癒しと絶景の匹見峡!「表」と「裏」の素顔がキレイすぎた!

2018.08.10 更新

中国山地西部、島根県益田市にある景勝地「匹見峡(ひきみきょう)」。清流と奇岩が織りなす多彩な渓谷美を「前」「表」「裏」「奥」匹見の4エリアで堪能することができます。ドライブ、散策、トレッキングなどそれぞれにおすすめの楽しみ方があるのも魅力のひとつ。気楽に観光気分で、はたまたがっつりトレッキングモードで、マイナスイオン溢れる森林浴を満喫します!

▲裏匹見の「エンコウの棚」から100mほど歩いたあたりの景色

4つのエリアに広がる「匹見峡」!中国山地屈指の渓谷美の楽しみ方とは?

島根県益田市を流れる匹見川は、天然鮎で有名な高津川の支流の一つ。本流に負けず劣らぬ清流として有名で、「匹見峡」はその上流部に位置します。

「匹見峡」とは、「前匹見」「表匹見」「裏匹見」「奥匹見」と呼ばれる4つの渓谷の総称。益田市街から匹見へ向かう国道488号沿いにまず「前」、匹見町中心部を挟んで東に「表」、南に「裏」、そして「表」からさらに東、広島へと抜ける国道191号沿いに「奥」があります。清流と数々の奇岩が見せる渓谷美は絶景の連続です。
▲「表匹見」の「黒淵」付近。「表」はドライブしながら気軽に渓谷美を堪能できる

幹線道路沿いの「前匹見」「表匹見」はドライブやサイクリング、渓流づたいに遊歩道が整備された「裏匹見」「奥匹見」は散策やトレッキングなど、エリアごとに異なる楽しみ方があります。
▲全体の入口ともいえる「前匹見」は、益田市街から国道488号を車で約45分。写真は益田市匹見町広瀬の「和又(わまた)トンネル」付近のエリア。「広瀬の甌穴(おうけつ※岩の回転よって岩盤にできた穴)」が見える

今回は、ドライブしながら気軽に渓谷美を堪能できる「表匹見」と、森林浴しながらちょっぴりスリリングなトレッキングを楽しめる「裏匹見」をピックアップ!訪れたのは新緑萌えるタイミングですが、真夏の納涼に、そして秋の紅葉狩りのご参考にもどうぞ!
▲「前匹見」から車で15分ほど、匹見町中心部にある「匹見峡」の看板。「表匹見」へは左(県道307号)、「裏匹見」へは右(国道488号)に進む

ドライブで楽しめる「表匹見」。観光気分で気軽に絶景めぐり

▲匹見町観光協会(看板の交差点より逆方向に約200m)などで、表匹見のマップや匹見峡全体の遊歩道ガイドが手に入る

約4kmにわたって渓谷が続く「表匹見」には、川に並行する車道(県道307号旧道)があり、ドライブしながらその美しさを気軽に楽しむことができます。見どころは10カ所以上もある「小沙夜(おさよ)伝説」にちなんだスポット。「小沙夜伝説」は、現地に伝わる悲恋の物語です。
▲「魚飛(うおとび)」と呼ばれる最初のビューポイント。運が良ければ小さな滝をジャンプする魚の姿が見られるかも

「魚飛」から少し進むと、小さなトンネルの手前に「小沙夜淵」「お楽の滝」「屏風ヶ浦」と3つも見どころが示された案内板が現れます。道路からは切り立った崖と、少し深くなった川の流れが見えますが…ん?よく見ると、斜面をつたって川まで下りられそうです。
▲崖下に広がる「小沙夜淵」。崖の部分には雨が降ると「お楽の滝」が現れる。この日は雨上がりの翌日で、うっすらと滝の流れが!

川沿いに立つと、奇岩や切り立った崖が目前に迫り迫力満点!せっかくなので川の水をすくってみると…、ん~冷たくて気持ちいい~!
▲くるりと180度視点を変えると、「屏風ヶ浦」のダイナミックな光景!

車窓からも渓谷の様子をうかがい知ることができますが、通り抜けるだけでは勿体ない!せっかくなら、道幅が広い区間にちょっと車を停めて、少し歩いたり、上記のような“小さな探検”をしたりするのもおすすめです。
▲手前の平たい巨岩は「十畳岩」、その奥には「粋の淵」が広がる

ここまではドライブで「表」の美しさを堪能。次は場所を「裏」へと移してトレッキングに挑戦します!

アウトドアを満喫できる「裏匹見」。マイナスイオン溢れる峡谷を歩く!

続いて訪れたのは「裏匹見」。匹見川の支流・広見川の峡谷(両岸が切り立った険しい谷)に沿って片道約4kmの遊歩道が整備されており、自然を満喫しながら散策やトレッキングが楽しめます。
▲国道488号沿いの「匹見峡レストパーク」が出発点。遊歩道にはトイレがないので、歩き始める前に、まずはトイレに行っておくべし

上ったり下ったり、渓流のすぐ側を歩いたりと、遊歩道は適度に険しくもあり、心地よい汗を流せます。レストパークから最深部まで、往復での所要時間は4時間程度。転倒時のケガや虫刺され対策に夏でも長袖・長ズボンがおすすめ。遊歩道は濡れていたり苔が生えていたりするので、トレッキングシューズなど滑り止めのある靴は必須です。そうそう…、脅すわけではないですが、クマ鈴もあれば安心ですよ!
▲レストパーク一帯はコテージが並び、夏場はキャンプ場として人気
▲キャンプ場にある橋上から。正面の峡谷に沿って約4kmの遊歩道が整備されている
▲美しい渓流を見ながら、遊歩道を上流に向かって出発!
▲時には木の根っこを跨いだり、枝をくぐったり、峡谷沿いに森の奥へと進んでいく

入口から約1.2km歩くと、橋の下に小さな滝があるスポット「エンコウの棚」に到達します。
▲「エンコウの棚」に掛かる橋

橋上から美しい眺めを楽しもうと一歩踏み出すと…ん?なんと橋板は金網で下が透けているではありませんか!真下は小さな滝のようになっていて、川面までの高さは約3m、これはスリリング~。
▲足元を見ると、真下の流れが丸見え!初めは怖々、慣れれば超爽快~!

さらに進んで行くと「養老河原」(レストパークから約1.5km)に到着。足もとの渓流を手ですくってみると、冷たくて気持ちいい~!この先、「長淵」「青の淵」「くぐり岩」といった具合に見どころが続き、いっそう険しさが増す「五段滝」(同約2.7km)へ至ります。
▲「養老河原」付近。多彩な奇岩、清流の流れが視界を美しく演出する
▲峡谷の巨岩の横をすり抜ける。滑って転ばないように注意!岩を覆う苔が美しい
▲「五段滝」(写真)付近には、「くぐり岩」「見返り岬」など見どころが連続

出発して約90分、距離にして約3kmで「裏匹見」屈指の有名スポット「平田淵」にたどり着きました。運動不足の筆者でも、なんとかたどり着くことができるくらいの険しさです。全身でマイナスイオンを浴びているかのようで、時折峡谷を通り抜ける風がひんやりとして最高に気持ちいい!
▲滝壺の上に赤い橋が架かる「平田淵」。これから渡る橋と滝を見ながらしばしひと休み
▲滝の真上に掛かる橋の足元も、もちろん金網で下が透けて見える。先ほどの橋よりも高さがありさらにスリリング!
▲「平田淵」から100mほど、遊歩道の終点近くにある「流石の瀬」と呼ばれるスポット。橋を渡った先の峡谷はいっそう険しさを増す

併走する国道488号が落石の影響で通行止めになっているため、「平田淵」や「流石の瀬」のある最深部まではとにかく歩くほかありません。往復8km弱も歩けばさすがに疲れはしますが、森林浴による癒され感は半端ない!しかしながら、無理は禁物ですので、体力に合わせて途中で折り返すことも考えましょう。
▲「流石の瀬」から50mほど進むと、橋の手前に通行止めの看板。この地点が遊歩道の終点(2018年6月時点)

「裏匹見」には、キャンプ、川遊び、上級者には沢登りなどのお楽しみも満載。体力に自信のない人ならば、レストパーク付近の遊歩道を歩くだけでも峡谷、清流、そしてマイナスイオンを満喫できますよ。
▲レストパークから歩いてほんの5分の地点。この辺りまでなら、遊歩道もほぼ平坦。トレッキングの装備がなくともOK

ちなみに、「表匹見」からさらに10kmほど奥の地点にある「奥匹見」も、遊歩道をたどって上流へと登っていくスタイルです。その道のりは「裏匹見」よりもさらに険しいですが、高低差があるぶん、数多くの滝が見どころなのだとか。
▲「奥匹見」の最深部には落差50mの「大龍頭の滝」が!(写真提供:橋本聡)
▲中国山地真っ只中の「裏」「奥」一帯はクマの生息地。可能な限り複数人での散策がおすすめ。そしてクマ鈴を携行しよう

今回、「匹見峡」へは新緑萌える6月に訪れましたが、もちろん紅葉のシーズンも絶景です。山の木々は見事に染まり、いずれの峡谷においても“水の上にも織る錦”。新緑とも甲乙付け難い美しさなので、両方を堪能するのが一番です!
▲「裏匹見」の「流石の瀬」よりの紅葉風景。上流方向には切り立った崖がそびえる(写真提供:益田市匹見総合支所)
▲紅葉の中の「奥匹見」。頭上だけでなく渓流を流れる落ち葉も美しい(写真提供:橋本聡)

「匹見峡温泉」は知る人ぞ知る“美肌の湯”。峡谷めぐり後のお湯は格別!

「匹見峡」めぐりの締めくくりは、「匹見峡温泉やすらぎの湯」に立ち寄るのがおすすめ(中学生以上610円、小学生200円 ※ともに税込)。遊歩道を歩いてしっかり汗をかいた後のお湯は格別ですよ。しかもここ、知る人ぞ知る「美肌の湯」なんです!
▲「匹見峡温泉やすらぎの湯」は観光拠点施設も兼ねており、周辺エリアの情報も入手できる

「裏匹見」のレストパークからは車でわずか5分。旅館としても営業しているので「匹見峡」の4エリア全てを楽しむなら宿泊もおすすめです。レストラン(平日11:30~14:00、土・日・祝11:00~14:00、17:00~19:00)は一般利用もOK。ちなみに、ここでもマップや遊歩道ガイドを入手できます。
▲男湯、女湯それぞれに大浴場、露天風呂、薬湯、打たせ湯を完備。写真は男湯(写真提供:匹見峡温泉やすらぎの湯)
▲露天風呂(写真は女湯)は目の前に自然が迫り、すごい開放感~(写真提供:匹見温泉やすらぎの湯)

お湯は、単純弱放射能冷鉱泉(低張弱アルカリ性鉱泉)でトロリとした肌触り。アルカリ性のお湯は、角質をほぐし皮質の汚れを取り除くなど美肌効果が期待できるそうです。湯船に身体を沈めると…、これは、たまらなく気持ちいい~!なんだか、峡谷を歩いた疲れなど忘れてしまいそうです。
▲お土産も充実。わわ、頭上には「石見神楽」の大蛇(オロチ)が!

「石見神楽(いわみかぐら)」は島根県西部の石見地方に伝わる伝統芸能で、県内には「社中(しゃちゅう)」と呼ばれる数多くの演舞団体が存在します。匹見地域にも三つの「社中」があり、同施設のイベントなどで神楽が上演されるそうですよ。

なお、館内の売店には島根県内の特産品が充実。匹見では清流で栽培されるワサビが名物で、さまざまな加工品も販売されています。
今回は「匹見峡」の4エリアのうち、「表」「裏」を駆け足で案内しましたが、その“癒され感”は現地へと足を運んでこそ。美しい自然とマイナスイオン、加えて美肌の湯が、日々の疲れをリセットしてくれますよ!トレッキングの入門スポットとしてもおすすめです。
兼行太一朗

兼行太一朗

記者兼営業として、地元山口の地域情報紙に14年間勤務。退職後はNPO法人大路小路ひと・まちづくりネットワークに籍を置き、守護大名大内氏や幕末における歴史資源の取材に携わる。同時にフリーライターとして活動しながら、たまに農業も。自称ネコ写真家。(編集/株式会社くらしさ)

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