一度は食べたい皿鉢料理!ひと皿でおすすめ土佐グルメを堪能

2017.07.04 更新

大皿にカツオのタタキや寿司などの料理をてんこ盛りにした高知の皿鉢(さわち)料理。家庭での宴会や法事などで、大人数で大皿を囲み味わう郷土料理だが、実は少人数の旅行者だって気軽に楽しめる方法がある。今回は2人でも楽しめる「ミニ皿鉢」を提供する「黒潮料理 酔鯨亭(すいげいてい)」にお邪魔した。

皿鉢料理とは土佐の宴会に欠かせない郷土料理

高知の郷土料理として知られる「皿鉢料理」とは、直径40~50cmの有田焼や九谷焼の大皿に、山海の旬の料理を盛り込んだもの。厳格なルールはなく、ざっくばらんな高知らしい料理といえるが、基本は刺身、寿司に加え「組み物」と呼ばれる揚げ物、煮物などの盛り合わせという3つの要素で構成する。

起源には諸説あるものの、家庭での宴会や法事のもてなしの際、一つの大皿で料理を提供することで、台所を預かる女性たちの片付けなどの手間が省け、一緒になって酒を酌み交わすことができるからという説も。
▲高知市内の交通の要所・はりまや橋交差点にほど近い「酔鯨亭」。高知の郷土料理から気軽な居酒屋メニューまで豊富に揃っている

高知ならではの料理が味わえ見た目も豪華なので、旅行者なら一度は食べてみたい料理だが、基本的に一皿4~5人前というボリュームゆえに、10,000円前後する。これだとなかなか少人数の旅行者だと、利用しづらい。

そこで今回は前日予約で2人前の「ミニ皿鉢」を提供している「酔鯨亭」にお邪魔して、旅行者でも手軽に楽しめる皿鉢料理の魅力に迫ってみた。
▲ミニ皿鉢を手に料理の説明をしてくれた「酔鯨亭」の高岡孝光店長

本格皿鉢料理と遜色なし!
満足感高めの味とボリューム

高知市内中心部で少人数向けの皿鉢を提供している飲食店は、老舗の郷土料理店など少なからず存在している。「酔鯨亭」は他店よりもカジュアルで、気軽に足を運べる雰囲気の「郷土居酒屋」。この敷居の低さも旅行者におすすめする理由の一つだ。

同店の通常の皿鉢は、4~5人向けの料理が40cmの大皿に盛り付けられて、一皿13,000円(税別)。2日前までの予約が必要。一方「ミニ皿鉢」は約30cmの皿に、通常同様の料理が2人前盛り付けられて6,000円(税別)。
▲左が通常の皿鉢料理に使う大皿。右が「ミニ皿鉢」。極端に大きさの違いは感じられないが、高岡店長によると「盛ることができる料理の量はだいぶ違う」とのこと
▲これが「ミニ皿鉢」。単体で見れば通常の皿鉢と遜色ない迫力!食べ方にルールはなく、好きなものから早い者勝ち(笑)

テーブルに置かれたミニ皿鉢は、ミニとは言え、けっこうな迫力がある。カツオのタタキと刺身、貝の盛り合わせ、川エビの唐揚げ、焼きサバ寿司など、10種類ほどの彩りも鮮やかな料理が立体的に盛り付けられ、テーブルの上にあるだけで一気に華やかな雰囲気になる。
▲分厚く切られたカツオのタタキは高知の酒席の主役

正面にあるのは高知ではおなじみのカツオのタタキと刺身、そしてカンパチの刺身。カツオ以外は季節によって、タイやヒラメなど白身魚の刺身となる。
カツオのタタキはネギやニンニクなどの薬味をたっぷりのせて、別で提供されるタレをつけていただこう。強火で炙った香ばしい表面とモッチリした身の舌触り、薬味の刺激とともにカツオの旨味が口いっぱいに広がり、日本酒をくいっと傾けたくなる。

刺身の後ろに並ぶのは、揚げ物、酢の物、煮物など「組み物」と呼ばれる料理の数々。
▲揚げ物の川エビの唐揚げ(中央)、アオサノリの天ぷら(左)、鯨の竜田揚げ(右)

鮮やかな赤色が印象的な川エビの唐揚げを手に取ってみる。ハサミまで入れると全長10cmほどの川エビは、カラッと揚がってパリッパリの食感と塩味がビールにぴったりだ。

揚げ物の籠の左には、少し見慣れぬ料理が盛られた小鉢。「鯨のサエズリとハナクジラです」と高岡店長。
▲酢の物の鯨のハナクジラ(左)とサエズリ(右)

サエズリとは舌の肉のこと。脂肪分が多く高級部位とされる。ハナクジラとは、鯨の種類ではなく尾びれのこと。見た目が白い花のように見えることから、ハナクジラと呼ばれるそうだ。

どちらも特製の酢みそで頂く。濃厚な味わいのサエズリと歯応えある食感のハナクジラ。これも土佐ならではの味わいだろう。

お皿の右へと目を転じれば、ザルの上には煮た貝料理。今回はサザエ、チャンバラ貝、ニナ貝など3種類。
▲貝の盛り合わせは季節によって内容が異なる。今回はチャンバラ貝(手前)、サザエ(左奥)、ニナ貝(右奥)

なじみのあるサザエ以外は、身を取り出すのにちょっとコツが必要。爪楊枝で身を刺して、貝殻をくるっと回せば、中身が取り出せる。うまくいかない場合は店員さんに教えを請おう。
▲こちらは鯨の串カツ。クセのない味わいで誰もが楽しめる

刺身、揚げ物、鯨料理に貝料理とたっぷり味わったところで、最後のシメは寿司。ミニ皿鉢の場合、日によってカツオとニンニクの巻き寿司「土佐巻」や「焼きサバ寿司」などが提供される。この日は脂がのった焼きサバ寿司。
▲焼きサバ寿司。脂ののったサバが美味

肉厚のサバは香ばしく焼かれ、ずっしりボリューム感のあるシャリとの相性も抜群!これだけでもお腹いっぱいになりそうだ。

ミニ皿鉢の料理内容は、季節によって異なるので今回の料理はあくまで一例。とはいえこれだけ高知らしい料理の数々が、たらふく食べられて1人3,000円(税別)と考えればお得。例えば3~4人で予約して、これをつつきながらほかの料理をオーダーするのも楽しみ方の一つだろう。旅行者でも高知の宴会の雰囲気そのままに、皿鉢を囲んで多いに盛り上がってもらいたい。
藤川満

藤川満

清流・仁淀川流れる高知県いの町在住。出版社勤務を経て「撮って書く」フォトライターに。カヌーやトレッキングなど自然と親しむ一方で、利酒師の資格を有する日本酒党。またジャズライブの撮影はライフワークのひとつ。

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