仏像ファンの聖地!奈良国立博物館「なら仏像館」の楽しみ方

2018.02.04 更新

奈良公園の一角に立つ「奈良国立博物館」は、「東京国立博物館」に次ぎ日本で2番目に古い国立の博物館。日本屈指の仏像を展示する「なら仏像館」と、毎年秋に多くの人が訪れる正倉院展などを行う「東新館」「西新館」、中国古代青銅器を展示する「青銅器館」の4つのギャラリーから成っています。今回はその中でも、国宝や重要文化財が数多く出陳されている「なら仏像館」の魅力をお伝えします。

一度に100体以上の仏像を見られるのはココだけ!

奈良公園内でひと際目を引く奈良国立博物館は、明治27(1894)年に完成した、奈良で最初の本格的洋風建築。赤坂離宮や京都国立博物館などを手掛けた明治時代の代表的宮廷建築家・片山東熊(かたやまとうくま)が設計しました。
昭和44(1969)年に国の重要文化財に指定され、現在は、「なら仏像館」として使用されています。
▲もとはこちらが正面玄関でしたが、現在の正面玄関は反対側
▲正面玄関。2016年にリニューアルされ、現代的に。観覧料は一般520円、大学生260円、高校生以下・18歳未満無料 ※特別展は別料金です

「なら仏像館」は、国内随一の仏像に特化した展示館です。100体以上の仏像を一度に鑑賞できる仏像好きの聖地であり、その数や種類は圧倒的!
ひとえに仏像といっても、立像、座像、獅子や象などの動物像、神様の姿を彫刻した神像などさまざまですが、こちらではそれらをじっくりと鑑賞することができます。
中へ入ると、通路の照明が落とされ、少し暗くなっています。
これは、外の明るい光に慣れた目を一度ここで休ませてから展示室に入ってほしいとの思いから。
目を休める間は数歩。すると、近代建築の迫力を感じる入口が現れます。
では、いよいよ館内へ。
▲第1室から順に巡るようになっています

館内には13の展示室があり、各室は、時代、サイズ、仏像の種類などで分けられています。主に飛鳥時代から室町時代にかけて造られたものを中心に、国宝や重要文化財の指定を受ける貴重な仏像がズラリ。

大きなガラスケースに、如来や菩薩の立像や坐像が整列しています。
▲平安時代の名仏師・定朝(じょうちょう)によって確立された定朝様(じょうちょうよう)の典型といえる阿弥陀如来立像(同館所蔵)

第5室には、釈迦が誕生時をかたどった「誕生仏」や、7~8世紀に中国や朝鮮半島から渡ってきたものなど、比較的小ぶりな仏像が並んでいます。
▲左は重要文化財の如来立像(光明寺所蔵)。8世紀後半の朝鮮半島で作られたとみられる金銅仏です

年代別になっていると、その時代ごとの仏像の特徴がよくわかるので、とても見やすくて、勉強になります。

ここまでは、ガラスケースに展示されていますが、メイン展示室となる第6室では、ガラスケースが取り払われた、露出展示の仏像を、間近に見ることができるんです。
▲第6室は、最も大きい展示室

ガラスケースがないと、仏像のオーラが放たれていて、そばに寄るのも緊張!
近くに寄って拝顔したり、360度ぐるりと回ってじっくりと鑑賞してください。

こちらの仏像は、平安時代作の釈迦如来立像(しゃかにょらいりゅうぞう)。重要文化財に指定される仏像です。微笑んでいらっしゃるようなお顔が素敵です。
▲平安時代作の釈迦如来立像(しゃかにょらいりゅうぞう)(法明寺所蔵)。重要文化財

なら仏像館では、飛鳥時代から室町時代頃までに作られた国宝や重要文化財に指定される貴重な仏像を、こんなに間近で鑑賞できるのが魅力の一つなんです。
▲平安時代作の如来立像(同館所蔵)の正面のお姿
▲ぐるりと回り、後ろ姿を拝見。木目の様子などもはっきりと見ることができます

展示替えは年に4回行われます。
展示の仏像のなかには、大きいものだと2mを超すものも。

また、小さなパーツがたくさん並ぶ展示室も見どころの一つです。
第13室の「破損仏像残欠コレクション」は、破損した仏像の手や足、装身具などの一部分を、100点ほど展示。それぞれ大切に保管されてきたパーツをこのような形で見ることができるのも、仏像の専門館ならではですよ。
▲手や足の形などがよくわかります

一通り、自身のペースで回ってみるのもいいですが、解説があればもっと楽しめるかも。と思った方におすすめなのが、ボランティアガイドさん。展示室にはガイドさんが何人か常駐されています。
▲10時から16時の間、無料で案内をしてくれます

さらに、時間があえば、毎日11時~、12時30分~の2回行われているツアー解説(無料)を利用してみては。各回10名限定で、館内の隅々までわかりやすい解説で一緒に回ることができます。仏像の魅力をより深く知ることができ、充実した鑑賞時間になること間違いありません!所要30分ですので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

ここでしか販売していない、仏像モチーフの限定グッズを

なら仏像館の出口から階段を降りると、「東新館・西新館」へとつながる地下回廊があります。
地下回廊にはカフェレストランやミュージアムショップがあり、こちらは無料で入館することができます。
▲左がカフェレストラン、右がミュージアムショップ
▲種類豊富なミュージアムグッズを販売するショップは、マストで訪れてほしい場所
▲図録や仏教関連の書籍をはじめ、奈良に関する雑誌なども販売しています

奈良国立博物館オリジナルのグッズも大充実!
仏像や正倉院文様をあしらったものも多く、文具からTシャツまで幅広いラインナップです。
特に人気が高いのは「元気が出る仏像」シリーズ。
博物館の学芸員も一緒に考えたという、仏像をキャラクター化したポップなシリーズ。文具を中心に展開しています。
▲右からクリアファイル270円、ミニファイル各194円、缶バッジ各216円、ふせん450円、マーキングクリップ6個入540円(すべて税込)

女子向けの可愛い正倉院文様のグッズも。
▲右からブックカバー各972円、メモ鹿309円、クリップ琵琶(30個入)864円、麻 名刺入1,620円、麻 巾着2,700円(すべて税込)

看板メニューのふわふわパンケーキで、ほっと一息

ミュージアムショップの向かいは、カフェ「葉風泰夢(ハーフタイム)」。
オムライスやパスタなどの食事メニューもあり、春・夏・秋には奈良国立博物館で行われる各展示内容に合わせた定食や、「正倉院展期間限定薬膳弁当」などその時々の限定メニューも登場します。

カフェタイムに味わいたいのが、名物の「フレンチパンケーキ」。
▲「フレンチパンケーキ プレーン」864円(税込)

口どけが良く、あっさりとした甘さの生クリームがたっぷりのったパンケーキ。
生地は玉子たっぷりでふんわり柔らか。米粉を入れることでモチっとした食感が楽しめます。

イチゴとイチゴのコンポートをトッピングしたパンケーキもありますよ。
▲「フレンチパンケーキ フルーツ」1,188円(税込)

仏像について学べる無料スペースもあります

地下回廊には他に、仏像の歴史や種類、造り方などを学べるコーナーもあり、こちらにもボランティアガイドさんが1人常駐しています。
▲わかりやすいパネル展示

「先にこちらで仏像について勉強してから仏像館へ行ったら、より展示が楽しめた」という方も多いので、最初に立ち寄ってみるのも◎。
▲木造の仏像が出来ていく過程の展示も

奈良国立博物館には、なら仏像館以外にも、正倉院展などの特別展を行う東新館、絵画や工芸品、考古遺品などの名品展を行う西新館、青銅器館などがあり、仏像以外の様々な美術品も鑑賞できます。

奈良は、国宝彫刻が全国で1番多い県。一堂に多くの仏像を鑑賞することができる全国でも貴重な博物館に、仏像の魅力を味わいにいきませんか?
白崎友美

白崎友美

奈良の編集制作会社EditZ(エディッツ)の編集者。大阪、京都で雑誌や通販カタログなどの制作を行い、現在は居住する奈良県に軸足を置き、奈良の観光関連のガイドブックやホームページなどを制作。自社媒体の季刊誌『ならめがね』にて、「ユルい・まったり・懐かしい」奈良の魅力を発信している。

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