世界で唯一“サボテン狩り”ができる伊豆シャボテン動物公園。行ってみたらそれどころじゃなかった!

2017.07.30 更新

静岡県伊東市のシンボル・大室山の麓にある「伊豆シャボテン動物公園」。およそ2,000坪もの敷地を誇り、世界各国から集められた約1,500種のサボテンや多肉植物と、リスザルやカピバラなど約100種の動物と出合える伊豆高原の人気スポットです。動物にエサをあげたり、ショーを見たり、サボテン料理やサボテン狩りも楽しめるとあって早速行ってみたら、大変なことになっていました!

伊豆高原にある大人気の参加型レジャー施設

伊豆シャボテン動物公園へは、新東名高速道路長泉沼津ICから伊豆縦貫道、伊豆中央道、修善寺道路を経由し、およそ55分で到着します。電車では、伊豆急行・伊豆高原駅下車、「シャボテン公園行き」の東海バスに乗車し約20分。終点で下車します。
「伊豆シャボテン公園」が開園したのは1959(昭和34)年10月22日のこと。その後、2016(平成28)年10月22日、「伊豆シャボテン動物公園」と改称。アニマル・ショーをはじめ来園者自らが体験する参加型の展示を増やし、人気が高まっています。

まずは船に乗って島に上陸。動物と触れ合う

入園受付でチケット(大人1名2,300円、小学生1,100円、4歳以上400円※すべて税込)を購入したら、ゲートへ。すると、広場の向こうに大室山が見えました。この山を右手に眺めながら、まずは「アニマルボートツアーズ」の受付を目指します。
▲池の向こうにアニマルボートツアーズの看板を発見!

公園内の中央に位置する池には、大小合わせて9つの島があります。2015(平成27)年7月にオープンしたアニマルボートツアーズは、この島々を巡り、動物たちの生態を観察するツアー。船で巡る展示方法を取り入れた日本初の施設が伊豆シャボテン動物公園なのです。

アニマルボートツアーズには「ぐるっと1周コース」と「モンキー島上陸コース」の2コースがあり、受付時にどちらかを選びます。

「ぐるっと1周コース」は、先着順に随時受付。島や沿岸にいる動物たちの生態についてガイドの説明を聞きながら、約15分かけて池を1周します。

もう1つの「モンキー島上陸コース」は、池を巡る途中島へ上陸し、エサやりを体験できるおよそ20分のコースです。こちらは出発の時間が決まっている上、当日先着順の予約制。「せっかくだからエサやり体験したい!」というわけで、まずはモンキー島上陸コースの予約状況を確認しに乗船受付ブースへ向かいます。
▲受付を済ませ、このツアーで出合える動物を紹介する図鑑をもらったら出発!

ラッキーなことに、この日はまだ空きがありました!

モンキー島上陸コースの上陸先はリスザルが暮らす島とワオキツネザルが暮らす島の2つの島があります。上陸できるのは、いずれか1つ。受付時に選びます。
園内で放し飼いにされているリスザルには、このツアーのほか、園内の他の場所でもエサをあげることができますが、ワオキツネザルにエサをあげられるのはこのモンキー島上陸コースだけ。しかも、国内の動物園でワオキツネザルへのえさやりを体験できるところはこちら以外ほぼないそう(2017年6月現在)。筆者は迷わずワオキツネザルの島に上陸するコースを選びました。
▲ボートに乗り込んだら、ガイドさんの「オーラ!」の号令に乗組員全員で「アミーゴ!」と応えて出発進行!
南米の自然を彷彿とさせる風景を眺めながら、ゆっくりと進んで行きます。島々には、いろいろな種類のサルがいます。
▲クロキツネザルは黄色やオレンジ色の目が特徴
▲メキシコからボリビアにかけて分布するジェフロイクモザル。手足が長~い!
▲首のまわりに生えている長くフサフサの毛がかわいいエリマキキツネザル

寝そべるブラウンキツネザルの神秘的な色の瞳に見とれたり、木の幹をダダダダッと駆け上がるジェフロイクモザルのその素早さにびっくりしました。
沿岸に目を向ければ、ペリカンが日なたぼっこするのどかな景色を見ることができす。船に乗って景色を眺めているだけでもたくさんの発見があって、ワクワクします。
▲ワオキツネザルのいるワオ島が見えてきた!

目指す「ワオ島」が見えてきました。島の向こう側へ回り込んだら、お目当の島にいよいよ上陸です。
ウッドデッキから島へ上陸。すると……。
もの凄い勢いで、ワオキツネザルたちが近づいてきました。キャーーーーーッ!
▲おなかに赤ちゃんがしがみついていて、かわいい!

ワオキツネザルの母子もいました。ワオキツネザルの赤ちゃんが生まれるのは、4~6月頃。生後6カ月くらいまでは、こんな風にお母さんにしがみついて暮らしています。

エサを待ちきれないワオキツネザルたちが、次から次へと飛びついてきます。なので、早速エサをあげることに。
15粒ほどエサが入った容器を、1人1箱渡されます。早速1粒握って差し出そうとすると……。
「待ってました!」「早く!早く!」と言わんばかりに、ワオキツネザルたちが突進してきます。
手の中にエサがなくなると「ねえ、もうないの?」「まだあるよね?」とでも言いたげな目で見つめてきます。
▲エサを握ると、腕によじ登ってきてムシャムシャ
▲手のひらのエサを全部食べると、容器に顔を突っ込んで「もうないの?」

エサを求めるワオキツネザルの必死な表情と仕草が、かわいくてたまらない!腕を掴むワオキツネザルの指先の感触は、しっとりと柔らかくて、なんとも言えない気持ち良さがありました。

ワオ島でのエサやりを満喫して乗船した場所へ戻ったら、次は「アニマルショー」を見に行ってみましょう。

1日3回のショータイムを満喫!

▲「モンキータイム」は2016年12月にデビューしたばかりのショータイム

急いで大講堂へ向かうとちょうどモンキータイムというショーが開園したところ。

アニマルショーは11:00~、13:30~、15:00~の1日3回行われています。さまざまな動物が登場する「ドッグパーティdeアミーゴ」、人と動物が能力を競う「どうぶつと遊ぼうDX」、そして、インコとサルが大活躍するモンキータイムの3つが行われ、どの時間にどのショーをやるのかは日によって変わります。

大講堂は、ゲートからアニマルボートツアーズの受付へ向かう途中にあります。ショーの時間と内容をチェックしてから、ツアーの予約をすることをおすすめします。

1,500種のサボテンに出合える温室へ

大講堂を出てモモイロペリカンを眺めながら歩いて行くと、何やら巨大な龍のようなオブジェが見えて来ます。
▲近づいてみると「温室入口」のサインが

ここがサボテンを育てている温室への入口なのだそう。早速入ってみることにしましょう。

伊豆シャボテン動物公園には、南アメリカ館、アフリカ館、森林性シャボテン館、マダガスカル館、メキシコ館の5つの温室が建っていて、各々が通路で繋がっています。
一番最初にある温室は、南アメリカ館。南アメリカ原産のサボテンと多肉植物が育てられています。
巨大な柱サボテンや
ウチワサボテンが並びます。
▲サボテンの花が咲いているところも見られる

これは、アルゼンチン原産のサボテン、緋繍玉(ひしゅうぎょく)。4~5月に赤い花が咲きます。
南アメリカ館には“しゃぼこ”と“しゃぼお”と並んで写真を撮れる記念撮影スポットがあります。記念に1枚写真に納めたら、次の温室へ向かいましょう。

温室と温室を繋ぐ通路には、動物たちが待っていました。
▲大きな嘴の「シロムネオオハシ」
▲だらりと眠る「フタユビナマケモノ」
次の温室は、アフリカ館。
こちらでは、アフリカ原産の多肉植物を展示しています。アフリカには一部の例外を除き、サボテンの仲間は自生していないので、この温室にあるのもすべて多肉植物です。

多肉植物とは、乾燥や高塩分の土地でも生きていけるよう、茎や葉に水分を貯めることができる植物のこと。園芸上は、サボテン以外のものを指します。
▲スタッフお手製の札がかわいい。吹き出しの「ズラ」は静岡弁で「〜です」の意
こちらはガガイモ科の虎犀角(とらさいかく)という多肉植物。こちらの公園内にある植物の中で最も臭い花が咲くそうです。一体どんな臭いがするのでしょう。開花時期は夏なので、気になる人はぜひ。
花の直径は、10cmほど。咲き始めから時間が経つにつれ匂いは薄れていき、3日ほどでしぼんでしまうそうです。

次の温室は森林性シャボテン館です。
こちらは、ジャングルに生育するサボテンを中心に、観葉植物も展示されている温室。
▲見上げたら、エアプランツの「チランジア」が

一夜限りの花を咲かせることで知られる月下美人や、ジャングルの木の上に生えるサボテン、リプサリスなどを見ることができます。
次の温室は、マダガスカル館。この島にしか自生しないディディエレア科の仲間や、カランコエの仲間、アロエの仲間を展示しており、この温室にもサボテンはありません。
▲ハート型の葉っぱがかわいい!

これはディディエレア科の植物であるアローディア・アスケンデンス。トゲの間に、ハート型の葉が生えているという独特の雰囲気がある植物です。
“亜阿相界(ああそうかい)”や“恵比寿笑い”など、ユニークな和名がつけられた植物もあるので、植物のそばにある名札のチェックも忘れずに。

次の温室へ伸びる通路には、アライグマ科のキンカジューや、大きな耳が印象的なキツネ、フェネックがいました。
▲つぶらな瞳がかわいいキンカジュー
▲穴掘りが大好きなフェネック

大きな耳が特徴のフェネックにはエサをあげることができます(1カップ300円・税込)。フェミニンで美しいフェネックがどんな風にごはんを食べるのか、気になったらぜひトライしてみてください。
この通路には、お面のようなハート型の顔のメンフクロウもいます。メンフクロウは1日15時間もの間、こんこんと眠るそう。

さあ、次はいよいよ最後の温室。メキシコ館です。5つある温室のなかで、最も大きい温室です。
この温室には、メキシコから北アメリカにかけて自生するサボテンと多肉植物およそ150種が展示されています。

サボテンの王様と言われる巨大な玉サボテン、金鯱(きんしゃち)の大株や、高さ8mもある巨大な柱サボテンの大鳳竜(だいほうりゅう)などが並ぶ様子はまさに圧巻で、見応えがあります。
▲日本で最も大きい金鯱。樹齢は推定160年!
▲カリフォルニア原産の地を這うサボテン、入鹿(いるか)

入鹿は、地を這うようにして大きくなっていくサボテン。大きくなるにつれて根元が枯れ、朽ち果てるため、まるで移動しているように見えて気味悪いんです。そのため、現地では“クリーピングデビル(這い回る悪魔)”と呼ばれているそう。こんな変わり種まであるとは!
▲4月中旬に赤く美しい花を咲かせる、紅武扇(こうぶせん)

伊豆シャボテン動物公園にある5つの温室には、今ではワシントン条約などで輸出入が禁じられているサボテンも数多くあります。
なかには、日本国内ではここにしかないサボテンも。サボテン好きなら、じっくり観察を楽しみたいですよね!

世界中でここでしかできない「サボテン狩り」に挑戦!

▲かわいい寄せ植えは、アレンジの参考にもなる

温室を出ると、多肉植物の寄せ植えがズラリ。「こんなグリーンが自宅にあったらいいな~」と思いながら進んでいくと「サボテン狩り」と書かれた看板を発見。

これがウワサのサボテン狩りができるところかっ!とワクワクしながら、世界に1つしかないという「サボテン狩り工房」の中へ。
太陽が差し込む室内には、無数のサボテンや多肉植物が植えられていました。
▲270種以上のサボテンと多肉植物がズラリ

1つ1つの植物には、名前と値段が書かれたプレートが立てられています。それを見て、名前や価格を確認しながら好きなサボテン、多肉植物を選んで青いカゴに入れていきます。
▲緋牡丹(1つ税込650円)

植物は箸で掴んで持ち上げます。理由はカンタン。手で掴むとトゲが刺さって痛いから。箸なら植物を傷つけることなく、優しくスッと抜くことができて、とても便利。
▲リンキー(1つ税込760円)

背の低いサボテンは、根を傷つけないように気をつけながら地面に箸を差し込みます。
コロンと倒して、そっとカゴの中へ。いくつか植物を選んだら、今度は鉢を選びます。
▲たくさんある中から自分好みの鉢を選ぼう

植物と鉢を選んだら、スタッフのいるカウンターへ。
持っていった鉢に土を入れ、選んだサボテンをコーディネートしながら植えてくれます。その手際とセンスの良さに、思わず見とれてしまいます。
▲植えながら、水やりのタイミングや育て方などを教えてくれる
こうして完成したのがこちら!合計税込3,910円でサボテン3種と多肉植物1種が、かわいらしい寄せ植えになりました!

2017年夏の新メニュー「サボテンのステーキ」を初体験!

色々体験したらお腹が減ったので、園内にあるレストラン「ギボン亭」でランチを食べることに。
▲ギボンとは、園内で飼育しているシロテテナガザルの学名

ギボン亭の2017年夏の新メニューは、「サボテンのステーキ」(税込1,000円)と「サボテンのコブサラダ」(税込1,200円)。どちらも愛知県春日井市産のウチワサボテンを使った料理です。若くて食べごろのサボテンがなくなり次第、提供を終えるそう。
▲サボテンのステーキ

熱々の鉄板の上でジュージューと音を立てるサボテン。サルサソースとデスソースがついてきます。
ナイフを入れると、断面はぷるんとした感触。オクラやモロヘイヤのように、とろりとした粘りがあります。
味は、オクラにピーマンのような青みと苦みを少し足したよう。サルサソースとの相性も抜群です。青みや苦みが苦手と感じたのなら、添えてあるウィンナーと一緒に食べると軽減されるので、オススメ。
▲「サボテンのコブサラダ」には、さいの目に切ったサボテンが入っている

サボテンを使った定番メニューは「サボテングリーンカレー」(税込1,100円)。これは、ギボン亭で通年食べられますよ~!

想像よりもずっと美味しくて驚いたサボテン料理を味わったら、ギボン亭の近くにある広場にいるカピバラに会いに行くことにしましょう。

お風呂が大好きなカピバラにごはんをあげる

二重になっているゲートの先に広がる「カピバラ虹の広場」。ここには、8頭のカピバラが自由に遊んでいて、ふれあうことができるんです。
広場には「カピバラのごはん」売り場があり、カピバラが大好きな青草を、ひと束200円(税込)で販売しています。
▲青草を差し出すと、嬉しそうにパクリ。食んでいます
▲おでこやあご、背中をなでるとうっとりとした表情に。毛はちょっぴり硬いけれど、毛並みに沿ってなでたときの手触りが、とても気持ちいい

中には、お風呂が大好きなカピバラがいます。1982(昭和57)年の冬、広場にある池にお湯を入れてあげると喜んで入浴したのをきっかけに、カピバラの入浴は冬の風物詩に。30年以上に渡り、露天風呂を楽しんでいます。
▲カピバラの露天風呂は、例年11月中旬〜4月上旬まで開催

最近では、那須どうぶつ王国、長崎バイオパーク、埼玉県こども動物自然公園の4園の合同企画で、冬はカピバラの長風呂対決を、夏はスイカの早食い競争を実施しているそうです。勝者(勝カピバラ?)には、賞状のほか、敗者の地域の名産品が副賞として贈呈されるそうですよ~。
最後に立ち寄ったのは「バードパラダイス」。こちらには、2017年4月に来園から36周年を迎えたハシビロコウのビルくんがいるそう。
どこにいるのかな~?と探し歩いていると、フェンス越しに外を眺めるビルくんを発見!ハシビロコウは、獲物を狙う時以外数時間に渡りほとんど動かないため、“動かない鳥”と呼ばれています。
▲国内で飼育されているハシビロコウのなかで、唯一放し飼いにされているのがビルくんだ

ビルくんの年齢は推定47歳以上。世界でも類を見ない長寿な鳥です。高齢のため、最近では自分の部屋で過ごすことも多いそう。そんなときはバードパラダイスのエントランスに設置されたモニターで、ビルくんの様子を伺うことができます。

サボテンや動物とのふれあいを楽しめる伊豆シャボテン動物公園。これだけたくさんの経験をじっくり楽しんで、およそ3時間で回ることができました。

多くの動物が放し飼いされており想像以上に近くで見ることができるので、いつもの動物園とは違った楽しみ方ができるのでオススメです。
家に帰ってすぐ、サボテン狩りで作った鉢を箱から出してみました。
そこにはサボテンと一緒に、育て方が記された紙が。なるほど、わかりやすい~♪
これならきっと、ちゃんと育てられるはず!
そして、このサボテンの寄せ植えを見るたび、この日の楽しかった出来事を鮮やかに思い出すことができるはずです。
永井理恵子

永井理恵子

日大芸術学部写真学科卒のフリーライター。食いしん坊(飲んべえでもある)。東京の荒波に15年揉まれて気づいたのは、生まれ育った静岡県と御殿場市が思いのほか素敵な場所だったってこと!地元のいいところを発信すべく鋭意活動中。

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