開山1300年!注目の「大山寺」と周辺のおすすめスポットを紹介!

2017.09.13

近年は御朱印集めがブームで、全国の寺社仏閣を訪れる“御朱印ガール”も多いとか。そこで、今回は名刹として名高い鳥取県の大山寺(だいせんじ)を訪れてみることに。大山の鬱蒼とした森に囲まれたとても心が安らぐ場所で、周辺には数多くの支院やスピリチュアルな絶景、それにご当地グルメなど観光スポットもいっぱい。しかも2018年には開山1300年を迎えるということで、今もっとも注目のエリアです。

入山前に寄り道絶景&話題のカフェ!

大山寺があるのは山陰の名峰・大山(だいせん)の中腹です。大山はいろんなドライブルートで上れますが、今回は米子自動車道の溝口ICからアクセス。ICを出ると、さっそく大山が見えてきました。
▲真正面に見えるのが大山。雲が多いのが残念

この日は青空が見えるものの雲が多く、何となく不安定な雰囲気。山の天気は変わりやすいと言いますが、天気予報では雨の心配はない、とのことだったので、晴天になることを期待して車を走らせます。
▲緩やかな稜線が美しい大山

溝口ICから10分足らずで桝水(ますみず)高原です。この辺りの標高は800mほどで「伯耆富士(ほうきふじ)」とも呼ばれる美しい大山の姿が一望できる絶景ポイント。
▲参道の入口に到着

桝水高原から10分ほどで大山寺参道の入口です。車で参道に入ることもできますが、大山寺には駐車場がないのでここからは歩きです。ちなみに、土日祝の10時~15時は参道が車両進入禁止になるのでご注意を。
▲参道入口のすぐ横にある博労座(ばくろうざ)駐車場

博労座駐車場はスキーシーズンは有料ですが、4月1日から12月23日までは無料で利用することができます(年中無休)。約600台収容可とスペースもたっぷり。
▲大山観光の際はぜひ立寄って欲しい「KOMOREBITO(コモレビト)」

参道入口にあるKOMOREBITOの1階には、大山町観光案内所が併設されています。
▲2017年7月に移転リニューアルしたばかりでピッカピカ

各種パンフレットはもちろん、映像で紹介してくれるコーナーもあり、大山観光の予備知識を得るには最適のスポットです。
▲2階はお洒落なカフェスペース

観光案内所の上には2017年7月にオープンしたばかりの「サンセットカフェ」があります。木をふんだんに使った温かみのあるつくりで、眺めのいいウッドデッキのテラス席も。ここからは店名の由来になった美しい夕景も楽しめます。
▲テラスからは米子市街や日本海も見える(天気がよければ……)

ちょうどお腹もすいていたので、入山前にちょっと腹ごしらえをすることに。注文したのがコチラ。
▲地産野菜を使ったビッグマウンテンバーガー(税込1,100円)

大山だからビッグマウンテン…?それにしても、名前の通りデカい!しかも、どっさりのポテトフライやオニオンリングが添えられ、ランチタイム(~15:00)にはドリンクも付いてきます。
▲特大のバンズは大山小麦を使ったオリジナル。ソースはテリヤキかデミグラスが選べる

分厚いトマトやオニオンのニンニク醤油漬けも挟まって、とにかくボリューミー。手ごねの合い挽きパティもジューシーで、ひとことで言えば万人ウケする安定感のある美味しさ。小腹を満たすどころか、けっこう満腹です。
▲大山ブルーベリー フローズンスムージー(税込600円)

もう一つおすすめのメニューがこちら。大山にはブルーベリー農園がたくさんあり、特産品の一つにもなっています。ブルーベリーソースをかけたホイップクリームとミントがトッピングされ、スムージーは凍ったブルーベリーを食べているようなツブツブ感とシャリシャリ感とで、とてもフレッシュな味わいです。
▲コレクションしたくなる観光案内カード

イラストで大山町の観光スポットを紹介するカードもありました。普通の観光パンフレットは読み捨てさせるのが常ですが、これは飾っておきたくなる可愛らしさ。20種類ほどあり、これからも徐々に増えてゆくそうです。

つま先上がりの参道を歩いて大山寺へ

▲参道は整備されて歩きやすい

参道は緩やかな上り坂で、大山寺まで一直線。観光地にありがちなお土産物屋や飲食店が軒を連ねる賑やかさはありませんが、その分、凛として身が締まるような雰囲気です。
▲山門まではゆっくり歩いて8分ほど

石段を上ると山門があり、ここで参拝志納金(一般300円)を納めます。
▲下山観音堂。御朱印はここで

さらに石段を上ると下山観音堂がありました。御本尊の十一面観音菩薩は白鳳期(645~710年頃)の金銅仏で、国の重要文化財に指定されています。狛犬の代わりに向き合ったお狐さんがいることから、神仏習合の歴史もうかがえます。お待ちかねの御朱印をいただく納経朱印所はここにはあります。
▲「調」のシンボルマークが入った御朱印帳(1,800円)

「ととのふ(調)」は必要な物が全て揃う(調う)ことを意味して、参拝者の心も身体も調って欲しいという思いが込められています。
▲許可を得て撮影させてもらいました

この日は参拝者もまばらで、すぐに御朱印をいただけました(300円)。とても達筆で、まさにアートです。
▲「開運鐘」と書かれた鐘楼

さらに石段を上ると朱塗りの鐘楼がありました。ゴ~ンとひと撞きして本堂に向かいます。ちなみに、鐘を撞くのは「参拝に来ました」の挨拶なので、参拝後に鐘を撞くのは「戻り鐘」と呼ばれて縁起が悪いそうです。
▲本堂は鐘楼のすぐ横。御本尊は地蔵菩薩

以前の本堂は過去に何度も焼失し、現在の本堂は昭和26(1951)年に再建されました。
▲本堂の前には「なで仏」も

体の悪いところを撫でると治してくれる、と言われる「なで仏」もおられました。膝や肩は色が剥がれるほど撫でられてピカピカです。それにしても、頭と顔が特に剥がれているのは……。

発展から廃絶を乗り超えて復興した大山寺

▲大山寺圓流院(えんりゅういん)住職の大館宏雄(おおだて こうゆう)さん

大山寺の支院・圓流院の大館住職に大山寺の歴史をお聞きすることができました。

大山は古くからの信仰の山で718(養老2)年の開山。最盛期には100を超える寺院と3,000人以上の僧兵をかかえ、高野山金剛峯寺(和歌山県)や比叡山延暦寺(滋賀県)と並ぶ日本屈指の大寺院になります。しかし、明治時代に神仏分離や仏教を否定する動きを受けて廃絶。本社は大神山神社奥宮とされました。
▲大神山神社奥宮は大山寺から徒歩5分。合わせてお参りしたい

その後、大山寺の復興を乞う僧侶たちの願いが叶い、明治36(1903)年に大山寺号復活が許されますが、昭和3(1928)年の火災で本堂は焼失。昭和26(1951)年に再建され、登山やレジャーで誰もが気軽に大山に入れるようになると、観光地として脚光を浴びるようになりました。
▲大山寺の本堂。鐘楼とともに2017年7月に国登録有形文化財に登録されることが答申された

2018年には開山1300年の節目を迎えることもあり、大山山麓地域の自治体や観光・経済団体など官民一体となって「伯耆国(ほうきのくに)大山開山1300年祭」が展開されます。すでにプレイベントも行われ、これからますます注目を浴びることは間違いなしです。
▲自然石を使った参道では「日本一の長さ」とされる大神山神社奥宮の参道

大山寺から大神山神社奥宮に行く途中に、神秘的な場所があると教えてもらい、立寄ってみることにしました。自然石の参道から脇に入るため、意外と訪れる人が少ない隠れたパワースポットのようです。
▲信仰の聖地として、僧兵たちが修行に励んだ「金門」

高さ約100mの絶壁が両側にそそり立つ金門は、ここからが神の霊域で一般の出入りを禁じる場所の「禁門」という意味もあったとか。そして、夏至の前後数日には断崖のわずかな隙間に夕日が落ちる神秘的な光景を見ることもできるそうです。
▲「賽の河原」は奥に大山北壁がそびえる絶景スポット

金門のすぐ後には、親より早く亡くなった幼子の霊を地蔵菩薩が救ってくれる賽の河原もあります。子供を亡くした親が積み重ねた石の塔も数多くあり、金門とともに聖なるパワーに満たされている雰囲気です。

もともと大山は死霊の赴く山としての信仰が強く、死後の四十九日までは現世に留まる死者の霊が大山に集まるとも言われています。そう考えると賽の河原も心霊スポットのような恐ろしさはなく、霊魂が心置きなくあの世へ旅立つ清々しい場所のように思えました。

大山寺山門前の宿坊茶屋で精進グルメ!

▲御利益が相手に届けられる「お福わけポスト」

石畳の参道を下りて山門の前まで戻ると、茶屋の前に懐かしい丸いポストが設置されていました。
このポストからハガキを投函すれば、大山で得た御利益が相手にも届けられるそうで、かつて隆盛を誇った博労座の「大山牛馬市」にちなんだ牛をデザインした看板も立っています。
▲大山寺の宿坊が経営する「天狗茶屋」

茶屋に入ってみると、何やら不思議なメニューを発見。「精進咖哩独活ん」と書いて「しょうじんカリーうどん」と読むそうです。興味をそそられたので、注文してみることに。
▲精進咖哩独活ん(税込900円)

精進料理を提供する大山寺の宿坊が「気軽に精進料理を味わって欲しい」と考案したもので、動物性の食材は一切使っていません。
▲レンコンチップとウドのきんぴらをトッピング

玉ネギやセロリ、ニンジンなどの畑の食材に数十種類のスパイスをブレンドしたスープで、具に唐揚げが入っています。ただし、この唐揚げは大豆ミートを使ったもので、純植物性。もちろん、ダシも油もすべて植物性です。
▲天然の山ウドを練り込んだ平打ち麺はルーが絡みやすい

精進料理というので、あっさりしているのかと思えば意外にしっかりした味で、唐揚げも肉に負けないほどの旨みです。辛さもほどほどなので、野菜が溶け込んだ深い味わいをしっかり堪能できます。
▲大山おこわでカリーライスに

腹持ちがいいことから大山参りの道中食として広まり、郷土料理になっている大山おこわも付いています。スープの中に浸して食べると、モチモチした食感の不思議なカリーライスになります。
▲博労座は「日本遺産」の舞台

駐車場のある博労座まで戻ると、雲が消えてきれいな青空が広がっていました。博労座は江戸時代から明治時代に国内最大の牛馬市が開催されていた場所で、大山山麓地域が日本遺産に認定されたストーリーになっています。
知れば知るほど興味がわく大山寺とその周辺。一生に一度と言わず、何度でも足を運びたくなる魅力いっぱいのスポットですよ。
廣段武

廣段武

企画から取材、撮影、製作、編集までこなすフリーランス集団「エディトリアルワークス」主宰。グルメレポートの翌日に大学病院の最先端治療を取材する振り幅の大きさと「NO!」と言わ(え?)ないフレキシブルな対応力に定評。広島を拠点に山陽・山陰・四国をフィールドとして東奔西走。クラシックカメラを語ると熱い。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP