阿智村「花桃の里」がまもなく見頃!日本一の桃源郷へ
長野県の南西部に位置する阿智村は、知る人ぞ知る“花桃”の名所。「日本一の桃源郷」との呼び声も高く、例年4月上旬~5月中旬になると、麓の方から少しずつ開花し始め、約10,000本の花桃が里を彩ります。中でも、約5,000本もの花桃が密集するように咲く月川温泉郷の景色は圧巻! (※最新情報は施設へ直接お問い合わせください。)

桜や梅より見た目がゴージャス!観賞用の花として人気の“花桃”

そんな阿智村の春の風物詩といえば、村中に植えられた約10,000本もの花桃!赤、白、ピンクの三色の花のパッチワークが村を覆うのです。花桃が咲く里は全国各地に点在していますが、これほどたくさんの花桃が咲き競うところはそうありません。

ところで、みなさんは花桃がどんなお花かご存知ですか?花の形は桜や梅に似ていますが、花桃の花はそれよりも大きく、花びらが幾重にも重なっているため、とてもゴージャスな印象を受けます。見頃の時期が2週間ほどあり、桜よりも長くお花見が楽しめるのも魅力です。



名前に“桃”とつきますが、実は、食用の桃と花桃はまったくの別物。果実ではなく“花”を楽しむ観賞用の園芸種として開発された品種です。色は赤、白、ピンクの3色が基本ですが、阿智村では1本の枝から3色の花が咲く「三色花桃」を多く植栽しているため、よりカラフルなお花見を楽しむことができます。

5,000本もの花桃が密集し咲く、美しき「月川温泉郷」

月川温泉郷内は、ゆっくり歩いても1時間程度でぐるりと歩けてしまうほどの距離。車中からもお花見が楽しめる県道477号線や、お散歩感覚でお花見ができるのどかな本谷川沿いの土手道など、どこの道からも花桃が見えるので、思い思いのスタイルでお花見が楽しめます。

中でも、県道477号線から旅館「野熊の庄 月川(げっせん ※以下、月川)」へと続く花桃の並木道は格別に美しく、見る者を圧倒するほどです。どこまでも続く白やピンクの並木道と、その向こうに見えるパッチワークのような山々。素晴らしい眺めに、思わずうっとりとしてしまいます。まさに桃源郷!





阿智村の花桃のルーツは、ドイツのミュンヘンにあり!
そのルーツは、ドイツのミュンヘン。福沢諭吉の娘婿にあたる福沢桃介氏が、ミュンヘンで見た3色の花桃の美しさに感動し、3本の苗を購入したことから歴史は始まります。日本に帰った桃介氏は、自身が社長を務めていた須原発電所(長野県大桑村)の構内に、持ち帰った花桃を植えました。

その後、発電所に勤めていた妻籠宿(南木曽町)出身の藤原長司さんが、阿智村へと続く妻籠の国道256線沿いに植栽。これが、車窓から花見が楽しめる「はなもも街道」の始まり。昭和23(1948)年のお話です。

時は流れ、昭和50(1975)年頃。妻籠宿の大宮トメさんという女性が嫁入り道具に花桃の木を持ち、はなもも街道に隣接する清内路村(せいないじむら ※現・阿智村清内路)に嫁いできました。その時の木を元に、地域の人々が清内路地区にも少しずつ花桃を増やしていったといいます。
その苗を譲り受け、花桃の植栽を始めたのが旅館「月川」の当時の社長・渋谷秀逸(しぶやしゅういつ)さん。「人も少なく殺風景な山里に嫁いでくれたお嫁さんたちの励みにしたい」と月川温泉郷一帯に花桃の植栽を始めました。平成3~7(1991~1995)年の間に、旅館のまわりや村道沿いに植栽された花桃は約1,000本に及ぶといいます。

その後、「月川温泉郷を“桃源郷”にしたい」と、地域住民らが「花桃の里作り委員会」を発足。本格的に植栽をはじめ、平成17(2005)年には約3,500本、平成29(2017)年には約5,000本もの花が咲く“花桃の里”となりました。

毎年約20万人が訪れる「花桃まつり」
※花の開花状況によって期間が多少前後する可能性あり

期間中は、昼神温泉郷と月川温泉郷(花桃の里)を結ぶシャトルバスが運行(事前予約制・税込1,000円)するほか、売店も出店し、食事や買い物を楽しむことができます。


夜はライトアップも行っているので、昼間とは違った幻想的な雰囲気が楽しめますよ!

4月中旬には、麓の昼神温泉で「昼神の花桃」も開催。妻籠宿へと上っていくはなもも街道沿いは4月中旬~5月中旬まで見頃が続くので、ご都合に合わせてお出かけください。3色の花桃による赤、白、ピンク色の圧巻のグラデーションが楽しめますよ!
月川温泉郷 花桃の里「花桃まつり」
長野県下伊那郡阿智村智里戸沢(月川温泉郷)
[開催期間]4月中旬~5月上旬
※花の開花状況によって期間が多少前後する可能性あり
[料金]無料
0265-43-3001(阿智☆昼神観光局)、0265-48-5750(花桃の開花情報専用ダイヤル ※24時間)
※本記事は2017年取材記事を一部更新したものです。
(写真・平松マキ)
※記事内の金額は取材当時のものとなりますので、変更している可能性があります。

松井さおり
出版社勤務を経て、フリーランスのライター&編集者に。雑誌や書籍を中心に、主に、食・旅・くらしなどにまつわる記事を執筆している。現在は、東京から長野県長野市に拠点を移し、県内外を奔走する日々。(編集/株式会社くらしさ)
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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