最上川舟下りとパワースポット仙人堂・縁結びの旅!

2015.09.25

山形県のみを流域とする川、最上川(もがみがわ)。最上川流域には多くの自然が残されています。特に「五月雨を集めて早し最上川」と芭蕉が詠んだ中流部は、「白糸の滝」をはじめとする多くの滝や四季折々の自然を眺めながら楽しむ舟下りが観光客に人気です。そんな最上川に縁を結んでくれると評判のスポットがあると聞き、いざ縁結び祈願の旅に出発!

▲川面から眺める仙人堂
陸の交通機関が発達していなかった江戸時代、上方や江戸に物資を運ぶ手段は最上川の舟運でした。
明治時代に入り、交通機関が鉄道へと移行したことで舟運も姿を消しましたが、最上川は “母なる川”として現在まで山形の歴史や文化を育んできました。

最上川の舟下りの魅力は、季節毎に表情を変えていく最上峡の雄大な自然を楽しめるところ。春に咲き誇る山桜や夏の眩しい緑、秋の色鮮やかな紅葉に、冬の水彩画のような雪景色。そして、船頭の軽快な語りと最上川舟唄が訪れる人をもてなします。
▲色づく木々、自然の中にひっそりと佇む仙人堂
▲紅葉が鮮やかな秋は絶好の舟下りシーズン
▲墨絵のような雪景色を眺めながら

様々な縁を結んできたパワースポット仙人堂

そして、縁結びの神社として注目されているのが、舟下りの立ち寄りスポットとしても人気の「仙人堂」。800年程前、源義経一行が頼朝に追われ、平泉中尊寺の藤原秀衡のもとに行く途中、この地で体を休めたとされ、その後従者の常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)が建立したと伝えられる歴史的な建造物です。芭蕉も「奥の細道」に仙人堂のことを記しています。
▲仙人堂は舟でしか渡ることができません
▲杉木立が茂る幻想的な世界
「縁結びは恋愛成就だけでなく、仕事の縁もあれば人との縁もあると思います。
山形県鶴岡市の人気イタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」の奥田シェフはここで結婚式を挙げられました。「孫」のヒット祈願に来られた歌手の大泉逸郎さんやジャーナリストの兼高かおるさん等、私自身もご縁があってたくさんの方々との出会いをいただきました。」と話すのは、最上川舟下り「義経ロマン観光」の芳賀由也(はがよしや)社長。

仙人堂への交通手段は舟しかありません。最上川の舟下りを楽しみながら対岸の仙人堂に立ち寄るプランを提案しているのは、最上川舟下り「義経ロマン観光」だけになります。

※最上川舟下りを運営しているのは2社。各社ごとにルートが違いますのでご注意ください。

「縁結びロード」で仙人堂へ出発!

JR陸羽西線「高屋駅」が、最上川舟下り「義経ロマン観光」の出発地点です。
仙人堂までの「縁結びロード」と銘打った舟下りの旅がここから始まります。

高屋駅まではJR山形新幹線の終点、新庄駅で降り、陸羽西線に乗り換えて約30分。駅の駐車場には「縁結びステーション 高屋駅」の看板が!
▲眼下には最上川の勇壮な姿と、対岸に「仙人堂」が見えます
駅からは砂利道を歩きながら乗船場まで。乗船場だからといって素晴らしい建物があるわけでもないけれど、逆にその素朴さが厳かな雰囲気を醸し出しています。
▲高屋駅から乗船場までは徒歩2分
川向かいの縁結び神社「仙人堂」を眺めながら乗船。今日の船頭さんは芳賀社長。最上川にまつわる歴史を話してくれたり、最上川舟唄を披露してくれたりとなかなかのエンターテイナーです。
▲船頭作家との異名を持つ芳賀社長
▲あいにくの雨模様。天井にはビニールの屋根がかけてあるので大丈夫
スタートしてまもなく、対岸に一度着岸。事前に予約しておいたお客さんは、ここで「蕎麦」と「庄内風芋煮汁」を受け取り、船内でお腹を満たしながら船旅を楽しむことができます。
▲船中で味わう郷土料理も乙なもの
「義経ロマン観光」の舟下りは、川を上り下りするコースが“売り”。川を遡ることは昔から「昇り龍」と言われ、縁起が良いものとされていました。

厳かな空気が流れる仙人堂

弁慶が力だめしに投げた石が地肌にめりこんだと伝えられる「弁慶のつぶて石」や最上峡の中で二番目のスケールを誇る「大滝」、山頂から七段に落ちる「七滝」、弁慶が乗った馬蹄の跡が残ると伝えられている「駒づめの滝」、天気の良い日には五色の虹が見られる「慈光の滝」等の眺めを楽しんだ後は、沓喰(くつばみ)集落付近で折り返し、再度仙人堂のある対岸に着岸。

舟を降り、石の階段を上っていくと、辺りには厳かな空気が流れます。
ご利益がありそうだと実感しながらお堂のほうへ。
▲仙人堂の湧き水で手を清めてからお詣り
▲最上の五明神にも数えられる仙人堂
▲願い事はナイショです…
▲お守りも買っていかなきゃ。700円(税込)
▲おみやげにも。600円(税込)
▲TV番組で紹介されて人気の縁結び切符200円(税込)
▲ハートの縁結びおこしもおみやげに人気。1袋5個入250円(税込)

行列のできる「わき水コーヒー」で一息ついて

行列ができるという仙人堂の「わき水コーヒー」は、船頭を務める芳賀社長がドリップして淹れてくれます。
「仙人堂をどうしても甦らせなくてはと思い、平成元年に整備にあたりました。その時に“すり粉木”のようなものをお客さんが見つけたんです。私はコーヒー豆を入れてすり鉢で挽いてみました。もちろん簡単に挽けるわけはありませんでしたが、芭蕉が仙人堂を訪れた元禄3年(1690年)というのは、長崎に初めてコーヒーが伝えられた頃でもあったんです。もしかしたら芭蕉もコーヒーを挽いたことがあったかもしれないと想像したりして、歴史を遡るときにそうしたロマンを感じるんですね。皆さんにも一杯のコーヒーでタイムスリップしてもらえたら、旅の思い出になるのではないかと思っています。」

芭蕉とすり粉木が関係していたかは定かではありません。また、実際にそのすり粉木でコーヒー豆を挽いて出しているわけではありませんが、芳賀社長の話をお聞きしていると夢が広がります。
▲「わき水コーヒーおいしいよ!」
▲「湧き水?飲みまーす!」
▲緑のコントラストに癒されます
仙人堂での滞在は約15分。仙人堂に別れを告げて、再度舟に乗り、対岸の乗船場へ戻って舟下りは終了です。

歴史力と文化力をアピール

「義経が好きで、仙人堂という文化遺産をよみがえらせて観光客を案内したい。寒さを売りにしていきたい。そんな思いで38年前に『義経ロマン観光』を始めました。これからの夢は、羽黒山や山寺といった歴史的な遺産の上に、舟下りという新しい文化を重ねていきたいですね。歴史力と文化力をアピールしながら私どもの舟下りプランがモデルケースになれればいいな。」と芳賀社長。
▲芳賀社長の言葉には夢をあきらめない強さがあります
「川を上ることは縁起が良い」という伝えから、舟で上り下りを楽しむ縁結びロード。仙人堂の参拝を含め、60分の縁結びの旅をしながら、山形には広く知られてない“未知”の場所がたくさんあることを実感!
歴史を辿りながらその土地の文化を知る…今回は、そんなまったりとした旅を体験することができました。
佐藤昌子

佐藤昌子

エディター&ライター。山形県知事認可法人アトリエ・ミューズ企業組合専務理事。山形県内を中心にタウン誌、フリーペーパーや企業広報誌等ジャンル問わず、印刷物の企画、取材・編集の仕事を手掛ける傍ら、モデルハウスのディスプレイやリメイク等『気持ちの良い暮らし方』も提案している。

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