残暑にしみる京都の美味しいレモン味。パフェ、レースかん、塩檸檬飴

2015.09.07

レモンといえば、梶井基次郎の短編小説『檸檬』を思い出します。小説には京都の町並みが描写され、かつて寺町二条にあった果物屋「八百卯」も登場します。レモンに縁の深い(?)京都で、美味しいレモン味を集めてみました。

暑い季節は、体が酸味を求めます。これにはちゃんとわけがあり、汗をかく季節は鉄分などのミネラルを、汗とともに失いがち。その鉄分を効率よく補給するには、クエン酸を合わせて摂取すると良いそうです。
そういうわけで、暑い季節の疲れをいやしに、自然とレモン味を求めて出掛けてしまいます。京都には意外に、檸檬味のものがあれこれあるのです。

暑い季節だけの隠れた人気メニュー

最近では美味しいコーヒーが飲めるカフェが京都でも増えていますが、「アカツキコーヒー」はそうした店の一つ。同じ左京区にあり、遠方からもファンが訪れる「WEEKENDERS COFFEE」の豆を使っていて、美味しさは保証します。
ここで一緒に味わいたいのが「檸檬パフェ」。「実は毎年パフェを替えたい」と思いつつ、リピーターが多かった檸檬バージョンが継続になり、リニューアルして今年も登場。

中に入っているサクサクのレモンメレンゲの食感も楽しいし、程よい酸味のレモンゼリーを口にすると、体がしゃきっとするよう。
パフェとはいいながら、甘ったるくないので男性にもおすすめ。私はひんやりとした檸檬パフェに、温かなカフェオレのセットが好みです。
夏の限定メニューで、「9月で終了。下旬まで出すか悩み中」とのことなので、早めに味わってください。
店内にはBGMがなく、一人でも静かに落ち着ける空間。ご主人がコーヒーを担当し、奥さんがスイーツを作っています。ちなみに、同じ左京区で人気のブランジェリー「ナカガワ小麦店」のパンを使ったトーストやサンドイッチなどもおすすめ。
これが檸檬パフェとコーヒーのセット1,000円(税別)。トッピングされているのは、レモンケーキとスプーン型のクッキー。レモンジャムやレモンゼリーとマッチするのが、軽めのチーズクリーム。ちょっと、レアチーズケーキのイメージです。コーヒーの種類はメニューから選べます。
▲ご主人の相棒のエスプレッソマシーン。道具好き男子が憧れるシネッソ社製です

レモンをレースに見立てた粋な一品

「大極殿本舗」の夏の名物といえば、これ。「レースかん」と名づけられた一品で、レモンの輪切りをレースに見立てているのが、名前の由来。
もうネーミングからして、ジャケ買いならぬ、名前買いしてしまいそうですが、パッケージも素敵。封を切ると、サッとレモンの香りが広がります。

シンプルに寒天を使った菓子で、3代目が創作したそう。まだレモンを使った和菓子が珍しかった昭和初期に誕生した一品で、当時はとてもハイカラだったに違いありません。
暑い季節に羊羹はちょっとヘビーなので、こうした寒天を使った棹物が和菓子店には並びます。キリッと冷やした煎茶と一緒に味わうと、すっきりします。
まきすに巻かれた涼しげなパッケージ。レモンを思わせる黄色の台紙に、さわやかなブルーの短冊のコントラストが美しい。そしてシルバーの紐で結ばれているのがこれまたおしゃれ。ちなみに、「大極殿本舗」のカステラの包装紙もモダンで格好いいのです。
これが、レースかん1棹1,200円(税別)。美しいレモン色は、クチナシで色づけされているそう。常温で1週間ほど保存可能ですが、食べる前には冷蔵庫で冷やして召し上がれ。
乙女な見た目とは違い、想像以上に硬めの寒天で、ほろほろと崩れる食感が印象的。

疲れをいやす甘酸っぱい一粒

関西のおばちゃんのバッグには、必ず巾着袋が入っていて、その中身は飴だという都市伝説がありますが、結構真実です(笑)。
私も仕事でロケなどが続くときには、飴ちゃん袋を持って出掛けます。小腹が空いたときも、疲れてきたときも、パクリと一粒。事務所でも常備しているのが、「祇園小石」の飴です。

「祇園小石」は創業70余年の京飴の専門店で、昔ながらの銅鍋で煮詰めて作るので、後味が良いのです。近くの南座に出演する歌舞伎役者も、ここの飴が好物という人が多いのです。
季節によって限定の味があり、それもまた楽しみ。今年は、「御塩檸檬」が登場し、熱中症対策にと持ち歩いています。ほかにも、抹茶檸檬など、意外な組み合わせのレモン味の飴があり、こちらもおすすめ。

ちなみに、併設されている「茶房こいし」では、夏はパフェのほか種類豊富なかき氷が味わえます。買い物ついでに、ついつい立ち寄ってしまう憩いの場です。
この3種類がレモンをアレンジした飴。右から「京ひんやり レモン」、天日海塩を使った甘じょっぱい「御塩檸檬」、意外に名コンビの「抹茶檸檬」。各378円(税込)。
▲一番、レモンのさわやかさが感じられるのは、「京ひんやり レモン」。薄い板状で、名前の通り、冷たく冷やしても美味しい
▲右が「抹茶檸檬」。ほろ苦い抹茶と、レモンの酸味がマッチしていて、甘すぎないと好評。左の「御塩檸檬」は今年登場した新作。レモン&塩のコンビは、まさに暑い時期にぴったり
疲れた体をリフレッシュさせてくれるだけでなく、心もすっきりとするレモンの香り。ストレスがたまったときにも、食べたくなります。

ちなみに、この8月に復活オープンした「丸善京都店」(旧店舗は梶井基次郎の小説『檸檬』に登場)には小説『檸檬』が並び、それにちなんだグッズも販売されていて、レモン好きにはちょっと嬉しいニュースです。
内藤恭子

内藤恭子

編集者・ライター。京都出身。関西や東京の京都特集で取材・執筆を20年以上担当している。事務所である祖母の町家で土壁を塗り、モザイクタイルを貼りながらリノベーションしつつ、取材に出かける日々。著書に『竹中木版 竹笹堂 紙と暮らす京の一年』(宝島社)などがある。

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