北海道・積丹の極上うにを豪快にどさっと一杯!幻のうに丼を狙え

2017.07.12 更新

北海道の積丹グルメといえば“うに”!積丹のうには別格と言われるほど、濃厚な甘い風味がとろけるような美味しさ。積丹の美国(びくに)地区にある「田村岩太郎(がんたろう)商店」では、絶品のうにを自分で一杯すくい、丼にどっさりかけて食べられるのです!期間限定、しかも前日漁があって質の良いものが手に入った時のみ提供している幻のうに丼。その迫力と味わいを体感し、積丹のうにの美味しさの秘密を探ってきました。

▲ご飯はどこ!?と思うくらい、うにモリモリッ!

積丹で“幻のうに丼”を

札幌から車で約2時間、積丹半島の先端部に位置する積丹はうにの産地として有名。毎年うにの漁期となる6~8月には絶品のうにを求めて多くの人たちが訪れます。
▲極上のうにが育つ積丹の海。綺麗な海の色はシャコタンブルーと呼ばれています(写真提供:積丹観光協会)

今回紹介するのは、海鮮料理店や寿司店などが多く集まる美国地区にある「田村岩太郎商店」。
▲田村岩太郎商店。地元の漁師直営のお店です

なぜこのお店を紹介するのかというと、見てください!このド迫力のうに丼。しかも、自分でうにをどっさり盛ることができるんです!
▲「朝うにぶっかけ丼」かに汁付き(時価、概ね3,300円~4,000円前後)

見た目もパフォーマンスも驚異の「朝うにぶっかけ丼」。もちろん味も絶品!
ただし、このうに丼が登場するのは、積丹でうにの漁期となる6~8月のうち、前日に漁があって質の良いうにが手に入った日のみ。しかも1日30~50食程度で売り切れ御免、“幻のうに丼”とも呼ばれています。

開店前から店先に長蛇の列ができるほどの人気メニューを実際に体感してみました!

うにをどれだけ盛れるかは自分の腕しだい!?

「朝うにぶっかけ丼」のルールは、大きなボウルにたっぷり入ったうにを、網でがさっとすくい、ご飯が入った丼に盛ること。すくうチャンスは一度だけ。

少しでも多く盛りたいですよね。はじめにお店の方がすくい方のレクチャーをしてくれるので、はやる気持ちを抑えてまずは教えてもらいましょう。
▲教えてくれたのは、店長の下澗武士(しもまたけし)さん

「かき混ぜたら意外とすくえないのでダメ、網をボウルの底にはわすようにしてゆっくりすくうのがベスト。底引き網漁法みたいなものです」
そう言いながら、すくい方の見本を見せてくれました。
▲下澗さんがゆっくり手前に引くと、こんなにたくさんのうにが!

では、教えてもらったようにやってみます。
▲網をボウルの底にはわせながら、奥から手前へとゆっくり引きます
▲「網が斜めにならないように、慌てずゆっくり、ゆっくり」と下澗さんがアドバイス
▲お、いい感じ!かなりすくえそうな予感!
▲よっしゃ~!ズシッとくる手ごたえ。あとはこぼれ落ちないよう慎重に持ち上げて…
▲ご飯が盛られた丼にどさっ!
▲思わず笑っちゃうくらいメガ盛り!

一般的に飲食店で提供されているうに丼のうには約80~100g。ところが、「朝うにぶっかけ丼」でかけられるうにはなんと、平均250g!2~3倍ものウニをすくえるのです!
▲山盛り!これだけの量を盛るには、30~40個分のうにが必要なんだそうです

“幻のうに丼”「朝うにぶっかけ丼」を堪能!

では、早速味わってみます!
▲モリモリなうに!箸をひとすくいしてみましたが、まだご飯が見えません!
▲箸でかき分けて、やっとご飯が見えてきました
▲「いただきまーす!」

甘くて濃い!もちろん砂糖のような甘さではなく、うに本来の甘さ。じわじわ~っと口の中で旨みが広がり、ほんのりと磯の風味を感じます。醤油なんていりません。わさびも不要。そのままで十分美味しいんです!

ご飯が進むのですが、あまりに大量のうに。うにでご飯を食べるというより、ご飯でうにを食べるような感覚。こんなに食べていいの?と思うほど、たっぷり味わいました。
▲積丹で獲れた“ヘラガニ”を使ったかに汁で口直し。口の中いっぱいにかにの風味が広がります

他のうにとはここが違う!

「朝うにぶっかけ丼」のうにには普通のうにとは違う点が2つあります。
▲下澗さんが他のうにとの違いを教えてくれました

一般的なうに丼に使用されるうには、水揚げされて塩水でしっかり洗ってから市場に出回っているものを使用しています。うにを漬けている塩水が透き通っていないと、市場での卸売時にうにが汚く見えてしまうからです。

ところが、「朝うにぶっかけ丼」のうには、市場に出回るものではなく漁師が獲ってきたうにを使用し、洗う回数を最小限に抑えています。洗えば洗うほど旨みが逃げてしまうからだそうです。これが一点目です。
▲洗う回数を抑えているのでボウルの塩水が白っぽく濁ります。濁りは旨みが凝縮している証拠!

二点目は、うに本来の味を楽しめるよう、漬けている塩水の塩分濃度を低くしていること。塩分濃度が濃いと風味が損なわれやすいのです。

そのかわり、塩分が薄いと消費期限がかなり短くなってしまいます。「朝うにぶっかけ丼」の提供が、前の日に漁があって質の良いうにが手に入った日、かつ1日30~50食程度のみという理由はそのためです。
▲漁師直営のお店だからこそ味わえる!

「浜のうにの味を楽しんでもらいたい」
そう思い、通常のうに丼とは異なるスタイルで提供しているそうです。

訪れた日に「朝うにぶっかけ丼」の提供がなかったら?

「朝うにぶっかけ丼」を提供しているか否かは、残念ながら訪れてみないとわかりません。訪れた時の運次第。提供があったとしても、前のお客さんがたくさんうにをすくってしまったら品切れになってしまう場合もあります。

ですが仮に「朝うにぶっかけ丼」を楽しめなくても、他のうにメニューや絶品グルメがあるので心配することはありません。積丹の美味しい海の幸を堪能できます。
▲「生うに丼」(時価、概ね3,300円~4,000円前後)、もちろん積丹産のうにです(写真提供:田村岩太郎商店)

「朝うにぶっかけ丼」以外のうにメニューでは、仲買業の許可を得ているお店なので、地元の市場の入札に参加して仕入れた塩水うにを使用。鋭い目利きで買い付けた地元のうにも、これまた絶品です!

さらにこんなメニューも。
▲「海鮮前浜ヤン衆丼」(2,800円)。小女子(こなご)というシラスに似た白い小魚をベースに、うにや甘海老など積丹産の海の幸を盛った海鮮丼(写真提供:田村岩太郎商店)

お店で釜茹でしている小女子は見た目も食感もシラスのようですが、シラスよりも“魚感”がある濃厚な味わい。ちょっと新感覚な海鮮丼です。
▲「平取積丹極丼(びらとりしゃこたんきわみどん)」(4,300円)(写真提供:田村岩太郎商店)

北海道のブランド牛、「びらとり和牛」A5ランクのサーロインを使った冷製ローストビーフと、積丹のうにのコラボ!半解凍のローストビーフとうにが口の中でとろとろに!口どけのよい高級食材のマリアージュ、これは贅沢です!

これら丼メニューはすべて甘海老の味噌汁つき。
どれもこれも絶品!「朝うにぶっかけ丼」がなくてもがっかりしないでくださいね。

積丹のうにはなぜ美味しい?

最後に、積丹のうにの美味しさの秘密を探ってみました。
▲下澗さんとともに教えてくれた、うに漁師の田村一馬さん(写真左)。彼が海で吟味して獲ってきたうにが、「朝うにぶっかけ丼」で使われています

積丹以外の地域のうに漁では長い柄の先に網がついた「たも」というものを使うことが多いのですが、積丹はうにのエサとなるコンブなどが多いため、海藻が絡まりにくい「ほこ」を使います。
▲ほこは、長い柄の先に金属の細い棒を3本取り付けたもの。うにを刺さないように棒先を広げ、挟むようにして獲ります
▲お店に展示してあった古いほこを借りました。こんなに長いんです!

「浜の感じと潮の感じで、どこで獲るか決めるんです。あとは決められた漁の時間内でいかにいいうにを多く獲るか、ですね」
海のどこにうにがいるのか、どのうにが品質が良さそうか、長年の経験と勘で探して獲るという田村さん。職人技です。
▲小舟から身を乗り出し、底がガラスになっているのぞき箱で海底を見ながら、ほこでうにを挟むように獲ります(写真提供:積丹観光協会)

さらに詳しいことを、積丹町役場農林水産課の水産業技術指導員・水鳥純雄さんにも教えてもらいました。

積丹のうにが美味しい要因は、苦味成分が少なく、甘味と旨味を出すアミノ酸がバランス良く含まれているからと考えられているそうです。アミノ酸は食べた海藻によって変わり、コンブを多く食べたうにと、それ以外の海藻を食べたうにでは味や色が変わります。

そこで、積丹の漁師は、コンブを多く食べた味の良いウニだけを選択的に漁獲しているうえ、剥き身にした後も、味・色・形が良いものだけを厳選して出荷しているそうです。
▲積丹での漁獲量は9割以上がキタムラサキウニ(左)。エゾバフンウニ(右)はごくわずかだそうです(写真提供:積丹観光協会)

さらに、漁業者たちは海藻類が生い茂る豊かな海を守り育てるための活動もしていて、うにの密度管理や胞子を放出する母コンブを海に投入する活動、森から川をつたい海へ栄養を届けるための植樹など、さまざまな取り組みもしています。
▲うにを獲るだけではなく資源管理をするのも大事な仕事(写真提供:積丹観光協会)
▲海の栄養を陸に循環させるサクラマスの遡上活動に取り組む様子。漁業者をはじめ地元の人たちの有志で取り組んでいます(写真提供:積丹観光協会)

「積丹のうにが他の地域のうにと比べて特別違うとは言えませんが、良質なエサであるホソメコンブの存在と漁業者の技と努力が大きいと思います」
水鳥さんはそう言います。

絶品の積丹のうに。地元の方々の努力に感謝をしつつ、たっぷり豪快に食べましょう!未だかつて体感したことのない極上の味わいをどうぞ!

※記事内の価格はすべて税込です
川島信広

川島信広

トラベルライター・温泉ソムリエ・イベントオーガナイザー/横浜市出身、札幌市在住。北海道内の全市町村を趣味で訪ね歩くうちに北海道の魔力に惹かれ、都内での雑誌の企画営業と執筆業務を経て北海道へ移住し独立。紙媒体やweb媒体などで主に観光や旅行、地域活性をテーマにした取材執筆と企画・編集を手がける。スイーツ好きの乗り鉄、日光湿疹と闘う露天風呂好き。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP