SASEBOナイトツアーで、ちょっとディープな夜の佐世保へ!

2017.07.19

多くのハンバーガーショップをはじめ、町の至る所でアメリカンな雰囲気が感じられる長崎県佐世保市。それを象徴するスポットといえば外国人バー。扉を開ければ「Hey! What’s up?」と、まるで海外ドラマや映画の世界。覗いてみたいけど、なかなか勇気が…そんな方にオススメしたいのが「SASEBOナイトツアー」。地元ガイドが佐世保の町と外国人バー(またはJAZZバー)を案内する、人気のまち歩きツアーです。実際に体験してきました!

19時30分、日本一のアーケードにあるローカル駅に集合!

外国人バーへ案内してくれるのは、佐世保観光コンベンション協会が主催する「SASEBOナイトツアー」。ツアーの集合場所は、一直線のアーケードとしては日本一の長さを誇る「さるくシティ4○3(ヨンマルサン)アーケード」のほぼ中央にある、MR松浦鉄道の「佐世保中央駅」前。JR佐世保駅からは徒歩で約12分。
▲天井の表示のほか、時刻表が掲げられた柱が目印

この表示の先の路地に入り、50m先にMR佐世保中央駅があります。

MR松浦鉄道は、長崎県佐世保市から平戸市、松浦市、佐賀県伊万里市を経て有田町までを結ぶローカル線。始発駅「MR佐世保駅」はJR佐世保駅の構内にあり、次の停車駅がMR佐世保中央駅。
▲MR佐世保駅~佐世保中央駅間の運賃は170円(税込)

電車だとわずか3分の移動ですが、高架から見下ろす港町シーン、特に夕暮れ時はなかなかロマンチックです。せっかくならこの風景を楽しみながら集合場所まで行ってはいかがですか?

さて、集合場所のMR佐世保中央駅前では、ツアーを案内する現地ガイドさんが待っています。
▲「SASEBOナイトツアーにご参加の方はこちらでーす」

と、出迎えてくださった佐世保市在住の田中さん。田中さんをはじめ、数名の登録ガイドが交代で夜の佐世保を案内してくれます。
▲「こんばんは、本日ご案内します田中です。よろしくお願いします」

「改めまして、ようこそ佐世保へ。さて、このツアーを簡単に紹介しますと、最終的には佐世保ならではの外国人バー、またはJAZZバーへ飲みに行くんですけど、おいしいお酒を飲む前の軽い運動とでも言いますか、ちょっと佐世保を散歩していただき、よりこの町を知っていただきましょう、楽しんでいただきましょう、できれば『へぇ~!』って感心していただきましょう、という具合です、はい。ま、難しいことはさておき、参りましょう」と実に軽快なトーク。
それもそのはず、田中さんは地元のコミュニティーFMのパーソナリティーもされているそうです。
▲護衛艦などが停泊している港風景も佐世保ならでは

「さて、佐世保のことを簡単に紹介しますと、実は明治の中頃まで、この辺は人口4,000人くらいの小さな村でした。それが明治22(1889)年に日本海軍の鎮守府が置かれてからいろいろ埋め立てて、軍関係の施設はもちろん、病院とか商店街とかデパートとかいろいろできて、活気あふれる港町になりました。戦後、米海軍が駐留し、海上自衛隊の佐世保基地も置かれました」と田中さん。

長いだけじゃない!佐世保らしさ満載のアーケードを散策

さて、一行は日本一長いと言われるアーケード内に進入!
「ここは上京町・下京町・本島町・島瀬町の4つの町で形成している四ヶ町(よんかちょう)商店街と呼ばれるアーケード。ここだけでも全長516mもあります。この先の横断歩道を渡って老舗デパート『玉屋』、さらにもう一つ横断歩道を渡ると松浦町・常盤町・栄町の3町にまたがる三ヶ町(さんかちょう)商店街が続きます。この3つを合わせた全長は1km。一直線のアーケードとしては日本一の長さで、四ヶ町の4、玉屋の○、三ヶ町の3の文字を取って『さるくシティ4○3(よんまるさん)アーケード』と呼ばれています」と田中さん。
▲常に賑わっている四ヶ町商店街

このアーケードは明治に作られた本通りの場所を、そのまま引き継いでいるそうです。つまり、明治の頃からずっと、ここは佐世保のメインストリート。

「日本各地の商店街がシャッター街化する中、ここはすごく元気でしょ。今も160店近くがズラーッと並んで、佐世保市民はもちろん、佐世保に住む外国人の方もよく利用しています。だからこんなサービスもあるんですよ」と田中さんが指さしたのは、アーケード内のマクドナルド。
英語表記なのはもちろん、入口に本日のドルレートが書かれています。
「しかもこの店はドル支払いもOKです。おつりは日本円で帰ってきますけどね」と田中さん。
「これも佐世保ならでは」、とマクドナルドの脇の路地へ。
「全国各地の名所や名物を描いたデザインマンホール、またはご当地マンホールと呼ばれるものがあるそうです」と田中さん。なんでも愛好家も多いらしく、彼らのことを「マンホーラー」というそうです。
南蛮船の周りを佐世保の名所、九十九島(くじゅうくしま)の島々が囲むこの蓋は、佐世保に2個しかないとか。マンホーラーにはたまらないでしょうね。

さらにアーケードを歩いていると、各店先の足元に正方形のイラストを発見。田中さん、これ、なんですか?
「鉛筆と定規。つまりここは文房具屋さんですよ、というアイコンですね。日本語が読めない外国の方でも、何の店だかわかるような工夫。これも佐世保ならではです」と田中さん。

ではここで問題。次のアイコンは何のお店を差しているでしょうか?
着物のアイコン。そう、こちらは呉服屋さん。
真珠のアイコン。九十九島は真珠の産地でもありますからね、こちらは貴金属店です。

さて、四ヶ町商店街でのぶらぶら散策を楽しんだら、2017年現在で創業200年の老舗デパート玉屋を左折して、佐世保川方面へと向かいます。
▲老舗デパートの昭和レトロな看板。なんだかほのぼのします
しばらくすると、アーチ形のアルバカーキ橋が登場。実は佐世保市とアメリカのニューメキシコ州アルバカーキ市は姉妹都市。両市が日米親善の架け橋になるようにと、昭和41(1966)年にこの橋が架けられたそうです。

橋を渡って佐世保市公園へ。ここには「幸せのハートストーン」なるものがあるそうです。すっかり日が暮れましたが、ガイドの田中さんが持参したライトを借りて探すと…
ありました!よく見ると、ハートの右上に星型ストーンもあります。なんだかアメリカっぽいですね。
「実はこの石畳にはSASEBOの文字もあるんですよ」と田中さん。
かなり暗くなってしまいましたが、なんとか「B」は見つけました。
ハートストーンのある石畳からはこんなシーンも。2,300球の電球でライトアップしたアルバカーキ橋。水面に映る逆さのアーチを見て一瞬、「もしかして、佐世保バーガーを表現?」と思いましたが、そんな狙いは全くないようです。

「では、そろそろいきますか」と田中さん。いよいよお待ちかねの外国人バーへ。

アメリカンスタイルながら日本語OKの外国人バー

外国人バーとは、米海軍の基地がおかれた昭和25年頃にオープンした外国人向けのバーのこと。多い時には200軒以上あったそうですが、現在は12~15軒ほど。壁や天井にドル札がびっしり貼られたお店から、店員もお客もテンガロンハットをかぶって、カントリーミュージックに酔いしれるウエスタン風のバーなど、なかなか多彩です。
「はじめての外国人バーなら、ここがおすすめ」と田中さんに案内されたのが「ANCHOR Club(アンカークラブ)」。米軍兵から「セーラーストリート」と呼ばれる湊町、常盤町(ときわちょう)界隈で20年近く営業している外国人バーです。
落ち着いた照明の店内。カウンター席の奥にはテーブル席、その先にステージがあって、この夜は恰幅のいい外国人トリオが80年代ロックを中心にライブ演奏をしていました。

外国人バーというだけあって、お客さんのほとんどが外国の方、と思いきやカウンターには佐世保っ子も数名。1人で静かに飲んでいる方もいれば、お馴染みさん同士なのでしょうか、お隣の外国の方と歓談している方もいて、なんだかとてもアットホームな雰囲気。
「さて、ツアーはここで終了です」と田中さん。
この後は自由解散。ちなみにツアー代にはバーでの飲食代は含まれていませんので、「お好きな飲み物、食べ物を注文して、ごゆっくりどうぞ」と言って、外国人バーでのオーダーの仕方を教えてくださいました。

外国人バーでは注文したものを受け取る際にお金を支払う、キャッシュ オン デリバリースタイルをとっています。支払いも日本円、ドルの両方ともOK。ここではお釣りもドルのようです。
つまり、こんな感じでやり取りするわけです。外国人バーというだけに、注文は英語?と思いましたが、店長もスタッフも日本の方。なので、普通に「ナマ下さい」でOK。他の外国人バーもこんな感じで、外国にいるような雰囲気はあるものの、やりとりは日本語で大丈夫です。
「お疲れ様でしたー!」と田中さん、そしてライブを見ていたマッチョなお兄さんたちと乾杯。みなさんとてもフレンドリーで、聞くところによるとライブ演奏の方々のお友達だそうです。こちらのお店では月1回、米軍のミュージシャンによるライブが開催されるとのこと。気になる方は開催日などをお店に聞いておきましょう。

このお店では、ビールがよく出るそうですが、その次に人気なのがテキーラサンライズ(600円・税込)。さらに「これも米軍の方には人気だよ」と、店長がカウンターにドン!と置いたのがコレ!
▲ハブ酒(800円・税込)!サービスショットとして、ハブの頭、出していただきました!

なんでも8年モノの古酒とのこと。元気になる、肌の調子が良くなるとの噂もあるそうですが、今回は遠慮させていただきました。ハブ酒はこちらのお店だけでなく、他の外国人バーにも置かれているそうです。興味のある方はぜひ、チャレンジを。

シックに飲みたい、スイングしたい方はJAZZバーへ

外国人バーまたはJAZZバーへと案内してくれる「SASEBOナイトツアー」。ではそのJAZZバーもちょっと覗いてみましょう。本来、案内してくれるバーは1軒ですが、田中さんにお願いして、特別にさるくシティ4○3アーケードの入口にある「JAZZSPOT いーぜる」に案内していただきました。
▲カウンター席にテーブル席が2つ

テーブル席の背後には4,000枚もの名盤LPがびっしり。奥のステージでは週末を中心に月に4回ほど、ライブ演奏が行われるそうです。残念ながらこの夜、ライブは行われていませんでしたが、頭上のスピーカーからこぼれ落ちるBGMのなんともいえぬ心地よさ。それだけでも、十分酔いしれます。
カウンターから見下ろす佐世保の町あかり、そして行き交う車のヘッドライトやテールランプによる光の帯も素敵です。なんとも都会的と言いますか、渋いトランペットの音色が似合う、そんな世界。

そもそも昭和20~30年代初頭の佐世保は、ホールやキャバレー、クラブなどが多く立ち並んでいて、ジャズの聖地とも言われていたそうです。その文化は今も残り、市内にはライブが楽しめるJAZZバーがあります。さらに毎年9~10月には、佐世保市内の各地でライブ演奏が行われるジャズイベント「佐世保JAZZ」も開催されています。

外国人バーとはまた違った落ち着いた雰囲気のJAZZバー。こちらがお好みという方は、ぜひ、SASEBOナイトツアーを予約する際にリクエストを。
最後にもう一度、SASEBOナイトツアーについて。ツアーは金・土曜日と祝前日のみ開催の予約制です。佐世保観光情報センターのホームページではツアーはもちろん、ご案内できる外国人バーやJAZZバーの情報も紹介されています。あらかじめチェックして、気になるお店を予約時に伝えておくことをお勧めします。
どうです、SASEBOナイトツアー。バーも楽しかったですが、個人的には道中のまち歩きがなかなか面白く、しかも目からウロコな発見がいっぱいでした。やっぱり地元の人と歩くと、ガイドブックには載っていない、より突っ込んだ情報が得られるし、町の歴史や文化もより深く実感できます。佐世保の町がさらに好きになりました。女性でも安心して参加できるツアーですから、ぜひ、みなさんもどうぞ。
山田誠

山田誠

新潟県十日町市生まれ、現在は福岡県福岡市在住のフリー編集者・ライター。九州の宿や温泉、飲食、雑貨系のショップ、さらに漁村、農村、道の駅など、暮らしと休日に関わるスポットをほぼ毎月、年間150軒以上を取材。取材後は必ず近隣の直売所で地元食材を買って帰る。1児の父。

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