由布院・亀の井別荘で至福のランチ&カフェタイムを堪能

2017.07.24 更新

人気温泉観光地、大分県・由布院にある「亀の井別荘」はご存知でしょうか? 100年近い歴史を持ち、その存在を知る人にとっては「いつかは泊まってみたい」と憧れる老舗旅館です。そんな「亀の井別荘」には、宿泊せずともその雰囲気を味わえる施設が揃っているということで、今回は日帰りで思う存分満喫してきました!

国内はもちろん海外からの観光客にも人気の温泉地、由布院には新旧さまざまな温泉宿やホテルが点在します。この由布院という温泉街の人気を確固たるものにしたのが、「御三家」と呼ばれる3軒の高級宿の存在。「由布院 玉の湯」、「山荘無量塔(むらた)」、そして今回ご紹介する「亀の井別荘」です。
▲美しい緑に囲まれる「亀の井別荘」のエントランス

亀の井別荘は、由布院のシンボルである金鱗湖(きんりんこ)の畔に佇む、大正10(1921)年創業の老舗宿。1万坪もの広大な敷地に「貴人接待」のための別荘として建てられたのがはじまりです。その後昭和41(1966)年に食事処、昭和50(1975)年に喫茶・ショップを併設し、まさに由布院のまちと共に時間を歩んできました。
▲「亀の井別荘」離れ和室タイプの客室一例

ワタクシ、旅行ライターとして活動し2017年で早17年になりますが、その間ずっと変わらず私の“憧れの宿”として君臨し続ける「亀の井別荘」。そんな憧れの宿の雰囲気を日帰りでも味わえるとは、宿泊には手が届かない私には嬉しい限り!!
伺ったのは5月の新緑の頃。「亀の井別荘」の敷地内に足を踏み入れると、街の中の喧噪から離れた静けさにほっとします。湯の坪街道などを経て徒歩で来たなら、それまで大勢の観光客で賑わっていたのが嘘のように感じるはず。

丁寧に調理された料理と瑞々しい庭の緑。
舌と目で味わう由布院の恵み

まずは、食事処「湯の岳(ゆのたけ)庵」へ。時代を感じさせる梁が廻らされた趣ある店内には、座敷席、テーブル席、個室などもあり、色々なシーンで利用できそう。
▲「湯の岳庵」のロビースペース。奥には大型のワインセラーも
▲小上がりの個室もありました
▲庭に面したメインスペースにはテーブル席が

今回通していただいたのは一番奥のテーブル席。
そこから眺めるのは眩しいほどの緑!

配されている家具も年代を経て大切に使われているものばかり。壁に掛けられた絵以外、一切の装飾が省かれたシンプルな美しさがそこにはありました。
▲アンティークで揃えているのですか?の問いに、 “良いもの”であればこだわりません、との答え。なるほど!

「湯の岳庵」では季節の食材を使用したランチメニューが常時4~5種類以上あり、そのほかコース料理や単品料理もオーダーできます。取材当日は、「炭火焼きビフテキ丼」(2,500円・税別)を注文。
▲肉の上に盛られているのは、由布院産のクレソン。太陽の光をたっぷり浴びたクレソンは味が濃い!

この厳選黒毛和牛(豊後牛/ぶんごぎゅう)のビフテキ、箸で持っただけで肉の香りが…!
その理由は炙った炭にありました。食材だけでなく、 “肉の香りと旨みを引き立てる炭”まで厳選するこだわり。その炭で炙った牛肉に、醤油ベースの秘伝のタレをさっとかけて丼にたっぷりと。もう、口の中でとろける肉の柔らかさと濃厚な味わいにしばし悶絶…!
▲厚切りのビフテキは1名分に約100g使用!

感動するのは、牛肉だけではありません。専用の養鶏場から仕入れたコクのある卵でシンプルに仕上げた温泉卵、そして軍鶏(しゃも)と烏骨鶏(うこっけい)のガラを6時間煮込んだスープ…。どれも滋味深い味わいに感動必至。これに日替わりの小鉢とお漬物が付きます。
▲黄身の色も濃い!温泉卵
▲体の隅々まで染み渡るような味わい深い鶏のスープ

ランチでこんなに手間暇かけて大変ですね。と副料理長の田中健二さんに訊ねると、笑顔でこう答えてくださいました。

「手間暇かけているという感覚はあまりないんです。一瞬一瞬を一生懸命調理している、という感じですね。調理場からはお客様の顔が直接見られませんから、いただいたご注文内容から、お客様の笑顔を想像して作っています。」
▲田中健二さん。取材時、たくさん笑わせてくださる楽しい方でした

「笑顔で食べてください」という思いを込めて料理を提供し、食事の後調理場に戻ったお膳を見てお客様からの反応を知るのだとか。料理の残っていないお膳を見ると「あぁ、良かったな。」と思うそう。

そんな思いがたくさん込められた食事ですもの、美味しいはずです!
「炭火焼きビフテキ丼」のほか、豊後牛のサーロインをたっぷり使った「ステーキ膳(3,300円・税別)」、「そば御膳(1,800円・税別)」は定番メニューですが、季節の食材を楽しめるメニューも常時揃えています(7・8月は「うなぎ」を使ったメニューを予定)。
▲どの席からも庭の緑を眺めながらの食事を楽しめる

「湯の岳庵」は、“食談(しょくだん)”を提供する場、と謳っています。
“食談”とは、雰囲気や窓から眺める自然の中で語らいながら楽しむ食事のこと。
美しい自然とともにいただく食事はきっと格別です。大切な人ととっておきの時間を「湯の岳庵」で過ごしてはいかがですか。

グレゴリオ聖歌流れる重厚な趣きのカフェで、昼下がりの贅沢なひと時を

食事はせずとも、「亀の井別荘」の空間を味わいたい!という方にはこちらもおススメです。
ここ「天井棧敷(てんじょうさじき)」も敷地内にあるカフェ。江戸末期の造り酒屋だったという建物には重厚なグレゴリオ聖歌が流れ、こだわりの深煎りコーヒーや自家製のスイーツなどが楽しめます。2階に位置するため、敷地内の庭を窓から水平に、または眼下に眺めることができ、ゆったりと過ごす時間に癒されますよ。
▲「天井棧敷」は2階にあり、その途中の中2階にはテラス席も
▲テラス席。夏季はここでビールを愉しむ方も多いとか
▲「天井棧敷」の名前は、フランス映画「天井棧敷の人々」から

ここを訪れたら、ぜひ食していただきたいオリジナルメニューがあります。それが「モン・ユフ」というスイーツ。
▲「モン・ユフ」は480円(税別)

クリームチーズと生クリームを合わせた白い山は、冬の由布岳をイメージ。それにレーズンを散りばめたスイーツですが、これがコーヒーにぴったり!チーズはデンマーク産を使用しており、甘さ控えめなので男性にもファンが多いとか。

酒樽の底を使用した丸テーブルや、一面窓のカウンターなど、席によって楽しめる景色も異なります。思わず長居したくなる心地よさですよ。
▲一面の窓から緑を望むカウンター席
▲円形の酒樽テーブルを囲む席

人気のカフェなので、休日は行列も覚悟してくださいね。

帰り道は、メイドイン由布院のお土産を

最後は、「天井棧敷」と同じ建物の1階にあるショップ「西国土産 鍵屋」に、ぜひお立ち寄りを。ここでは大分県でも随一とも名高い「亀の井別荘」の食事で実際に提供されている調味料や季節のジャム、自家製の食品やスイーツ、さらには由布院メイドの竹細工や器などが揃います。
▲調味料や雑貨など、取り扱う商品が幅広くて楽しい!

ここでおススメ商品をいくつかご紹介。
一番の人気は、由布院の特産品・柚子こしょうです。「亀の井別荘」の工房で手作りした柚子こしょうは黄・赤・青の3種類があり、それぞれ辛さも風味も異なります。
▲柚子こしょうは各619円(税別)/100g。左から黄色唐辛子を使用した一番辛い黄、マイルドな辛さの赤、ピリリとした辛さで香り豊かな青

完熟梅蜜は、蜂蜜と梅のみを使用した優しい味わい。薄めて飲んだり、ヨーグルトに入れて食べても良し!
▲完熟梅蜜は1,713円(税別)

ほか、砂糖と柚子のみで時間をかけて仕上げる家伝の茶菓子「柚子煉(ゆずね)り」(648円/100g)や、旅館の朝食で提供される「ふきの佃煮(伽羅蕗・きゃらぶき)」(552円/70g)、「山椒ちりめん」(600円/70g)、「天井棧敷オリジナルブレンドコーヒー」(1,065円/150g)、「季節のパウンドケーキ」(1本667円)など、他では買えないオリジナル商品がたくさん。※すべて税別
これらの商品はすべて、「本当にお客様に満足してもらえるか」という観点から、社内の厳しい品質チェックをクリアしたもの。なるべく自然由来で、良いものを。そんな丁寧な商品づくりが時代を超えて愛されており、多くの人が「亀の井別荘の味を自宅で」と購入していくのだとか。

季節ごとに商品も入れ替わるので、訪れる度にお気に入りを見つけてみるのも楽しいかもしれませんね。

根底にあるのは“あらまほしき日常”

▲「湯の岳庵」でのランチメニューは1,800円(税別)からとリーズナブル

今回憧れの宿に伺わせていただき、その素晴らしい立地やお庭の風情、重厚な建物、見た目にも美しい食事などたくさん感動があったものの、一番は「おもてなしの心」でした。
スタッフの方々は、こんな言葉を大事にしているそう。

“あらまほしき日常”。

「お客様にとっての、こんな日常があったらいいな、を考え提供しなさい。」ということだそうです。丁寧で静かな暮らし、華美にならない心の贅沢。忙しい日常に追われている人たちが、「自分だけの別荘にいるように」感じて時間を過ごしてもらいたい。創業以来受け継がれてきた、そんな思いが、「亀の井別荘」のあちこちに散りばめられています。
▲「天井棧敷」でコーヒーをいただくだけでも贅沢な気分に

「亀の井別荘」では、宿泊者専用の駐車場とは別に、日帰り利用者専用の駐車場も準備されています。

「湯の岳庵」「天井棧敷」ともに休憩時間を設けていないのは、お客様に「いつ来ても開いている」という安心感を持ってもらいたいからだそうです。

取材時も「高級旅館だから」と少し緊張していたのですが、なんのその、スタッフはみなさん気さくで、楽しくてフレンドリーな方ばかり。スタッフの方々がずっと笑顔だから、こちらまで笑顔になりました。

もし、私と同じ「高級旅館だから気後れする…」という感情を持っている方がいれば、ぜひその考えは捨ててください。日帰りで食事を楽しみ、カフェで休憩し、お土産を少し買ってみてはいかがでしょう。きっと、“あらまほしき日常”を感じることができますよ。
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴20年弱。食育アドバイザー、フルーツ&ベジタブルアドバイザー。

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