福井が誇る極甘トマト「越のルビー」、もぎたてを頬張る幸せ!

2017.08.06

「越のルビー」というトマトを知っていますか?福井県内で生産されているブランドで、大玉トマトとミニトマトの中間の大きさである「ミディトマト」の一種です。一般的なトマトに比べてとても甘く、ほどよい酸味が美味しい越のルビーは県内でも絶大な人気!そんな越のルビーの収穫体験ができると聞き、あわら市へと向かいました。

今まで食べたものとは一味違う!真っ赤に熟した極甘トマト

訪れたのは、あわら市にある「麻王伝兵衛(あさおでんべえ)」さんの農園。越のルビーを中心に、ズッキーニや葉もの野菜、イチジクやキウイなどの果物を栽培し、直接お客さんのもとに届ける「行商」スタイルで販売しています。
▲こちらが麻王伝兵衛さん。「伝兵衛」という名前は屋号。先々代の伝兵衛さんは福井の農業施策に貢献した政治家だったそうです

「越のルビーの収穫は毎年6月上旬頃からスタートします。時期は気候によって変動しますが、11月頃まで収穫体験を楽しむことができるんですよ」

収穫体験は約30分。プラスチックのパック2つに自由に詰めることができます。

早速、伝兵衛さんの案内でビニールハウスに向かいます。
▲越のルビーを栽培しているハウスは全部で10棟

訪れたのは6月上旬。収穫が始まったばかりのせいか、まだ実の多くが緑色をしています。
もしや早すぎたか!?
安心してください。下の方はちゃんと完熟の越のルビーがなっていました!
一つの房に5~10個の実がなる越のルビー。大玉トマトの場合、まだ緑色が残っている状態で収穫し、出荷するものが多いですが、越のルビーは実が完全に熟して、鮮やかな紅色になったところで収穫します。
▲このようにひと房にしっかりトマトがつきます。まさに鈴なり!

では、実際にどうやって収穫するのか、まずは伝兵衛さんにお手本を見せていただきました。
「同じ赤でもよーく見比べてみると、赤の濃さに違いがあると思います。できるだけ色が濃い真っ赤なやつを選んでみてください」
▲「この2つだと奥の方が濃いよね」と伝兵衛さん。たしかに微妙に濃さが違うのがわかりますか?

「越のルビーの収穫はハサミも何もいらないんですよ。ヘタの先に節みたいになっている部分があるので、そこを軽く反らすだけでぽろっと取れます」
▲伝兵衛さんがヘタの部分を軽くつまむだけでポロン
▲簡単にとれました。まだ熟していないトマトは、このようには簡単に取れないそうです

それでは、と私も挑戦!
できるだけ濃い赤のトマトを選んでみました。おそるおそる持ってヘタの部分を反らせてみると……
▲ぷつん!一瞬の出来事。本当に力がいりません
▲見てください、つやっつや!もぎたての越のルビーはヘタも針のように硬く、生命力が溢れています

「うちの越のルビーは薬も何も使っていないので、そのままガブッと食べるといいよ!」と伝兵衛さん。詰めるだけではなく、美味しそうなトマトがあればつまみ食いもOKとのこと。待ってましたとばかり、早速もぎたての越のルビーをいただきました。
▲うわ、甘いっ!

トマトが苦手な方は「独特の青臭さ」が気になるといいますが、そんな感じはまったくありません。まるでフルーツのような甘さ!とてもジューシーです。

夏の暑い時は冷凍みかんならぬ「冷凍ルビー」にして食べるのもおすすめなのだとか。
皮が柔らかく果肉も滑らかで小さなお子さんも食べやすい上に、ビタミンC・カルシウムは一般の大玉トマトの2~3倍と、まさにいいことづくしの越のルビー!すっかりトマトのイメージが変わってしまいました。
▲撮影のため控えめに詰めましたが、山盛り詰めても大丈夫!とのこと

越のルビーの美味しさの秘密

完熟トマトを探して再びハウス内をぶらぶら。
ビニールハウスというと少し蒸し暑いイメージがあったのですが、意外にさわやかです。
トマトが育つ温度は18~27度前後で、人間が快適に過ごせる気温とほぼ同じ。ハウス内は暖かくなりやすく、日が当たるとすぐに上の方は40度以上になってしまうため、換気や日よけのカーテンをするなど目が離せないそうです。
また、一般的にトマトの栽培は水分調整が難しく、「水分を極端に減らすことでより甘くなる」と言われているほど。しかし、伝兵衛さんのビニールハウスでは、ある程度の水分も与えて、隅々にまで栄養を行き渡らせています。だからどのトマトの葉っぱも瑞々しくていい色をしているんですね。
▲ 葉の付け根から伸びてくる「脇芽」を頻繁に取り除くのも大事なポイント
▲ピンポン玉くらいの大きさ(40g前後)が平均的なサイズだそう

さらに伝兵衛さんの畑では、地元あわら温泉の旅館で食べられた越前がにの殻を土に混ぜています。カニの殻の成分「キチン」が土に栄養を与えて甘みを強くするのだとか。
▲カルシウムもたっぷり!

越のルビーが誕生したのは1989(平成元)年のこと。福井県立短期大学(現在の福井県立大学)で開発され、試作を重ねて1992(平成4)年にトマトの新品種として登録されました。「越のルビー」の名付け親は、福井県出身の作家・津村節子さん。真っ赤に完熟した様子を見て、「越の国(越前)で作られたルビーのようなトマトだ!」と思い、この名前をつけたのだそうです。

今でこそ、近隣の小学校では学校の給食に越のルビーが登場するそうですが、伝兵衛さんの小さい頃にはまだこの世に誕生していなかったとか。栽培されるようになってからまだ25年ほどと、意外に歴史は浅いんですね。

「福井は越のルビー以外にもコシヒカリの発祥地でもあり、昔から農業の開発力は高い地域なんです。ですが、流通量や生産シェアは小さいので全国ではあまりメジャーではありません。発祥地だからって偉いわけではありませんが、農業に携わるものとして、地元の人に地元で採れたものの美味しさを伝えていきたいと思っています」
▲「作ったものを一番美味しい時に食べてもらいたい。それが一番のこだわりですね」と伝兵衛さん

収穫体験はシーズン中の土曜日に実施しています(要予約)。夏から秋になると、ハウス全体が完熟した越のルビーで真っ赤になるとのこと。トマト好きな方もそうでない方も、この美味しさをぜひ味わってみてください。トマトのイメージが変わりますよ!
▲まるでルビーの宝石箱のよう

越のルビーがドレッシングに、ゼリーに大変身!

「越のルビーはフレッシュのまま食べても美味しいけど、いろんな料理につかっても旨みが凝縮して美味しいよ」という伝兵衛さん。

越のルビーの美味しさの可能性を広げたいと、地元のパートナーたちとつくった商品も大人気なんです。

まずは、葉もの野菜に合うドレッシングがほしいというお客様の声から生まれた「ルビーの恵み」。
福井市のイタリアンレストラン「トラットリア ラ・カーラ」と共同開発し、サラダやカルパッチョなどに合うドレッシングが完成しました。
▲ルビーの恵み(200ml 600円・税込)

伝兵衛さんが栽培する越のルビーに乾燥香草、ニンニク、はちみつなどを加え、トマトの甘さを感じながらも、素材の美味しさを引き立てる味になっています。
▲家でサラダにかけて食べてみました。トマトの果肉感もしっかり残っています

こちらは伝兵衛さんの農園やラ・カーラで購入可能。
お土産にも人気です!
そして、伝兵衛さんのトマトを食べて惚れ込んだという福井市の老舗和菓子店「森八大名閣」がつくったのが、越のルビーがまるごと入ったゼリーです。その名も「伝兵衛」。
▲伝兵衛(1個573円・税込)

一個ずつ丁寧に湯むきした越のルビーをシロップに漬け込み、トマトペーストと柑橘系の果汁でゼリーにしました。トマトの甘みと柑橘系のさわやかさを感じる夏にぴったりの一品です。
▲完熟した越のルビーがまるごと!

テレビ番組のお菓子グランプリで1位に選ばれたこともあり、贈答品としても大人気! こちらは伝兵衛さんの農園のほか、森八大名閣本店などで購入することができます。

毎年7月から発売を開始し、8月下旬から9月上旬で終了する限定の商品のため、ぜひ期間中に食べてみてくださいね。
トマトがこんな甘みを持っているとは……あまりの美味しさに驚くはずです。福井の隠れた名産「越のルビー」をぜひ堪能してみてください!
石原藍

石原藍

ローカルライター。 大阪、東京、名古屋と都市部での暮らしを経て、現在は縁もゆかりもない「福井」での生活を満喫中。「興味のあることは何でもやり、面白そうな人にはどこにでも会いに行く」をモットーに、自然にやさしく、心地よい生き方、働き方を模索しています。趣味はキャンプと切り絵と古民家観察。

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