安曇野「大王わさび農場」は、日本一のわさびと絶景を楽しめる一大観光スポットだった!

2017.07.19

北アルプスのふもと、長野県安曇野市は日本有数のわさびの名産地。中でも日本一広大なわさび田を有する「大王わさび農場」は、敷地内を自由に散策でき、飲食店や体験施設も揃う一大観光スポットです。年間の観光客数は120万人!そんな「大王わさび農場」の楽しみ方をご紹介します。

北アルプスからの雪解け水で育まれる上質なわさび

ツーンとした辛味と鼻を抜けるさわやかな香り。食欲が減退する暑い時季、わさびは欠かせない香味野菜のひとつです。そんな日本の伝統的な香辛料・わさびは、実を言うと長野県が生産量全国1位(平成27年農林水産省「特用林産物生産統計調査」)。しかも、その9割が安曇野産なのです。

市内の穂高地区には100以上のわさび田がありますが、その中でも南北およそ1kmにわたる日本一広大な場所が「大王わさび農場」です。
▲安曇野に古くから伝わる伝説上の人物「八面大王(はちめんだいおう)」の名を由来にもつ「大王わさび農場」。4万5,000坪(約15ha)の面積を誇る
▲農場では60万株ものわさびを栽培。日本の本わさびの年間総生産量(2015年は約2,336t)のうち、年間およそ130tのわさびが収穫されている

わさびを育むのは、山中でじっくりと養分をとり込んだ北アルプスの豊富な雪解け水。安曇野市内は1日70万tもの地下水があらゆる場所で湧き出しており、「大王わさび農場」だけでも1日12万tが湧出しています。湧水の年間平均水温は13度で、真夏でも15度を超えることはありません。こうした冷涼な湧水と気候を生かして、安曇野では約100年前からわさびが栽培されています。
▲ここで栽培されるわさびは、約2年の歳月をかけて12~13cmに成長
▲安曇野のわさび田湧水群は環境省の「名水百選」にも認定されている
▲開拓100周年を記念し、2015年に日本で初めてのわさび専門の資料館「大王わさび農場百年記念館」が場内に開館

敷地内は見所たくさん!いざ、農場散策へ

そんな「大王わさび農場」は、安曇野の自然を多くの人に体験してほしいという思いから、入場は無料。場内は風情のある水車小屋や遊歩道などが整備されており、自由に散策できます。まずは敷地内を巡ってみましょう。
▲1989(平成元)年に黒澤明監督の映画『夢』のロケ地ともなった。蓼川(たでがわ)にかけられた三連の水車は撮影時のまま残されている
▲湧水が流れる蓼川と一般河川の万水川(よろずいがわ)が農場の横で合流。透明な流れの中を、クリアボートで水上散歩できる(写真は4月中旬の様子)
▲場内でたくさんの道祖神を見かけるのも安曇野ならでは
▲わさび田は「北畑」「古畑」「大王畑」「東畑」の4つ。「北畑」横にはわさびのオブジェが
▲わさびは直射日光に弱いため、5月初めから9月末までは「寒冷紗」とよばれる黒い幕で覆われる。日差しを避け、水温の上昇による根の腐敗を防ぐ

ちなみに「大王」の名は敷地内にある大王神社に由来します。この神社付近は安曇野に古くから伝わる伝説上の人物「八面大王」の胴体が埋葬されている場所と言われています。
▲安曇野の守護神「八面大王」を祀った大王神社。拝殿には「八面大王」が大男だったとの言い伝えから、大わらじが奉納されている
▲大王神社には御神水も。左から「美人の水、御神水、知恵の水」。すべて水脈が異なり、こちらも名水百選に選ばれている

また、大王神社の先、「大王畑」には「幸いのかけ橋」がかけられており、カップルで渡ると幸せになれるとか。人気の撮影スポットです。
▲わさびの花言葉は「幸せを運ぶ」であることから名付けられた「幸いのかけ橋」

「幸いのかけ橋」を渡ると、八面大王が最後にたてこもったとされる有明山の麓「宮城の岩屋」を再現した「大王窟」や、七福神が祀られた「開運洞」があります。夏場は冷んやりとしていて気持ちがいいスポットです。
▲橋を渡るとすぐに見える「大王窟」と「開運洞」の入り口
▲「開運洞」横の階段を上った先には「大王さま見張り台」と名付けられた高台があり、頂上からは農場が一望できる

当日持ち帰り可能。世界でひとつだけのMY箸づくりに挑戦!

場内のわさび加工場では、掘りたてのわさびの加工作業見学(無料)やわさび漬け体験(税込1,030円)も可能です。
▲加工場では熟練した作業で、次々と加工されていく
▲わさび漬け体験はお土産にもぴったり

そんな中で、今回は箸作り体験に挑戦してみました。場内のショップ「あづみ野遊印」ではオリジナルのMY箸が作れるのです。
▲箸職人の川口伊知郎さんと妻の純江さん。店内ではりんごの木のハンコやケヤキの木の表札、ストラップなど、信州の木を使ったお土産が販売されている

柔らかくて削りやすいヒノキと、硬くて耐久性があるサクラから希望の素材の角材を選び、お好みの長さの箸を作っていきます。(ヒノキは税込1,620円、サクラは税込1,830円)
▲箸の長さは25cmまで5mm単位で選べる。黒い箸は高級箸の代名詞「黒檀」という素材。少し値が張るが、希望すれば選ぶことができる(税込3,240円)
▲今回は22cmの箸の長さにすることに。1cm角ほどの太さの角材をノコギリで切り落とす…が、なかなか使い慣れないためひと苦労!
▲サンプルを参考にひたすらかんなで好みの細さになるまで削る。かんなの刃を角材にぴったりとくっつけ、左右の手の力のバランスを取りながら、体重の移動にあわせて上半身を手前に引く。慣れないと難しい!
▲削り終わったら、焼きペンで名前や日付、イラストを入れましょう
▲最後に紅花油をティッシュに含ませ、オイルコーティングして完成!

所要時間は約1時間。できあがった箸はそのまま持ち帰ることができます。かんなの扱いになかなか慣れなかった分、完成の感慨はひとしお。なんだか周囲の人に自慢したくなるような達成感に溢れました。
▲わさび田を背景に、MY箸を撮影
▲耐水性や抗菌効果がアップする拭き漆仕上げのオプションも。注文した場合は約1カ月後に郵送で届く(税込・送料込み580円)

作ったばかりのMY箸でわさびグルメを堪能

早速、「あづみ野遊印」の隣にある「レストラン大王」でMY箸を使ってみることにしました。「本わさび丼」(税込720円)は、かつお節やのりを乗せたご飯に、自分ですりおろした生わさびと醤油をかけていただく「大王わさび農場」の名物料理。シンプルな見た目ですが、香り高いわさびそのもののおいしさと独特の辛みを味わえます。わさびの茎と芋の刻みを漬けた付け合わせの「ほろっこ漬」を混ぜてもおいしい。
▲生わさびの魅力が光る「本わさび丼」。見た目の印象以上に、とてもおいしい!
▲他にも、わさびづくしのメニューがずらり。「わさびカレー」(税込930円)はココナッツベースで、わさびの辛さと香辛料の刺激が絶妙なバランス
▲わさび田を眺めながら食事が楽しめる「レストラン大王」
このほか、場内では「わさびソフトクリーム」(税込360円)や「わさびビール」(税込520円)、「わさびジュース」(税込310円)など、わさびグルメが豊富に揃います。
▲「わさびソフトクリーム」は、ほのかにわさびの風味がするさわやかな甘さの人気商品

なお、生わさびは1年を通して売店で販売されています。「大王わさび農場」の広報室室長で「大王わさび農場百年記念館」の館長でもある濱重俊(はましげとし)さんによると、わさびのおいしさが凝縮するのは成長速度が遅い冬場で、コブとコブの間が詰まっているものほど成長速度が遅い証拠なのだとか。つまり、ずっしりと重みがあり、目が詰まった感じのものを選ぶのがおいしいわさび選びのポイントです。
▲おいしいわさびは辛味とともに後味に甘さを感じ、香りが高いのも特徴(1本・税込500円~)

雄大な自然とわさびの魅力を五感で堪能でき、各種見学や体験も楽しめる「大王わさび農場」。冷たい湧水やわさび田を抜ける心地よい風は、避暑にもぴったりです。今年の夏は安曇野と「大王わさび農場」に出かけてみませんか。
島田浩美

島田浩美

編集者/ライター/書店員。長野県出身・在住。信州大学卒業後、2年間の海外放浪生活を送り、帰国後、地元出版社の勤務を経て、同僚デザイナーとともに長野市に「旅とアート」がテーマの書店「ch.books(チャンネルブックス)」をオープン。趣味は山登り、特技はマラソン。体力には自信あり。(編集/株式会社くらしさ)

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