日本三名橋「錦帯橋」の絶景を堪能し尽くす5つのポイント!
日本三名橋の一つ「錦帯橋(きんたいきょう)」。山口県岩国市にある5連のアーチが美しい国内屈指の木造橋で、川岸、河原、そして遊覧船上からの風情ある眺めと、橋を支える伝統工法による木組みが見どころです。錦帯橋を楽しむために知っておきたい5つのポイントをご案内します!

奇跡の名橋ともいわれる名勝「錦帯橋」。江戸時代から変わらない伝統の架橋工法
5連の木造アーチ橋が織りなす美しい光景は日本三名橋の一つにも数えられ、国の名勝にも指定。山口県を代表する観光地として人気です。

それまでは橋を架けても洪水の度に流されるという事態の繰り返し。「流されない橋を」という悲願のもとで研究が重ねられ、中国(当時は明朝)の絵図「西湖遊覧志」にあった“連続する小島とそれを繋ぐ橋”をヒントに造られたといいます。
当時の土木建築技術の粋が集められており、特にアーチ部分の精巧さと強度は、現代力学においてもまったく遜色ないものなのだそうです。

建造翌年の1674(延宝2)年に洪水で流失するも、すぐに再建。その後276年間不落を誇りましたが、1950(昭和25)年のキジア台風による洪水で再び流失してしまいます。
近代的な橋に改めるべきとの意見もありましたが、地元の熱烈な運動の末に元の姿で再建。そして、2001~2003(平成13~15)年には「平成の架け替え」が実施されました。
風景美もさることながら構造美もまた見事な錦帯橋。世界に類を見ないともいわれているその橋の全容を楽しみ尽くす5つのポイントを紹介します。

ポイント1.渡る前に、川岸や河原から「錦帯橋のある風景」を眺めてみよう

さらに橋の一帯は、春は桜、秋は紅葉の名所でもあります。特に川の西側には周辺の公園を含めて約3,000本の桜があり、例年3月末~4月初めの満開の時期に合わせて、桜に包まれる錦帯橋を一目見ようと多くの人が押し寄せます。


ポイント2.橋の真下へ行って、木組みの美しい幾何学模様を鑑賞しよう!

木組みの様子は遠目からも見ることができますが、間近で見ると、その精巧さと美しさに圧倒されます。
ポイント3.橋を渡ってアーチを体感。清流を見渡すのも気持ちいい

その後は、窓口で入橋料(往復分・大人300円、小学生150円 ※税込)を払って橋上へ。歩くごとに振動がトントンと小気味よく体に響きます。

錦川を見渡す眺望が気持ちいい~!清流と呼ばれるほど水がきれいな川面を見下ろすと鮎の魚影を目で追うことができ、運がよければカジカガエルの美しい鳴き声を聞くこともできます。

ポイント4.まるで箱庭!城下町と「錦帯橋」を岩国城から眺めよう



ポイント5.名勝「錦帯橋」を背景に、夏の風物詩「う飼遊覧」
遊覧船の運航は、桜や新緑が美しい「さくら舟」(3月下旬~5月末)、鵜飼による古式鮎漁も観賞できる「う飼遊覧」(6月~9月上旬)、艶やかな紅葉に包まれる「もみじ舟」(9月上旬~11月末)の3シーズン。
「さくら舟」「もみじ舟」の遊覧時間は約20分(貸切の場合は1時間~)ですが、「う飼遊覧」は食事やお酒とともにゆったり約2時間の舟遊びが楽しめます。今回は、シーズン真っ只中、錦帯橋の夏の風物詩でもある「う飼遊覧」を堪能します!

「う飼遊覧」は毎日19時の出航で、前半1時間は食事をしながら錦帯橋を起点に約1km上流までを往復。岩国寿司に鮎や蓮根など、ご当地名物に舌鼓を打ちながら、空が暮れゆく中での橋の絶景を堪能できます。


後半の1時間は、いよいよ鵜飼見物!かがり火が焚かれた鵜船(出船数は1~4艘)が、遊覧船をぐるりと回るように鵜とともに鮎を追い立てます。すごい!水がきれいなので、潜って鮎を追う鵜の動きまではっきりと見ることができます。


船頭さんの鵜飼や錦帯橋についての語りに聞き入り、勇壮な鵜匠さん、そして頑張る鵜たちの姿に熱中して思わず拍手!涼やかな川面で、きっと大満足の2時間が楽しめますよ。
錦帯橋のう飼遊覧(岩国市観光協会鵜飼事務所)
山口県岩国市横山2丁目7-28
[運航期間]2017年6月1日~9月10日
[所要時間]19:00~21:00(約2時間)
[乗船料金]大人2,000円、小学生1,000円(ともに税込)
※原則予約制、余裕ある場合は出航直前でも申込可
※弁当の予約は3日前まで、メニューなど詳細はホームページを参照
0827-28-2877(遊覧船予約/8:30~17:00)
番外編.橋を渡った先で、宮本武蔵と佐々木小次郎がソフトクリームで今なお決闘中!?
その名の通り、宮本武蔵と佐々木小次郎を模して、競うようにソフトクリームを販売する様子は、まさに現代に再現された剣豪2人の決闘のよう。そもそもは、「佐々木屋」が現地でのソフトクリームの元祖。吉川英治の小説「宮本武蔵」では、佐々木小次郎は岩国出身という設定のため、それにあやかって店名を決めたのだとか。

この日は「佐々木屋」の“おすすめ最新メニュー”とのことで、ピスタチオのソフトクリーム(税込350円)をいただきました。ほんのり香ばしいピスタチオの風味はバニラクリームと相性抜群、暑い一日にこれは至福の逸品、美味しい~!

今度はお隣の「むさし」を覗いてみると…、「日本記録更新中、ただ今165種類」と看板に掲げられているではありませんか!
さっそく店頭に書き出されたメニューをたどっていくと、こちらも悩んでしまいそうなほどの美味しそうなラインナップ…ん?しょうゆ?七味?カレー!?驚くなかれ、これぞ「むさし」の人気の秘密。正統派「佐々木屋」、なんでもありの「むさし」、二人の剣豪のイメージに案外ぴったり当てはまっているのかもしれませんね。

佐々木屋小次郎商店
山口県岩国市横山2-5-32
[営業時間]9:00~19:00(冬季は早期終了の場合あり)
[定休日]不定休
0827-41-3741
むさし
山口県岩国市横山2-1-23
[営業時間]9:00~18:00(冬季は10:00~)
[定休日]なし(天候などによって臨時休業あり)
0827-43-6340
長さはほんの6m分しかありませんが、橋板の継目からの雨水の染み込みを2020年まで検証し、次回架け替え時(2021~2023年)のデータとして生かされるのだそうです。渡る人が多いほど試験としてよい結果が得られるとのことなので、実験橋もしっかり制覇しておきましょう!

そして、最後の最後にとっておきの超絶景が!それは、毎年8月第1土曜日に橋のたもとで開催される花火大会「錦川水の祭典」。夜空に花開く大輪の中に浮かび上がる錦帯橋は息をのむほどの美しさです。ちなみに、花火当日の遊覧船は予約開始とともにあっという間に完売御礼となるほどのプラチナチケットなのだそう(2017年は満席)。毎年5月初めに予約開始日が発表されるので早目に要チェックです!

「山は富士、滝は那智、橋は錦帯」と詠われるほど、江戸時代からその美しさが讃えられてきた錦帯橋。5つのおすすめポイントをしっかり押さえて、5連のアーチが織りなす絶景を堪能し尽くすべし!
錦帯橋
山口県岩国市岩国1
[窓口営業時間]8:00~17:00(観光シーズン~18:00、夏季~19:00)
[入橋料金]往復のみ:大人300円、小学生150円/入橋・ロープウェー・岩国城セット券:大人940円、小学生450円 (すべて税込)
※入橋は24時間可(22:00以降は消灯)、営業時間外は料金箱へ入金
0827-29-5107(岩国市役所錦帯橋課)

兼行太一朗
フリーライター・カメラマンとして、山口県を拠点に活動中。 主に旅行、グルメ、歴史、地方創生などについての書籍やウェブサイトを中心に取材・執筆を行っている。拠点とする山口市では、歴史資源を生かした地域活性化に取り組むNPO法人「大路小路まち・ひとづくりネットワーク」にも所属し、守護大名大内氏や幕末に関する史跡、ゆかりの場所や人物についての取材を担う。(編集/株式会社くらしさ)
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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