お伊勢参りとあわせて訪れたい河崎。蔵や町家が立ち並ぶレトロな街を散歩

2017.07.27 更新

伊勢神宮の近くには、女性に人気のとってもおしゃれな街巡りスポットがあるんです。江戸時代から伊勢の台所として発展した問屋街「河崎」。当時の風情を残す町家や蔵を改装したカフェやショップに、ワクワクすることまちがいなし!お伊勢参りとあわせて訪れたい「河崎」の魅力をご紹介します。

風情ある佇まいの「伊勢河崎商人館」

人びとがこぞってお伊勢参りに訪れた江戸時代、街の中央を流れる勢田川(せたがわ)の水運を利用して、賑わう伊勢神宮周辺へ参拝客をもてなすためのさまざまな物資が、ここ「河崎」を拠点として届けられました。
古い町家や蔵が軒を連ねる河崎は、着物や浴衣が似合うレトロでおしゃれな街並みとして人気のスポット。
伊勢神宮外宮の最寄り駅であるJR・近鉄伊勢市駅から徒歩約15分というアクセスのよさもあり、多くの人が河崎の街散歩を楽しんでいます。

まずは「伊勢河崎商人館」を訪ねてみましょう。
伊勢河崎商人館は、江戸時代に創業した酒問屋「小川酒店」の建物を修復・整備した施設。母屋をはじめ、商人蔵やサイダー検査室など、12棟が国の登録有形文化財に登録されています。

歴史ある建物とともに、伊勢河崎の歴史や文化を知ることができる資料などが公開されているほか、商人蔵では、ショッピングやカフェでのティータイムを楽しむことができます。

入館料は、大人300円、大・高学生200円、中・小学生100円(税込)。商人蔵のみの入館は無料です。
▲ノスタルジックな気分にさせてくれるアンティークな調度品

それでは、入り口から続く母屋を拝観。
通り土間の脇には伊勢河崎の歴史的古文書や、古器物などの文化資料が展示されています。

小川酒店は、広大な敷地に蔵7棟と町家2棟を構える、河崎を代表する商家でした。その町家のひとつが茶室を含む母屋です。
▲京都の裏千家「咄々斎(とつとつさい)」の写しの茶屋

天井は低いですが、1枚の畳のサイズが大きい「京間」と呼ばれる間取りになっているので、3つの続き間は奥行きがあって広々!奥に見える中庭がまるで1枚の絵のようです。
▲庭から見た母屋

縁台に座って風流な庭を眺めるのもステキ!

そして、敷地の奥に連なる蔵のひとつが、伊勢河崎の歴史資料の展示室として公開されている「河崎まちなみ館」です。
▲左の蔵が河崎まちなみ館
▲けやき材で造られた立派な土蔵の河崎まちなみ館

展示品のひとつをご紹介しましょう。
こちらは日本最古の紙幣「山田羽書(はがき)」。
▲展示室に陳列される山田羽書

1610(慶長15)年ごろに伊勢の町衆が生み出したのが始まりだといわれています。山田羽書を見ることができるのは、三重県内ではここ伊勢河崎商人館だけなのだそう。

次に紹介するのはサイダー検査室。小川酒店では、1909(明治42)年~1975(昭和50)年まで、「S(エス)サイダー」というオリジナルサイダーを製造していました。
▲左はサイダー検査室、右端はサイダー濾過施設

外から当時のサイダー製造施設の建物を見学することができます。

そして、こちらが伊勢河崎商人館の施設のひとつ、商人蔵。3棟並ぶ堂々とした佇まいの蔵の裏側には河崎を繁栄に導いた勢田川が流れています。
▲商人蔵。左から壱の蔵・弐の蔵・参の蔵

公開されている蔵の中には、合わせて約20軒のショップが入り、それぞれのブースには食品や雑貨など、さまざまな商品が並んでいます。

まずは壱の蔵を覗いてみましょう。
目を引いたのは「伊勢春慶(いせしゅんけい)」が揃う「伊勢春慶や」。
伊勢春慶とは、江戸時代から伊勢で盛んに作られてきた漆器。透明感のある漆が桧の木目の美しさを際立たせています。
▲伊勢の伝統工芸品・伊勢春慶が揃う伊勢春慶や

下の写真は、温かみのある天然木の風合いと、個性的なデザインがすてきな、デニムのバッグです。
重箱や弁当箱などのオーソドックスな春慶だけでなく、遊び心のあるカジュアルな春慶もおしゃれ!
▲持ち手に伊勢春慶を使ったバッグ9,450円(税込)

そして、壱の蔵の奥には「商人蔵カフェ」が。こぢんまりとしたとても落ち着く空間です。
商人蔵カフェのおすすめは、「伊勢の和紅茶」と、「チーズケーキ」。
きび砂糖や北海道産のチーズを使ったこだわりの手づくりチーズケーキは、しっとりとしていて濃厚。
そして、伊勢の和紅茶は、三重県で栽培された伊勢茶を100%使ってつくられた紅茶です。
リッチな味わいのチーズケーキと、渋みがなくまろやかな風味の伊勢の和紅茶の相性は抜群!
▲伊勢春慶のお盆で運ばれる、伊勢の和紅茶370円と、チーズケーキ380円(ともに税込)

復刻版エスサイダーもおすすめです。40年以上も前に製造を終了したエスサイダーですが、誕生から100年の時を経て、ふたたび蘇りました。
▲ドリンクメニューには、復刻版エスサイダー220円(245ml・税込)も

味やラベルデザインなど、できる限り忠実に当時のものを再現してあるのだそう。
原材料も当時と同じ砂糖、酸味料、香料だけを使用。すっきりとした後味が、乾いた喉を潤してくれます。
ドリンクメニューには、小袋入のおつまみがセットで付いてきます。さりげないおもてなしに、気分もほっこり!
▲「違い鷹の羽(ちがいたかのは)」をあしらった瓦

ちなみに、S(エス)サイダーの「S」は、製造を開始した当主のイニシャルから名付けられ、ラベルの「✕」マークは、小川家の家紋である違い鷹の羽をデザインしたものだといわれているそう。
壱の蔵には、ほかにも老舗昆布のお店や自然食品のお店などがあります。

それではつづいて弐の蔵、参の蔵へ。弐の蔵と参の蔵は中がつながっています。
▲伊勢河崎の情報誌や伊勢玩具などが並ぶ、弐の蔵の「河崎や」

吸い寄せられるように、アンティークショップ「千球磨(ちくま)」で、きれいな色や柄の着物を物色!
手に取った赤い着物には、なんと1,500円からさらに3割引きという値札が…。
こんな着物を着て河崎の街を歩きたい~!
▲参の蔵にあるアンティーク古裂(こぎれ)・千球磨

ほかにも香りの専門店や真珠アクセサリー、服飾雑貨や手づくり小物のお店など、見ているだけでも楽しめるお店がいっぱい!
▲弐の蔵には、月替わりのミニギャラリーが

伊勢河崎商人館は、まるでタイムスリップしたかのような空間でしたが、ここで流れる時間は意外にも、けっこう速く感じてしまいます。
…だって、まだまだ見たいもの、いっぱいあったのに~!

のんびりと河崎の街歩きを楽しむ

伊勢河崎商人館を楽しんだところで、もう少し河崎の街を散策してみましょう。

川の堤防沿いに蔵が立ち並んでいますが、昔は勢田川には今のような堤防がなく、蔵の横に船を着けることができるようになっていたため、直接船から蔵に物資を運び込んでいたのだそう。
▲勢田川沿いに並ぶ蔵

また、切妻妻入(きりづまつまいり)といって、町家や蔵の出入り口側の屋根が本を伏せたような形になっているのが河崎の街並みのひとつの特徴です。

そしてもう一つの特徴が、どっしりとした鬼瓦や隅蓋(すみぶた)と呼ばれる瓦です。隅蓋とは水が建物に入り込むのを防ぐための蓋の役割をする瓦のこと。
▲伝統的な伊勢船型の特徴である、船首の角ばった木造和船を模した隅蓋

河崎の街並みにはさまざまな形の隅蓋が見られます。火災から家屋を守りたいとの願いを込めて、水にまつわるデザインのものが多いのだとか。
▲キリリとした顔で波の上を泳ぐ亀
どんぶらこ、どんぶらこ…。川を流れてきた桃太郎の桃?
桃は昔から縁起のいい物として伝えられ、魔除けや厄除けの意味があるのだそう。

見たことのない隅蓋を見つけるたびにテンションが上がります。
ふらっと街歩きしているだけで10種類以上の隅蓋を見つけることができました。
河崎の街並みの楽しみ方をまたひとつ発見です。

それでは続いて街散歩の中でぜひ訪れて欲しい、おすすめのお店を2つご紹介します。

作家作品を扱うおしゃれなショップ「月の魚」

▲入り口の重厚な扉がカッコイイ!

店の前にディスプレイされた、オリジナルTシャツがシュールでおしゃれ!S~Lサイズ2,500円(税込)

「月の魚」は、蔵を利用した雑貨屋さん。
オリジナルアクセサリーやアンティークな着物の生地を使ったバッグ・小物など、とってもおしゃれな雑貨たちが、所狭しとディスプレイされています。
▲河崎の街にしっくりとけ込む、レトロな雰囲気の店内
▲オリジナルのシルバーアクセサリー。指輪7,000円、ペンダント12,000円(ともに税込)

クールな中にもほっこりとした温かみを感じるデザインの、シルバーアクセサリーがステキです。
▲サークルプランツレースピアス1,800円(税抜)

カワイイ!
カラフルな色とポップなデザインがひときわ目を引くレースのピアスは、オリジナルの染色方法でひとつひとつ手染めされているのだそう。

個性的でとってもおしゃれなアクセサリーをはじめ、アンティークなグッズなど、見ているだけで時間が経つのを忘れてしまいます。

大人気!「モナリザ」のクッキー「サトナカ」

▲「月の魚」と並ぶ、同じく蔵を改装したショップ「モナリザ」
▲店内には、オリジナルTシャツなどが…
上のグレーのTシャツにデザインされたニョロニョロっとした柄はなんでしょう?
…答えは、伊勢うどんです!
ユーモアがあってカワイイ!なんど見ても顔がほころびます。
オリジナルTシャツ 3,240円(税込)
▲一番手前から「サトナカ各一・3枚入(塩・米・酒各1枚 )」300円、「サトナカBS・9枚入(黒糖)」864円、「サトナカ・9枚入(塩・米・酒各3枚 )」696円(すべて税込)

モナリザで一番のおすすめは「サトナカ」。サトナカは、伊勢神宮の御神饌(ごしんせん=神さまにお供えする食事)「塩・米・酒」をアレンジしてクッキーにしたもの。

「ササササササササササ中」
「サ」が「10(ト)」そして「中(ナカ)」…でサトナカです。
「中」を10個の「サ」が囲むこのデザインは、河崎の字(あざ)「里中」というところで昔から使われてきたものなのだそう。

サトナカは、地元の素材を中心に、ひとつひとつ大切に手づくりされています。伊勢ならではのおしゃれなおみやげとして喜ばれること間違い無し!
レトロでおしゃれな伊勢河崎の街には、見どころがいっぱい!
お伊勢参りと合わせて、街散歩を楽しんでみてはいかがでしょう?
Yukitake

Yukitake

三重の雑誌「Edge」をはじめ、さまざまな雑誌・情報誌において、グルメ・観光などの記事を執筆。女性目線の取材とソフトな文体を大切にしています。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
PAGE TOP