金沢で加賀友禅染め&きもの着用体験/クリエイター女子が行く!vol.25

2017.04.24

こんにちは。フリーでイラストレーターをしています五島です。「ものづくりに興味はあるけどどこで体験できるのか分からない、なかなか行動に移せない……」この企画は、そんな悩めるあなたのために、クリエイター女子を代表してわたくしが全国各地で「ものづくり」を体験しまくります。そして、ものづくり体験の思い出を描き下ろしのイラスト付きでお送りします!前回は大阪で包丁作りを体験しました。さてさて今回は……?

改めまして皆さん、こんにちは。

実は約9ヵ月ぶりの連載更新となる、このクリエイター女子旅。
久々のものづくりに少々緊張気味ですが、楽しんでまいりましょう。

それでは早速、レッツゴ~!

クラクラするほど鮮やかで

▲大きなちょうちんに、加賀友禅の文字

ということで、やってきました石川県は金沢市。

写真を見てお察しの方もいるでしょうか?
そうです、今回は“加賀友禅の染め体験“をしたいと思います!

加賀友禅とは、金沢で発達した友禅染のスタイル。
特徴としては、繊細な図柄や、藍・臙脂(えんじ)・黄土・草・古代紫の5色を基調とした“加賀五彩“を用いることなどがあげられます。

……か、か、加賀友禅ってなんとなく聞いたことはあるけれど、とにかく高級品なイメージ。
ドキドキ感が高まってきました。
▲立派な門構え

本日お邪魔するのはコチラ、兼六園からほど近くに社を構える「加賀友禅会館」さん。

加賀友禅の拠点であり、手作り体験コーナーのほか、職人の手描き実演や作品展示なんかも行っている施設なんです。
▲館内にはたくさんの作品が

中にお邪魔してまず目に入るのは、1Fの展示スペース(入館料:大人310円、小人210円)。
ズラリと並ぶ加賀友禅は、きものに限らず生地の状態のものも閲覧することができます。
▲職人さんの作業風景も間近で見られます
▲こ、細かすぎる図柄!

私は初めて生の加賀友禅を拝見したのですが、あまりにも上品で繊細で、思わずクラクラしてしまいました。

染め体験、がんばるぞう!
▲先生とご対面

地下にある体験コーナー(入館料無料)に移動して、まずは本日お世話になる前浜先生にご挨拶。

先生、よろしくお願いいたします。

先生「こんにちは、ようこそお越しくださいました。今日はオリジナルのハンカチ作りで友禅染めをしていただきます。この体験は初心者の方にも優しく楽しめますし、何より加賀友禅を身近に感じてもらえると思いますよ。まずはハンカチ地のお色と、好きな絵柄をおひとつずつお選びください」

わあ!ハンカチなら持ち歩けるし、自慢もできそう。
しかも1時間ほどで完成するそうなので、ふらっと気軽に体験できちゃうのが嬉しいところ。
▲どれにしようかなあ

できあがりイメージを見て、3種類のハンカチ地と9種類の絵柄から選びます。
椿など古典的なモチーフはもちろん、金沢のマスコットキャラクター”ひゃくまんさん”の絵柄まである!
どれも綺麗で迷うけど、私は友禅でよく用いられるという牡丹をチョイスしました。
ちなみに、オリジナルの柄やイラストを描くこともOKだそうです。
▲いよいよ体験スタート

可愛らしい朝顔が描かれたエプロン(こちらも友禅染めだとか)を着用し、準備万端。
完全にワクワクしてきたどー!

外ぼかし、それに虫喰い?

▲カラフルなマーブルチョコレートみたい

最初に先生が、加賀友禅の説明をしながらお手本を見せてくれました。

先生「使用する5色の絵の具は、同じ色で濃さを変えたものを2種類ずつ用意しています。これを上手く使い分けて、綺麗なグラデーションを作るんですよ」

なあるほど。これが噂の加賀五彩!
ぜんぶ別の色かと思いきや、濃淡が違うだけなんだ。
▲シワが寄らないよう、枠にハンカチをはめます

先生「さて、まずは横に置いた2種類の手本を見てください。実はこれ、似ているようで違う塗り方をしているんです。上に置いたのが、内側から外側に向けて濃淡をつける“内ぼかし“。下に置いたのが、反対に外側から内側に向けて濃淡をつける“外ぼかし“と言います」
▲笑顔が素敵な前浜先生

先生「外ぼかしで一枚花びらを塗ったとしたら、他のパーツも全て外ぼかしにします。そうして全体を統一することで、グッと立体感が出るんですよ。ちなみに加賀友禅の特徴が“外ぼかし“、京友禅の特徴は“内ぼかし“、と言われています」

へえ~! そんな法則があったとは知らなかった。
今度きものを見かけたら、意識的に観察してみよう。
▲先生のお手本タイム

先生「黒い下絵の線は、糊で描かれています。洗い流すと糊が落ち、白い線が浮き出てくる仕組みなんですよ」

今日はなんだか、はじめて知ることづくしだなあ。
▲先生は筆を2本使い!これは真似するのが難しそう

説明をしてくれながら、先生はあっという間に綺麗なお花を塗り描いてくれました。
サッサッと動く迷いのない指使いに、思わずウットリ。

先生「こんな感じで法則を守れば、あとは色も濃さも自由です。お好きに塗ってみてくださいね」

他にも加賀友禅の特徴として、“虫喰い“なるものがあるそう。
これは、わざと葉の一部を虫に食われたように描くことで、ありのままの自然美を表現しているんですって。

とびきり可愛い世界にひとつ

▲私の番がやってきました

先生のレクチャーをしっかり受けた後は、いよいよ実践です。
ようし。イラストレーターの名にかけて、やったるでー!

せっかくなので、加賀友禅の特徴である“外ぼかし“と“虫喰い“に挑戦してみようかな。
筆にたっぷり絵の具をふくませて、と……。
▲スススーッ

……あわわわ。一筆目って手が震えるなあ。
普段から絵は描き慣れているはずだけど、一発勝負となるとつい肩に力が入ります。
▲体、ガチガチ
▲外側から内側に向け、ゆっくりぼかしを入れていきます

先生「やっぱり絵を描いている方なので、筆使いが上手で素早いですね。お客様によって選ぶ色や制作スピードも違うので、私たちも毎回新鮮な気持ちになります」

わーい!どんなことでも、先生に褒められるのってすっごく嬉しい。
こうして人と触れあい言葉を交わすのも、ものづくり体験の醍醐味ですもんね。
▲声をかけるなオーラがすごい

しかし、ふだん紙にしか絵を描かないから、薄いハンカチに絵の具が大きく滲(にじ)んで焦ってしまう私。
素材によって違うものだなあ~。
▲葉の先が黄色くなっている部分が“虫喰い“

ちょっとはみ出したりしつつ、じんわりと鮮やかな色が広がっていく様子はとっても美しい。
なんだろう、癒し効果がある。
▲ついつい描き足したくなっちゃう

お花全体が塗れたところで、最後に大好きな猫も描いちゃいました。
全貌はまだ内緒です。

先生「わあ!これでさらにオリジナリティが増しましたね。あとは下絵の糊を落として乾かせば、できあがりになります」
▲糊落としの作業開始

数分待って絵の具が乾いたら、冷たいお水にハンカチを浸し、下絵の線を軽くこすります。
▲写真加工無しでこの発色

するするっと糊が落ち、白い線が浮き出てきました。まるで手品のよう!

先生「この作業は“友禅流し“と言って元来、川で行われていたんですよ。今でも浅野川などで雪解けの冷たい水を使い、たくさんの美しい加賀友禅が作られているんです」
▲浅野川で行われる友禅流しのようす

おわりにハンカチを乾かせば、ついに完成ー!
▲デデデデーーーーン

どうでしょう、めちゃくちゃ可愛くないですか?
輝く牡丹を猫がピョーンと飛び越える、お気に入りの一枚ができあがりました。
ちょっとのムラはご愛嬌!

先生「世界にひとつ、五島さんだけのハンカチができましたね。これからもたくさんの方が加賀友禅の美しさに触れてくだされば、私も嬉しく思います」

体験コーナーでは初心者やお子さんでも手軽に染め体験ができるよう、あらかじめ型が用意された型絵染め体験(ハンカチ、トートバッグ)もあります。
歴史を深~く感じる、貴重な体験になりました。
前浜先生、本当にありがとうございました。
▲素敵な先生と記念撮影

女子ならだれでも大興奮

そして本日、これで終わりではないんです。ふっふっふ!
▲一面にきものだらけのお部屋を発見

今日お邪魔した「加賀友禅会館」さんは、なんと加賀友禅の着用体験も行っているんです。
先ほどの染め体験とは別のプランなのですが、着用のみならず最大3時間までのきものレンタルもできちゃうんですって。
これはもう、だれでも着てみたくなっちゃいますよね?ね!?
▲常時、何十種類ものきものが用意されています

着用体験に使用されているきものは全て上下別のセパレート式になっているので、どんな身長・体型の方でも好きなデザインを選んで合わせることができるんだとか。
背が低い私には嬉しいサービスです。
▲初・加賀友禅。着ます!

下駄とバッグも選び、わずか20分ほどで着付け完了。
せっかくなので金沢の観光名所である、ひがし茶屋街に繰り出してみました。
▲じゃじゃ~ん!
▲はんなり

ひゃああ。なんでしょう、この背筋が伸びる感覚。

加賀友禅って色淡く大人っぽいデザインが多い印象だったけど、こういったパキッとした総柄のものもあるんですね。

※本来は雨天時の外出不可ですが、今回は特別に撮影させていただきました
▲ひがし茶屋街にある国指定重要文化財のお茶屋「志摩」さんにお邪魔しました

美しいきものを身にまとうことが、どんなに心地良く幸せなものか。
ものづくりに触れ学んだからこそ、より強く感じました。
▲友禅流しが行われる、浅野川を眺めます

今回は金沢から、友禅染め&きもの着用体験をお届けいたしました。
皆さんもぜひ、訪れてみてくださいね。

日本人に生まれて良かったーーーー!!!!

(おしまい)

(きょうのいちまい)
五島夕夏

五島夕夏

桑沢デザイン研究所卒業。学生時代ロシアの絵本に大きく影響を受け、絵本画家を志す。現在はサロンのレセプションをしながら、イラストレーターとして活動中。

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