夏の北三陸でうに料理を食べ尽くす!海女さんの素潜り漁も必見

2017.07.15 更新

NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台であり、「北限の海女」で知られる岩手県の北三陸地方。中でも岩手県最北端に位置する洋野町と久慈市は、全国にその名をとどろかせるうにの産地です。うにが旬を迎える夏、採れたて生うにからパスタまで、うに料理を堪能する旅に出かけました。

親潮と黒潮が合流する北三陸は、全国に広く知られるうにの一大漁場。中でも県内一の水揚げを誇るのが、岩手県最北端に位置する洋野町です。質のよいコンブやワカメがたっぷり生い茂る浅瀬の環境を生かして、昭和40年代に造られたうにの増殖溝は全国唯一の施設。
▲遠浅の海に造られた増殖溝は、別名「ウニ牧場」と呼ばれています

沖合に放流された稚ウニはおよそ3年かけて成長し、漁師たちによってエサのたっぷりある増殖溝に移されたあと、さらに1年かけてコンブをたっぷり食べ、濃厚な甘みのうにへと育っていきます。
▲岩手県産うにのほとんどはキタムラサキウニ。トゲが長くて身が黄色、コクのある甘みとさっぱりした食味が特徴です

近年では「あまちゃん」でも知られるようになった、北三陸。洋野町と久慈市を巡り、うにの魅力を堪能する旅にご案内します。

「北限の海女」さんによる、うにの素潜り漁実演は必見!

北三陸を訪れたなら、まずは「北限の海女」のうに素潜り漁実演を見ねば!というわけで、久慈市街から車で15分ほどの小袖海岸へ向かいました。「北限の海女」とは、久慈市の小袖海岸で明治期から活躍してきた海女さんたちの総称。2017年現在、小袖海岸には現役の海女さんが20人ほどおり、うにの収穫シーズンになると素潜りでうに漁をしています。
▲海と空の美しさが際立つ小袖海岸と「小袖海女センター」

美しく透き通った海と空の先に見えてきたのは、「小袖海女センター」です。このセンターの前では、毎年7月から9月の土・日・祝日に「北限の海女」による素潜りうに漁の実演が行われています。「あまちゃん」でその名を知られたこともあり、観光客から人気です。
▲明治期から続く伝統漁法で潜る「北限の海女」たち

夏とはいえ、深いところで10m以上にもなる海中に身一つで潜る海女さんたち。素早く潜水し、あっという間に両手いっぱいのうにを抱えて浮上するたびに、見学している観光客からどっと拍手が沸きます。
▲海女さんたちの華麗なもぐり技を、間近で見学する観光客たち
▲採れたてのキタムラサキウニ(資源確保のため、試食はなし)

「小袖海女センター」の旧施設は東日本大震災で流されましたが、装いを新たにし2015年4月に営業を再開。1階には観光案内所や産直施設、2階には海女さんを紹介する展示コーナー、3階には食堂スペースが設けられています。
▲2階には「北限の海女」の歴史やドラマロケの写真など、さまざまな資料が展示されています
▲1階の売店で販売されている「北限の海女てぬぐい」(税込500円)は、お土産におすすめ
▲4階の展望台からは、小袖海岸の絶景を一望できる

「はまなす亭」で、たっぷり身の詰まったうに料理づくし!

海女さんの見事な技を見学した後は、いよいよ採れたてうにを味わう旅へ。まず訪ねたのが、小袖海岸から国道45号線を30分ほど北上した洋野町にある「はまなす亭」。新鮮な魚介を使った料理が自慢のお店です。店主の庭(にわ)静子さんは、さまざまなアイデアでうに料理を提供しています。
▲鮮やかなオレンジの外観はホヤ色?うに色?
▲出迎えてくれた朗らかな笑顔の庭さん
▲店内にはうに料理をはじめ、地元魚介料理がずらり

メニューを見ながら、何を食べようか迷うこと数分。「うに飯定食」(税込1,080円)、「生うに丼」(税込2,500円)など、うにを堪能できる料理がいろいろあります。中でもグッと心引き寄せられたのは「うにづくし膳」(税込4,330円)です。

生うに丼、いちご煮、殻付き活うに、焼きうに、箸休め3品、お新香がセットになった魅惑的な逸品。ちょっぴり贅沢?と思いながらも、採れたてのうにを存分に食べられる機会と、思い切ってオーダーしました!
▲きたー。どーんと「うにづくし」!

運ばれてきた「うにづくし」はゴージャスでした。まずは殻つきの生うにをいただくと、ほろり溶けるような味わいが口に広がります。次に、焼きうにを一口ほおばると、生とは違うふっくらとしたうにの食感に感動!
▲漁港から直送された生うに。びっしりと身が詰まっています
▲磯の香りが食欲をそそる焼きうに(手前)

そして、いよいよ生うに丼へ。厚みのあるうにをたっぷりと乗せて「かっくらう」幸せはぜひ、皆さんにも体験してほしいものです。
▲生うに丼をガツガツ食べられる幸せ!

最後は、北三陸名物「いちご煮」。いちご煮と言っても、決して果物のイチゴを煮たものではなく、うにとアワビのお吸い物のことを指します。鮮やかなうにが野イチゴの果実に見えることから、この名前がついたそう。うにとアワビの出汁をベースにした塩仕立てのお吸いものは、優しい味で体にじんわり染みます。
▲これがいちご煮!ふんわりしたうには初体験の食感

他に、箸休めのうにの卵焼き、ホヤのキムチ、カニツメ(日によって変わることもあり)もぺろりといただき完食!「同じうにでも、それぞれに違う味を楽しめるの」と太鼓判を押す庭さん。言葉通りの満足感と感激を胸に、店を後にしました。

卵でとじた、ふっわふわの「喜利屋重」に舌鼓!

次に訪れたのは、同じ洋野町内の「磯料理 喜利屋」です。この店には、地元で長く愛されているうに料理があります。それは、うにとアワビを卵とじにした「喜利屋重」(税込1,100円)。社長の髙城岩雄さんによれば、店がオープンした1978(昭和53)年から提供する看板メニューで、当時から変わらぬ味でつくっているそうです。
▲国道45号線沿いにある静かなたたずまいの「磯料理 喜利屋」
運ばれてきた「喜利屋重」をいただくと、柔らかな卵でとじたうにのふんわりとした食感が口に広がります。そして、うににしっかり染みこんだ甘辛い醤油味が食欲を呼び、ひと口、さらにひと口……。
▲「喜利屋重」は、小鉢2品と漬物、味噌汁付。通年提供しています

「子どもから大人まで、誰もが食べやすい味付けにしてあります。冠婚葬祭などの席でも、よくご注文いただきますよ」と髙城さん。その言葉通り、「子どもから大人まで親しまれてきた」ことも納得の味わいでした。
▲社長の髙城さん。店内には洋野町に100年以上前から伝わる潜水技術「南部もぐり」の装備も展示されています
▲40年前につくられたと思えないモダンな店内

「リストランテPasso」にて、うにの味わいとコクを生かした生パスタを堪能!

さて、ここから再び久慈市内へ移動。同市内のイタリアンレストランにて、おいしいうにのカルボナーラを食べられると聞いたからです。
▲国道45号線沿いにあるカワイイ外観の「リストランテPasso」

やってきたのは「リストランテPasso」。2017年で開店11年目を迎える同店は、もっちりとした生パスタが評判の店。生パスタを使ったメニューはトマトソースやクリームソース、和風アレンジなど実にさまざまで、他にもピザ、リゾット、グラタンなど豊富に揃っています。

早速いただいたのは「ウニのカルボナーラ」(税込1,600円)。一見濃厚に見えるカルボナーラソースですが、チーズ、生クリーム、卵のバランスが絶妙で、生パスタならではのもっちりした食感もたまりません。
▲たっぷりと乗ったうにに感動!

なにより、クリーミーな生クリームと卵のまろやかさに相まって、うにの旨みをしっかりと感じられます。すでに、うにを存分に食べてきたにも関わらず、ついつい食が進んであっという間に食べてしまいました。うにがたっぷり乗ってこの値段はリーズナブルすぎる!

「うにの美味しさを大事にして、チーズの味が前に出すぎないよう味を整えてあるんですよ」とオーナーシェフの清水川稔さん。
▲「できるだけ地元の食材を使っています」とオーナーシェフの清水川さん

同メニューはうにの収穫シーズンとなる夏場は、地元産のうにを使用していますが、入荷の関係もあるためその他のシーズンはチリ産うにを使用して提供しているそうです。なので、ぜひとも、夏に行ってほしいです!
▲落ち着いた温かみのある店内

最後は、名物「うに弁当」を求めて、三陸鉄道久慈駅へ!

和洋さまざまなうに料理を満喫したけれど、実は最後にどうしても手に入れたい一品がありました。それは、三陸鉄道久慈駅舎内の「三陸リアス亭」で販売する名物「うに弁当」(税込1,490円)です。
▲この駅舎の中に「うに弁当」が!

「あまちゃん」の劇中でも、うに弁当は人気の駅弁でした。同店の「うに弁当」は1日20食限定品。ゴールデンウィークやお盆期間中は、開店からわずか10数分で売り切れてしまうこともあるんだそう。確実に食べたいなら、事前予約がおすすめです。
▲ちょっぴりレトロな包み紙が、郷愁感を醸していい感じ
▲びっしりと敷き詰めたうに。見よ、この黄金のきらめき!

「うに弁当」の蓋を開けると、惜しげもなく敷き詰められた蒸しうにが、美しいオレンジ色に輝いていました。箸休めの漬物以外はうにだけという潔さは、味と品質への物言わぬ自信が垣間見えるようです。たまらずにひと口食べると、ごはん自体にうにの旨みが染みこんでおり、醤油など必要ないおいしさ。うに好きなら、満足すること間違いなしです。
▲駅内の「三陸リアス亭」。事前予約は前日まで1個から受付け
駆け足で巡った北三陸のうに料理の旅。身一つで海に潜る海女見学はここならではの体験でした。うにはお腹いっぱい堪能したけれど、それぞれに味の印象がはっきりとしていて、しっかり記憶に残っているから不思議です。うにが旬を迎える7月から8月。周辺の海の景色も美しいので、ドライブがてら北三陸へ出かけてみませんか。
水野ひろ子

水野ひろ子

岩手県在住フリーライター。行政や企業等の編集制作に関わる傍ら、有志とともに立ち上げた「まちの編集室」で、ミニコミ誌「てくり」やムック誌の発行をしている。 (編集/株式会社くらしさ)

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