香川県有数のパワースポット!善通寺で体験したい5つのこと

2017.09.10

香川県善通寺市の真ん中あたりに位置する「総本山善通寺」(以下、善通寺)は、市名の由来にもなったお寺。四国八十八ヶ所霊場第七十五番札所で、パワースポットとしても人気があり、全国から多くの参拝者が訪れます。善通寺ではさまざまな修行体験ができるのも大きな魅力です。日常生活ではなかなか経験できない5つの体験を通して、善通寺のパワーを全身に感じる旅をしてきました。

善通寺は“お大師さま”生誕の地

善通寺は、和歌山の高野山、京都の東寺とともに弘法大師空海の三大霊跡に数えられる、真言宗善通寺派の総本山です。尊敬と親しみを込めて「お大師さま」と呼ばれる弘法大師。そのお大師さま生誕の地が、ここ善通寺なのです。
▲お大師様の立像。前の両脇に座するのはお大師様のご両親の像

総面積は約45,000平方メートル、なんと東京ドームと同じくらい。国の登録有形文化財の建造物が27件もあり、「伽藍(がらん)」と称される東院(とういん)と、「誕生院」と称される西院(さいいん)の二院に分かれています。東院は中国・唐から帰国したお大師さまが大同2年(807年)に建立したもともとの「善通寺」。西院はお大師さまが生まれ育った邸宅があった場所です。
▲境内にある案内図。その広さがよくわかります

今回は善通寺の広報ご担当の安藤誠啓(せいけい)さんが取材のための案内をしてくださいました。
▲「善通寺は“善(よ)く通る寺”。受験生にも大人気ですよ」と安藤さん

それではさっそく西院の遍照閣から、体験のスタートです!

体験1. 心静かな時間を過ごす写経会

善通寺では毎月21日の午前9時から、写経会が開かれています。予約不要、参加料無料なので、気軽に参加できます。会場の遍照閣2階には机と椅子が並んでいます。正座で足がしびれる心配もありませんね。
▲どんどん席が埋まっていきます。毎月参加する人や県外からの参加者も多いそう
▲10時になると10分ほど読経と僧侶の法話

まずは全員で合掌し僧侶の声に合わせてお経を唱えた後、法話を聞きます。この日は「写経は仏教の三密(さんみつ)、身(しん:体)・口(く:言葉)・意(い:心)の修行の一つです」という法話でした。
▲筆記具や写経用紙は各自持ち込みますが、境内の売店でも購入可能

いよいよ写経です。硯と筆ではなく筆ペンを使う方も多いようです。少し肩の力を抜いて、筆をとります。
▲用紙の裏に透けて見える印字をなぞれば良いので、難しくありません

静かな空間で、ひたすら文字を書くことに集中。書き進めるうちに気持ちが凪いできて、逆に頭が冴えてくる、とても不思議な感覚を覚えました。
ぜひ今度はお経の意味も少し勉強して、新たな気持ちでまた参加してみたいです。

体験2. お砂踏み道場で四国八十八ヶ所を一気に巡拝

続いて同じ建物内、遍照閣1階のお砂踏み道場へ。
ここには四国八十八ヶ所霊場の各ご本尊が祀られ、それぞれの正面足元に各寺院の砂が敷かれています。お砂踏みとは、この砂の上を歩いて礼拝していくことで四国八十八ヶ所霊場を巡拝するのと同様の功徳を積むことができるものなのです。
▲お賽銭用に500円を5円玉100枚に両替できます
▲ずらりと並ぶ八十八ヶ所霊場のご本尊(道場内は撮影禁止。今回は特別に許可をいただき撮影)

このお砂踏みは、健康上の理由などで八十八ヶ所を巡拝できない人のために考え出されたのだそうです。砂は緋毛氈(ひもうせん)の下に敷かれており、直接には砂を感じませんが、ありがたい気持ちでそっと足を踏み出します。

ちなみに「その昔は、実は善通寺が八十八ヶ所の一番札所だったのですよ」と安藤さん。江戸時代に全国から多くの巡礼者が訪れるようになって、始めやすいように関西圏から近い徳島県(霊山寺)が一番になったと言われているそうです。
▲ご本尊は現代の名仏師、松本明慶(みょうけい)さんの手によるもの
▲お釈迦さまが亡くなった時の姿である涅槃(ねはん)釈迦如来は頭を北に向けており、これが北枕の由来だそう

八十八ヶ所現地のご本尊の中には一般公開されていないものもありますが、ここではすべてを間近に見ることができます。それぞれの柔和な表情と繊細な細工に、思わず時間を忘れて見入ってしまいました。
周り終えた時には何だか心が洗われたような、清々しい気持ちでした。

体験3. 暗闇の中で自分を見つめる戒壇めぐり

今度は御影堂(みえどう)へ向かいます。お大師さまは宝亀5(774)年、この御影堂が建っている場所で生まれました。
▲お大師さまの生家である佐伯家邸宅跡に建つ御影堂

奥殿には自画像と伝わる弘法大使画像「瞬目(ひきめ)大師」が安置されています。特別な法要の時以外は扉を閉めて秘蔵されています。(御影堂内部は本来撮影禁止)
▲このずっと奥の扉の向こうに「瞬目大師」が
▲御影堂の内部はお経の世界を忠実に再現しているのだそう

朱と金の華やかな色使いですが、不思議と派手な印象が無く、荘厳で落ち着いた雰囲気が漂います。

この御影堂で体験するのは、戒壇めぐりです。御影堂の地下を一周する約100mの真っ暗な回廊を歩く修行の場です。
▲ここが入り口。階段で地下へ

左手を伸ばし、左壁をつたって進みます。なぜ左手なのかを安藤さんに教わりました。仏教では右が仏様の世界、左が私たちが住む俗世間を意味するので、仏界から見て右側となる壁(壁の向こうが仏界)に、私たちは左手で触れながら進み、仏様とつながろうとするのだそうです。
▲壁に描かれているのは曼荼羅の諸仏諸尊

入り口の光が届く距離はほんのわずか。歩き出すとすぐに真っ暗闇になりました。目を開けてもどこを向いても何も見えません!恐怖が押し寄せてきます。頭上にも十分な高さがあるはずなのに首をすくめてしまいます。「絶対に離してはいけない」と、壁に触れる手に力が入ります。

何度か角を曲がるとうっすら光が見え、小部屋のようなところに着きました。あたりの輪郭がぼんやりわかる程度のわずかな明るさですが、とてつもない安堵感です。
ここはまさにお大師さま誕生の“聖地”、奥殿の真下に当たる場所で、稚児大師(お大師さまの幼少の頃のお姿)と両親像が祀られています。そして聞こえてきたのはなんと、お大師さまの声。お大師さまの自画像から骨格を割り出して声を再現したのだそうです。とても深い、静かな声でした。

光と声に勇気を得て、そこからまた出口まで続く暗闇は少し強い気持ちで歩くことができました。
▲明るい出口。壁の絵は入り口から出口まで左右の壁面にずっと描かれているそうです

「暗闇にも意味があります。明るいと人の気持ちは外に向きますが、暗いと内に向かいます。深く考える時、人は自然と目を閉じますよね。暗闇で自分の内面を見つめ、罪や咎(とが)を浄化するのです」(安藤さん)
暗闇で感じた恐怖と不安の意味、心の支えとなるものの意味など、色々と考えさせられる貴重な体験をしました。

体験4. 御朱印をいただく

お寺にお参りをしていただく御朱印は、もともとは経をお寺に納めた証だったそうです。今回は写経を体験し、少し本来の意味に近づくことができたかも。納経所で御朱印をいただくことにしました。
▲四国八十八ヶ所の御朱印「薬師如来」と記されています

今回御朱印をいただいたのは、西院の仁王門脇の納経所です。他に御影堂でもいただくことができます。(納経の案内詳細はホームページ参照)

体験5. 宿坊に泊まる

善通寺には境内に宿坊「いろは会館」があります。宿坊はお遍路さんの宿というイメージがありますが、お遍路さんでなくても宿泊できるそうです。今回は泊まりませんでしたが、中の様子を少しご紹介しましょう。
▲いろは会館は西院にあり、寺務所を兼ねています
▲浴衣も用意されています
▲1泊2食付き。写真は夕食の例
▲大浴場「大師の里湯温泉」

何といっても嬉しいのはお風呂が温泉だということ。お大師さまとのご縁を深めながら、旅の疲れをしっかりと癒すことができそうですね。早朝のお勤めに参加するのも宿坊泊ならでは。次回はぜひ体験してみたいです。

本堂のある東院も見所満載!

東院の注目スポットもご紹介します。善通寺の正門でもある南大門から入ってみましょう。
▲南大門から境内を望むと、門の向こうに五重塔が
▲高さ43mの五重塔は総欅造り。善通寺のシンボル的な存在です

五重塔は幾度も自然災害や火災にみまわれ、その度に再建されて現在は明治35(1902)年に完成した4代目だそうです。

東院にはパワースポットとして知られる2本の大楠があり、これは必見です。
樹齢は1,000年を超え、お大師さまの著作にも登場する楠と伝えられています。お大師さまの誕生や成長もここで見守っていたのかもしれませんね。
▲南大門横の大楠。見上げると吸い込まれそうです
▲さらに大きい五社明神の大楠。根元にある赤い社が善通寺領の氏神を祀る五社明神

安藤さんによると、以前この大楠のそばでヨガのイベントを開こうとした際、大楠の「気」があまりに強く複数のヨガの先生が場所の変更を望まれたのだとか。
悠久の時を生きてきた姿には、太刀打ちできない圧倒的な迫力と神々しさを感じます。大楠の神聖なパワーを分けてもらいたいものです。

正門からまっすぐ突き当たりにあるのが善通寺の本堂である金堂です。
▲創建時の金堂は喪失、現在の建物は元禄年間(1688~1704年)の再建

金堂にはご本尊の薬師如来坐像が祀られています。坐像高は3m。「仮に立ち上がれば身長4m80cmです(笑)」と安藤さん。
▲本来は撮影禁止の薬師如来坐像。静かな慈悲深い姿を目にしっかり焼き付けて

東院は周囲をぐるりとたくさんの像が囲んでいます。どれもとても表情豊かです。
▲知り合いに似た像が見つかるかも?

善通寺を楽しむアプリも登場

善通寺市が提供するアプリ「お願いごとが善く通る寺~総本山善通寺ナビ」は、AR(拡張現実)画像を使った演出も取り入れて善通寺を詳しく紹介しています。
▲境内マップにポイントのアイコンが。タップするとスポットの解説を表示できたり、AR画像と連動するカメラ画像に切り替えられたりします
▲御影堂のそばでは、戒壇めぐりの内部の様子がARを使った画像で表示されます

(アプリのダウンロードや問い合わせについては善通寺市のホームページ参照)

いかがでしたか?日常から離れた貴重な体験の数々は、自分を見つめ直すきっかけにもなりそうです。ぜひ善通寺を訪れて、お参りと観光だけにとどまらず、実際にいろいろな体験をしてみてください。
矢野智子

矢野智子

愛媛県在住。愛媛県出身ながら高校卒業後ほとんどの時間を県外で過ごした後、生活の拠点を愛媛に定めた現在、改めて気付く地元の魅力に感動しきり。 人生を豊かにするものは「食」と「読」と信じ、そこに情熱を傾ける日々。

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