山陰の小京都・津和野へ女子ひとり旅。癒しと運気アップの町巡り

2017.06.24

山の緑に映える朱の鳥居と城下町――。山陰の小京都と呼ばれる津和野には、歴史ロマン、願掛け&パワースポット、和雑貨や伝統の和菓子など、女子の旅心をくすぐる魅力がいっぱいです!誰もが心癒されるその風情をしっかり満喫するなら、気の向くままのひとり旅もおすすめ。運気アップも期待できる町巡りへとご案内します。

山深くの盆地に広がる城下町には、女性を惹きつける魅力がいっぱい!

島根県の南西部、山口県との県境に位置する津和野町は、「つわぶきの生い茂る野」がその地名のいわれと伝えられています。鎌倉時代末期に津和野盆地を一望する霊亀山(れいきさん)に城が築かれると、山陰と山陽を結ぶ街道の要衝となり、江戸時代には和紙を中心とする産業で栄えました。
▲津和野へは、JR新山口駅からJR山口線の特急に乗り継ぎ約60分

町を望む山の中腹には、日本五大稲荷の一つ「太皷谷(たいこだに)稲成神社」が鎮座。山の麓に広がる町並みには当時の面影が色濃く残り、山深くに佇む古都の風情は「山陰の小京都」とも呼ばれています。
▲車では、山口方面から国道9号線を北上し、眼前に現れる大鳥居が津和野への入口(道幅狭め。運転に自信がない人はもう一つ先の交差点へ)

レトロな町並みや、パワースポットとしても知られる太皷谷稲成神社など、多くの女性を引きつけてやまないその魅力は実に多彩。トキメキと癒しいっぱい&運気アップも期待できる、津和野満喫の一日へとご案内します!

津和野の代名詞的光景、殿町通りの堀割で鯉と戯れる

まずは駅から徒歩10分ほどの旧武家屋敷や旧藩校が並ぶ「殿町通り」へ。この通り沿いにある堀割(用水路)を泳ぐ鯉は、津和野の代名詞的な光景です。

江戸時代の初め、津和野藩初代藩主・坂崎直盛によって建設された堀割で、水路に発生する蚊の幼虫を駆除するために、疫病対策として鯉が泳がされたのだそうです。
▲旅番組で見た女優さん気取りで堀割の横を歩く。なんだか運気が漲ってきたかも~

白壁に囲まれた道を歩いて行くと、堀割を泳ぐ錦鯉の美しい姿が見えてきました。わわわ、大きい~!水路の中には、丸々太った鯉たちがたくさん。中には全長50、60cmはあろうかという大物も! 

鯉は縁起の良い生き物として喜ばれますが、堀割を泳ぐのはどれもこれもが大きくて立派な鯉ばかり。その優雅な姿に見とれていると運気もグンと上昇するような気がします。
▲手が触れてしまいそうなほど間近に迫る鯉。エサも販売されていて、鯉たちと戯れることもできる

神秘的な千本鳥居をくぐり、日本五大稲荷の一つ「太皷谷稲成神社」へ

鯉たちのお出迎えに気分は高揚、お次は津和野のシンボル的存在「太皷谷稲成神社」をお参りします。「稲荷」ではなく「稲成」と表記するのは国内でも珍しく、「願いがよく成就するように」という思いが込められているのだそう。
▲山の中腹にある太皷谷稲成神社。年間の参拝者数は100万人を超える

太皷谷稲成神社が鎮座するのは津和野の町を見下ろす霊亀山中腹。本殿のすぐそばまで車道が整備されていますが、麓から本殿へは神秘的な雰囲気漂う「千本鳥居」の並ぶ表参道を歩くことをおすすめします。ちなみに、参道入口へは殿町通りから津和野川沿いを歩いて5分ほど。
▲参道入口。初夏は朱塗りの鳥居と新緑が美しいコントラストを見せる。秋は紅葉が見事

息をのむ美しさに感動しつつ、ぴんと張り詰めた神気漂う中を進んで行きます。鳥居の8割は祈願成就による奉納で、千本鳥居の中を歩くだけでも、とてつもない運気を授かりそう!同神社がパワースポットとして人気が高いのも納得です。
▲鳥居に覆われた263段の石段を登っていく。隙間から見える町並みは段々と視線の下方へ

参道の終点、神門をくぐって境内へと足を踏み入れると一気に視界が開けます。見事なしめ縄が掛けられた本殿が正面に、そして横を見ると、津和野の町並みが眼下に!これは絶景~!
▲太皷谷稲成神社本殿。境内4カ所の参拝所をまわる「四カ所参り」という参拝の仕方もある(案内板あり)
▲境内からの眺望。地域特有の赤い「石州瓦」にも注目

さっそくお供え物のお揚げ(150円)を購入してお参りします。五穀豊穰、開運厄除、縁結び、失せ物発見などさまざまなご利益があるそうですが、特に商売繁盛を祈願に訪れる人が多いことで知られています。
▲お供え物のお揚げはろうそくとセットになっている
▲本殿へお参り。授与所にはお守りや縁起物などがたくさん並ぶ。もちろん、おみくじも忘れずに

お参りを済ませると、なんだかとても充実した気持ちに!もう一度千本鳥居で運気のシャワーを浴びながら城下町へと下っていきます。とてつもないほどの運気を授かった気分で、もう大願成就は間違いなし!?

レトロな津和野の町並みに佇む、ゴシック様式の「津和野カトリック教会」

10分ほど歩いて、再び殿町通りへ。通りすがりに気になっていた、町の風情に美しく溶け込む「津和野カトリック教会」を訪れます。
▲津和野の町並みにゴシック建築の教会が違和感なく佇む

礼拝堂は国内でも珍しい畳敷きで、ステンドグラスから美しい光が降り注ぎます。厳粛な雰囲気の中、祈りを捧げていると気持ちが自然と落ち着きます。
▲畳が敷かれた礼拝堂にステンドグラスから色とりどりの光が射し込む

明治維新直後、津和野には隠れキリシタン153人が配流され、過酷な拷問が繰り返されたという悲しい歴史が伝えられています。敷地内には、教会から約1km離れた山中にあったキリシタン収容所「乙女峠」についての展示室(入室料大人100円)もあります。
▲津和野駅裏手、かつて収容所があった場所には、「乙女峠マリア聖堂」が建てられている

日本庭園の美しい「松韻亭」で山菜料理ランチ&町の酒蔵で日本酒アイスに舌鼓

たくさん歩いてお腹の空き具合も気になりはじめたところで、人気のグルメスポットへお邪魔します。まずランチは、美しい庭園を眺めながら津和野の山菜料理がいただけることで評判の「沙羅の木 松韻亭」へ。
▲殿町通りの一角に位置する「松韻亭」。城下町のちょうど中央に位置しており、休憩がてら立ち寄るのにも便利

かつて津和野藩の家老屋敷があった場所に構える同店。敷地内には、鯉の泳ぐ見事なお庭が広がります。
▲庭園は縁側からの見学のみ。一般には非公開だが茶室も設けられている
▲どのお部屋からも庭を眺められるようになっている

今回いただくのは「山菜つづり 琴」(税込2,700円)。タラの芽、タケノコ、ぜんまい、わさびの葉など季節の山菜が膳を彩ります。品数が多く、どの料理も素材そのものの美味しさを堪能できる癒しのお味。中でも熊笹が練り込まれたお蕎麦は初体験、風味豊かでとっても爽やかな後味でした。美味しい~。
▲「山菜つづり 琴」。出合える山菜は季節ごとのお楽しみ。気遣いたっぷりの優しい味わいに大満足
▲お庭を眺めながらお抹茶をいただくことも可能(自家製源氏巻とセットで税込800円)。秋にはモミジなど見事な紅葉を楽しめるそう
▲店内では、津和野にちなんだ様々な和紙雑貨や器、さらに自家製の銘菓「源氏巻」なども購入できる
お腹が満たされたところで、次はデザートを求めて、殿町通りから商家が立ち並ぶ「本町通り」へと入ります。少し歩くと杉玉とともに「古橋酒造」の看板が!すっきり淡麗な味わいで女性にも人気が高い「初陣」の銘柄で知られる、2017年で創業139年の老舗酒蔵です。
▲情緒豊かな本町通りに佇む「古橋酒造」

こちらでは「初陣」各種が試飲できるほか、事前に予約すれば酒蔵も見学(無料)できるそう。
▲「初陣」のほかに、柚子、黒糖と生姜などを使った同蔵オリジナルのお酒などが並ぶ店内

訪れた当日はちょうど汗ばむ陽気、店頭で目にとまった「初陣アイス」(税込260円)をいただきました。
お酒風味のバニラアイスですがアルコールは含まれていないので、ドライバーや子どもでも安心。濃厚バニラと日本酒の相性の良さに本当にびっくり、甘さ控えめでとっても美味しい~!夏場の津和野散策には絶対オススメの逸品です。
▲観光客が行き交う様子を楽しみながら酒蔵の店頭でひと休み

厳冬、良質な湧水と米など、津和野には酒造りに適した条件が揃っており、近隣にはさらに「華泉酒造」「財間酒場」の2蔵も立地しています。お酒好きなら酒蔵探訪も押さえておきたいですね。

伝統の銘菓「源氏巻」と、ほっこり心が和む新名物「笑小巻」をお土産に

津和野のお土産と言えば、「源氏巻」。カステラ生地に餡を包んで焼き上げられる銘菓で、10店ほどのお店で食べ比べが楽しめます。
原型となったお菓子は『忠臣蔵』の吉良上野介に縁があり、名付けの由来は「源氏物語」にちなむ逸話があるとか(いずれも諸説あり)。餡とともに歴史ロマンもたっぷり詰まったお菓子なのです。
▲殿町通りと本町通りの境目にある「菓心庵」。約1km離れた場所に「三松堂本店」がある

おじゃましたお店は「和菓子処 菓心庵」。1951(昭和26)年創業の老舗和菓子店「三松堂」の支店です。実はここ、「源氏巻」を一口サイズにアレンジし、笑顔マークを焼き印した「笑小巻(えみこまき)」が若い女性を中心に話題となっているお店なんです。
▲オリジナルタイプの笑顔と季節の笑顔&イラストがセットになっている(5個入り・税込650円)。これはカワイイ!

焼印される笑顔は、麦わら帽子、雪だるまなど、季節によってアレンジされるそう。今回のタイミングでは「梅雨小巻」として、てるてる坊主の笑小巻に出合えました。
▲こちらが一般的な「源氏巻」(1本・税込260円)。こし餡には北海道産の小豆を使用し、甘さは控えめ
そのほか、津和野城址、津和野駅のSL、文豪・森鴎外の旧宅や記念館、広大な流鏑馬馬場のある鷲原八幡宮など、津和野にはまだまだ見どころ盛りだくさん!レンタサイクルを利用すれば、さらに広範囲、効率的に津和野巡りが楽しめます。
▲津和野駅の目の前にあるレンタサイクル「かまい商店」(2時間・税込500円)
▲津和野駅からレンタサイクルで約15分、鷲原八幡宮の流鏑馬馬場。蹄の音と射手のかけ声が聞こえてきそう

せっかくなら、JR山口線の新山口駅~津和野駅間で運行されている「SLやまぐち号」を利用するのもオススメ。古都への旅情がいっそう深まります。
▲津和野川を渡る「SLやまぐち号」。殿町通りからすぐの鉄橋沿いは人気のビュースポット
▲「SLやまぐち号」運行日には、津和野駅裏では転車台による方向転換や給水を目の当たりにできる。知る人ぞ知る人気スポット

願掛け、パワースポット、歴史情緒など、女子ひとり旅の醍醐味がすべて詰まった山陰の小京都・津和野。今回紹介したスポットはほんの一例、歩いたり、レンタサイクルに乗ったり、スローに楽しむのが一番!きっと訪れる度に新たな魅力に出合えるはずです。
兼行太一朗

兼行太一朗

記者兼営業として、地元山口の地域情報紙に14年間勤務。退職後はNPO法人大路小路ひと・まちづくりネットワークに籍を置き、守護大名大内氏や幕末における歴史資源の取材に携わる。同時にフリーライターとして活動しながら、たまに農業も。自称ネコ写真家。(編集/株式会社くらしさ)

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