ぶどう王国・山梨県勝沼の「ぶどうばたけ」で、ぶどう狩り体験

2017.09.18

旬をむかえたぶどうは、1粒1粒が宝石のようにキラキラ……。そんなみずみずしいぶどうを好きなだけ食べたい!ということで、ぶどう狩りに出かけました。今回は、山梨県甲州市勝沼町にある「ぶどうばたけ」におじゃましました。

▲自分で収穫すると、おいしさもひとしお

勝沼ぶどう郷駅から車で7分。48種類ものぶどうを栽培している「ぶどうばたけ」には、ぶどう狩り体験やぶどうを買いに、全国からお客さんがひっきりなしにやってきます。この日も、朝8時過ぎにはお客さんがいっぱい!

「ぶどうばたけ」の畑は、標高450メートル以上の扇状地の中心に位置し、山からは吹き下ろしの風がやってきます。それは、おいしいぶどうが育つ条件である「日当たり・水はけ・風通し」がよく、ぶどう栽培に最適の土地ということ。
日中と夜間の寒暖差も大きいので、甘みがぎゅっとつまったぶどうが育ちます。
▲店頭ではぶどうを販売。店舗の裏にぶどう畑がある

数種類のぶどうを食べ比べて、自分好みの味を見つける

ぶどう畑に入ると、頭上には食べ頃をむかえたぶどうがずらり。
まずは、ぶどうづくりを担当する三森斉(みつもり ひとし)さんが、ぶどうの名前や味の特徴などを品種ごとに説明。そして、目の前で大粒をもぎとって、惜しみなく味見をさせてくれます。

どのぶどうも、みずみずしくさわやかな甘み。後味がスッキリしているので、飽きることなくパクパク……採りたてのぶどうをこんなに食べられるなんて、贅沢!
「おいしさの秘密は、“適度な酸味”です。お汁粉に、ちょっと塩を入れると甘さが引き立ち、味が引きしまりますよね。その定義と同じで、甘さだけでなく、酸味もあるから、砂糖をなめているような重たい甘さにならず、風味豊かで、さわやかな甘みになるのです」(三森さん)
▲訪れる時期によってぶどう狩りができる品種が違う。青いシールが貼ってある品種がその日に収穫できるぶどう
▲ぶどう畑。屋根付きなので雨の日でもぶどう狩りができる
▲三森斉さん。「味の好みは人それぞれ。自分のお気に入りを見つけてください」
▲マニキュアフィンガー。先端が赤く、まるでマニキュアを塗った指のように見えることからこの名前がついた(収穫は9月下旬まで)
▲皮ごと食べられるロザリオビアンコ(収穫は9月下旬まで)
▲美しい赤紫色が特徴のゴルビー(収穫は9月中旬まで)
▲昔からぶどうの王様と呼ばれる巨峰。酸味、甘みがひときわ強い(収穫は9月中旬まで)
▲甘さ、酸味、香りなど、じっくりと味の違いを楽しんだら、収穫したいぶどうを決める

ぶどうって、こんなに重たかったっけ!?

今回は、ぶどうの王様と呼ばれる巨峰を採ることにしました。畑を歩きまわって「どれが一番おいしいかな」と、一房一房よーく見て狙いを定めたら、ハサミでジョキン!
ずっしりとした重みに、自分の手で収穫した実感が一気にわきあがってきました。
パックに入ったぶどうを買ったときには得られない感覚かもしれませんね。

「ぶどう狩りに来た方が、ぶどうを“採って終わり”にならないように、ぶどうの種類だけでなく、今年のぶどう栽培で苦労したことなどもお話しています。そうすることで、お客さまは、まるで自分もぶどうを育ててきたような感覚になるんですね。すると、嬉しさもおいしさも倍になりますよ」と、三森さん。

収穫したぶどうは体験後に買い取るので、必要な分だけ採りましょう。あらかじめ予算を伝えておけば、それに合った品種や収穫量を教えてくれます(入園料無料、料金は収穫量により異なる)。
食べ放題プランもありますよ(大人/中学生以上 1,600円、小学生未満800円)。

10月中旬までは、「甲州」、「ベリーA」、「種無し巨峰」、「甲斐路」、「甲斐乙女」など、11月は、「クリスマスローズ」などを収穫できます。
※変更することがあります。
▲少し緊張……
▲うっかり落としてしまわないよう、ぶどうをしっかり支えながら切って
▲たった2房でこのボリューム!
▲ぶどうの間から太陽の光が差し込み、幻想的な空間が広がる畑

晩酌は一升瓶のぶどう酒を飲むのが定番

収穫したぶどうを計量、包装してもらっている間に、昭和初期から使用されているぶどうの手搾り機見学や、ぶどう酒の試飲をすることができます。
「ぶどうばたけ」は、「菱山中央醸造」としてぶどう酒の製造も行っているのです。

木製の破砕機と手搾り機の前に立つと、器具に染み付いたぶどうの香りがふわりと漂ってきました。

出来上がったばかりのぶどう酒を試飲させてもらうと、手搾りだからこそ立ち上がってくるぶどうの香りに出合うことができます。
びっくりしたのは、ぶどう酒を入れる瓶の大きさです。なんと一升瓶!どうやら、地元のぶどう農家の方々にとっては一升瓶サイズが定番ということです。

ぶどう農家の人たちは、出荷できないぶどうを持ち寄ってぶどう酒をつくり、晩酌を楽しむのだそう。ビールや日本酒ではなく、ぶどう酒。そして、一升瓶から湯のみに注いで飲むなんて、ぶどうの産地ならではの文化ですね。
▲破砕機。果汁を出しやすくするため、まずはぶどうを砕く
▲搾り機。果汁と搾りカスに分けられる。果汁は、じっくりと熟成されぶどう酒に。搾りカスは、畑に戻して発酵堆肥になる
▲一升瓶に入ったぶどう酒。販売もしている
▲出来たてのぶどう酒を試飲

ぶどう畑から、人や土地とつながっていく

ここには、短期間だけ勤めるアルバイトスタッフはおらず、年間を通じてぶどう栽培に携わるスタッフが、ぶどう狩りをサポートしてくれます。
今年のぶどうは、去年のぶどうと比べてどこが違うか、畑の様子はどうかなど、年間を通じて畑にふれているからこそ分かる情報を、しっかりと教えてくれるのです。

「観光スポットではなく、ここはあくまで畑。ぶどう畑を通して、いろいろな人とつながったり、勝沼のことを知ってもらったり、そんなアンテナ的役割になれたら嬉しいですね」(ぶどうづくり・売店担当 三森かおりさん)
▲三森かおりさん。お客さんがどんなぶどうを食べたいか、一人一人の要望にじっくり耳を傾けてくれる
▲スタッフみんなで出荷の準備中
▲三森袈裟治(けさじ)さん。配送中にぶどうが傷まないよう細心の注意を払って発送の準備をする
▲手作りのレーズン。薬剤を一切使用せず、ぶどうの酵素を生かすよう低温で乾燥。「甲斐路」は、しっかりとした食感が特徴
▲濃厚なジェラートも人気。写真はベリーAのジェラート(430円)。ほかにも巨峰、ロザリオ、甲州、甲斐路がある
▲昔ながらの手搾りで作られたぶどう酒(1本2,160円、720ml)。ここに向かうときにタクシーの運転手さんからも「あのラベルなしのワインはここでしか買えないし絶対買いな!」とおすすめされた
▲ジャムやジュースなども販売している。お土産選びも楽しい
▲ぶどう狩りを体験した子どもから届いたという手紙
▲この日収穫したぶどう。贈りものにもぴったり

ぶどうを採って終わりではなく、畑の息吹きもしっかり感じることができる「ぶどうばたけ」のぶどう狩り。早くも、来年実るぶどうが待ち遠しくなりました。

※価格はすべて税込です。

写真 奥田晃司
齋藤春菜

齋藤春菜

編集者、ライター。出版・編集プロダクションデコ所属。女性の美容・健康・ライフスタイルに関する書籍、雑誌を多数編集・執筆。文芸、料理、アート本の編集も行う。全国各地へと取材に訪れたさいには地元のおいしいお店を必ずチェックする。編集を担当した本に『お灸のすすめ』『瞑想のすすめ』(ともに池田書店)、『足もとのおしゃれとケア』『わたしらしさのメイク』(ともに技術評論社)、『はじめてのレコード』(DUBOOKS)、『顔望診をはじめよう』、『月の名前』、『健康半分』などがある。

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