海・川・湖で水遊び 関東近郊 特別なランチ付きプラン

絶景も歴史もグルメも堪能!1日で遊び尽くす志賀島の自転車旅

2017.06.02 更新

福岡市街地から車や船で約30分で行ける陸続きの島、志賀島(しかのしま)。「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」と刻まれた金印が発見されたことで有名ですが、他にも多くの神話や伝説が残るロマンの島なのです。また、美しい夕日やグルメなどの魅力もいっぱい。海沿いの道を自転車で巡ります。

福岡市東区の志賀島は、周囲約11kmの小さな島。博多や天神などの福岡市街地からは車で約30分、さらに博多ふ頭とを結ぶ福岡市営渡船「きんいん」が1日15便を運航しており、コチラのルートでも約30分。旅行者でも気軽に行ける好アクセスです。
▲福岡市営渡船「きんいん」の乗船運賃は大人・片道670円(税込)。たった30分ではありますが、海を渡って島へ行く船旅は格別!

車なら、海沿いの道が続く「海の中道」を通る爽快なドライブルートで、志賀島へ行くまでも、ちょっとしたリゾート感覚が味わえます。
▲志賀島から見た「海の中道」へ続く道(写真提供:福岡市)
▲「海の中道」の左右は海!青空と白い砂浜がキレイ(写真提供:福岡市)

志賀島は自転車で巡るのが正解!

小判型をした志賀島は、前述した通り周囲約11kmの小さな島。海沿いの舗装された道路は周囲約10kmです。起伏が比較的緩やかであるため、自転車で一周巡っても1時間弱。風光明媚な景色を見ながらのサイクリングは人気が高く、自転車愛好家の方も多く訪れます。

福岡市営渡船には追加100円(税込)で自転車を載せることもできますが、手軽に楽しむならレンタサイクルがお勧めです。※自転車運賃100円は社会実験期間中の金額であり、実験終了後、変更になる場合あり。
▲オシャレな外観が目を引く「シカシマサイクル」

志賀島周遊のスタート地点にある「シカシマサイクル」は、2014年にオープンしたカフェ兼レンタサイクルショップ。1階はお菓子や飲み物を扱う商店も併設、2階はコミュニティスペースとしても使用できます。
▲店内はカフェとして利用もOK。奥の商店と繋がっています
▲キュートな店員さんが、ドリンクも作ってくれます

借りられる自転車はイタリア・ビアンキ社の自転車をメインとした、本格的なスポーツバイク。色もカラフルで可愛いです!ショップには志賀島周辺のパンフレットも置いてありますが、スタッフさんに観光のアドバイスをもらうのもOK。旅の拠点にぴったりの場所です。
▲島内はほぼ平坦ですが、スピードが出る坂道もあり。スポーツバイクとともに専用のヘルメットも貸出してくれますよ

「金印の島」だけじゃない
スゴイ歴史と神話がたくさん

志賀島と言えば、思いつくのがやっぱり「金印」。
西暦57年、後漢の光武帝が倭の国王に贈った金印が、天明4(1784)年、現在の「金印公園(現在改装中、2017年10月に完成予定)」のある場所で水田耕作中の百姓によって発見されました。

国宝である「金印」の発掘地として、あまりに有名であるため「金印の島」という印象が強い志賀島。ですが、その歴史を紐解けば他にもスゴイ歴史と神話が多く残る地なのです。

まず、神功(じんぐう)皇后が三韓(新羅、高句麗、百済)征伐の際に立ち寄られた、という言い伝え。こちらは「古事記」や「日本書紀」、「筑前国風土記」にも残されています。
▲「山誉(やまほめ)祭」は毎年2回、4月と11月の15日に執り行われます

そして、志賀島にある「志賀海(しかうみ)神社」で古より奉納されている「山誉祭」の口上「君が代は 千代に八千代に さざれいしの いわおとなりて…」が国歌「君が代」の元になったと言われているとか。神功皇后の三韓征伐の際に披露したという伝説も残っているそう。千年以上も前の文献に残されているスゴイ志賀島の歴史の数々…。
そんな歴史を感じ取れる志賀島を、さっそく巡ってみましょう。

全国にある海神の総本社
志賀海神社で古に思いを馳せる

まずは「シカシマサイクル」から参道をまっすぐ進んだ先にある志賀海神社へ。志賀海神社は、古来より海上交通の要所である玄界灘を見守る「海神の総本社」なんです。
海の神である綿津見命(ワダツミノミコト)を祀る海人族の最有力氏族・阿曇(あずみ)族をご存知でしょうか?長野県安曇野市をはじめ、福島県や鳥取県、愛知県など全国各地にアズミに関連した地名を残していますが、それは阿曇族が勢力を伸ばして行ったという言わば勢力図。そしてその阿曇族の発祥の地が、ココ志賀島なのです。う~ん、すごいですね~!!
▲鳥居前にある「御潮井(おしおい)」の砂

参拝の際はまず、身を清めましょう。志賀海神社は、禊(みそぎ)祓いの海の神様を祀っていらっしゃるため、「御潮井」という清めの砂を、左、右、左と体に振り、身を清めます。
身を清めた後は鳥居から社殿へと続くまっすぐな参道を通って。木々の間から差し込む光が気持ち良いです!
参道の途中にも見どころがあるので、その一部を紹介します。
こちらは島内に10基ある万葉歌碑の1号碑「ちはやぶる 鐘の岬を 過ぎぬとも われは忘れじ 志賀の皇神(すめがみ)」。日本最古の和歌集「万葉集」では、4,500首以上もの歌が集められていますが、なんとそのうち23首ほどが志賀島について詠まれているのです。

そしてもう一つ、縁結び・夫婦円満・開運にご利益がある「山乃神神社」。こちらがとってもユニーク!
魚のオコゼやアラカブを奉納すると、願い事が叶うと言われているのです。これは、姿が醜いもの(魚)を見て、神様が滑稽に思い、願いを叶えてくれるのだとか!また、新しい財布を持参し、それまで使用していた財布を社の横にある小さな祠に奉納するとお金が貯まる、とも言われています。
▲祠の中には奉納された財布がたくさん!私も今度持ってこよう…

鹿の角が建物の中にぎっしり!
戦勝祈願に角を奉納?鹿角庫

志賀海神社の境内に足を踏み入れると、可愛い鹿の像が目に入ります。近づいてみると像の傍らにある建物に、何やら白い木らしきものがぎっしり。
▲二頭の鹿の像と鹿角庫(ろっかくこ)
実は、これ全部鹿の角!こちらは戦勝祈願の際に奉納されたものらしく、およそ1万本を超えるそう。その歴史は古く、先述した神功皇后が対馬で鹿狩りをされ、その角を奉納されたことが起源とされています。以降、名だたる武将も鹿の角を持参し、戦勝祈願したのだとか。千年以上も前の古の武将が奉納した鹿の角もこの中にあるのでしょうか…!何だかロマンを感じます。
▲志賀海神社で神職をされている平澤(旧姓・阿曇)憲子(ひらさわのりこ)さんは、阿曇族の末裔でいらっしゃいます。朗らかな笑顔で丁寧に志賀島の歴史を教えてくださいました
▲本殿に参拝の際も再度「御潮井」の砂でお清めを

ほか、紹介しきれないほどの神話・逸話を残す志賀海神社。取材日は昼に訪れましたが、早朝の参拝はより神々しい空気に包まれるためお勧めだそうですよ。
▲遥拝(ようはい)所からは、「海の中道」を遠く望むことができます
▲夕刻はこんな表情も!
志賀海神社からは海岸線を通って爽快なサイクリングを。空と海の青を眺めつつ、潮風を受けながらのサイクリングは格別です。
※撮影用に着用していませんが、ヘルメットの着用推奨。

志賀島のご当地グルメ
「志賀島金印カレー」って?

サイクリングの途中で味わいたいのが志賀島のグルメ。志賀島には約20軒もの旅館や飲食店があります。海鮮たっぷりの食事ももちろんお勧めですが、今回は2013年に志賀島で誕生したご当地グルメ「志賀島金印カレー」をご紹介。
※ホームページで紹介している店舗の中には現在は提供していない店舗もあり。
▲どんな料理にも合うオリジナルスパイスを調合

「志賀島金印カレー」は、独自にブレンドした「金印スパイス」を使ったオリジナルカレー。たかがカレーと侮ってはいけません。カレーとサザエの丼やスープカレー、エビフライと一緒に味わうカレーなど、味わいも料理もさまざま!どれもひと手間もふた手間もかけたカレー料理。志賀島の旅館・飲食店の一部で提供しています。
▲季節の野菜とチキンが入った「彩り野菜とレモンのスープカレー」1,100円(税込)※要予約/割烹旅館こみね
▲約20cmものビッグなエビフライと一緒に食べる「大エビフライ金印カレー」2,200円(税込)※要予約/まさご屋

どれも美味しそうで悩みましたが、今回のお昼は伊勢海老がまるごと味わえるという「満帆荘(まんぽそう)」へ。
眼前が海という絶好のロケーションを誇るこちらの宿で「志賀島金印カレー」をいただきます。
食事ができる大広間。海を眺めつつのんびり…。

伊勢海老まるごと!しかもカレーが白い?
贅沢すぎるカレーに驚き

ここでいただけるカレーは「神代(かみよ)の伊勢海老ホワイトカレー膳」(2,500円・税込)。出てきてビックリ!本当に伊勢海老が1尾丸ごと~!!贅沢~!
伊勢海老のグラタン、ご飯とカレーは別皿で盛られてきます。丁寧に取った伊勢海老の濃厚なダシに牛乳や生クリームを加えて作ったホワイトカレーは、伊勢海老の旨みがた~っぷり!!生クリームで作ったホワイトカレーなので、辛さもマイルド。伊勢海老や添えられている野菜と一緒に食べるともちろん美味しいのですが、カレーとご飯だけでも十分美味です!

「神代の伊勢海老ホワイトカレー膳」は前日までに予約が必要ですが、海鮮たっぷりの季節のランチ(2,160円・税込)など予約不要の他のメニューもありますよ!
▲女将の貞光千鶴子(さだみつちづこ)さん。女将さん手作りのフレーバーティーや志賀島特産のわかめなどお土産も購入できます

干潮の日のみ渡れる神秘の島へ

お腹がいっぱいになったところで、今度は神秘的なスポットへ。先程訪ねた志賀海神社の御祭神「綿津見三神」は、海の表を守る「表津綿津見神(うはつわたつみのかみ)」、海の中を守る「仲津綿津見神(なかつわたつみのかみ)」、海の底を守る「底津綿津見神(そこつわたつみのかみ)」のことを指します。そして、創建当時それぞれを祀る「表津宮」「仲津宮」「沖津宮」の三社は、志賀島の北部・勝馬に建てられたのだとか。

「表津宮」は現在、志賀海神社境内に遷座され跡地となっていますが、「仲津宮」は勝馬の海沿いの地に、「沖津宮」は海岸から見える小さな島・沖津島にあります。
▲山の麓にある白い小さな鳥居が「沖津宮」の入り口

普段は海に隔たれているこの「沖津宮」、大潮の日の干潮時のみ島へと続く道ができ、参拝することができるのです。…月に数日だけ渡れるなんて、なんかロマンチックですよね。

取材は大潮の日に合わせて訪れたため、もうワクワク。干潮の時間は月によって異なるので、事前に潮見表などで調べていきましょう。
▲10分ほど待つと、潮が引いてきました~
実際に行ってみると、砂浜の周辺はわかめなどの海藻がびっしりの岩場。干潮の時間まで待てば砂浜を歩くことができますが、スニーカーなど動きやすい靴であれば岩場をひょいっと歩いて行くこともできます。
▲海から現れた、沖津宮へ続く道。気分はモーセ

島ではひっそりと沖津宮の鳥居が佇んでいます。
▲鳥居の上には願掛けと思われる小石がたくさん

鳥居をくぐり、小さな山を登ると木々に覆われた小さな社殿があります。月に数日しか出会えない神様に、静かにお参りしてきましたよ。

数千年も前から存在する神様に、月に数日しかも2時間程度しか現れない道を通って参拝する…。何とも神秘的な経験でした。

大潮の日を狙うのなら長靴の必要はありませんが、当然ですが舗装された道とは違います。念のため濡れても良い替えのスニーカーなどがあると良いかもしれません。

でももし、足元がぬれてしまっても大丈夫。志賀島には入浴施設があります!
「休暇村 志賀島」の露天風呂施設「金印の湯」は、日帰り入浴でも利用できるんです。風呂は2階にあるため、眼下に玄界灘を一望する抜群のロケーション。保湿効果も高いとされるミネラル泉で、サイクリングで疲れた体もゆっくりとほぐせますよ。
▲写真は男性露天風呂。「金印の湯」(11:00~15:00※最終受付14:00/第3火曜休)は入浴料大人600円、小学生300円、幼児(4歳以上)100円※すべて税込

志賀島の道はぐるりと海岸に沿っています。サイクリングは風景も楽しめるのが最大の魅力ですが、ちょっと立ち止まって休憩しやすいのも嬉しいですよね。

「休暇村 志賀島」の前には海水浴場があり、一年中サーフィンを楽しむ人たちが見られます。自転車の立入りは禁止ですが、芝生広場もあるのでちょっと海を見ながらのんびり休憩してはいかがでしょう。

小腹がすいたらサザエのつぼ焼きを
名物お母さんがいる店「ショップHIRO」

多くの漁師さんが生活している志賀島。島内には2つの漁港があり、そのうちの一つ、志賀島の西側に位置する弘(ひろ)漁港周辺でぜひ立ち寄ってもらいたいスポットが!それがココ「ショップHIRO」です。
▲「弘わかめ」の看板があちこちに

「ショップHIRO」は、福岡市漁業協同組合 弘支所が直営する店。弘漁港で獲れた海産物はもちろん、志賀島の特産物・加工品も販売しています。こちらでは志賀島名物のアレを、ぜひ!
アレとは…じゃじゃ~ん!サザエです!
一盛通常6~8個くらいで、1,000円(税込)で販売しています。このサザエは店内で焼いて食べることができますよ。焼きたてアツアツのサザエをはふはふ食べる幸せ!1人でも一盛食べられそうです~。
▲「志賀島のサザエは美味しかよ~」

さらに、こちらには名物お母さんが。松田みつよさんは、とびきり明るくてキュートな「ショップHIRO」のオーナー。松田さんとお話しするのも、志賀島旅のお楽しみに~。
志賀島のサイクリングは初夏から秋までがベストシーズン。陸続きとはいえ、ほぼ離島なので朝日と夕日、どちらも楽しめるのも志賀島の魅力。特に夕日の美しさは有名で、季節や見る場所、時間によってその色や姿を変え見る人を楽しませてくれます。
▲志賀島の真ん中にある「潮見公園」展望所から見た夕日。青とオレンジのグラデーションが素敵

「毎日見ても飽きない」と島民の方に言わしめる志賀島の夕日。それだけ毎日その表情を変えるのでしょう。一期一会の志賀島の夕日、訪れたらぜひその美しさを目に焼き付けてください。
夏季の日没は19時~19時30分前後、冬季は17時~18時前後を目安に、時間を調べて訪れてくださいね。
▲沖津島の向こうに沈みゆく夕日。オレンジ色に染まる空と海は神秘的な美しさ
▲志賀島の北端・勝馬から見た夕日。一面がピンク色に染まることも

いかがでしたか?「金印の島」という印象とは、少し変わったのではないでしょうか。今回紹介したサイクリング旅だと、海風や景色だけでなく、島の雰囲気もダイレクトに感じ取ることができますよ。

島ならではのあたたかさ、志賀島に根付いた歴史やロマン、匂いまで感じ取れそうな豊かな自然など…。紹介した店舗以外にも、ここ数年でおしゃれなカフェや食事処が続々誕生しています!福岡市へ来られた際、ちょっと観光したいな、という時にピッタリ。手軽な島旅をお楽しみくださいね。
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴20年弱。食育アドバイザー、フルーツ&ベジタブルアドバイザー。

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