野球の聖地・甲子園球場へ!甲子園の土に触れ、唯一無二の歴史に触れる

2017.08.05 更新

野球の聖地といわれる「阪神甲子園球場」(以下、甲子園球場)。大阪と神戸の間の西宮市にある、90年以上の歴史を誇る野球場です。プロ野球球団・阪神タイガースの本拠地であり、高校球児の憧れの舞台でもあるこの地。スタジアムの中を見学できるツアーがあると聞き、行ってきました。

「甲子園球場」の名前の由来は完成した年と関係あり

甲子園球場の完成は1924(大正13)年。現在の「全国高等学校野球選手権大会」(当時は「全国中等学校優勝野球大会」)の第10回大会に間に合わせるため、約4ヵ月間で建設されました。アメリカンフットボールのチームであるニューヨーク・ジャイアンツのグラウンドなどを参考に、日本初の大規模多目的野球場として誕生。干支で「甲子(きのえね)」の年に完成したことにちなみ「甲子園大運動場」と命名されました。以来、高校野球の全国大会は、戦争などで中断した以外は、ここで開催されています。
▲バックネット裏からの眺め。阪神タイガースの本拠地になったのは、戦後のこと
▲最寄り駅は、阪神電車・甲子園駅
▲球場は駅の目の前ですが、阪神高速3号神戸線が球場の手前を横切ります。看板を目印に進みましょう

スタジアムツアーで、球場の迫力を肌で感じる

甲子園球場では、グラウンドなど普段の野球観戦では見ることのできない球場の裏側を巡ることができる「スタジアムツアー」を開催しています。

スタジアムツアーの種類は、全16コース(2017年7月現在)。試合などの有無によって開催日やコースが異なります。予約は2カ月前の月初から前日17時30分まで、Webか電話で受付(ただし定員に達し次第、受付終了)。今回は、3塁側ベンチやグラウンドなどを巡るS2のコースに参加しました(大人1,500円、子ども1,000円 ※税込、所要時間は約50分)。
▲「集合場所」と書かれた立て看板に集まるツアー参加者。阪神ファンの他に巨人ファンが3名、西武ファン1名も参加

参加当日は、外野16号門の隣にある「甲子園歴史館」の受付でツアー料金を現金で払い、オリジナルチケットホルダーをもらって集合場所へ向かいましょう。ツアー参加者には、あらかじめガイドさんから写真の撮影ポイントや、気をつける点などの案内があります。さあいよいよツアー開始!近くの14号門から球場内へ入ります。

まずは3塁側ブルペンとインタビュースペースを見学!

夕方から公式戦が開催されるこの日は、S2コースをはじめ、日中にツアーが計3回実施されていました。
まずは、3塁側アルプススタンド付近の2階通路へ。試合中はお弁当やカレー、焼き鳥の販売で賑わう通路に、日頃シャッターが下りたままの小さな窓がいくつかあります。ガイドさんの指示で、特別にシャッターオープン!すると「3塁側ブルペン」が現れました。いよいよスタジアムツアーが始まったとテンションが上がります!
▲投手の投球練習場、3塁側ブルペン
▲窓(写真右側)からブルペンを眺めつつ、ガイドさんの解説を聞きます
▲窓のシャッターが開くと、3塁側ブルペンはこのように見えます

高校野球の開催時は、次の試合を控える高校のウォーミングアップの場として使用されています。
ここでガイドさんが見せてくれたのは、日本初の一般向け温水プールの写真。そう、まだ甲子園大運動場だった頃、3塁側ブルペンは、当時にしては画期的な温水プールだったのです。ちなみに1塁側ブルペンは、柔道場と剣道場でした。
▲窓や屋根の曲線的な形状は現在のブルペンと変わりません

続いて、試合前後に選手たちがメディアからインタビューを受ける、1階の関係者専用ゾーンにやってきました。この日は阪神タイガースの壁紙が貼られていましたが、高校野球の試合終了後の監督や選手のインタビューも、ここで行われています。
▲阪神タイガースのスローガンをバックに、はいチーズ!ハッピやグッズを持参してもOK

普段は選手しか入れない、待望の3塁側ベンチへ!

選手用のロッカールーム近くを通って、いよいよ3塁側ベンチへ。試合日には、グラウンドでウォームアップしている選手を見られる時もあるそうです。
▲3塁側ロッカールーム。今回のコースには含まれていませんでしたが、ここを見学できるコース(S1、S3、S8、S9)もあります
▲普段は選手しか入れない、3塁側ベンチへ!
▲広々とした甲子園を目の当たりにし、芝の香りをかいだ瞬間「あー!ツアーに参加して良かった」と実感。これぞスタジアムツアーの醍醐味です!
▲「ホームベースの秘密」や「グラウンドの水はけのよさ」など、甲子園球場の豆知識について丁寧にレクチャーしてくれます

高校球児になった気分で「甲子園の土」に触わってみよう

高校野球では、試合に負けた選手がせめて記念にと、泣きながら甲子園の土を袋に入れるシーンが印象的。スタジアムツアーでは、じかにグラウンドの土を触ることはできませんが、ケースに入った「甲子園の土」に触れることができます。
▲このような形で「甲子園の土」に触れることができる。ぜひ写真に収めましょう

ツアー中も目の前ではグラウンド整備が行われています。甲子園球場グラウンドの整備・管理を行う会社のスタッフさんが、試合のある日はもちろん、試合のない日も、毎日欠かさず整備しているそうです。
▲試合中、雨が降ってぬかるんだグラウンドを素早く整備するのも、スタッフさんの仕事です
▲甲子園球場の外野に広がる芝。季節を問わず緑が保たれるよう、夏と冬に植え替えを行っているそう

グラウンドに入れるなんて、ツアーならではの体験!客席を見上げると、あらためて「甲子園って広いなあ」と実感しました。

高校野球好きには注目の場所、アルプススタンド

3塁側ベンチからグラウンドを進み、内野スタンドと外野スタンドの間に位置するアルプススタンドへ向かいます。ここは、高校野球の出場校の応援団が入ることでお馴染みの場所。高校野球の開催時は、校名の入った横断幕などを飾るために内野側のフェンスの高さを2倍にしたり、試合ごとにほぼ全員の観客が入れ替わるために前方の座席を撤去して通路を確保したりと、さまざまな工夫がなされます。
▲高校野球の開催時は、出場校の生徒やOB、OGら大応援団がここを埋め尽くします
▲アルプス席から外野方向への眺め
▲内野方向。バッターボックスに立つ選手に、ここから大声援を送ります

そのまま外野スタンドを通過し、スタート地点の外野16号門から外へ出て、50分ほどのスタジアムツアーは終了。球場の裏側に堂々と潜入できて、甲子園球場をより身近に感じられた、幸せなひと時でした。今度は別のコースで、またスタジアムツアーに参加したいです。
▲公式戦の開催時には、練習見学付きスタジアム見学コース(R1)もあります。20分間ほど、練習風景を見学できるそうです

「甲子園歴史館」は、甲子園の今と昔がつまった宝の宝庫!

スタジアムツアーには、阪神タイガースや高校野球の歴史をまとめて楽しめる「甲子園歴史館」の入館料(大人600円、4歳~中学生300円 ※税込)が含まれています。球場の余韻を胸に、甲子園歴史館にも行ってみましょう!
▲甲子園歴史館は甲子園球場の中にあります

甲子園歴史館には「高校野球ゾーン」と「阪神タイガースゾーン」があり、それぞれのゾーンでゆかりの深い品々や映像を公開しています。まずは歴史館の入口すぐの、赤いカーペットの階段を上がりましょう。
▲曲線の手すりと赤いカーペットが、レトロで趣のある階段

階段を上がって右側の、「高校野球ゾーン」の展示から見学スタート。高校野球で活躍した選手をはじめ、記憶に残る名勝負やその試合映像、またユニフォームをはじめとする野球道具などが、所狭しと並びます。
▲時代ごとに活躍した選手の写真や、映像の展示。自分が熱心に応援した選手の姿を追い求める入館者も

全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)の初代優勝旗もありました。
▲1915(大正4)年の第1回大会から、1957(昭和32)年の第39回大会まで使われた初代優勝旗
▲歴史を感じさせるキャッチャーミットなどの展示も、甲子園歴史館ならでは
▲出場校のユニフォームがずらり
▲1931(昭和6)年の第17回大会に日本統治下の台湾から初めて甲子園に出場、準優勝した嘉義(かの)農林学校。これを題材にした映画が台湾で公開されて以来、台湾から訪れる観光客も多いそう
▲松井秀喜(星稜高校)と松坂大輔(横浜高校)両選手の高校時代のユニフォームやグローブも!壁面には歴代の出場校の名前を刻んだボールが並ぶ

阪神タイガースの歴史が凝縮!

続いて「阪神タイガースゾーン」へ。こちらには、往年のタイガースファンが熱狂する、歴代の名選手のユニフォームやバットなどが数多く展示されています。
▲阪神タイガースを日本一に導いた唯一の監督・吉田義男氏のユニフォーム。2017年現在でも野球解説を務め、甲子園歴史館の顧問でもあります
▲阪神タイガースで活躍した選手のパネルとユニフォーム、バットなどの貴重な品がずらり
▲懐かしい映像に、足を止めて見入ります

もちろん、現在の阪神タイガースを紹介するエリアも充実しています。
▲これら選手の一人ひとりが、2017年現在の阪神タイガースの「顔」です
▲2017年入団選手の色紙も展示

高校野球ゾーンも、阪神タイガースゾーンも、始まりから今日までそれぞれの歴史のハイライトをギュッと凝縮した、圧巻の展示でした。

まだまだある、歴史館の見どころを一挙にご紹介!

高校野球と阪神タイガース以外にも、甲子園にちなんだ多くの展示があります。「まんがと甲子園」のエリアでは、『ドカベン』や『タッチ』など、甲子園をテーマにしたまんがの懐かしく印象的なシーンや、作者の直筆イラストなどが飾られています。
▲「まんがと甲子園」エリア。通路の床にも、「カキーン!」などの効果音が描かれています
▲高校野球まんがの金字塔『タッチ』の南ちゃんを描いた直筆イラストも展示されています

また、甲子園球場の一部であるメリットを最大限に活かしているのが「バックスクリーンビュー」。歴史館内から屋外階段を通って、スコアボード真下へ行くことができるのです。天気の良い日は外に出て、球場を一望できます。試合中や悪天候時などは出られない場合もあるので、歴史館入口などで確認しましょう。
▲記念撮影には絶好のロケーションですね!
▲見上げると、バックスクリーンがこの近さで見られます

甲子園歴史館には、おおいに遊べる楽しいアトラクションもいっぱい。
まずは「トリックアート」から。ここでプロのピッチャー相手にホームランを打った瞬間を激写しましょう!「プロ野球バージョン」と「高校野球バージョン」があり、季節ごとに入れ替わるそうです。
▲指定の位置に立てば、誰でも簡単にナイスバッティングの写真を撮ることができます

「VR(バーチャルリアリティ)体感コーナー」では、高校球児の先頭でプラカードを持つ女子高校生になってグラウンドを行進したり、鳥になって球場の上を飛んでいるような臨場感のある映像を楽しむことができます。
▲グラウンドを1周したり、鳥になってみたりと、楽しい映像を体感

そしてこちらは「ドラフト体感コーナー」。プロ野球ドラフト会議でよく見る映像ですね。ここでは指名された選手の名前が出る箇所に、自分の名前を出すことができます。球団やポジションなどを選べるから、好きな球団を入力して、はいポーズ。
▲阪神タイガースに限らず、セ・パ12球団から選べます。あなたはどの球団に指名されたい?
プロ野球や高校野球ファンにはぜひ行ってほしい、野球の聖地・甲子園球場。スタジアムツアーと甲子園歴史館から、長い歴史の中でさまざまな出来事や思い出が刻まれた、魅力あふれる球場であることを改めて知ることができました。
國松珠実

國松珠実

大阪エリアの女性ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」所属。人と話すのが好きで店舗や企業取材を得意とする。また旅行好きが高じて世界遺産検定1級を持っている。 編集/株式会社くらしさ

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
PAGE TOP