尾道・持光寺の「にぎり仏」体験、自分だけの仏様が作れちゃう

2017.05.01 更新

坂道と猫の街、広島・尾道にある持光寺(じこうじ)で「にぎり仏作り体験」ができるのをご存知ですか?「にぎり仏」とは、片手に収まるほどの土の塊をたった一回、願い事を込めながらギュッっと握って作る、自分だけの念持仏。その可愛い風貌に魅了され、にぎり仏を作りに全国から多くの人が訪れています。なんだかご利益がありそうだと思い、ぐるたび編集部しょーこが行ってきました。

▲広島県尾道市の持光寺で作れる、にぎり仏。製作時間はたったの10分!

にぎり仏作りができるのは、JR尾道駅から徒歩約5分の好立地にある持光寺。尾道で人気の「尾道七佛めぐり」で一番最初に巡るお寺です。

尾道七佛めぐりは、尾道を深く知ってもらおうと七つのお寺が宗派を超え結束して企画したもの。すべてのお寺の御朱印(1カ寺300円)を集めると、「満願成就」の印を押してもらえて、色紙を飾る紙掛け軸ももらえます。※専用の御朱印色紙は800円、1カ寺の朱印料含む。
▲JR尾道駅から徒歩約5分の場所にある持光寺

満願成就という言葉の通り、尾道七佛めぐりでは、各お寺ごとに祈願するご利益が異なります。例えば、持光寺であれば「延命祈願」。入り口にある持光寺裏山の日輪山で切り出した36枚の花崗岩で作った大石門をくぐると、巨石が発するパワーで寿命が延びるといわれています。
▲持光寺の「大石門」。うん、確かにくぐるだけでご利益がありそうです!

取材で訪れた2017年2月末、持光寺の境内ではきれいな梅の花が咲いていました。この時期、尾道では桜の花も少しつぼみを付け始めていましたが、桜の見頃は4月上旬。

「尾道の桜だったら、持光寺から約15分ほど坂を登ったところにある千光寺公園がおすすめ。さくら名所100選にも選ばれている桜の名所だからね」と持光寺の松岡昭禮(しょうれい)住職が教えてくれました。
▲持光寺本堂

持光寺では、梅やあじさいなど四季折々で美しい花が楽しめます。
▲本堂前で存在感を放つ、しだれ梅
▲持光寺の境内で咲くきれいな梅の花

予約なしでもOK!約10分でできる「にぎり仏作り体験」

さて、今回の目的であるにぎり仏作り体験。体験料は1,500円。製作から約1カ月後、住職直々に持光寺の「お庭窯」で焼いて、郵送してくれます。※郵送料は別途必要
▲境内に入って少し歩くと……。ありました!にぎり仏の案内板。期待が高まる!

こちらの体験受付は8:00~16:30。予約なしでもOKですが、今回は念のため電話で予約してみました。担当の方によると、体験料金は現地支払いで良く、時間になったら受付に来てとのこと。当日、期待を胸に持光寺の受付に行くと……。
なんだか見慣れないものを発見!
▲木槌!?
▲「ご用の方は木槌・ブザーでお知らせください」との案内が

ブザーを押せば普通に出てきてくれそうですが、あえて木槌を使ってみることに。
▲えいやっ!

中途半端に羞恥心を残していたせいか、あまり音が響かず……。後ろにいたご夫婦と一緒にブザーを押し、無事受付ができました。ちなみにそのご夫婦はこのあと「尾道七佛めぐり」を楽しまれたそうです。

ほどなくして、松岡住職が「にぎり仏作りセット」を持ってきてくれました。
▲にぎり仏作りセット

「え、これだけですか?」

思わず尋ねてしまいましたが、にぎり仏を作るのに必要な材料は本当にこれだけ。しかも所要時間約10分でできてしまうというから驚き!
▲にぎり仏作り体験は受付のすぐ隣でできます。大人数の場合は室内で作るそうです

本当に約10分でできた

早速、にぎり仏作り体験をはじめます。

まずは本体となる土の塊に棒を突き刺します。このあと棒を抜いて中に空洞を作ることで、土を焼く際に効率よく熱を伝えるためです。突き刺すといっても、貫通しない程度で大丈夫。土がけっこう固いので、少し力が必要でした。
▲貫通しない程度にグッと刺します

続いて「にぎり仏」作り体験の目玉とも言っていい、一回ぽっきりの“握り”です。

松岡住職は「一回ギュッと握るだけだからね。二度はないよ」と念押し。一回の握りに願いを込めて、とのことでした。
▲「こうして念を送ってね~」と松岡住職
▲いざ!ギュッ
▲ぱっ!

松岡住職の教え通り、ギュッと一握り。今回は写真撮影の関係で握る前に棒を抜いてしまいましたが、実際は形崩れを防ぐために棒を入れたまま握ります。

その後は住職がちょこっと形を手直ししてくれます。ちなみに、今回はぐるたびのPV(アクセス数)増を願ってみましたよ。
▲握ったあとは住職が直々に少しだけ手直ししてくれます
▲できた!仏っぽい……?

のっぺらぼうが仏様になるまで

握ったあとは、ほんの簡単な作業だけ。左、右と頭の端をつまんで耳の形を作り、目になる部分をすこーしだけ押してくぼみをつけます。その後、鼻をつまんで、気になる場合はちょっとだけ整形。自分に似た顔に近づけるも良し、好みの顔面にするも良し、それも作り手次第です。

さて、住職の教えの通りやってみました。
▲左
▲右
▲目のくぼみをつけて
▲鼻を作ります!

この後、大事な表情付け。楊枝で目と口を書いていきます。
▲ドキドキ

これで、顔がだいたい完成!

と、思ったら、「にぎり仏の裏(土台下にあたる部分)からちょこっとだけ土を拝借して、顔面の真ん中あたりにポチっと付けてみて」と住職。

何にするのかな?と思いつつ、それを額に付けてみると……。
▲ちょっと拝借
▲ん?これは、まさか……!
なんと!額に「白毫(びゃくごう)」と呼ばれる、仏様の眉間から光を放つといわれる毛のモチーフが付きました!

こうして、無事に「にぎり仏」が完成。ここまでの所要時間は約10分です。
▲じゃん!仏っぽくなりました!?
▲背面に「持光寺」と「尾道」のハンコを押し、自分の名前を書けば製作終了です!

丁寧な説明を聞きながらにもかかわらず、本当に短時間で簡単にできました。予約なしでふら~っと立ち寄りでも体験OKというのにも納得です。
▲陶芸家でもある松岡住職が最後の手直し

にぎり仏作りが始まったワケ

今回お邪魔した持光寺は、平安時代より続く古寺の一つ。にぎり仏作りは体験は、2000年に始めたそうです。陶芸家の住職がいつものように窯で作品を焼いていたとき、余分で捨てていた小さな土の塊を見て、「捨てるのはもったいないから、仏でも作ってみよう」と思ったことがキッカケなのだそう。
▲とっても気さくな松岡住職

最初は趣味で作っていましたが、現物を見た人からやってみたいといった声があったり、口コミで評判となったりで、正式に持光寺で「にぎり仏作り体験」を提供することが決定!今ではお寺を代表する話題の体験になりました。

ここ数年、持光寺ではオフィシャルブログで、にぎり仏作り体験の様子を紹介しています(※希望者のみ)。そのブログを見て体験に訪れる人もいるそうです。

取材したこの日も朝早くカップルが訪れていたようで、仲良くにぎり仏を作っていったそうです。
▲取材時、一足先に乾燥用のケースに入れられていた、カップル制作のにぎり仏。焼かれるのをしばし待っています

猫にもたくさん会えました

ちなみに、尾道といえば猫と並び坂道が有名。「『尾道』の坂道をぶらぶら散歩。猫と遊んで『千光寺』参り」の記事でも紹介されているように、名所の千光寺公園へ向かう道はもちろんのこと、駅周辺の商店街以外はほとんどが坂道でした。
▲道のほとんどが坂道の尾道
▲猫にもたくさん会えました

約1カ月後、届いた!

取材から約1カ月後、持光寺の窯で焼かれたにぎり仏が届きました。松岡住職からのメッセージ付きで、開けたときは思わず感動しちゃいました!
▲取材の約1カ月後、丁寧にパッキングされて届きました
▲自分だけのにぎり仏。iPhone SEとほぼ同じ大きさ、手のひらサイズがまたかわいい!

過去には修学旅行生40人ほどを受け入れた経験もある(※大人数の場合は予約が必要)という、にぎり仏作り体験。尾道観光に行った際には、ぜひ駅近にある持光寺に寄って、世界でたった一つ、自分だけの「にぎり仏」を作ってみませんか?
持光寺の気さくな松岡住職との会話も楽しいですよ!
ぐるたび編集部

ぐるたび編集部

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