猪苗代湖へ向かうドライブで外せない絶景スポットガイド

2017.08.03 更新

福島にある「磐梯(ばんだい)吾妻スカイライン」「磐梯吾妻レークライン」「磐梯山ゴールドライン」はかつて有料道路でしたが、2013年に無料開放されました。広大な山々や神秘的な湖沼群などの絶景を見ることができ、2017年4月には「日本風景街道」に登録されました。この3つのルートを通って「猪苗代湖」へと向かうドライブで、絶対に外せないビュースポットをご紹介します。

山からの絶景や「吾妻小富士」を楽しむ「磐梯吾妻スカイライン」

「磐梯吾妻スカイライン」は、福島市の高湯温泉街から土湯峠を結ぶ、全長28.7kmの道路です。平均標高1,350mで、山並みや渓谷などのビューポイントがたくさんあります。

東北自動車道・福島西ICを降りて国道と県道をあわせて20分くらい走ると、磐梯吾妻スカイラインに入ります。

磐梯吾妻スカイラインに入るとすぐに高湯温泉街があるため、車の中にも硫黄のニオイが漂ってきます。しばらくうねうねしたカーブ道を上っていくと、「つばくろ谷」と「不動沢橋」に到着します。
▲新緑のつばくろ谷

つばくろ谷は、かつてイワツバメが飛び交ったことから名づけられた渓谷。作家・井上靖が命名した「吾妻八景」のうちのひとつです。この沢に架けられた不動沢橋は全長170m、谷底まで約80mの高さがあります。
▲つばくろ谷の秋の様子。不動沢橋と紅葉のコントラストは圧巻!(写真提供:福島市観光コンベンション推進室)

つばくろ谷と不動沢橋をあとにすると、しばらくゴツゴツとした岩肌がむき出しになった荒涼な地を走ります。姿は見えませんが、ウグイスやカッコウなどの鳥が気持ちよさそうに鳴く声が聞こえてきます。
▲この日は霧だったため、幻想的な景色に。白いのは固まった雪

不動沢橋から約2.2km走り、標高がどんどん高くなってくると「天狗の庭」に到着します。
▲天狗の庭の湿原

「天狗の庭」は、灌木(かんぼく)と草地が混在する天然の庭で、天狗が舞い遊んだという言い伝えにちなんだ名所です。天気が良いと、福島市街地や阿武隈山地を眺めることもできます。
▲天狗の庭の秋の様子。つばくろ谷と並ぶ、紅葉の絶景スポットとして知られる(写真提供:福島市観光コンベンション推進室)

天狗の庭から5kmほど走ると、目に飛び込んでくるのが「吾妻小富士(あづまこふじ)」。磐梯吾妻スカイラインの中間地点にあたり、この時点で標高は1,600m!

広い駐車場に降り立てば、ほかにも「浄土平(じょうどだいら)湿原」や「浄土平レストハウス」など見どころがたくさんあります。

吾妻小富士は約6000年前に形成された火山で、気軽に登ることができます。
▲吾妻小富士を見上げる。標高は1,707m
▲丸太の階段を登る。足元が不安定なので、スニーカーがおすすめ

約10分で頂上に到着。頂上からは大きな噴火口を間近でのぞくことができます。
▲火山底までの深さは約70m、直径は約500mもある

時間に余裕がある場合は、ぜひ噴火口をぐるりと一周してみましょう。浄土平湿原や福島盆地、安達太良山(あだたらやま)などを眺めることができます。まわるときは、足元が安定していて比較的滑りにくい時計まわりに歩くのがおすすめです。
▲噴火口は約40分で一周することができる。この日もウォーキングしている人々が
▲頂上から登ってきた方向を見下ろす。中央に見える建物は浄土平レストハウス

次に、浄土平湿原を散策してみました。整備された木道を歩きながら、6~9月頃までは湿原の植物を見ることができます。

一周は約1kmで、歩いて20分ほど。訪れた日は残念ながらまだ湿原の植物は開花前でしたが、自然のなかで吾妻連峰や吾妻小富士を眺めながら歩いているだけで十分に楽しめます。

ほかにも、東吾妻山の麓に位置する「景場平(けいばだいら)」や、高山(たかやま)の麓に位置する人気の「鳥子平(とりこだいら)」など、周辺にはいくつかの湿原が点在しているので、興味がある人は事前にホームページをチェックしておきましょう。
▲浄土平湿原はもっとも手軽なコース。木道を歩きながら湿原の植物をつぶさに観察することができる
▲360度見渡す限り自然という贅沢な時間を過ごせる

近くにある浄土平レストハウスにはお土産屋さんやフードコート、レストランなどが入っているので、ぜひ立ち寄ってみて。
▲福島ならではの商品が数多く並ぶ浄土平レストハウス

「中津川渓谷」や「五色沼」に癒される「磐梯吾妻レークライン」

磐梯吾妻スカイラインを出て一般道を経由し、「磐梯吾妻レークライン」へと進みます。

磐梯吾妻レークラインは土湯峠から裏磐梯エリアへと抜ける全長約13.1kmの道路です。磐梯山大噴火でできた桧原湖、小野川湖、秋元湖などの湖沼と樹林が織りなす景色を楽しめます。

なかでもおすすめなのは、磐梯高原の秋元湖に注ぐ中津川中~下流の秘境「中津川渓谷」です。中津川渓谷へは「中津川渓谷レストハウス」の横にある遊歩道を歩いていきます。
▲中津川渓谷の入口。右奥の階段を上っていく
▲あふれる緑に思わず立ち止まってしまう
▲マルバシモツケらしき花が咲いていた

紅葉の名所として有名ですが、新緑も見ものです。深い緑や木漏れ日のなかを歩いていると、心が洗われるような気持ちになってきます。

15分ほど歩いたら、木々の間から中津川を発見!
▲中津川に到着

長年の激流によって磨かれた岩肌と清流の美しいコントラスト、勢いよく流れる川のせせらぎが耳に心地よく、マイナスイオンをたっぷり浴びることができます。

運転にちょっと疲れたときにピッタリ。中津川渓谷の渓谷美と森林浴で心まで元気になれるはずです。
▲川べりで流れを間近に見ることもできる
▲緑に癒されながら戻る
▲紅葉も美しい、秋の中津川渓谷

次に向かったのは「五色沼」。正式には「五色沼湖沼群」とよばれ、「毘沙門沼」「赤沼」「みどろ沼」などいくつかの沼で構成されています。

今回は五色沼最大の毘沙門沼に訪れました。中津川渓谷から約10km走ると到着します。駐車場から少し歩くとエメラルドグリーンの景色が目に飛び込んできます。
▲澄んだエメラルドグリーンの水面には木々の影が鮮やかに映る

五色沼の水は無色透明ですが、微粒子が大量に含まれており、これらが太陽光を反射することで、エメラルドグリーンの美しい輝きを放ちます。見る場所や季節、天候、時間帯によって色合いが変化することもあります。
▲めぐり合うと幸せになれるという「ハートの鯉」を発見!
▲ボートに乗って水上からの景色を楽しむのもおすすめ

残念ながらこの日は雨が降っていましたが、晴れているときは毘沙門沼の奥に磐梯山を眺めることもできますよ。
▲毘沙門沼近くの売店で販売されている「五色沼ソフトクリーム」(350円・税込)。沼と同じ色!さっぱりとした塩味でおいしい
▲「ハートの鯉」とそっくりな「コイこい焼き」(300円・税込)。モチモチでカスタードクリーム入り

「幻の滝」と「猪苗代湖」を眺められる「磐梯山ゴールドライン」

磐梯吾妻レークラインを出たら、一般道を経由し、桧原湖付近から「磐梯山ゴールドライン」へと進みます。

磐梯山ゴールドラインは、磐梯高原と会津をつなぐ、全長17.6kmの道路です。「磐梯山の爆裂火口の絶壁」や「猪苗代湖」などの見どころがあります。
▲黄金平(こがねだいら)から磐梯山を望む。天気がよいと磐梯山の爆裂火口の絶壁を見ることができる

磐梯山ゴールドラインの中間地点、ヘアピンカーブが続き出すあたりにあるのが「幻の滝」。小さな駐車場に車を停めて、近くの遊歩道から向かいます。
▲幻の滝への入口。ちょっとドキドキ
▲当日は雨が降っていたこともあり、かなりぬかるんでいた
▲足をとられてしまった……。汚れてもよい靴がおすすめ
▲名前はわからないが、かわいらしい花を見つけた

木立のなかを5分ほど歩いていると、突如として幻の滝が現れます。猫魔ヶ岳中腹の小屋川支流にある落差約18mの滝で、2007(平成19)年に遊歩道と駐車場が整備されるまでは地元の人にも知られていなかったため「幻の滝」と呼ばれるようになったそう。

茶色の岸壁を末広がりに流れ落ちる姿はダイナミック。なにより、間近で見られて迫力満点です。
▲勢いよく落ちてくる滝のしぶきが爽快
▲滝壺のそばまで近づくこともできる。ただし足元には要注意

幻の滝から2kmほど進んだ下り坂の途中に最後の名所、「山湖台(さんこだい)」があります。

ここは、眼下に猪苗代湖などを一望できる絶好のビューポイント。晴れていると湖の向こうの背炙山(せあぶりやま)、布引山(ぬのびきやま)、勢至堂峠(せいしどうとうげ)、さらにその奥に那須連峰や博士山(はかせやま)まで眺めることができるそう。まさに磐梯山ゴールドラインのハイライトにピッタリの場所です。
▲左奥に猪苗代湖。青空がいつもより広く感じる
▲青空を映し、美しく輝く猪苗代湖

福島県のシンボル、「猪苗代湖」と「はくちょう丸」

磐梯山ゴールドラインを抜けたら、ぜひ猪苗代湖に立ち寄りましょう。猪苗代湖は会津若松市、郡山市、猪苗代町にまたがる国内で4番目に大きな湖。磐梯山の姿をくっきりと湖面に映し、別名「天鏡湖(てんきょうこ)」と呼ばれています。
▲この日は雲が多く、猪苗代湖は真っ白…

ぼーっと眺めているだけでも心が癒されますが、磐梯観光船「はくちょう丸」に乗って湖上での遊覧を楽しむこともできます。
※「翁島めぐり」約35分(大人1,100円、小児550円・税込)。随時運航。予約不要。
▲はくちょう丸。頭にのせた王冠がかわいらしい
▲晴れた日の猪苗代湖とはくちょう丸。うしろは磐梯山(写真提供:磐梯観光船)

猪苗代湖には冬になると越冬のため白鳥がやってきます。白鳥たちとはくちょう丸の競演を見に訪れてみてはいかがでしょうか?
▲越冬のため飛来した白鳥たちと磐梯山
3つのルートそれぞれで異なる福島の魅力に出合えます。お気に入りのルートを見つけてみるのもおすすめです。ぜひ楽しいドライブへ!

撮影:櫛ビキチエ
桑沢香織

桑沢香織

編集者、ライター。出版・編集プロダクションデコ所属。雑誌、書籍、小冊子、ウェブ媒体の編集・執筆などを手がける。編集を担当した本に『わたしらしさのメイク』『おとなのヘアケア読本』(ともに技術評論社)、『劇団四季ミュージカルCATSのすべて』(光文社)、『大相撲手帳』(東京書籍)などがある。デコ新刊:『新幹線を走らせた男 国鉄総裁 十河信二物語』『増補 健康半分』『顔望診をはじめよう』『サバイバル登山入門』など。

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