北海道・積丹の極上うにを豪快にどさっと一杯!幻のうに丼を狙え
北海道の積丹グルメといえば“うに”!積丹のうには別格と言われるほど、濃厚な甘い風味がとろけるような美味しさ。積丹の美国(びくに)地区にある「田村岩太郎(がんたろう)商店」では、絶品のうにを自分で一杯すくい、丼にどっさりかけて食べられるのです!期間限定、しかも前日漁があって質の良いものが手に入った時のみ提供している幻のうに丼。その迫力と味わいを体感し、積丹のうにの美味しさの秘密を探ってきました。※本記事の情報は取材時点のものです。最新情報は直接施設にお問い合わせください。

積丹で“幻のうに丼”を

今回紹介するのは、海鮮料理店や寿司店などが多く集まる美国地区にある「田村岩太郎商店」。

なぜこのお店を紹介するのかというと、見てください!このド迫力のうに丼。しかも、自分でうにをどっさり盛ることができるんです!

見た目もパフォーマンスも驚異の「朝うにぶっかけ丼」。もちろん味も絶品!
ただし、このうに丼が登場するのは、積丹でうにの漁期となる6~8月のうち、前日に漁があって質の良いうにが手に入った日のみ。しかも1日30~50食程度で売り切れ御免、“幻のうに丼”とも呼ばれています。
開店前から店先に長蛇の列ができるほどの人気メニューを実際に体感してみました!
うにをどれだけ盛れるかは自分の腕しだい!?
少しでも多く盛りたいですよね。はじめにお店の方がすくい方のレクチャーをしてくれるので、はやる気持ちを抑えてまずは教えてもらいましょう。

「かき混ぜたら意外とすくえないのでダメ、網をボウルの底にはわすようにしてゆっくりすくうのがベスト。底引き網漁法みたいなものです」
そう言いながら、すくい方の見本を見せてくれました。

では、教えてもらったようにやってみます。






一般的に飲食店で提供されているうに丼のうには約80~100g。ところが、「朝うにぶっかけ丼」でかけられるうにはなんと、平均250g!2~3倍ものウニをすくえるのです!

“幻のうに丼”「朝うにぶっかけ丼」を堪能!



甘くて濃い!もちろん砂糖のような甘さではなく、うに本来の甘さ。じわじわ~っと口の中で旨みが広がり、ほんのりと磯の風味を感じます。醤油なんていりません。わさびも不要。そのままで十分美味しいんです!
ご飯が進むのですが、あまりに大量のうに。うにでご飯を食べるというより、ご飯でうにを食べるような感覚。こんなに食べていいの?と思うほど、たっぷり味わいました。

他のうにとはここが違う!

一般的なうに丼に使用されるうには、水揚げされて塩水でしっかり洗ってから市場に出回っているものを使用しています。うにを漬けている塩水が透き通っていないと、市場での卸売時にうにが汚く見えてしまうからです。
ところが、「朝うにぶっかけ丼」のうには、市場に出回るものではなく漁師が獲ってきたうにを使用し、洗う回数を最小限に抑えています。洗えば洗うほど旨みが逃げてしまうからだそうです。これが一点目です。

二点目は、うに本来の味を楽しめるよう、漬けている塩水の塩分濃度を低くしていること。塩分濃度が濃いと風味が損なわれやすいのです。
そのかわり、塩分が薄いと消費期限がかなり短くなってしまいます。「朝うにぶっかけ丼」の提供が、前の日に漁があって質の良いうにが手に入った日、かつ1日30~50食程度のみという理由はそのためです。

「浜のうにの味を楽しんでもらいたい」
そう思い、通常のうに丼とは異なるスタイルで提供しているそうです。
訪れた日に「朝うにぶっかけ丼」の提供がなかったら?
ですが仮に「朝うにぶっかけ丼」を楽しめなくても、他のうにメニューや絶品グルメがあるので心配することはありません。積丹の美味しい海の幸を堪能できます。

「朝うにぶっかけ丼」以外のうにメニューでは、仲買業の許可を得ているお店なので、地元の市場の入札に参加して仕入れた塩水うにを使用。鋭い目利きで買い付けた地元のうにも、これまた絶品です!
さらにこんなメニューも。

お店で釜茹でしている小女子は見た目も食感もシラスのようですが、シラスよりも“魚感”がある濃厚な味わい。ちょっと新感覚な海鮮丼です。

北海道のブランド牛、「びらとり和牛」A5ランクのサーロインを使った冷製ローストビーフと、積丹のうにのコラボ!半解凍のローストビーフとうにが口の中でとろとろに!口どけのよい高級食材のマリアージュ、これは贅沢です!
これら丼メニューはすべて甘海老の味噌汁つき。
どれもこれも絶品!「朝うにぶっかけ丼」がなくてもがっかりしないでくださいね。
積丹のうにはなぜ美味しい?

積丹以外の地域のうに漁では長い柄の先に網がついた「たも」というものを使うことが多いのですが、積丹はうにのエサとなるコンブなどが多いため、海藻が絡まりにくい「ほこ」を使います。


「浜の感じと潮の感じで、どこで獲るか決めるんです。あとは決められた漁の時間内でいかにいいうにを多く獲るか、ですね」
海のどこにうにがいるのか、どのうにが品質が良さそうか、長年の経験と勘で探して獲るという田村さん。職人技です。

さらに詳しいことを、積丹町役場農林水産課の水産業技術指導員・水鳥純雄さんにも教えてもらいました。
積丹のうにが美味しい要因は、苦味成分が少なく、甘味と旨味を出すアミノ酸がバランス良く含まれているからと考えられているそうです。アミノ酸は食べた海藻によって変わり、コンブを多く食べたうにと、それ以外の海藻を食べたうにでは味や色が変わります。
そこで、積丹の漁師は、コンブを多く食べた味の良いウニだけを選択的に漁獲しているうえ、剥き身にした後も、味・色・形が良いものだけを厳選して出荷しているそうです。

さらに、漁業者たちは海藻類が生い茂る豊かな海を守り育てるための活動もしていて、うにの密度管理や胞子を放出する母コンブを海に投入する活動、森から川をつたい海へ栄養を届けるための植樹など、さまざまな取り組みもしています。


「積丹のうにが他の地域のうにと比べて特別違うとは言えませんが、良質なエサであるホソメコンブの存在と漁業者の技と努力が大きいと思います」
水鳥さんはそう言います。
絶品の積丹のうに。地元の方々の努力に感謝をしつつ、たっぷり豪快に食べましょう!未だかつて体感したことのない極上の味わいをどうぞ!
※記事内の価格はすべて税込です
田村岩太郎商店
北海道積丹郡積丹町美国町字船澗132-1
[営業時間]5~10月10:00~20:00(売切れ次第終了、概ね15:00頃には閉店)
[定休日]期間中なし
0135-48-6300

川島信広
トラベルライター・温泉ソムリエ・イベントオーガナイザー/横浜市出身、札幌市在住。北海道内の全市町村を趣味で訪ね歩くうちに北海道の魔力に惹かれ、都内での雑誌の企画営業と執筆業務を経て北海道へ移住し独立。紙媒体やweb媒体などで主に観光や旅行、地域活性をテーマにした取材執筆と企画・編集を手がける。スイーツ好きの乗り鉄、日光湿疹と闘う露天風呂好き。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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