奈良・みたらい渓谷で、秘境満喫の新緑ハイキング

2017.07.08 更新

関西有数の渓谷美を誇る「みたらい渓谷」は、奈良県吉野郡天川村(てんかわむら)に広がる景勝地。ゴロゴロした巨岩の合間を縫って流れる川沿いに遊歩道が整備され、ダイナミックな変化に富んだ渓谷美を満喫できるハイキングコースとして人気を集めています。ハイキング初心者でも楽しめるとあり、新緑の気持ちいい季節のなか、日頃運動不足の筆者が張り切って挑戦してきました。

ハイキングマップをゲットして、いざスタート!

みたらい渓谷のハイキングコースは、「天川村総合案内所」から「洞川(どろがわ)温泉センター」までの約7.4km、約2時間の道のりです。
天川村総合案内所は、近鉄下市口(しもいちぐち)駅からバスで約1時間、バス停「天川川合(てんかわかわい)」で下車すれば目の前です。

まずは、案内所にあるハイキングコースのマップをゲットしましょう。職員さんが常駐しているので、気になることがあればここで聞いておくのがおすすめです。
▲天川村総合案内所

歩き始める前にぜひ立ち寄ってほしいのが、ここから徒歩1~2分ほどの場所にある天川村ふれあい直売所「小路の駅 てん」。
天川村の特産品を扱う店内で購入しておきたいのが、「日本名水百選」にも選ばれる奈良の名水「ごろごろ水」のペットボトル。
「ごろごろ水」とは、天川村にある奈良県の天然記念物・五代松鍾乳洞(ごよまつしょうにゅうどう)の真下に古来から湧き出る名水です。鍾乳洞の中で水音が反響し、「ゴロゴロ」と音を立てて流れていたことから名付けられました。
▲「ひょうたんから水」370円(税込・350ml)。ほかにもたくさんの柄があります

その名水をひょうたん型の可愛いペットボトルに入れたのが、「ひょうたんから水」というミネラルウォーター。
せっかくみたらい渓谷を歩くなら、天川村の名水を水分補給のお供にしたいですよね。
▲ストラップ付だからリュックにつけても◎

名水を携え、軽やかに歩き出す

「てん」を出て、目の前にある村内唯一の信号を横断し、民家が並ぶ車道を歩きます。2分ほど歩いたところにある道案内の木製の看板を左に曲がると、レトロな吊り橋が!風情感じるハイキングのはじまりにワクワクが止まりません!
頭上の看板には「危険」の文字!5人以上で、一緒に渡らないようにしましょう。
吊り橋からはこの景色!さっそく渓谷美に出会えます。
▲水が透き通ってエメラルドグリーンに輝いています

吊り橋を渡り終えると、のどかな車道が続き、15分ほど歩いたところで「みたらい遊歩道」の入口に到着です。
▲ここから遊歩道に入ります

アスファルトから土道に変わり、木々との距離が近くなった遊歩道を進みます。日差しを柔らかくさえぎる新緑が瑞々しく、吹き抜ける風が気持ちのいい道です。
▲ベンチも置かれていますので、無理せず時折休憩を
▲案内所でもらったマップでコースの確認も

遊歩道の左側は天ノ川が流れていて、水の流れる音がBGMに。見れば、巨石がたくさんあり、自然の雄大さを感じます。夏には水遊びをする人でにぎわいます。
ここまで平地続きで爽快。普段運動しない私も、ラクラクなハイキングです。ただし、道がぬかるんでいる場所があるので、靴はスニーカーではなくトレッキングシューズがおすすめ。

遊歩道の入口から20分ほど経ったところで、再び吊り橋が現れます。
▲こちらの吊り橋の定員は10名

この吊り橋、足元は金網になっていて中央に木の板が敷かれています。わりと高い場所にかかっていて、下には川が流れているので、真下を見ると少し怖いかも。
▲金網の下には清流

吊り橋を渡り少し進むと、休憩所に到着。スタートしてから初めてのトイレスポットです。新しく清潔なので、女性も安心して使用できますよ。
▲みたらい休憩所。1階に案内所がありますが開閉は不定期

コースの1番の見どころ「みたらい渓谷」

休憩所を過ぎたら、このコースの1番の見どころである「みたらい渓谷」です!吊り橋と滝、巨岩が織りなす風景は絶景!!
修験道の霊峰・大峯山(おおみねさん)を源流とする清らかな水が流れ、エメラルドグリーンにキラキラと輝きます。マイナスイオンもたっぷり放出されているのを感じますよ!
▲休憩所横の橋の下からはこんな風景が見られます。2017年6月現在は落石のため進入禁止(写真提供:天川村)

すぐ横の階段を上ると、写真の手前側に写っている吊り橋「哀伝橋(あいでんばし)」があります。哀伝橋は、一見するとアスファルト舗装されているので吊り橋に見えませんが、主ケーブルで床版を吊り下げる吊床版橋(つりしょうばんきょう)という構造の吊り橋です。コースの中には吊り橋がいくつもありますが、ここが一番長く、大きな橋。
▲全長85m。歩くと揺れているのがわかります。ここは人数制限なしです

ちなみに、みたらい渓谷は漢字で書くと「御手洗」渓谷。南北朝時代に後醍醐天皇の子・護良親王(もりよししんのう)が戦の勝利祈願にこの場所で手を清められたことから名付けられたそうです。
さすが奈良、渓谷の名前一つとっても歴史があります。
▲気持ちのいい緑の中をデトックスウォーキング
▲渓谷の中に見える哀伝橋。絶景です!

秋は紅葉に染まり、違った美しさを見せてくれます。
▲11月上旬~中旬にかけて紅葉の見ごろに(写真提供:天川村)

橋を渡り、先へ進むと巨岩・奇岩の間を縫って水が流れる岩盤に立つことができ、背後には巨大な岩で形成された独特の風景が広がります。
▲私(人間)と比べると岩の大きさがよくわかる
▲大峯山の源流と日本名水百選の洞川湧水群の名水がブレンドされた透明度の高い水。気温の高い日でも水が冷たい

思いっきりマイナスイオンとおいしい空気を堪能した後は、再び遊歩道を進みます。
次の名所「光の滝」までは、急な階段を上っていきます。
▲途中、こんな場所も
▲カメラマン(女性)は一眼レフと三脚を持って軽やかに上っていきます
▲私はというと、ヒーヒー、ゼェゼェと遅れ気味…

そして、たどり着いたのが「光の滝」。
落差15mの直瀑で、横側から滝を愛でることができます。
▲光の滝。太陽が射すと水がキラキラと反射してキレイです

ここから後半戦スタートです

「光の滝」の後は、木々に覆われた自然道が続きます。
哀伝橋から歩くこと30分ほど。「観音峯」という看板が見え、道が分かれています。ここが観音峯登山口の入口です。
もし時間や体力に余力があったら、観音峯まで行ってみてください。
標高1,285mの山頂展望台までは片道約1時間30分。展望台は、稲村ヶ岳や大日山、山上ヶ岳、弥山など大峰山系が一望でき、パノラマの大眺望が素晴らしいです!

登山道にはこの地とゆかりの深い南朝と天川村の歴史が刻まれた解説板が設置されていて、歴史好きなら一層楽しく登ることができます。
▲観音峯展望台(写真提供:天川村)

私は今回は「観音峯」へは行かず、遊歩道をそのまま進みます。
すると吊り橋の先に小屋が。休憩所とトイレです。ここでひとまずホッとひと息。
ここからは車道に出ます。車の往来があるので、気を付けて歩道を歩きましょう。
しばらく行くと右側に再び「みたらい遊歩道」の門がありますので、そこから遊歩道へ戻ります。
ここからはうっそうとした林間を歩いていきます。平たんな道が続くので、足取りも軽やかに。
途中、右手奥に赤い鳥居を発見。
鳥居の奥には江戸時代から立つ大きなトチノキと、その下に大聖大権現(だいじょうだいごんげん)をお祀りする赤い祠(ほこら)があります。この場所がちょうど洞川の鬼門にあたるため、災いを集落に入れないように祠を祀ったそうです。
そこから5分ほどで、ようやくゴールの「洞川温泉センター」が見えてきました。
観音峯登山口からここまでは50分ほど。平たんな道が続いたので快適でした。
▲このあたりでは7月上旬になると、ホタルが飛び交います

そして、ゴール!!
私の場合はゆっくりと写真撮影しながらだったことや運動不足なこともあり、3時間でフィニッシュ。全体的にアップダウンは少なく、清々しい木々の中を気持ちよくハイキングできるコースでした!
洞川温泉の浴場がゴールなんて、なんという贅沢なのでしょう!

洞川温泉は、標高約820mの高地に広がる温泉郷にあり、大峯山(おおみねさん)の登山者たちの疲れを癒しています。私も疲れを癒すため、浴場へGO!
▲顔ハメ看板でカメラマンと記念撮影
▲内湯と露天風呂があります。入浴後はお肌がすべすべに(写真提供:天川村)

洞川温泉の泉質は弱アルカリ性単純泉。神経痛・筋肉痛・関節痛・運動麻痺・慢性消化器病・冷え症などに治癒効果があると言われ、ハイキングで疲れた体をじんわ~りほぐしてくれます。温泉に入ったからか、次の日筋肉痛になりませんでした!
普段は運動不足の私でも、気軽に楽しく歩けたみたらい渓谷のハイキングコース。
森林浴したことで、日頃の疲れも吹っ飛びリフレッシュできました。
奈良市内より4度ほど気温が低い避暑地でもある天川村。涼を感じるハイキングに出かけませんか?
白崎友美

白崎友美

奈良の編集制作会社EditZ(エディッツ)の編集者。大阪、京都で雑誌や通販カタログなどの制作を行い、現在は居住する奈良県に軸足を置き、奈良の観光関連のガイドブックやホームページなどを制作。自社媒体の季刊誌『ならめがね』にて、「ユルい・まったり・懐かしい」奈良の魅力を発信している。

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