マリメッコ尽くしの車両も!浜名湖沿岸を走る天浜線グルメ旅/古谷あつみの鉄道旅Vol.21

2017.06.16

みなさん、こんにちは。呑むのが大好き、呑み鉄トラベラーになりつつある、古谷あつみです!呑み鉄に欠かせないものといえばグルメ!天竜浜名湖鉄道には地元の食材を使ったグルメがいっぱい。なんと、駅の中にさまざまなお店が入っていて、途中下車するだけでグルメめぐりができるんです!今回も鉄道ライターの土屋武之さん、カメラマンの久保田敦さんと3人でその魅力に迫ります!

今回の見どころはここ!

1.駅の中にお手軽グルメスポットが?!
2.天竜二俣駅で駅弁が買える!
3.歴史ある転車台&鉄道歴史館を見学
4.駅でラーメンを味わう!

1.駅の中にお手軽グルメスポットが?!

▲天浜線は掛川駅が起点

今回の旅の出発地、掛川駅です!土屋さんもなんだかノリノリの雰囲気。どんなグルメに出会えるのでしょうか?

通称「天浜線」と呼ばれる天竜浜名湖線は、静岡県掛川市の掛川駅から浜松市天竜区の天竜二俣駅を経て、湖西市の新所原(しんじょはら)駅に至る鉄道です。旧国鉄の二俣線を引き継いだ、第三セクター「天竜浜名湖鉄道」の路線なんですよ。

天竜浜名湖鉄道では、1987(昭和62)年に開業するにあたり、無人駅の有効活用を図って、さまざまな飲食店や物販店を駅舎内の空いているスペースに誘致しました。その結果、天浜線は「グルメ路線」としても知られるようになったのです!

今回はそのうち、いくつかに立ち寄ってみました。
平成29年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の舞台は、天浜線が走っている浜名湖の北側。
ゆかりの地を巡る観光客からも、天竜浜名湖鉄道は注目されています。
▲1日フリーきっぷは、ガイドブック付きでお得

掛川ではさっそく、今回の旅に便利な「1日フリーきっぷ」を購入。1,700円で天浜線をまる一日楽しめるお得なきっぷです。天竜浜名湖線内の有人駅(掛川・遠州森・天竜二俣・西鹿島・金指(かねさし)・三ヶ日・新所原)の窓口で買えます。

そして、このきっぷを購入すると、「天浜線 御朱印めぐり 心の旅」「どうまいグルメガイド」のどちらかの冊子がもらえます。
御朱印巡りも魅力的ですが、今回の目的はグルメ!「どうまいグルメガイド」をいただくことにしました。天浜線の「駅ナカグルメ」の情報も網羅されています。

1日フリーきっぷは、もちろん途中下車も自由。気に入ったお店=駅がみつかれば、ふらりと列車を降りて、次の列車まで食事を楽しむのもよいでしょう。
▲沿線の子供たちも列車をお見送り

私たちはまず、掛川から20番目の駅、宮口駅を目指しました。沿線の子供たちも手を振ってくれ、気持の良い旅のスタートです。
1時間弱の旅。まずは沿線の車窓を楽しみながら、のんびりと向かいます。
▲緑豊かな天浜線の沿線風景

掛川からつづく住宅街を抜けると、車窓は新緑に染まります。5月頃には茶摘みの風景も楽しめます。掛川市は、お茶の栽培に適した豊かな自然環境に恵まれ、静岡県内のみならず、国内でも屈指のお茶処として知られています。茶畑は、いかにも静岡県らしい風景ですね!
▲天竜川の鉄橋が車窓のハイライト

茶畑だけが見どころではありません!
掛川を出て50分ほどたった頃、天浜線自慢の車窓、天竜川が見えてきます。圧倒的な迫力です。
▲レトロ感いっぱいで趣きのある宮口駅

さて、迫力の天竜川を過ぎると、すぐに宮口駅に到着です。緑の中にある静かな駅です。こんな静かな駅にある駅ナカグルメとは、いったい何なのでしょうか?
▲宮口駅内の「はままつ88」。88とは、オーナーが好きな読売巨人軍の原元監督の背番号にちなむ

元は駅の事務室だった場所で営業していたのは、「はままつ88」というお店。外から見ると、お好み焼き屋さんのような雰囲気です。

何のお店でしょうか?入ってみましょう!
▲駅舎内に駄菓子やさんが!

なんとここは、駄菓子屋さんでした!懐かしいお菓子がたくさん並んでいます。
▲店内は懐かしい雰囲気でいっぱい

子供の頃、100円玉を1個だけ持って、いっしょけんめい計算しながら買っていた駄菓子を、今日は大人買いです!ワクワクした気持ちが蘇ります。こういうのが夢だったなぁ…。
▲人気メニュー「はまたま焼き」(150円)

駄菓子だけではありません。店の奥で焼かれていたのは、このお店の名物である「はまたま焼き」です。この日も沿線の子供たちが、小銭を握りしめキラキラとした目で、はまたま焼きが焼きあがるのを待っていました。

このほか、静岡県ならではの「静岡おでん」や、うどん、チャーハンなどの軽食もあります。
なお、おでんは季節商品です。
▲はまたま焼きは、大きな口をあけてほおばりたい

焼きたての「はまたま焼き」を早速いただきます!カレーの風味と、バジルの隠し味が効いたピザ風の軽食です。子供たちに人気がある理由がわかります。
▲店内では、いつも子供やお年寄りがのんびり過ごしている

古谷「美味しいですね。なんだかホッコリします。」
土屋「ローカル路線ならではの雰囲気だね。」
古谷「近くに日帰り温泉があるそうで、ご年配の方も訪れるそうですよ。」
土屋「孫に駄菓子をねだられている、お年寄りの姿が目に浮かぶなぁ。昔を思い出すよ。」
▲国の登録有形文化財に登録された、宮口駅のホーム待合室

土屋「宮口の駅舎とホームの待合室は、国の登録有形文化財に登録されているんだ。天浜線には、そうした文化的な価値がある駅や施設が多い。」
古谷「雰囲気のある駅ですもんね。それより、次はどこへ行くんですか?」
土屋「天竜二俣駅さ。この沿線の名物駅弁を食べに行こう!」
古谷「名物駅弁ですって!?おおおお!」

2.天竜二俣駅で駅弁が買える!

▲もう一度、天竜川を渡る

宮口駅からは掛川行きに乗って少し戻り、再び天竜川を渡って天竜二俣駅を目指します。何度見ても飽きない風景ですね。
▲天竜二俣駅の駅舎も木造。人が集まってくる理由は?

古谷「おおお!なんだかたくさん人がいますよ!みんな駅弁を買いに来ているんですかね?」
土屋「いや、違うな。それは後でわかるよ。さて、予約しておいた弁当を食べようじゃないか。」
▲ボリューム満点で、食べ応えがある「まいたけ弁当」

地元産の舞茸をふんだんに使用した「まいたけ弁当」(950円)は、こんなにもボリューム満点です。
季節ごとに中身の変わる付け合せは、地元産のものが使用され、沿線の味が楽しめます。 甘みのある舞茸ご飯と、舞茸の天ぷらをメインにいただきます!

わさび漬けが入っているのも、静岡県らしくて嬉しいですね。

なお、天竜二俣駅の駅弁は、それぞれ違うお店が作っている4種類があります。
平日は、同じ種類を3個以上購入する場合のみ、予約した上で買えます。
土・日曜、祝日には10時より、予約なしで駅で買えますが、数量限定になります。
▲天浜線オリジナルラベルの「花の舞 純米酒」(300ml 470円)

古谷「土屋さ~ん!見てくださいよ!駅の売店で、車両の写真がラベルになった地酒をゲットしましたよ。」
土屋「君はまた…。沿線の地酒かい?」
古谷「沿線の酒蔵、花の舞の純米酒です。さっきのわさび漬けによく合いますよ、これは!」
土屋「そういうものだけは、見つけるのが早いんだから…。」
▲駅構内には足こぎトロッコがあり、30ⅿほどの区間を足こぎで楽しめる

古谷「お腹もいっぱいになったことですし、このトロッコ、乗せてくださいよ。」
土屋「え!?僕がこぐの!?」
古谷「土屋さん、女性にこがせるんですか?」
土屋「わかったよ…。」
▲こぎだす時が、けっこう大変

古谷「わぁ~い!!」
土屋「お、お、お、重い…。」
古谷「土屋さんの体重ですよ、きっと!きっと…。」
土屋「君はともかく…。子供が喜びそうだね。ファミリーでも楽しめそうだ。」
古谷「あははは!」
土屋「さて、転車台ツアーに行くよ!さっきの大勢の人たちはツアーの参加者なんだ。」

3.歴史ある転車台&鉄道歴史館を見学

▲天竜二俣駅の構内。車両の向こうに転車台と鉄道歴史館がある

天竜二俣駅では、転車台&鉄道歴史館見学ツアーが毎日開催されています。
▲天竜浜名湖鉄道営業課の瀧口さんが案内してくれた

この日は平日にもかかわらず、20人以上の人が集まり、関西などの遠方から来られている方もいました。
▲蒸気機関車時代の施設が多く残っている

まず目についたのが、蒸気機関車が走っていた頃に使われていた高架貯水槽です。歴史が感じられます。
▲かつて、機関士さんたちが汗や汚れを流していたお風呂。今は使われていません

私がビックリしたのは、このお風呂!当時の機関士さんたちが、煤で汚れた身体を流すために作られたのだとか。
▲転車台は実際に車両を乗せて回してくれる。この日は「スローライフトレイン」!

この見学ツアーのメインはやはり、転車台!列車を車庫に入れるため、方向転換させるための装置ですが、蒸気機関車が走っていた頃の物を今でも使っているそうです。
▲参加記念に硬券がもらえる

転車台&鉄道歴史館ツアーの参加記念硬券をもらって、ツアーは終了!お弁当を食べたばかりですが、次のグルメを求めて、旅に出発です!
▲「スローライフトレイン」の車内

なお、先ほど転車台に乗っていたのは、「スローライフトレイン」。
天浜線で運行されている「マリメッコ列車」で、車内にはマリメッコ社がデザインしたカーテンなどがあしらわれ、マリメッコ好きにはたまらない列車です!
▲マリメッコのデザインで車内が飾られている

マリメッコは、フィンランドのアパレル企業で、鮮やかな色の大胆なプリント柄をデザインした商品ラインナップが特徴のブランド。フィンランド航空がマリメッコとコラボレーションし、マリメッコ柄があしらわれた機体や機内グッズが話題となりましたが、まさかここで出会えるなんて!感激です。可愛くて、女性には大人気です!

この日は天竜二俣駅で休んでいましたが、車内へ特別に入れていただきました。
ぜひ次回は、走っている時に乗りたいです!

4.駅でラーメンを味わう!

▲気賀駅舎にはラーメン屋が入っている!

さて、次のグルメはコチラ!
気賀駅にある、中華「貴長(きちょう)」です。

気賀駅は、「おんな城主 直虎 大河ドラマ館」の最寄り駅でもあり、今は井伊直虎にちなんだ赤色の装飾が施されています。ますます中華料理屋さんっぽい雰囲気が出ていますね。
▲駅の中で名物ラーメンをいただきました

先代の店主が、ツーリング好きだったことから、店内にはバイクの写真が壁一面に貼られています。
メニューには、「隼丼」など、バイクにちなんだネーミングが使用され、ツーリング客もたくさんここを訪れるそうですよ!

では、このお店の名物、駿河湾の塩が使用されている、塩ラーメンをいただきます。
▲塩ラーメン(864円)

驚いたのは、こちらの麺です!
塩味のスープに絡むのは、稲の葉が練り込まれた緑色の麺。製麺屋さんと試行錯誤の末、出来上がった自慢の麺です。

スープは塩味ですが、しっかりとした味わい。中までしっかり味の染みた半熟の自家製煮卵と、自家製チャーシューも美味しいです。
▲気賀駅にも国の登録有形文化財に登録された施設がある

気賀駅も駅舎および、上屋、プラットホームが国の登録有形文化財に登録されています。グルメだけでなく、駅舎の雰囲気も楽しみましょう。

駅弁とラーメンで満腹になった私たちですが、最後のグルメ駅へ向かいます!
▲浜名湖佐久米駅は浜名湖畔にある

今回最後のグルメ駅は、浜名湖佐久米!

冬にはユリカモメの大群がやってくることで有名ですが、浜名湖が目の前に広がるビュースポットでもあり、旅の締めくくりにはお勧めです!
▲駅名と並んで、喫茶店の看板が掲げられている

そんな浜名湖佐久米駅の中にあるのは、「喫茶かとれあ」です。
レトロな外観ですが、店内はどうなっているのでしょうか?
▲落ち着いた雰囲気の「かとれあ」の店内

店内のカウンターでは、天浜線の列車を眺めながら、ゆったりくつろぐことが出来ます。
この日、いただいたのは、レモンスカッシュ(500円)ですが、注文を受けてから店主がゆっくりとサイフォンで入れる、奥三河の湧水で淹れるブレンドコーヒー(400円)もオススメです。
また、食事もとることができ、ビーフカレーや、浜松名物の餃子と三方原のジャガイモをコラボさせた餃子コロッケ定食などもご当地グルメとして人気です!
▲夕暮れ時の浜名湖を眺めながら、のんびり過ごす

古谷「あ、土屋さんが黄昏ている!」
土屋「僕だってそういうこともあるさ。」
古谷「それにしても良い風景ですね。夕日に照らされた湖面がとっても綺麗です。」
土屋「最高の旅の締めくくりだね。」
▲食が充実した一日でした

古谷「私はもう…。」
土屋「ん?感動したのかい?」
古谷「お腹いっぱいで動けません…。」
土屋「真面目に質問するんじゃなかった…。この駅に君を置いてゆくよ!」
古谷「まってくださぁ~い!」

大満足のグルメ旅、いかがでしたか?みなさんも、天浜線のグルメ旅に出かけてみてはいかがでしょうか?

次回、古谷あつみの鉄道旅Vol.22は、静岡県の「大井川鐵道」へ!

※記事内の価格表記は全て税込です。

土屋武之(鉄道ライター)

鉄道を専門分野として執筆活動を行っている、フリーランスのライター・ジャーナリスト。硬派の鉄道雑誌「鉄道ジャーナル」メイン記事を毎号担当する一方で、幅広い知識に基づく、初心者向けのわかりやすい解説記事にも定評がある。
2004年12月29日に広島電鉄の広島港駅で、日本の私鉄のすべてに乗車するという「全線完乗」を達成。2011年8月9日にはJR北海道の富良野駅にてJRも完乗し、日本の全鉄道路線に乗車したという記録を持つ、「鉄道旅行」の第一人者でもある。
著書は「鉄道員になるには」(ぺりかん社)、「誰かに話したくなる大人の鉄道雑学」(SBクリエイティブ)、「新きっぷのルール ハンドブック」(実業之日本社)など。

古谷あつみ(鉄道タレント・松竹芸能所属)

古谷あつみ(鉄道タレント・松竹芸能所属)

小学生の頃、社会見学で近くにある車両基地へ行き、特急電車の運転台に上げてもらったことがきっかけで、根っからの鉄道好きとなる。 学校卒業後は新幹線の車内販売員、JR西日本の駅員として働く。その経験から、きっぷのルールや窓口業務には精通している。 現在はタレント活動のほか、鉄道関係の専門学校や公立高校で講師をしている。2015年には、「東洋経済オンライン」でライター・デビューし、鉄道旅行雑誌「旅と鉄道」等で執筆活動中。

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