山形「楢下宿丹野こんにゃく」で、新しいこんにゃく料理に魅せられて

2019.04.11 更新

こんにゃく消費量日本一の山形県。こんにゃくは、名物の「玉こんにゃく」や、秋の風物詩「芋煮汁」の具材に使われるなど、地元の人から観光客まで、さまざまな食べ方で親しまれています。今回は、そんなこんにゃくを使った新しい料理に注目。創業以来、こんにゃく料理にこだわり続ける上山市の「楢下宿(ならげしゅく) 丹野こんにゃく」を訪ねました。新感覚の料理やスイーツの登場に、こんにゃくの常識が変わりますよ!

▲「こんにゃく番所」ののれんがお出迎え

※本記事は2016年取材記事を一部更新したものです。

こんにゃくだけどこんにゃくじゃない、新感覚食品を提案!

こんにゃく料理と聞いて、どんな料理を思い出しますか?おでん、煮込み等々…。
こんにゃくの製造・販売をはじめ、こんにゃくを使った新しい食品や創造性溢れる創作料理を提案している「楢下宿 丹野こんにゃく」には、こんにゃくを用いた懐石料理や玉こんにゃくなどの人気料理が味わえる「こんにゃく番所」と、ちょっと変わったこんにゃくスイーツなどが楽しめる「日々蒟蒻(ひびこんにゃく)」があります。中でも「日々蒟蒻」(※)には珍しいこんにゃくスイーツがあると聞き、訪ねてみました。

※「日々蒟蒻」は2018年4月に「番かふぇ」より店名が変更となりました。
▲和モダンな「番かふぇ」の入り口

「こんにゃくを食べに山形に来てもらいたい」その一心で

「丹野こんにゃく」でこんにゃくの販売を始めたのは昭和34(1959)年、先代の時。現会長の丹野益夫(たんのますお)さんの代になると、昭和45(1970)年頃から全国を廻って“山形名物玉こんにゃく”の販売を行っていきました。各地を廻るうちに、「こんにゃくを食べに山形に来てもらいたい」という思いが強くなり、昭和61(1986)年に現在の店をオープンさせました。
▲昭和61(1986)年にオープンした「こんにゃく番所」には売店と食事処があります
▲噂を聞きつけ、全国津々浦々からお客様が。試食をしてお気に入りの味を買い求めていきます
▲山形名物「玉こんにゃく」1本100円(税別)は「こんにゃく番所」で食べられます

さらに、「ただ食べに来てもらうのではなく、楽しんで帰ってもらいたい」と常識を覆す演出を考えた丹野会長。それは、様々な食材とこんにゃくを使い、うにやマグロ等の刺身や天ぷら、焼き鳥…等、本物と見間違えるほどの食品を作ってしまうこと。巧みな技で作られたそれらのこんにゃく料理は、歯ごたえや食感、風味までがまるで本物!「これがこんにゃく?!」と、誰もが驚いてしまうこと請け合いです。
▲上からプリッとした食感の「玉こんにゃく」、モチッとした食感の「餅こんにゃく」、焼き鳥に見立てた「焼鳥風こんにゃく」各1本100円(税別)
▲2019年3月からは、新メニューの「こんにゃく箱膳」2,800円(税別)も提供。蒟蒻を主とした創作料理です

「味がないこんにゃくだからこそ、いろいろな食材と相性が良く、無限大にメニューを発想できるんです。」お客様にはサプライズを楽しんでもらうために日々研究を惜しまない丹野会長。

カフェで気軽に味わう、こんにゃくを使ったスイーツ

「2013年にカフェをオープンしたら、今までこんにゃくに関心がなかった若い人たちがいらしてくれて『これがこんにゃく?』と興味を持ってもらえるようになりました。こんにゃくを食べたことがないのに『嫌いだ』と言われるのは寂しいですからね。こんにゃくの特徴を活かして、楽しくなるカフェメニューを提案しています。」と話すのは社長の丹野真敬(まさひろ)さん。
同カフェのこんにゃくスイーツには、すべて丹野こんにゃくで作ったこだわりの“こんにゃく”が入っています。それはジュレのような食感だったり、ツブツブ感があったり、まろやかな口あたりだったり…限りなく本物に近い味わい。カロリーを気にしないで食べられる本格的なスイーツなのです。
▲「こんにゃく ぱいケーキ」が美味しい、レディースセット(ドリンク付)800円(税別)

「こんにゃく ぱいケーキ」は、見た目はもちろんのこと、美味しさも普通のパイケーキと変わりはありません。こんにゃくの食感は全く気にならないほど。パイのサクサク感と優しい甘さが特徴の「こんにゃく ぱいケーキ」は、カフェメニューの中でも人気NO.1のスイーツです。
▲サクサクの生地の中にもこんにゃくが入っているなんて!

「黒豆風こんにゃく」は甘めに煮た黒豆を食べているよう。クニュッとしたこんにゃくの食感はそのままに、食べると止まらなくなってしまうおやつ感覚のスイーツです。
▲黒豆風こんにゃくをソフトクリームにトッピング

ほかに、ジュレのような食感の「こんにゃく みぞれ」を使ったデザート「こんにゃく みぞれ ~フルーツ盛り合わせ~」も人気です。完熟したラ・フランスとこんにゃくが絡み合ってとてもジューシー。
▲「こんにゃく みぞれ ~フルーツ盛り合わせ~」ドリンクセット650円(税別)
▲左「これも こんにゃくdaそーだ(ブルーベリー)」450円(税別)、右「こんにゃくクラッシュジュース(アップル)」450円(税別)は、氷の代わりによく冷えたこんにゃくが!

「いろんなメニューを作っても、基本は昔からの味をきちんと伝えていくこと。玉こんにゃくを原点に祖父と父が守ってきたものをしっかり残すためにも、新しいことにチャレンジしていかないとだめだと思っています。」食を次世代に繋いでいくために、スタッフとともに真敬さんは挑戦し続けます。

カルシウム豊富な天然水を利用したこんにゃく造り

こうした「こんにゃく造り」に欠かせないきれいな水は、こんにゃくの味を決める大きな要素。敷地内の地下283mから湧き出る水を使用しています。通年水温18度のカルシウム豊富なアルカリ性天然水です。
▲「益栄の水」と名付けられた地下283mから湧き出る豊富な水

アルカリ性のこんにゃくは、体内の“砂落とし”

「昔からこんにゃくは“砂落とし”と呼ばれてきました。カロリーが無いだけでなく体内から毒素を抜く食べ物というのは、仏教の世界でも古くから伝えられてきたこと。日本人は穀物を食べる人種なので腸が長い。こんにゃくは消化しないので、体内を通っていくことで腸の壁面の汚れを落とす、我々にとって必要な食べ物なんですよ。」と丹野会長。

偏ってしまいがちな現代の食生活に、アルカリ性のこんにゃくは必要なもの。
楽しく食べながら健康管理をしていくことを提案しています。
▲こんにゃくを愛してやまない、会長の丹野さん
▲秋に収穫するこんにゃく芋

宿場町の風情を今に残す楢下地区

「丹野こんにゃく」がある上山市楢下(ならげ)地区は、江戸時代、宮城県七ヶ宿から金山峠を越え、上山にぬける羽州街道の宿場町でした。 1995年に歴史国道、1996年には歴史の道百選に、1997年には羽州街道「楢下宿」の名称で国の史跡にも指定されています。

楢下宿は江戸時代には参勤交代の大名行列が通り、労働者や馬、駕籠(かご)かきが交代する場所として利用されていました。この地は楢の木と、こんにゃく作りに適した水が豊富だったことから、宿場を行き交う人たちによってこんにゃくの栽培方法が伝えられたのです。
▲脇本陣を務めた旧丹野家住宅(滝沢屋)
▲当時の風情が残る建物

宿場町の雰囲気を色濃く残す楢下地区で「楽しく」こんにゃく料理を味わいながら、ゆっくりとした時を過ごしてみませんか?
佐藤昌子

佐藤昌子

エディター&ライター。山形県知事認可法人アトリエ・ミューズ企業組合専務理事。山形県内を中心にタウン誌、フリーペーパーや企業広報誌等ジャンル問わず、印刷物の企画、取材・編集の仕事を手掛ける傍ら、モデルハウスのディスプレイやリメイク等『気持ちの良い暮らし方』も提案している。

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