金沢21世紀美術館は、無料エリアだけでも大満足できるスポットだった!

2017.08.18

石川県金沢市の中心部にある白くて丸い建物、地元の子供たちの間では「まるびぃ」の愛称を持つ「金沢21世紀美術館」は、誰でも気軽に立ち寄れる開放感に満ちています。「まちに開かれた公園のような美術館」が建築コンセプトで、誰もが楽しめる空間が待っています。

多くの人が訪れる開放的なミュージアム

2004年10月9日にオープンした「金沢21世紀美術館」は、全国から多くの人が訪れ、入館者数は国内でもトップクラス。兼六園の斜め向かいで金沢市役所の隣にあり、金沢屈指の繁華街である片町や香林坊(こうりんぼう)からも徒歩圏内。元は金沢大学附属中学校や小学校などがあった場所で、市民にもなじみの深い立地です。
▲晴れた日は緑の青さと白い外観とが美しく映えます

「まるびぃ」という愛称以外にも、市民からは「21美(にじゅういちび)」と略して親しまれているこちら。街や周りの観光スポットの喧騒がほぼ感じられず、別世界のような静けさと広がりを見せています。上から俯瞰して見ると円形の建物で、自由に出入りできるようにと、出入口は東西南北に4つ配されているため、初めて訪れると正面入口がどこなのか少し戸惑うかもしれません。

建物を取り囲むように広がる広い芝生には桜や柳などの樹々が植えられ、木陰に座っておしゃべりを楽しんだり、横になって休んでいる人もいて、自由にくつろいでいます。もちろん美術館の敷地内なので、屋外エリアにもいくつか作品やおしゃれなオブジェがあります。
▲屋外には所々に地中から飛び出したラッパのような作品があります
▲『アリーナのための クランクフェルト・ ナンバー3』フロリアン・クラール2004(恒久展示作品)

ラッパ状のこの作品は芝生上に12個点在していて、管が地中を通して作品を2組ずつつないでいます。一方で発した音や声が管を伝わってもう一方から聞こえるという、糸電話を連想させるアート作品。ひとりでも楽しめますが、ふたり以上で楽しむのがおすすめ。
▲芝生の上にはかわいいドロップチェアがあちこちに置かれています
▲雲のようなオブジェは薄めの作りで、中に入ると思った以上に広いんです

どれに座ってみようか迷ってしまうドロップチェアや雲のようなオブジェなど、そのほとんどが見るだけでなく触れたり入ったりできる体験型。他にもステキな作品があり、茶室もあるので、天気がいい日は公園で遊ぶ気分で屋外を散策してみてください。

中にも無料で楽しめるエリアがたくさん!

「金沢21世紀美術館」の屋内は無料で楽しめる「交流ゾーン」と、展覧会の展示作品を観覧する「展覧会ゾーン」のふたつのゾーンに分かれています。「交流ゾーン」にはミュージアムショップやカフェレストラン、アートライブラリーなどもあり、かなりの面積を占めているのが特徴!
「交流ゾーンが多いのは、気軽にアートに触れていただきたい思いからです」と広報の坂元さんが教えてくれました。

ガラスのアートサークルに沿った内側は、ほとんど「交流ゾーン」となっていて、デザイナーズチェアが多く配置されています。
▲長い木の板で作られた椅子に座り、ガラス越しに屋外の景色と陽の光を楽しんで
▲ウサギのような形がかわいいチェアがずらり
▲もちろん座れます。絵にもなるので撮影もおすすめ

「交流ゾーン」にあるチェアの多くは撮影可能スポット。アーティスティックな写真が撮れるので、ぜひ挑戦を!
▲屋内を縦横断する通路のガラス面からは、展示作品の一部が見られることも
▲1階と地下1階をつなぐガラス張りの油圧式エレベーター

天井を含む5面がガラス張りとなっているエレベーターは、ちょっと動きは遅め。でも、館内の開かれた広い空間がぐるりと見渡せて、このエレベーターもまたアートのひとつだと気づかせてくれます。

上からも中からも見たい『スイミング・プール』

「金沢21世紀美術館」の中でも高い人気を誇る作品『スイミング・プール』。意外なことに地上部は「交流ゾーン」なので、無料で鑑賞できるんです(ただし、地上部は天井のない中庭のような場所にあるため、雨天時は閉場されますのでご注意を)。明るい色のストーンを配したデッキから見下ろすと、かすかに水が波立っています。本物のプールのように見える中には、時折人影が…。
▲『スイミング・プール』レアンドロ・エルリッヒ2004(恒久展示作品)

見るほどに不思議な水中空間が展開する『スイミング・プール』。どうなっているのかは、ぜひ実物を見てみてください。きっと「なるほど!」と思いますよ。

もちろん、内部に入っての鑑賞も可能ですが、こちらは「展覧会ゾーン」に入口があるので、展覧会チケットを購入して入場しましょう。
▲水を通した陽光が幻想的な『スイミング・プール』内部

一面が水色に染まった内部は思ったよりも深さがあり、思わず上を見上げたくなります。地上部で見下ろす人影がゆらめき、自分が本当に水の中にいるような不思議な気分に!

同じく「展覧会ゾーン」にある『緑の橋』は、自然の豊かさと美しさを間近に感じられる作品です。
▲『緑の橋』パトリック・ブラン2004(恒久展示作品)
▲ガラスの廊下をゆっくりと歩いて緑を観察するのもアート鑑賞に

壁いっぱいに配置された自然は、石川県に自生する植物、金沢の山や森などにある植物など地元にこだわって選定し集められ、しかも四季を通じて緑に包まれているように絶妙な計算とバランスがなされています。よく見ると花が咲いている部分を見つけられるそうで、植物の奥深さもまたアートとして楽しむことができます。

奥深さと言えば、こちらの作品。巨大な黒い楕円が印象的で、シンプルなのに引き込まれる深遠さを秘めています。
▲『L'Origine du monde』アニッシュ・カプーア2004(恒久展示作品/画像提供:金沢21世紀美術館)

見れば見るほどに奥深く、この黒い楕円は平らなのか、盛り上がっているのか…その実態を考えるほどに思索を揺さぶる、哲学的な作品です。「世界の起源」という意味をもつタイトルにも納得です。
▲『雲を測る男』ヤン・ファーブル1998(c)Angelosbvba(恒久展示作品/画像提供:金沢21世紀美術館)

こちらの作品は、映画『終身犯』(1961年アメリカ)から着想を得て作られた作品で、「雲を測る」という詩的な行為をはじめ、人間の生死など多くのメッセージが込められているそうです。なんと、作家自身の身体を型どりして作られているんだとか。美術館の屋上ともいえる屋外部に配置され、実際に雲を測っているかのようです。※2017年9月末まで修復に出されています。

ミュージアムショップでお買い物の楽しみも

「交流ゾーン」にはフェンスに囲われたミュージアムショップが2つあります。どちらも円形のスペースで、Shop1では美術館や金沢ならではのオリジナルグッズを販売、Shop2では期間ごとに行われている特別展示会にちなんだグッズをメインとして、多彩に展開しています。
▲Shop1は広めのスペースで、アーティスティックなグッズが並びます
▲TシャツにTシャツがプリントされた、大胆なデザインのMy Shirt(マイシャツ)4,500円(税込)
▲金沢のマップが描かれたてぬぐい1,080円(全3色・税込)
▲美術館で触れた、感じたアートをデザインした金沢21世紀美術館オリジナルバッグ。ZUROKKING(ズロッキング)各種3,240円(税込)
▲美術館のフォルムをかたどったシンプルな時計。まるびぃ掛時計 各色5,400円(税込)

このほかにも季節ごとの雑貨や芸術系の本、ポストカードなどデザイン性の高いものがそろっています。金沢で人気の和菓子「甘納豆かわむら」の甘納豆も少しだけ委託販売されています。

明るく開放的なカフェレストランでスイーツやごはんを

正面入口を入ってすぐ右にはカフェレストラン「Fusion21」が併設されていて、地元食材を取り入れたおしゃれなスイーツやごはんが充実しています。
▲ガラス張りで真っ白な空間は、たっぷりの光が差し込んできて開放的
▲左/ぷるぷるサマーゼリージンジャーエール アセロラ&チェリー750円、右/金沢ぱふぇ950円(どちらも税込)

夏季限定の「ぷるぷるサマーゼリージンジャーエール」は、なんとゼリー状になっています。スパークリングなのにゼリーの柔らかさもあり、澄んだ味わい。
アセロラ&チェリーのほかにパッションマンゴーや白桃、ワインベリー、冷やし梅の5種類があり、どれを選ぼうか迷います。

ソフトクリームにかけられた金箔がアクセントの「金沢ぱふぇ」は、地元食材の五郎島金時をチップと大学芋にしてあしらい、黒ごまアイスや白玉、あんこが添えられて上品なおいしさです。
▲ブリオッシュのポタージュグラタンプレート950円(スープ付・税込/写真提供:Fusion21)

「ブリオッシュのポタージュグラタンプレート」はレギュラーメニューで、ランチでもディナーでもいただけます。ブリオッシュを器にして、あつあつのグラタンがたっぷり。見た目以上のボリュームです。
▲能登牛ステーキランチ3,500円(税込/写真提供:Fusion21)

こちらのランチは前菜がおかわり自由のビュッフェ形式で、好きなメインを選べます。
前菜は加賀野菜などの地元野菜がたっぷり。
メインの中でもぜひいただきたいのが能登牛のステーキ。能登の豊かな自然で育ったブランド牛で、噛むほどにあふれる甘みと旨みに感動必至です。

ディナーでも一皿一皿がアートのように美しく、開放的で洗練された空間の中、心ゆくまで味わえます。
屋外はもちろん屋内も気軽に入ることができて、近現代芸術や国際的なアートを身近に観賞できる「金沢21世紀美術館」。公園感覚で、あるいはアートを楽しむため、ランチやカフェにと、心地よい時を求めてぜひ足を運んでみてください。
SARYO

SARYO

石川県の温泉地として名高い南加賀在住のライター・エディター、時々シナリオライター。北陸の地域情報誌に10年勤めていた経験と、国内も国外も興味津々な好奇心をフル活用し、さまざまな情報をお届けします。歴史、神社仏閣、旅、温泉に強く、利用者と同じ目線を重視するスタイル。

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