古さと新しさが出合う町「箱根宮ノ下」ノスタルジック散歩

2017.05.01 更新

東京や名古屋からのアクセスは約1時間半、箱根は東西の観光客でにぎわう言わずとしれた観光スポットです。温泉や美術館めぐり、春夏秋冬の山の景観など、楽しみ方もいろいろですが、初めて訪れる人だけでなく、リピーターにもおすすめなのが宮ノ下の町歩き。ノスタルジックな建物や足湯が楽しめる新感覚Cafeなど、新旧の名所が融合する宮ノ下でのんびり日帰り旅を楽しんできました!

▲宮ノ下のシンボル「富士屋ホテル」。名門ホテルとともに栄えた町並みを歩きます

地図を片手に、町めぐりスタート!

宮ノ下は明治11(1878)年の「富士屋ホテル」の開業とともに、温泉リゾート地として発展してきた町。郵便局や銀行など、明治・大正期の建物が点在し、見ているだけでノスタルジックな気分に浸れます。外国人観光客が多く訪れたことから、和洋扱う骨董屋さんやモダンな寄木細工の揃うお土産物屋さんが軒を連ね、お買い物やウィンドウショッピングを楽しむ人で賑わいます。

町めぐりのスタート地点となる宮ノ下駅へは、箱根湯本駅から箱根登山鉄道で約30分。箱根登山鉄道名物スイッチバックを体験しながらゆっくりと向かいます。小田原から向かう場合は箱根登山バスを使えば、約20分で到着します。
▲レトロな駅舎。のんびりとしたムードが漂います

駅を降りると、すぐに町をガイドする看板が目にはいります。ほぼ同じものが観光案内所でももらえるので、まずはあじさい坂を下って、駅から2~3分の観光案内所をめざします。
▲看板左上に設置されたアート作品(ランチュウ)にも注目!アート作品は町に5カ所ほどあるので、それを探すのも楽しみの一つ

観光案内所でイラスト入りの地図をゲットしたら早速町歩き開始。案内所のある国道1号線、別名「セピア通り」を歩いていきます。

ノスタルジックな町並みを堪能!
セピア通りはフォトスポットが点在

セピア通りには「富士屋ホテル」を始め、明治・大正期に建てられた古くておしゃれな建物や、すばらしい景観がのぞめる場所などフォトスポットも点在。

シャッターチャンスを伺いながら、道沿いを歩いていくと、最初に目にとまったのが、宮ノ下の時代の変遷を4代にわたって撮り続けてきた「嶋写真店」です。
▲「嶋写真店」。創業は明治11(1878)年。「富士屋ホテル」とともに歴史を刻んできました

TVや雑誌でも多く取り上げられている名所中の名所ですが、やっぱりまずはここで、宮ノ下の歴史をじっくり観察。ショーウィンドウには、かつて訪れた有名人の写真がずらり。え~!この人も!?という歴史上の偉人にもお目にかかれますよ。家族やお友達と旅の思い出になる記念撮影もおすすめです。
▲4代目店主の嶋幸嗣(こうじ)さん。せっかくなら2階にあがって記念撮影をしてもらいましょう(レトロ調セピア写真カラー1カット5,400円~・税込)

店内には観光案内所同様、イラスト入りの地図が何種類か置いてあり、それをいただくことも可能。
嶋さんにおすすめのスポットを伺ったところ、早川渓谷が見下ろせるフォトスポットを教えてもらいました。歩いてすぐなので、他のスポットに立ち寄りながら、そちらに向かってみることに。
次に訪れたのは「熊野神社」。「嶋写真店」の横にある脇道を入ると長い階段があり、そこを登り切ったところにある「熊野神社」は、宮ノ下にある温泉の守護社として建てられた、いわば温泉の神様。無人でひなびた感じではありますが、趣きがあり、素敵な写真が撮れます。温泉好きな人は、ぜひ立ち寄ってみては。
▲知る人ぞ知るパワースポット。別の角度から「富士屋ホテル」を眺めることもできますよ
「熊野神社」のすぐ隣、宮ノ下のメインスポットと言えば、やはり名門「富士屋ホテル」。明治11(1878)年の開業以来、140年近くにわたり、日本のリゾートホテル業界を牽引してきました。明治26(1893)年から大正元(1912)年までは外国人専用ホテルとして営業していた時代もあるそう。洋風でモダンな雰囲気は今も健在、訪れる人をラグジュアリーな気分で満たしてくれる存在です。
▲チャールズ・チャップリンやヘレン・ケラーも宿泊。いつかは泊まってみたい憧れのホテル

建物内はもちろん、庭園やロビーラウンジも見どころ満載。宿泊客でなくてもお茶ができるので、お時間に余裕があれば立ち寄ってみるものおすすめ。敷地内のベーカリー「ピコット」のアップルパイも大人気なので、お土産にもおすすめです。
「富士屋ホテル」を過ぎたら、嶋さんおすすめの早川渓谷が臨めるスポットへ。「富士屋ホテル」の斜め向かいにあるコンビニの駐車場付近から、渓谷を見下ろすことができます。
▲山林に囲まれているため、渓谷を見られるスポットは意外にも少ないのだとか。迫力があります

レトロが可愛い!どこか懐かしい
看板やパッケージに注目

セピア通りには、明治時代創業のお店や建物もいっぱい。アートでレトロな雰囲気を味わえるお店「カフェ・ド・モトナミ」は大正時代にできた「富士屋ホテル」のバス待合所をリノベーションしたカフェ。「富士屋ホテル」の道をはさんでほぼ向かい側に位置します。店内にはアンティーク小物やアート作品が置かれ、まるでアートギャラリーのよう。
▲カラフルなパフェの看板に誘われて。レトロな外観の可愛さにもマッチしています
▲ハンモックもある2階にはドイツ製のアンティークオルゴール(写真中央)。リクエストすると音色を聴かせてもらえます
▲あれ?このランチュウはどこかで…
▲店主の元波さん。10年ほど前にここでカフェを開店。その際にほぼ元のとおり建物を再生したそうです

こちらの名物は小豆をアレンジしたスイーツ。小豆パフェやぜんざい、きなこアイスなど和テイストなスイーツをコーヒーと一緒にいただけます。町歩きの途中で立ち寄るのにおすすめです。
続いてレトロな缶とパッケージが若い人に大人気、創業明治12(1879)年の「川邉光栄堂」へ。「富士屋ホテル」の並びにあります。創業以来変わらない工法で1枚1枚おせんべいを手焼きしています。
おせんべいと言っても、卵とバター、小麦粉を使った、どちらかというと少ししっかり目の和風クッキーのよう。かつてはこのあたりの鉱泉を使って作っていたことから「鉱泉煎餅」と名付けられ、滋養によいとされていたそうですよ。
▲創業当時から変わらないレトロな缶とパッケージが可愛い!食べ終わったら何を入れよう?
たくさん入っているのでお土産にも喜ばれます。薄目でサクッと何枚でも食べられそう。自宅用にもおすすめ。(大/21枚入り1,620円、小/16枚入り1,300円 ※ともに税込)

今も昔もかわらない。
宮ノ下のソウルフードと言えばこの2つ

明治24年創業の老舗のベーカリーといえば、知らない人はいない「渡邊ベーカリー」。箱根に来たら、必ず立ち寄るという人も多いのでは?ここのシチューパンは今や宮ノ下を代表するローカルフードの一つ。本格的なビーフシチューと焼きたてフランスパンの絶妙なコンビネーションがたまりません。
▲「シチューパン」(575円・税別)は店内か外のベンチでいただけます。器部分のパンももちろんいただきます
▲笑顔が温かい、5代目店主の渡邊貞明さん。日々新しい商品を開発しています

シチューパンもさることながら、みかんパン、梅干しあんパンなど変わり種パンも「渡邊ベーカリー」ならでは。季節限定商品もあるので、行くたびに違う味が楽しめそうです。
続いては、手作り豆腐の「豊島豆腐店」。職人気質の店主が、毎日手作りしている汲み豆腐をその場でいただけると、ちょっとしたブームなのです。味はプレーンとゴマの2種類。
まずは何もかけずにいただいて、豆腐本来の優しい味わいを楽しみましょう。とろけるような食感と風味に驚きます。
▲「汲み豆腐」(写真手前・230円)と「汲み豆腐(ごま)」(250円)はその場でいただけます。写真奥はお土産用(それぞれ340円、380円)※すべて税込
▲4代目店主の好男さん。笑顔で迎えてくれました
「豊島豆腐店」の道をはさんで反対側には蛇骨川(じゃこつがわ)沿いの遊歩道「太閤岩風呂通り」があり、迫力ある蛇骨川と太閤と称した豊臣秀吉が小田原攻めの際、兵のために作ったという岩風呂を眺めることができます。

今と昔をつなぐ、古民家再生がテーマの
カフェ&ご飯やさん

実は宮ノ下は、古くから栄えた土地柄だけあって、世代交代によって空き家になってしまった家屋もたくさんあるのだとか。最近はそんな古民家や郵便局を再生したゲストハウスも続々と誕生し、外国人観光客の人気を集めているそう。

2011年にオープンした宮ノ下駅前の「宮ノ下食堂 森メシ」も、古民家をリノベーションした食堂です。
▲昼は食堂、夜は居酒屋として賑わいます
▲古民家をリノベーションした店内。窓側のカウンター席からは箱根の山が一望できる絶好のロケーション
▲こちらが人気メニューの「あじ彩丼(小鉢とお味噌汁と香物付き)」(1,280円・税別)ゴマ油のいい香り

アジを中心に、ブリ、カンパチ、タチウオなど日によって変わる小田原産の刺身に、大根・キュウリ・しば漬けを入れてアジサイの花のように丼に盛り付け。見た目もキレイなうえ、シャキシャキとした食感が楽しめます。
▲17時以降は居酒屋に。地元のお酒が飲める店として評判。終電ぎりぎりまで飲んでいるお客さんもいるそうですよ
▲森メシのスタッフ。左から石井さん、中村さん、岡田さん
森メシのお隣にある「NARAYA CAFE(ナラヤ カフェ)」では無料で足湯が楽しめると評判。店内で食べ物や飲み物をオーダーして、足湯に入りながらいただくこともできます。実はこちらの店主さんはその名の通り、300年を超える老舗旅館「奈良屋旅館」の14代目。建築関係の仕事をされていましたが、2001年の旅館閉館を機に進路変更し、地元の町づくり、コミュニティづくりの拠点として、2007年に「NARAYA CAFE」をオープンしました。
▲こちらの建物は「奈良屋旅館」の従業員の寮だった建物をリノベーション。かつて旅館で使われていた照明や道具類が今も息づいています
▲「NARAYA CAFE」名物、ひょうたん型のもなか、「ならやん+抹茶のセット」(650円)。ならやん単品でも販売しています(200円)。パリパリの皮としっとり程よい甘さのこし餡がお抹茶とよく合います ※どちらも税込
▲こちらも名物「ならやパフェ」(500円)。カプチーノ(400円)と一緒にいただきました。餡とソフトクリームが絶妙にマッチ!大人が楽しめるパフェです ※どちらも税込
カフェにはお土産ものを扱う「ならやあん」も併設。ここでは地元アーティストの作品も月替わりで展示・販売しています。木の温もりが感じられるここだけのお土産は年代に関わらず人気です。
▲ひょうたんの焼き印は「奈良屋旅館」のもの。今では「NARAYA CAFE」のアイコンになっています
▲ひょうたん型のアイテムもいっぱい。古さと新しさが見事に融合しています。写真奥左からてぬぐい(480円)、てぬぐいお弁当袋(950円)、くすの木エコブロック桐箱入り(650円)、写真手前左からカットボード大(各4,050円)、ひょうたんトレー小(2,970円)、カクカク皿小(各1,420円)※すべて税込

まだまだ見どころ満載。
宮ノ下は奥が深い!

古さと新しさが融合して、時を経た積み重ねが楽しめる街、宮ノ下。2~3時間もあればまわれるので、しばし非日常を楽しむにはピッタリです。また、このあたりには立ち寄り湯もあるので、温泉+街歩きのプランもあり。
脇道に入れば、箱根神社の分社などのパワースポットや、美味しいお酒が飲めるディープな大人のお店など、まだまだ宮ノ下は奥が深い。テーマを決めて何度でも訪れたい街です。
箱根を訪れた際は、ぜひ宮ノ下まで足を伸ばしてみてください。
▲旅のお土産はやっぱり「ならやん」。こしあんの瓶詰付き4個入り(850円・税込)
平間美樹

平間美樹

某広告代理店で情報誌・Webサイト等の広告企画・制作を経て独立。現在、企画制作会社CLINK(クリンク)を運営し、結婚・進学・就職・旅行など幅広い分野で企画・ライティング活動中。テニス・フラ・猫にハマる日々。 テニス観戦でグランドスラムを達成するのが目下の目標。

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