日本最大・有明海の干潟で、泥んこ体験!

2017.05.13 更新

子供の頃、泥んこになって母親に怒られたっていう方、多いと思います。泥遊びって子供には、それだけ魅力的。…ですが昨今では遊べる場所も限られているのが現状。そこでお勧めしたいのが、佐賀県鹿島市にある「道の駅鹿島」の干潟体験。潮の干満の差日本一の干潟で子供と一緒になって泥んこ遊びを楽しみませんか。

日本一の干潟は、とにかくでっかい!

九州自動車道の武雄北方ICから車で約40分ほど行くと、有明海に面した「道の駅鹿島」に着きます。農作物や加工品を販売する店舗の裏は、もう一面の干潟!
▲水平線がはっきりとわかる、広大な干潟

福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県の4県にまたがる九州最大の湾・有明海。沿岸部にはいくつかの干潟があり、水域面積は1,700キロ平方メートル、干潟面積は何と188平方キロメートルと、その広さは日本最大です!

広さだけではありません。有明海には新籠(しんごもり)干潟という植生と生物が保全されている一帯があるのですが、そこはシギ・チドリなどの渡り鳥の中継地であり、重要生息地。ラムサール条約湿地に指定されているほか、独自の生態系を保有していて、全国的にも珍しい生き物たちが生息していることで注目されています。
▲有明海のムツゴロウ。日本では、ココと熊本県と鹿児島県にまたがる八代海(やつしろかい)でのみ生息

毎年大人気の干潟運動会「鹿島ガタリンピック」

そんな日本最大の干潟、潮の干満の差は5m~6mもあり大潮日の干潮時には約86キロ平方メートルにも及ぶ干潟が出現するそう。そして、この広~い干潟で毎年5月中旬~6月中旬(潮の関係上日にちは変動)に行われているのが「鹿島ガタリンピック」。干潟の上に敷いた板の上を走る自転車タイムレース「ガタチャリ」や台船上のクレーンからロープを使って干潟の中へ飛び込む「ガターザン」などの競技を行う、干潟の運動会です。※2017年は6月11日(日)に開催予定
▲ガタリンピック参加者は国際色豊か
▲干潟上に置いた発泡スチロール製のリングで行う押し相撲「HAKKEYOI(ハッケヨイ)」

大人から子供まで参加できる(種目によって参加年齢の制限あり)ことに加え、泥んこになって楽しむユニークな競技揃いで、国内はもちろん、海外から参加するファンも多い佐賀県を代表するイベントです。
2017年の競技参加申し込み期限は5月24日(水)17:00まで。観るだけでも楽しめます(入場観覧料無料)ので、ギャラリーとして参加してはいかがですか?

個人でも参加できる干潟体験って?

「鹿島ガタリンピック」は年に一度のイベントですが、それ以外の日でも、泥んこになって遊べるのが「干潟体験」。干潟ができる4月中旬から10月まで、気軽に干潟で遊ぶことができるのです!
▲干潟体験でできる「潟スキー」

干潟で自由に遊ぶことができる「干潟体験」のほかにも、“すぼかき“と呼ばれる道具を使って魚を捕る「すぼかき体験」やムツゴロウに針をかけて捕る伝統漁法「むつかけ体験」もあります。人数が多ければ小さな大会形式で競技3種を体験できる「ミニガタリンピック」もありますよ。

今回、私は「すぼかき体験」(体験料:税込3,000円、所要時間 2時間30分程度)に挑戦!ろくに運動もしないアラフォーが一体どれだけできるのか…。干潟で自由に遊べる「干潟体験」(体験料:税込700円、所要時間 9:00~17:00の間自由※ただし潮が引いている時間)には、3歳~中学生の女子たち6名が参戦!
さぁ、いざ体験です!
▲一応、全員女子です。レッツ、干潟体験!

まずは受付。緑のテントで用紙に名前を書き、温水シャワーを備えた更衣室で水着に着替えます。取材時は4月下旬だったため、水着の上に長袖のラッシュガード+レギンスも着用しましたが、6~8月はTシャツのみでも良いそうです。
▲干潟体験受付はココで

専用の足袋(名付けて潟タビ)は、干潟体験者全員に貸してもらえます。13.5cm~30cmまでサイズがあるので、小さな子供でも大丈夫!(潟タビがない場合は専用の靴下を貸出)
▲今回「すぼかき体験」を教えていただくのは岡本忠好(ただよし)先生です!干潟漁45年という超ベテラン

粒子が小さい、きめ細やかな泥!これは気持ちイイ!

「すぼかき体験」も「干潟体験」も、干潟に入る前に簡単な説明事項を聞きます。

そして、全員でキャーキャー言いながら、いざ干潟へ!ザラザラしているかと思いきや予想と違う肌触りに、びっくり!

何と、干潟の泥はとってもとってもクリーミー!!きめが細かいのです。最初こそ驚きますが、不快な感触はまったくなく、むしろ気持ち良いくらい。以前ファンゴエステを経験しましたが、まさにエステで使用した泥(ファンゴ)そのもの。ほんのり硫黄の香りもします。
▲こわごわ入っています

「天然の泥だからね、ミネラル分もたっぷりだよ」と岡本先生。
そう考えると美肌にも良いのでは?と聞いてみましたが、「そりゃ、わからん」との答え。そこは欲張りすぎでしたね…。すいません…。

思春期真っ盛りの女子たちは、「超気持ち良い~」と、数年前の流行語を連発しています。
3歳児も最初こそ初めての感触に怖がっていましたが、慣れれば自ら泥に入りにいくように。

この道45年の達人に 「すぼかき漁」を教えてもらいます!

ここから私は、岡本先生に習って、「すぼかき体験」へ。潟スキーと呼ばれる3mほどの長い板を干潟の上に乗せ、釣った魚を入れる籠と膝を乗せる部分にスポンジを設置します。
魚を釣るための“すぼかき”を籠の上に置いたら準備OK!

まずは干潟内を進むために潟スキーを。方法は、というと、いたってシンプル。片足を潟スキーに乗せ、もう片方の足で干潟を蹴るだけ。
▲ふむふむ。何かできそうです、私!

そう教えてくれた岡本先生はあっという間に数m先へ!

いざ、足を蹴ってみると思いのほか簡単に進みます。すい~っと干潟の上をすべる爽快感!ですが、右に緩やか~に旋回。…まっすぐ進めない……。
▲あれれ、先生右に曲がります~

蹴る足を交互に変え、やっと先生の元へ到着。…私、こんなんで大丈夫でしょうか。

捕獲するは“有明海のエイリアン”!

いよいよ「すぼかき漁」をスタート。捕る魚は、“わらすぼ”です。わらすぼとは、“有明海のエイリアン”という恐ろしい異名を持つ、ムツゴロウと同じハゼ科の魚。
さぁ、その姿をとくとご覧あれ!
▲シャー!!とでも言いそうな“わらすぼ”。信じがたいことに美味なのだとか…

むき出しの歯もさることながら、点だけになった目も形相の恐ろしさを引き立てます。
わらすぼは、幼魚の時は目があるものの、成長に従って退化し、成魚では点しか残らないそう。う~ん、見れば見るほどコワイ…。

わらすぼは、“すぼかき”という道具を使って捕ります。すぼかきは、先端にフック型の金具が付いた弓なりの棒。
干潟には魚たちが潜った穴が無数にあります。その穴と穴の間をすぼかきですくっていくのです。

「こんな風にな…」と見本を見せてくださった岡本先生、何ともうわらすぼが捕れました…!す、すごい!!
▲早速捕れる先生を見ながらへっぴり腰の私

さぁ、私も!と穴の周りをざくざくすくっていきます。が、残念ながらというか当然というか、すぼかきには何も引っかからず…。岡本先生曰く、周りにポコポコと動きのある穴がわらすぼのいる確率が高いそう。なるほど!
▲黙々とすぼかきですくいます
▲捕れた!…と思ったら木の棒

それから数十分。干潟で良さそうな穴を見つけてはとにかく掘りまくります。
くるくる干潟の上を移動していると、最初よりは滑るのが上手になってきます。スイスイ滑るだけでも楽しいです。

数十分の格闘の末、ついに捕れました!

そしてついに!すぼかきの先端に魚が!
ようやく一匹捕れました~!「先生、やりました~!!!」
“わらすぼ”を持ち、大声で先生に報告する私。
▲先生!捕れました!!見てください!!

岡本先生「…そりゃ、ムツゴロウた~い」。

…えぇ~~。
▲僕、ムツゴロウだよ。わらすぼじゃないよ

でも、いいんです!「すぼかき体験」で魚を捕った!という達成感!よくやった私!
ちなみに、こちらは岡本先生の釣果。本日はとっても少ないそうですが…私の半分くらいの時間でこれだけ捕られていました。さすが先生。

「干潟体験」は色んな遊びをご用意

そんな「すぼかき体験」の最中、「干潟体験」の女子たちは色んな遊びに大歓声。
「干潟体験」のコースでは、インストラクターからのレクチャーはないものの、干潟を遊ぶ道具を貸してくださり、常駐しているスタッフさんが遊び方を教えてくださいます。

一番人気はやっぱり「潟スキー」。小学生くらいなら、結構すぐに慣れて乗りこなせていました。
▲潟スキーに慣れれば結構移動も楽ちん
▲浅瀬なら潟スキーに乗っちゃうこともOK

潟スキーが難しい人は、2017年から導入の「ボード(ボディボード)」がお勧め。潟スキーほど重くないので、手軽ですよ。乗って遊ぶだけではなく、並べて飛び乗って遊んだりしても良いそうです。
▲ボードの方が軽いので引っ張るのも簡単です

「ガタスビー」は、干潟の上で行うフリスビー。ジャンピングキャッチして転んでも干潟なので大丈夫!
▲干潟に足を取られるので、なかなか難しいです

丸いタライのようなコチラは、「ガタスモウ」。上に乗って手押し相撲やおしくらまんじゅうなどをして遊べます。
あと、ここに来たらぜひやってもらいたいのが「ガタフラッグ」。ビーチフラッグと同じ要領で遊べますが、ダイブする場所は干潟なので思い切りが肝心。
▲ガタフラッグはなかなか白熱!

干潟は一面クリーミーな泥なので、言わば「天然のマットレス」。よほど危険性のある動きでない限り、飛び跳ねてもダイブしても、ある程度は泥が衝撃を受け止めてくれるので、育ち盛りの子供にはぴったりですよ。
「干潟体験」には時間制限がなく、潮が引いている時間であれば、16:30まで思う存分泥んこになれます。道具がなくても、さすが子供は遊びの天才。鬼ごっこしたり走り回ったりで、十分楽しんでいたようです。

7月からは「むつかけ体験」もできます

7月から10月は、有明海のアイドル・ムツゴロウを捕る「むつかけ体験」もできます。
今回たまたま私がムツゴロウを捕りましたが、通常は7月から10月の干潮時に現れるムツゴロウ。「むつかけ」は、干潟の上にいるムツゴロウに針をかけて捕っていく江戸時代から伝わる伝統漁法。昭和40年代には60人ほどのむつかけ師が活躍していたそうですが、現在ではわずか数名。岡本先生もその一人です。岡本先生は何と1時間に200匹ものムツゴロウを捕るのだとか!
▲岡本先生の名人技!
▲5mほどの長いさおで干潟の上で活動するムツゴロウをひっかけます

終わった後は、干潟に面した小さいプールでおおまかな泥を落としたあと、全身シャワーですべての泥を洗い流しキレイにします。その後は更衣室に戻り温水シャワーを浴びて着替え。
▲干潟前のプールで泥を落とします

料金には温水シャワーなどの使用料も含まれているのも嬉しいですね。ただし、この温水は海に流し込むため、ボディソープやシャンプーの使用持ち込みは厳禁です。

子供たちに干潟体験の感想は?と聞くと、口々に「気持ち良かった!」と「楽しかった!」の声。足元が泥だから結構難しかったけど、慣れたら動ける!とも。
陸上での遊びとも水遊びとも違う、泥遊びの感触が新鮮だったようです。最初こそ汚れるのを躊躇していましたが、一度汚れてしまえばもう元気いっぱい遊んでいました。

喜ばれること間違いなし?鉄板お土産はコレ!

干潟で遊んだ後は、ぜひ「道の駅鹿島」を巡ってみてください。干潟に生息する生物たちを展示する「干潟展望館」や農林水産物直売所「千菜市(せんじゃいち)」があります。
▲地採れ野菜などもずらりと揃います

そしてお土産にお勧めしたいのが、「千菜市」で販売している“わらすぼ”と“ムツゴロウ”。
▲!!!

ジャジャーン!先程釣ったわらすぼとムツゴロウが干物に!!
2つともに地元では珍味として重宝されている食材。岡本先生曰く、「有明海の生き物は一番美味しい」とのこと。海の滋養がたっぷりの干潟で捕れる生き物、そう言われれば納得ですね。

わらすぼは、素揚げして甘酢あんをかけたり、天ぷらにしても美味しいそうですが、残念ながら傷むのが早いため、食事処などではメニューとして提供されていないそうです。干物にしたわらすぼはポリポリとした食感で、お酒のおつまみにぴったりでした。
話のネタにも良いですね。「ポリポリわらすぼ」「ポリポリむつごろう」ともに1袋1,080円(税込)です。

この見た目はちょっと…という方には、こちらもどうぞ。
「エイリアンシリーズ」の2種類。そう、有明海のエイリアン・わらすぼのエキスが入ったというドリンクとラーメンです…。
▲エイリアンエナジーは1本200ml 216円(税込)
▲エイリアンラーメンは1袋270円(税込)。特製塩ラーメンだそうです

この見た目のインパクトたるや!!味は食べてみてのお楽しみ。わらすぼの味がするかどうかは…わかりません。
いかがでしたか?楽しさが伝わったでしょうか。
やってみると思わぬ楽しさで、童心に返ってしまいますよ。日頃子供と公園などで遊んでいても、これほどに泥んこになることなんて、そうないと思います。

「洋服を汚しちゃいけません」
「危ないから飛び跳ねちゃダメ」…。

ココは、そんな日頃のお小言を言わなくて良い場所。一緒に泥んこになって遊ぶことは、親子のとびきりの思い出になるハズ。
カップルやグループも然り。この日はマスカラもオシャレも必要なし!思い切り泥だらけになって楽しんでくださいね。
▲泥んこになってハイポーズ!
▲朝焼けや夕焼けの干潟も見ものですよ
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴20年弱。食育アドバイザー、フルーツ&ベジタブルアドバイザー。

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