日本三名橋「錦帯橋」の絶景を堪能し尽くす5つのポイント!

2017.07.29 更新

日本三名橋の一つ「錦帯橋(きんたいきょう)」。山口県岩国市にある5連のアーチが美しい国内屈指の木造橋で、川岸、河原、そして遊覧船上からの風情ある眺めと、橋を支える伝統工法による木組みが見どころです。錦帯橋を楽しむために知っておきたい5つのポイントをご案内します!

奇跡の名橋ともいわれる名勝「錦帯橋」。江戸時代から変わらない伝統の架橋工法

岩国市を流れる錦川にかかる「錦帯橋」。1673(寛文13・延宝元)年、両岸に広がる城下町を繋ぐ橋として、岩国藩主・吉川氏によって建造されました。

5連の木造アーチ橋が織りなす美しい光景は日本三名橋の一つにも数えられ、国の名勝にも指定。山口県を代表する観光地として人気です。
▲橋の全長は193.3m、アーチ部分の最高点は川床から約13mもある

それまでは橋を架けても洪水の度に流されるという事態の繰り返し。「流されない橋を」という悲願のもとで研究が重ねられ、中国(当時は明朝)の絵図「西湖遊覧志」にあった“連続する小島とそれを繋ぐ橋”をヒントに造られたといいます。

当時の土木建築技術の粋が集められており、特にアーチ部分の精巧さと強度は、現代力学においてもまったく遜色ないものなのだそうです。
▲反りが美しいアーチ部分。工法は江戸時代から変わらずに伝承されている

建造翌年の1674(延宝2)年に洪水で流失するも、すぐに再建。その後276年間不落を誇りましたが、1950(昭和25)年のキジア台風による洪水で再び流失してしまいます。

近代的な橋に改めるべきとの意見もありましたが、地元の熱烈な運動の末に元の姿で再建。そして、2001~2003(平成13~15)年には「平成の架け替え」が実施されました。

風景美もさることながら構造美もまた見事な錦帯橋。世界に類を見ないともいわれているその橋の全容を楽しみ尽くす5つのポイントを紹介します。
▲山陽道岩国ICからは10分程度。たもとの河原が観光用の駐車場(3~5月、9~11月の休日は有料)になっている。JR岩国駅からはバスで約20分

ポイント1.渡る前に、川岸や河原から「錦帯橋のある風景」を眺めてみよう

まずは、たもとの様々な角度から錦帯橋の絶景を楽しみましょう!記念撮影にも人気の定番スポットは、橋の東側の河原から、山頂に建つ岩国城も小さく写る構図です。
▲「錦川」「錦帯橋」「岩国城」の定番構図

さらに橋の一帯は、春は桜、秋は紅葉の名所でもあります。特に川の西側には周辺の公園を含めて約3,000本の桜があり、例年3月末~4月初めの満開の時期に合わせて、桜に包まれる錦帯橋を一目見ようと多くの人が押し寄せます。
▲桜とともに眺める錦帯橋。夜桜とライトアップされた橋の様子も必見(写真提供:岩国市)
▲紅葉したモミジ越しに眺める錦帯橋も見事な風情 ※例年の見頃は11月末(写真提供:岩国市)

ポイント2.橋の真下へ行って、木組みの美しい幾何学模様を鑑賞しよう!

次に絶対に見ておきたいのが、木組みが整然と並び美しい幾何学模様を作り出している橋の裏側です。実験の結果、一つのアーチでなんと60tの重さにも十分に耐えうることが立証されました。
▲アーチ部分の裏側に整然と並ぶ木組み。建造物マニアならずとも見とれてしまうほどの美しさ

木組みの様子は遠目からも見ることができますが、間近で見ると、その精巧さと美しさに圧倒されます。

ポイント3.橋を渡ってアーチを体感。清流を見渡すのも気持ちいい

真下から構造美を堪能した後は、いよいよ橋を渡ります!…が、その前に入り口付近から錦帯橋を眺めてみませんか?先ほど見たアーチの裏側と、橋の表側を同時に見ることができます。
▲錦帯橋の表裏を同時に眺める。人が上ったり下ったりする様子を見るのもまた楽しい

その後は、窓口で入橋料(往復分・大人300円、小学生150円 ※税込)を払って橋上へ。歩くごとに振動がトントンと小気味よく体に響きます。
▲アーチの途中までは階段、上部はスロープのような形状になっている。雨の日は滑りやすくなるそうで注意が必要

錦川を見渡す眺望が気持ちいい~!清流と呼ばれるほど水がきれいな川面を見下ろすと鮎の魚影を目で追うことができ、運がよければカジカガエルの美しい鳴き声を聞くこともできます。
▲山口県内随一の清流・錦川。数km下流には、伏流水で醸した日本酒「五橋(ごきょう)」の蔵元がある。その名前は5連アーチの錦帯橋に由来

ポイント4.まるで箱庭!城下町と「錦帯橋」を岩国城から眺めよう

橋を渡りきって山裾まで10分ほど歩くと、岩国城のある山上へと通じるロープウェイがあります。時間に余裕があるなら、城の展望台も訪れてみませんか?錦帯橋とともに、箱庭のような城下町の眺望を楽しむことができますよ。
▲1962(昭和37)年に再建された岩国城。内部は資料館になっている(入館料大人260円、小学生120円 ※税込)
▲麓と山上を結ぶロープウェイ。錦帯橋、ロープウェイ、岩国城入館がセットになった割引チケット(大人940円、小学生450円 ※税込)も橋の窓口で購入できる
▲岩国城展望台からの眺望。錦帯橋とその周囲に広がる城下町を一望できる

ポイント5.名勝「錦帯橋」を背景に、夏の風物詩「う飼遊覧」

5つ目に紹介するビューポイントは屋形船スタイルの遊覧船。水面にも映る風情ある錦帯橋の光景を船上から満喫することができます。

遊覧船の運航は、桜や新緑が美しい「さくら舟」(3月下旬~5月末)、鵜飼による古式鮎漁も観賞できる「う飼遊覧」(6月~9月上旬)、艶やかな紅葉に包まれる「もみじ舟」(9月上旬~11月末)の3シーズン。

「さくら舟」「もみじ舟」の遊覧時間は約20分(貸切の場合は1時間~)ですが、「う飼遊覧」は食事やお酒とともにゆったり約2時間の舟遊びが楽しめます。今回は、シーズン真っ只中、錦帯橋の夏の風物詩でもある「う飼遊覧」を堪能します!
▲錦帯橋を眼前に繰り広げられる鵜飼は、300年以上も変わらない岩国の夏の光景

「う飼遊覧」は毎日19時の出航で、前半1時間は食事をしながら錦帯橋を起点に約1km上流までを往復。岩国寿司に鮎や蓮根など、ご当地名物に舌鼓を打ちながら、空が暮れゆく中での橋の絶景を堪能できます。
▲事前に予約をしておけば、船上に弁当を手配できる。写真は「周防岩国う飼弁当」(税込1,700円)
▲少し上流から望む錦帯橋。風がない穏やかな流れの日は、鏡のような水面に逆さまの錦帯橋が現れる

後半の1時間は、いよいよ鵜飼見物!かがり火が焚かれた鵜船(出船数は1~4艘)が、遊覧船をぐるりと回るように鵜とともに鮎を追い立てます。すごい!水がきれいなので、潜って鮎を追う鵜の動きまではっきりと見ることができます。
▲迫力満点の鵜飼。見事に鮎を捕らえたら、鵜匠さんが遊覧船に投げ入れてくれ、持ち帰ることもできる
▲終了後、船べりで鵜たちが乗船客をお見送り。鵜は年功序列で並ぶ順番が決まるのだそう

船頭さんの鵜飼や錦帯橋についての語りに聞き入り、勇壮な鵜匠さん、そして頑張る鵜たちの姿に熱中して思わず拍手!涼やかな川面で、きっと大満足の2時間が楽しめますよ。

番外編.橋を渡った先で、宮本武蔵と佐々木小次郎がソフトクリームで今なお決闘中!?

錦帯橋の西側にはメディアでもちょくちょく紹介される名物スポットがあります。豊富なメニュー数で話題の2軒のソフトクリーム店、「佐々木屋小次郎商店(以下、佐々木屋)」と「竹の里むさし(以下、むさし)」です。

その名の通り、宮本武蔵と佐々木小次郎を模して、競うようにソフトクリームを販売する様子は、まさに現代に再現された剣豪2人の決闘のよう。そもそもは、「佐々木屋」が現地でのソフトクリームの元祖。吉川英治の小説「宮本武蔵」では、佐々木小次郎は岩国出身という設定のため、それにあやかって店名を決めたのだとか。
▲ソフトクリームのサンプルがずらりと並ぶ「佐々木屋」。フルーツ系に加えて、レアチーズやティラミスなどラインナップは多彩。コーンタイプを分けるとその数は60種以上!

この日は「佐々木屋」の“おすすめ最新メニュー”とのことで、ピスタチオのソフトクリーム(税込350円)をいただきました。ほんのり香ばしいピスタチオの風味はバニラクリームと相性抜群、暑い一日にこれは至福の逸品、美味しい~!
▲ピスタチオのソフトクリームは食欲も清涼感もそそる淡いグリーン。ワッフルコーンタイプ(税込450円)もある

今度はお隣の「むさし」を覗いてみると…、「日本記録更新中、ただ今165種類」と看板に掲げられているではありませんか!

さっそく店頭に書き出されたメニューをたどっていくと、こちらも悩んでしまいそうなほどの美味しそうなラインナップ…ん?しょうゆ?七味?カレー!?驚くなかれ、これぞ「むさし」の人気の秘密。正統派「佐々木屋」、なんでもありの「むさし」、二人の剣豪のイメージに案外ぴったり当てはまっているのかもしれませんね。
▲むさしのラインナップにはキワモノ系も。下の段にご注目!「地鮎ソフト」「スッポン」「お茶漬け」「ラーメン」…なんだか居酒屋?のような(汗)
「むさし」の先には「吉香(きっこう)公園」が広がり、しばしのひと休みにおすすめ。しかも、園内の一角には錦帯橋の実験橋が設置されています。

長さはほんの6m分しかありませんが、橋板の継目からの雨水の染み込みを2020年まで検証し、次回架け替え時(2021~2023年)のデータとして生かされるのだそうです。渡る人が多いほど試験としてよい結果が得られるとのことなので、実験橋もしっかり制覇しておきましょう!
▲全長6m、幅3mの実験橋。橋の一部には平成の架け替え時の廃材が転用されている

そして、最後の最後にとっておきの超絶景が!それは、毎年8月第1土曜日に橋のたもとで開催される花火大会「錦川水の祭典」。夜空に花開く大輪の中に浮かび上がる錦帯橋は息をのむほどの美しさです。ちなみに、花火当日の遊覧船は予約開始とともにあっという間に完売御礼となるほどのプラチナチケットなのだそう(2017年は満席)。毎年5月初めに予約開始日が発表されるので早目に要チェックです!
▲花火見物には県内外から多くの見物客が訪れる(写真提供:山口県)

「山は富士、滝は那智、橋は錦帯」と詠われるほど、江戸時代からその美しさが讃えられてきた錦帯橋。5つのおすすめポイントをしっかり押さえて、5連のアーチが織りなす絶景を堪能し尽くすべし!
兼行太一朗

兼行太一朗

記者兼営業として、地元山口の地域情報紙に14年間勤務。退職後はNPO法人大路小路ひと・まちづくりネットワークに籍を置き、守護大名大内氏や幕末における歴史資源の取材に携わる。同時にフリーライターとして活動しながら、たまに農業も。自称ネコ写真家。(編集/株式会社くらしさ)

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP