牛乳とチーズのコクが美味!雪国なのにハワイ風カレー店があった

2017.07.20

雪国・新潟県にハワイをコンセプトにしたカレー店がある。「雪国」「ハワイ」「カレー」のミスマッチ感がヒットし、地元市民に20年以上愛され続けている。メニューは王道の欧風カレーだが、複雑なコクを出した「黒カレー」と呼ばれる黒色のカレーソースで、決して家庭では食べられない味に仕上げている。欧風カレーの奥深さを知ることができる一皿だろう!(by カレー調査隊隊長・井上岳久)

どうも、こんにちは!
カレーの第一人者である井上岳久先生と、一番弟子りかです。私たち2人は「カレー調査隊」として、ぐるたび編集部に届いた耳寄りカレー情報をもとに全国津々浦々を旅しています。

今回は、新潟県長岡市の黒カレーを調査してきました。

雪国なのにハワイアン「オーシャンテラス コーラルリーフ」

りか「ぐるたび編集部宛てに、こんな調査依頼のメールが届きました」

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毎年8月2日・3日に開催されている「長岡まつり大花火大会」に、今年初めて行こうと思っています。ついでに、新潟県長岡市で食べるべきカレー店はありますか?あれば教えてください。
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井上先生「いいな~。私も一度は長岡の花火大会に行きたいんだけど、この時期は忙しくて行ったことがないんだ…。長岡なら、黒カレー(※)で有名な店があるよ!そのお店はハワイがコンセプトだから夏っぽいし、家族連れでも大丈夫だから、ちょうどよさそうだね」

※黒カレー…カレーソースが黒色のカレーのこと

りか「新潟県は雪国なのに、ハワイがコンセプトなんですか!?それは気になります。ぜひそのお店に行ってみましょう!」
ということで、やってきたのはJR信越本線・北長岡駅から徒歩14分ほどの「オーシャンテラス コーラルリーフ」。地元民からは「オーシャン」の名で親しまれているといいます。カレー以外にもパスタやロコモコなどのメニューもありますが、カレーが一番人気だそう。

りか「わぁ、海辺にあるレストランのようですね」

井上先生「そうそう、ここが新潟ということを忘れるよね。このミスマッチ感がウケているんだよ。さっそく中に入ってみよう!」
▲店内は爽やかな南国風。置いてある花の首飾りを使って写真撮影するのもOK!
「いらっしゃいませ」
出迎えてくれたのは店主・大越雄一さん。
意外にも、店主は物腰柔らかそうな方。ミスマッチをウリにしているお店なので、てっきり個性的な店主だと思っていました…!

井上先生「いま長岡の花火大会に来る方に向けて、食べるべきカレー店を調査しているところでして」

大越さん「そうでしたか。実はお店からも花火が見えるんですよ」

りか「それはいい情報ですね。これはお店の期待値が高まります!」

家では再現できないまろやかなコクが絶品!ハンバーグ黒カレー

さっそく一番の人気メニューである「ハンバーグ黒カレー」(税込1,242円)をオーダー!
▲「ハンバーグ黒カレー」。ライスの量はたっぷり300g。ガーリックフライドポテトもついてくる

井上先生「カレー皿ではなくて丼ぶりで提供するのがユニークだね。どことなくハワイ料理のロコモコっぽい」

りか「カレーにガーリックフライドポテトが付いてくるのも珍しいですよね」
井上先生&りか「いっただきまーす!」
▲パクっ

りか「う~んっ!おいしい~!まろやかで、コクがありますね。何のコクだろう?あとから、じわじわと辛さがやってきますが、これは幅広い年代の方が食べられる味ですね」
井上先生「たしかにコクがあっておいしいな。これは乳製品によるコクではないかな。玉ねぎも黒くなるまでしっかり炒めてあって、甘くておいしい」
井上先生「それにハンバーグは手ごねしているだけあって、肉の旨みが凝縮している。ふっくらと焼けていて、既製品のものとは全然違うな。ハンバーグまで手間暇かけて作っているのはポイントが高い」
りか「付け合わせのガーリックフライドポテトは、カリっと食感で、ニンニクの味がしっかりついています」
りか「こんな言い方をするのは失礼ですが…、カレーもガーリックフライドポテトも想像していたよりもおいしいです!黒カレーのクリーミーでまろやかなコクは、家で簡単に再現できるもんじゃないですよね」

井上先生「じつは欧風カレーを提供しているお店は、意外にも経営が難しいんだ。特に地方は。市販のルウを買えば、家でも簡単に欧風カレーを作れてしまうからね。だからトンカツをトッピングしたり辛さを調節したりと、カレー+αを充実させる。だけど『オーシャンテラス コーラルリーフ』は、カレーソースそのものがおいしいんだ。家では出せない味だから、地元民に愛されて20年以上も経営してこられたんじゃないかな」

コクの正体は牛乳とチーズ!ハンバーグの隠し味はブランデー

家では再現が難しそうな、まろやかなコクが特徴の「ハンバーグ黒カレー」。一体どうやって作っているのか、大越さんに聞いてみましょう!
大越さん「カレーソースは、まず玉ねぎを黒くなるまで4~5時間かけてじっくり炒めます。そこにクミンやターメリック、シナモン、クローブなど6種類のスパイスを加え、本来なら水で煮込むところ、牛乳とプロセスチーズで煮込むんです。最後に黒色の成分であるカラメルを入れて完成。特製ハンバーグは、合い挽き肉と玉ねぎをたっぷり合わせたシンプルな作りですが、隠し味にブランデーを入れています。この香りがカレーにマッチするんですよ」
ちなみにお米は、コシヒカリの子「ひとめぼれ」とイブキワセの子「どまんなか」を合わせた、新潟県産品種の「こしいぶき」を使用しているとのこと。ねばねばせず、粒がしっかりしているのが特徴だそう。

りか「水を使わず、牛乳を使っていたのがまろやかなコクの正体だったんですね!それにカラメルで黒色にしていたとは」

井上先生「ハンバーグも黒カレーとの相性を考えて、ブランデーを入れるなどひと工夫があったのもいいね」
▲付け合わせの「ガーリックフライドポテト」(税込545円)

大越さん「付け合わせのガーリックフライドポテトは、ガーリックバターを絡めて油でカリカリに仕上げています。実はカレーよりも人気でして(笑)。週末になればテイクアウトだけで50kg分も売れるんですよ」

りか「…50kgも!?」

井上先生「私は普段フライドポテトを食べることはないけど、ガーリックが効いていて大人でも好んで食べる味で、気持ちがわかるなぁ。お酒にも合うよ」

店主はカレーひと筋!だからカレーのクオリティが高い

黒カレーのおいしさの秘訣はわかったものの、なぜ「雪国なのにハワイテイスト」なのかは、まだ不明のまま。そちらも聞いてみましょう。
大越さん「お客様からもよく聞かれます。それは、ハワイの雰囲気が好きだからですね(笑)。お客様には雪国であることを一瞬忘れてもらって、南国気分を味わってもらいたくて」

大越さんは新潟県長岡市出身。子どものころからカレーが大好きで、カレー職人になるために、高校卒業後、上京したといいます。そして横浜や湘南にあるカレーの名店を渡り歩いて修業を積み、開業のため長岡に帰郷。当時の長岡には、カレー専門店やハワイアンのお店がなかったことから、この2つを組み合わせた「オーシャンテラス コーラルリーフ」をオープンすることにしたのだとか。
▲お店から見える「長岡まつり大花火大会」の様子

井上先生「なるほど。修業を積んでいた湘南の名店の流れを汲んでいるんだね。とはいえ、20年以上も地元・長岡で繁盛させているのだからすごいことですよ!」

では井上先生、カレーの評価をお願いします。
井上先生「『オーシャンテラス コーラルリーフ』のカレーチャートはこちら!」
井上先生「牛乳とチーズでコクを出していたから5。雪国なのにハワイ、ハワイなのに黒カレー、黒カレーなのにポテトが付いてくるなど、ミスマッチ感があったのでオリジナリティは4に」

りか「ミスマッチ感をウリにしているだけでなく、店主がカレーひと筋の経歴でカレーのクオリティが高かったのもよかったです。あとお店から『長岡まつり大花火大会』が見えるというのもいいですよね。長岡に来た際は、ぜひ訪問したいお店です!」
▲最後は、大越さんとフラダンスのポーズでパシャリ!

長岡で黒カレーを食べるなら「オーシャンテラス コーラルリーフ」へ。
ご協力ありがとうございました!

井上岳久(カレー大學学長/株式会社カレー総合研究所代表)

カレー業界を牽引する、業界の第一人者。横濱カレーミュージアム責任者を経て現職に至る。カレーの文化や歴史、栄養学、地域的特色、レトルトカレーなど、カレー全般に精通。レトルトカレーは全国から2,000種類を収集し試食している。著書に『一億人の大好物 カレーの作り方』『国民食カレーに学ぶもっともわかりやすいマーケティング入門』など多数。

名久井梨香

名久井梨香

フリーライター。毎日カレーを食べるカレー愛好家で、現在はカレーパンも研究している。カレー大學、カレー大学院卒。趣味はカレーとJリーグ。

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