知る人ぞ知る立ち寄り温泉3選

2017.04.17 更新

箱根と言えば、国内屈指の温泉リゾート。老舗温泉旅館からハイグレードなリゾートホテルまで多くの温泉宿や日帰り温泉が点在しますが、箱根には意外とまだ知られていない秘湯もあると聞きます。今回は、箱根湯本と強羅、小涌谷の中間あたりに位置し、箱根七湯のうちの4湯が集中する宮ノ下で、知る人ぞ知る3つの立ち寄り湯を訪ねてきました。

あの豊臣秀吉も訪れた!「箱根七湯」が集中する宮ノ下

レトロな街並みが人気の宮ノ下は、箱根湯本から箱根登山鉄道で約30分、強羅や「彫刻の森美術館」からも近く、旅の途中に立ち寄る人も多い箱根の観光スポット。開湯はなんと奈良時代。明治時代以降は「富士屋ホテル」を中心に多くの著名人や外国人観光客が訪れる、温泉リゾートとして独自の発展の歴史を遂げてきました。
街歩きのイメージが強い宮ノ下ですが、江戸時代から続く「箱根七湯」のうちの4つの温泉場、宮ノ下、底倉、木賀、堂ヶ島が集中しており、太閤と称した豊臣秀吉の湯治場としても有名です。箱根登山鉄道の宮ノ下駅を拠点に、早速立ち寄り湯めぐりのスタートです。

1.箱根の山々を一望するロケーション!
9つの湯と貸し切り個室「箱根てのゆ」

まず訪れたのは、かつての老舗旅館の跡地を利用した立ち寄り湯「箱根てのゆ」。宮ノ下駅からは徒歩で約15分、箱根湯本駅からも箱根登山バスで約20分「木賀温泉入口」バス停の目の前に位置します。山の斜面を活用した建物は、外から見るとかなり大きく、まるで規模の大きな温泉宿のようです。比較的規模が大きく、食事処や手もみ処などの施設も充実しているので、一日中ゆったり温泉を楽しみたい人におすすめの立ち寄り湯です。
入口を入ってエレベーターでフロントへ向かい受付をすませば、裸足で過ごせる広い館内へと案内されます。料金はフェイスタオル・バスタオル付で大人1,300円。希望すれば館内着のレンタル(500円)もあるので、手ぶらで行っても安心です。
▲館内着は作務衣スタイル。ゆったり寛げます

こちらのお風呂は、底倉温泉を源泉としており、露天風呂には源泉掛け流し大岩風呂(2カ所)、樽風呂、壷風呂、石風呂、寝湯の6種類、内風呂には桧風呂、ジェット風呂、掛け湯の3種類と低温サウナが楽しめます。なかでも大岩風呂からは、四季折々に変化する箱根の山々が一望でき、トレッキングやランナーたちの立ち寄りスポットにもなっているそうです。
▲男風呂、女風呂は定期的に入れ替え。どちらも箱根の山々が見渡せる絶好のロケーション
▲樽風呂、壺風呂では温泉の風情が楽しめます
▲檜の香りと肌さわりがよい、内風呂でさっぱり!

泉質はさらりとした弱アルカリ性のナトリウム塩化物泉。ぽかぽかと体の芯から温まります。シャンプー、コンディショナー、ボディソープは備え付け。清潔なロッカールームにはドライヤーも設置されています。
▲雨や雪のときには竹笠をかぶって
湯あがりは大小3つある休憩処から好きな場所を選んで寛げます。畳のうえでごろりと横になって少し違う角度から箱根の山を眺めてみるのもよし、備え付けの枕を使って、仮眠をとるもよし。さらにリラックスするなら、館内のマッサージチェアや手もみ処を利用するのもありです。
▲休憩処。大人数の場合は貸し切りもできるそう(要予約)

箱根の地名がつくご当地メニューがずらり
食事処で箱根の味覚を満喫!

食事のメニューも充実しています。食事処「箱根路」では、地元素材を扱った本格的な料理が味わえます。おすすめを伺ってみると、神奈川県産・相州牛のハンバーグや早川渓流のニジマスなどを使ったメニューが人気とのこと。
なかでもおすすめは「箱根山麓豚のしゃぶしゃぶ御膳」と「仙石原野焼きナポリタン」。早速いただいてみることに。
▲「箱根山麓豚のしゃぶしゃぶ御膳」(1,980円)。しゃぶしゃぶ鍋、季節の天ぷら、地元豊島豆腐店のおぼろ豆腐など全10品でこのお値段!山麓豚はやわらかくジューシー!
▲「仙石原野焼きナポリタン(サラダ付)」(980円)。仙石原のススキ草原の野焼きとアツアツの鉄板をかけて命名されたのだとか ※飲み物は別途
鉄板に半熟玉子とナポリタンをのせ、まぜまぜしながらいただきます。昔懐かしいやや濃厚なケチャップ味に鉄板焼きの香ばしさ、さらに玉子をからめたまろやかさも加わって新鮮な味!早目に混ぜることで、玉子の熟し方も調整できます。

メニューには地酒の吞みくらべセット(800円)などもあります。湯あがりに昼から一杯。贅沢ですね。

お部屋と露天風呂を貸し切り!
3つの個室家族風呂も人気

さらに「箱根てのゆ」には、“山桜”、“紫陽花”、“紅葉”という名の3つの個室家族風呂があり、各個室専用の玄関を入ると6畳の和室にテレビも完備。外には専用の露天風呂(山桜には桧風呂、紫陽花は壺風呂、紅葉は岩風呂)があり、親しい人だけでプライベート温泉を堪能できます。紅葉や深緑の季節には、特に人気が高いそうですが、平日なら比較的空いている日もあるので、誰にも邪魔されずに温泉を楽しみたい人は、予約がおすすめです。
▲料金は2時間制で平日1人あたり3,400円、土日祝4,000円。延長30分1,100円(平日17時以降、土日祝18時以降は夕方割引あり)電話での予約は1ヵ月前、インターネットでの予約は3ヵ月前から ※別途入館料がかかります
箱根に来たのだからいろいろなお湯をゆっくりと楽しみたい!そんな方はぜひ「箱根てのゆ」へ温泉三昧に訪れてはいかがでしょうか。

※記載の価格はすべて税込

2.700円で貸し切れるレトロな温泉「凾嶺」
野趣あふれる露天風呂をひとり占め!

「箱根てのゆ」の向かい側の道を少し下ると、深緑の木々の奥に佇むレトロな洋館。看板がなければうっかり見落としてしまいそうなこの桜色の洋館が立ち寄り湯「凾嶺(かんれい)」です。
こちらは、知る人ぞ知る温泉にこっそりと訪れてみたい人におすすめの秘湯です。
▲もとは医院だったという洋館は大正時代の建物

一見すると普通の民家のようですが、扉の中に入ると受付があり、ここで料金(700円)を払って約1時間貸切でお風呂を利用することができます。
お風呂は洋館の中にあるのではなく、建物の脇を少し下った離れにあります。離れに入ってすぐに脱衣所があり、さらに引き戸の先に、渓谷の岩肌につくられた贅沢な岩風呂が出現します。
▲竹林のさわさわとした風が心地よい岩風呂はまさに秘湯!一年を通して森林浴が楽しめます
お湯は、無色透明でさらりとした弱アルカリ性。約70度ある源泉に加水して湯温調整をしているそうです。お風呂は3~4人で入っても十分手足を伸ばせる広さ。洗い場とお風呂、脱衣所のシンプルな作りですが、風通しもよく清潔に保たれていて、ゆったりと寛ぐことができます。
▲湯あがりは、離れの前で渓谷の景色を堪能!ビールが美味しそう

明治時代「富士屋ホテル」のオープンにともなって開業した医院は、その後ペンションや保養所を経て、現在の立ち寄り湯となりました。大正時代に建てられたというこの洋館は「富士屋ホテル」を手掛けた大工さんの手によるものだとか。医院だったころの名残が随所に感じられ、それだけで一見の価値があります。
▲待合スペースで、しばしタイムスリップ
▲こちらも医院の頃の名残。お薬を渡す窓口でしょうか
▲窓枠や擦りガラスにも歴史を感じます
色で例えるなら、セピア色がぴったりな風情。この空気感と景観をたった700円でひとり占めできてしまう贅沢は「凾嶺」ならでは!
ご家族や友人、恋人など、親しい人とぜひ訪れてみてください。運がよければすぐに利用できますが、予約で埋まってしまっている場合も。できれば事前予約がおすすめです。
知る人ぞ知る秘湯に行ってみたい人や、手軽に貸切風呂を利用したいカップルや女子旅、小さなお子さんのいる家族旅行にもおすすめの隠れ家的な立ち寄り湯です。

※記載の価格はすべて税込

3.地元に愛される名湯中の名湯「太閤湯」。
ワンコインで利用できるコスパも魅力!

続いては、「富士屋ホテル」のほぼ真向いに位置する「太閤湯」を訪れました。こちらは宮ノ下の自治会が運営している共同浴場で、平日は地元の方の利用がほとんど。宮ノ下駅からも近く、アクセスの良さも魅力です。

お湯は、やはり底倉温泉から引いた弱アルカリ性。秀吉が湯治場として利用していた土地柄なだけに、もしかして本人が入ったからこの名前?と管理人の方に名前の由来を伺ったところ「それは太閤石風呂(いわぶろ)ですよ」とのこと。太閤秀吉が訪れた地、宮ノ下を代表する浴場として、命名されたそうです。
▲建物に宮ノ下の長い歴史を感じます
▲入口には開業当時の入浴チケットが展示されていました。なんと利用料は5厘!
▲こちらのタオルは旅の記念に買っていく人も多いそう。タオル各200円
早川渓谷側に位置するL字型の浴槽は少し広め。入口側にも小さめの浴槽が2つあります。数年前に脱衣所や洗い場をリニューアルしたそうで、手入れが行き届き、清潔感があります。
▲こちらのお風呂からは、早川渓谷が眺められます

こんこんとあふれ出るかけ流しの温泉は温度が高いため、水を足してお好みの温度で入ります。最初は少し熱いと感じますが、透明で新鮮なお湯に浸かれば、さっぱりした気分に!あがった後しばらくは体がぽかぽかしています。
▲やや小さめの浴槽でも、足を伸ばしてゆったりくつろげます
ぶらり一人旅で訪れた人や街歩きの途中で立ち寄りたい人、地元に愛される名湯を知りたい人、温泉の効能を肌で感じてみたい人におすすめの名湯です。

※記載の価格はすべて税込

少し足を伸ばして「太閤石風呂」へ

せっかくなので、底倉温泉の源流にほど近い、「太閤石風呂」にも立ち寄ることに。「太閤石風呂」は秀吉が小田原攻めの際、将兵をねぎらうために作ったいわれる岩風呂です。「太閤湯」から歩いて2~3分、蛇骨川(じゃこつがわ)の流域にある「太閤石風呂通り」を登ったところにあるそうです。
▲太閤の石風呂通り入口。右手には蛇骨川がごうごうと音をたてて流れています
▲流れの激しい蛇骨川には滝もあります

少し歩くと、右手に見えてきました。現在は関係者以外立ち入り禁止で近くまで行くことはできませんが、しめ縄が飾られているため、遠目からその姿をとらえることができます。
▲遊歩道の上から柵越しに見下ろすと、ありました。あれが「太閤石風呂」
▲今は温泉が枯れてしまっていますが、かつては湯けむりがあがっていたそう
今回ご紹介したのは宮ノ下の中でも、底倉温泉を源泉とする立ち寄り湯ですが、宮ノ下には堂ヶ島温泉や木賀温泉など、泉質の違う温泉がまだまだあります。近隣の温泉宿にも気軽に立ち寄ることができるので、宮ノ下を訪れた際は、バリエーション豊かな箱根の湯を楽しんでみてください。地元の人しか知らない秘湯に出合えるかもしれませんよ。
平間美樹

平間美樹

某広告代理店で情報誌・Webサイト等の広告企画・制作を経て独立。現在、企画制作会社CLINK(クリンク)を運営し、結婚・進学・就職・旅行など幅広い分野で企画・ライティング活動中。テニス・フラ・猫にハマる日々。 テニス観戦でグランドスラムを達成するのが目下の目標。

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