ホタテを収穫して、その場で試食!漁師体験ができる海レジャー

2017.06.19

宮城県気仙沼市の南側に位置する南三陸町は、山のミネラルが注ぎ込む豊かな湾と世界三大漁場の三陸沖を漁場にもち、古くから漁業で栄えた町です。特に湾内で養殖されたホタテ、牡蠣、ワカメは上質で、全国にファンも多い品。今回は、ホタテの収穫に挑戦します。

漁船に乗って体験スタート!

訪れたのは、仙台から車で約2時間の南三陸町歌津(うたつ)の泊浜(とまりはま)漁港。この辺りのほとんどの人が漁師を営んでいるという地域です。

ここは、東日本大震災で養殖棚など壊滅的な被害を受けましたが、復興・復旧作業が進み、少しずつにぎわいが戻りつつあります。
▲きれいに整備された泊浜漁港。この界隈に100人以上漁師が住んでいるそう

参加するのは、「南三陸 金比羅丸」のブルーツーリズム。全国でもトップクラスの品質を誇るホタテや牡蠣、ワカメの養殖を行いながら、海の楽しさを伝える漁業体験を企画しています。今回は、収穫した新鮮なホタテをその場で試食できる「ホタテの収穫体験」に挑戦します。
▲今回案内していただいたのは、漁師の高橋直哉さん

乗せていただく船はその名も金比羅丸。普段の漁でも使っている本格的な漁船です。
▲金比羅丸は震災の津波から奇跡的に壊れずに残った船

この日は干潮で海面が低かったため、船着き場から船への高低差も1m以上あります。降り方のコツを教えてもらい、無事、船へと乗ることができました。
▲普段はもう少し乗りやすいそうですが、動きやすい服装、靴がおすすめです

潮風を感じながら養殖場へ

エンジンをかけて、いざ、出港!少しずつ離れていく港を見ていると、漁船で沖に行くという初めての経験に気持ちが盛り上がってきます。
▲陸から離れていると思うと、何となく開放感がある気がします

移動時間はおよそ5分。あっという間に収穫体験場所へ到着しました。
▲潮風は心地よく、船上からの景色は美しい。もっと乗っていたい気分です

周囲は一面養殖場になっており、たくさんの浮きがあります。現在、高橋さんの育てているホタテは約10万枚。それでも震災前の25%ほどしかないというから驚きです。
▲浮きの下に養殖網が付いています。遠くまで浮きが並び、趣のある風景です

正真正銘の獲れたてホタテは絶品!

収穫体験は、ホタテが入った網を引き揚げる作業から始まります。細いロープをたぐり寄せ、自分の力だけで少しずつ引っ張ります。
▲水の抵抗もあり、とても重く感じます

数mほど引いていると、ホタテがたっぷりと入った網が見えてきました。
▲自分が海から引き揚げたホタテ。どこか愛おしく感じます

このホタテは、もともとは耳吊りと呼ばれる方法で養殖したもの。ここの養殖場よりも外洋に近い場所で2年ほど育ててこの網へ移し、出荷する直前まで網の中で育てるそうです。
    
機械で高く吊るした網の中から、試食用のホタテを自分で選びます。
▲網の中にホタテがたくさん並んでいる夢のような光景
▲どれが一番大きいかを吟味して……
▲これに決めた!

ホタテを選び、続いては殻むきに挑戦です。
▲貝柱を傷つけないように専用のへらをゆっくりと差し込みます
▲力を入れなくても、パカッと開きます
▲内臓を優しく手で取り除いて……
▲あっという間に貝柱だけになりました
殻むきは想像以上に簡単。高橋さんがゆっくり丁寧に教えてくれるので、初めてでもきれいにむくことできます。

さっそく試食へ。調味料は何もつけずにそのまま食べると、濃厚なホタテの旨みにびっくり。しっかりとした甘みとプリプリの食感は獲れたてならではのおいしさです。
▲海鮮好きにはたまらないひと口
▲おいしさに感動してしまいます

1人1枚ずつ殻むきをして試食をした後は、ここで収穫したホタテを船着き場に持ち帰り、炭火で焼いたホタテも1人1枚試食させてもらいます。
▲ギュッと旨みが凝縮した焼きホタテも、生食とは違ったおいしさ

漁船に乗り、網を引き、殻むきも楽しめるホタテの収穫体験。観光船よりもぐっと海を身近に感じられる漁船で潮風を感じたり、自分の力で引き揚げたホタテを船上で味わったりと、非日常を満喫することができました。

所要時間は1時間ほどで、一つ一つの工程も簡単なため、子どもにも人気です。3歳ぐらいの子どもも参加しているそう。小さな子どもも大人も同じ体験を楽しめるのもうれしいポイントですね。

震災後、改めて気づいた漁師の魅力

体験中、ホタテや牡蠣、三陸の海の話など漁師ならではの知識を高橋さんが教えてくれるのも、ツアーの魅力の一つ。

「自分は漁師だから知っていて当たり前なことを、皆さんに楽しんでもらえたらいいなと思っているんです」と高橋さんは話します。
▲「ホタテの目ってここにあるんですよ」など、たくさんのお話が聞けます

このツアーを始めたきっかけは東日本大震災なんだそう。被災した泊浜を訪れたボランティアの方が、漁船にのることや獲れたての味に感動している姿を見て、驚いた高橋さん。「自分にとって日常の経験、景色、体験。それをこんなに喜んでもらえるなんて」と新鮮な気持ちになったそうです。

それから他の地域の海産物と食べ比べたり、このエリアのホタテやワカメがなぜおいしいのかを学んだりする中で、泊浜の海の魅力に改めて気づき、この魅力をたくさんの人に発信していきたいという気持ちが生まれ、2013年に体験ツアーをスタートしました。
▲優しい語り口でツアーを始めた思いを話してくれました

「参加した皆さんが楽しんでくれる姿を見るようになってから、僕も以前よりずっと漁師が楽しくなったんですよ」と高橋さんは笑顔で話します。

ワカメの収穫体験や気軽な釣り体験も人気

金比羅丸はホタテ収穫体験のほか、「わかめ収穫体験」と「手ぶらでフィッシング」も行っています。

「わかめ収穫体験」は3月、4月の期間限定。船上でワカメの収穫を行い、加工場へ移動して塩蔵加工までを体験できます。
肉厚でコリッとした歯応えがあり、全国でもトップクラスの品質を誇る泊浜産のワカメ。獲れたてワカメのしゃぶしゃぶ試食は大人気のプログラムです。
▲スーパーでは見かけない大きなワカメにびっくり!

「手ぶらでフィッシング」はその名の通り、道具はすべて無料で貸し出しをしてくれる釣り体験ツアー。エサの付け方や釣り方などすべて教えてもらえるので、初心者でも簡単に釣りに挑戦することができます。
▲カレイやアイナメなどが釣れます。もちろん釣った魚は持ち帰ってOK

いずれも、小さな子どもでも楽しめる内容になっているため、家族連れでの参加も多いそうです。

全国でも高い評価を得ている三陸産の魚介を自分の手で獲って食べる体験は、今まで知らなかった海産物のおいしさに出合えます。美しい三陸の海の魅力に、きっとまた訪れたくなるはずですよ。
菊地裕子

菊地裕子

広告営業、編集プロダクション勤務を経て、仙台を拠点に活動するフリーのライター。グルメ、観光を中心に幅広い記事を執筆中。

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