コスモスが見頃の「能古島」へ!福岡からたった10分の離島は、一年中花に包まれる楽園だった

2017.10.01

風に揺れる50万本のコスモス、奥には青く澄んだ海と広い空。福岡における秋の絶景で必ずあげられるのが「能古島(のこのしま)」のコスモス風景です。可憐なコスモス観賞はもちろん、離島である能古島には見どころも多数!そんな能古島の魅力をお伝えします。

福岡市内の港からわずか10分。
年中花に包まれた島「能古島」

海岸延長で約12kmの能古島は、福岡市東区にある志賀島(しかのしま)と同じく福岡市中心街から気軽に行ける行楽地。ただ、志賀島と違い、能古島は道がつながっていない離島であるためフェリーを利用していかねばなりません。とはいえ、その距離はフェリーでわずか10分!
能古島は、気軽に船旅が楽しめる離島として、福岡県民より親しまれている場所なのです。
江戸時代に廻船業で栄え、明治維新後は農業と漁業がメインに。1941(昭和16)年、残島(ざんとう)村から福岡市能古村に名を変え、現在の能古島に至ります。

では早速行ってみましょう!
福岡市からのアクセスは簡単。福岡市中心地にある天神バスターミナルから約30分、博多駅のバスセンターからは約40分、到着する姪浜(めいのはま)渡船場からフェリーで10分の船旅を楽しめば、そこはもう能古島です。
▲姪浜渡船場。隣に立体駐車場があるため、車で来ても大丈夫
▲チケットは券売機で

姪浜渡船場から能古島までのフェリー運賃は、往復大人460円、子供(1歳~小学生)240円(大人1名に付き子供1名は無料)とリーズナブル。しかも1日21便(土日は23便に増便)運航と便数もあるので便利です。※各税込
▲1時間に1~2便運航しています

フェリーには自動車も載せることができるので(往復1台2,680円~)、マイカーでドライブしたい!という方はどうぞ。
また自転車(往復1台240円)もOKですが、島内は高低差があるため、秋や春など過ごしやすい時期以外のサイクリングはちょっとキツめです。※運賃は各税込
▲こちらが姪浜と能古島を結ぶ「フラワーのこ」
10分とはいえど、しっかり船旅気分は味わえます!潮風が気持ち良いし、眺めも最高。

港に到着すると、目の前にはバス停があります。そこからはバスで「のこのしまアイランドパーク」(以下、アイランドパーク)へ。バスは起伏の激しい細い道を通り、約15分ほどで到着!!

コスモスをはじめ季節の花畑が楽しめる。
ここは一年中が花の楽園

アイランドパークの誕生は、1969(昭和44)年4月。約50年もの歴史を持つテーマパークであるがゆえに、「3世代に渡ってピクニックに訪れている」という方も珍しくありません。

そんなアイランドパークの代名詞と言えば、やはり秋のコスモスです!
海風に揺られる約50万本のコスモスのじゅうたんは、圧巻!一面ピンクに染まるパノラマ風景は、ずっと眺めていたくなる美しさです。
▲公園の一番北側にある「パノラマ花壇」。コスモス畑の中に入ったり、借景の海と一緒にピンクと青の鮮やかな写真を撮ったりすることができますよ(写真:福岡市)

50万本の早咲きコスモスは10月上旬から中旬まで。30万本の遅咲きコスモスは10月下旬から11月上旬まで。
見ごろが2回も訪れるのも魅力です。

コスモス以外にも、園内至る所に季節の花々が植栽されています。コスモスの時期が過ぎれば冬に向けて、紅葉、さざんか、日本水仙、つばき、春には菜の花、ポピー、桜、つつじ、夏にはひまわり…。
▲12月下旬~2月中旬まで楽しめる日本水仙
▲3月上旬~4月中旬は黄色の菜の花が一面に!4月上旬は桜とのコラボも見事
▲ピンク、白、赤が鮮やかなリビングストンデージーは3月中旬~5月上旬
▲4月下旬~7月下旬に見頃を迎えるマリーゴールド
▲7月中旬~8月中旬は、ビビットカラーのひまわりが!

これらはほんの一例で、どの時期に訪れても季節の花々が迎えてくれる花の楽園です。訪れるたびに違う色に染まっているので、何度来ても楽しめますよ。

園内はまるで昭和初期の街。
レトロで可愛い場所やモノがたくさん

花畑をじっくり楽しんだあとは、園内巡りも楽しんで。コスモススポットである「パノラマ花壇」までの道には、喫茶店やうどん屋、駄菓子屋などが並ぶ「思ひ出通り」があります。
▲まるで昭和初期にタイムスリップしたよう
▲ラムネやおもちゃ、駄菓子を扱う「思ひ出や」。営業時間は9:30~17:30
昔懐かしいおもちゃや駄菓子がたくさん!紙風船やシャボン玉など童心に帰って遊ぶのもいいですね。ほか、能古島で収穫する甘夏を使ったサイダーも人気です。
▲能古島オリジナル・甘夏風味のサイダー「ノコリータ」や能古島オリジナルラベルの「能古島サイダー」各210円(税込)が人気
▲「百姓屋」は、昔の民家を改装した休憩スペース。だるま落としや羽子板などのおもちゃがあり、自由に遊ぶことができます
▲思ひ出通りにある公衆電話ボックス。1900(明治33)年に東京で建てられた第1号と同系のもの(使用は不可)

レトロ可愛い街並みを散策しつつ、ランチはそんな思ひ出通りにあるうどん屋「耕ちゃんうどん」へ。
▲耕ちゃんうどんの営業時間は11:00~17:30(L.O.16:45)

こちらは、能古島名物「能古うどん」を提供するお店。能古うどんとは、能古島で製造しているうどんのこと。2000年前後に漁協組合の婦人会で、「能古島名物を!」と作ったのが始まりだそう。現在では麺はすべて港近くにある能古うどん製麺所で作られています。
能古うどんの特徴は、その喉越し。見目麗しい白肌の細麺は、しっかりとコシがあり、するりと喉に入っていきます。材料は小麦と水と少しの塩のみ。二度にわたる熟成を経てこの喉越しにたどり着いたのだとか。能古うどんの味わいは評判を呼び、能古島以外でも福岡・佐賀県で8店舗展開しています。
▲耕ちゃんうどんでは冷やし(780円・税込)が一番人気
▲喉越しを楽しんでいただきたいので、「冷やし」または「釜揚げ」がお勧めです、とスタッフの徳永さん
うるめイワシ、昆布出汁で取ったツユにつけて…。
私、一人前を3分でいただいちゃいました!それほどにするすると入っていく細麺。きめ細やかな麺の舌触りとコシ、女性でも大盛をペロリと食べられる、というのも納得です。
土日祝日の限定メニュー、温玉・天かす・わかめ入りの「冷やしぶっかけ」(780円・税込)も人気だそうです!

口コミで評判になった「恋の観音様」にお参り

お腹もいっぱいになって満足したら、次はSNSで人気になったという「恋の観音様」へ。
元々、カップルや独身女性が多くお参りするスポットだったのですが、「結婚しました!」「彼が出来ました!」など、御礼に訪れる方が多くなったことから、絵馬奉納スペースを新しく設置したそう。
絵馬は、通常の形とハートの形の2種類。「喫茶夢路」のテラスで各300円(税込)にて販売しています。
▲備え付けのペンで願い事を書いて…

絵馬を書いたら、喫茶夢路から運動場を抜けたところにある恋の観音様へ。そこからは志賀島や玄海島を一望できます!
▲取材時も、カップルが絵馬をかけていましたよ
ハングル文字の絵馬も!海外からの参拝者も多数いるそうですよ!

動物と触れ合い、ハイジのようにブランコ~。大自然を満喫してリフレッシュ!

その他、ヤギやウサギと触れ合えるスポットや、高い木に吊るされたブランコで遊ぶことができます。
園内を周遊するだけで2~3時間はたっぷり楽しめそう。
▲見向きもしてもらえなかったヤギさん
▲人懐こいウサギたち。ヤギもウサギも各100円(税込)で餌をあげることができます
▲まるでハイジになった気分!自由に遊べるブランコ

園の出入口から約100mほどの「花の小径」では、カラフルな季節の花々を眺めつつ散策できます。彩り豊かで撮影もしやすいことから、SNS用の人気撮影スポットになっていますよ。
アイランドパークは、どこを撮影してもフォトジェニックな風景がたくさん。秋のコスモスの時期は特におすすめ。園内では手ぶらでOKのバーベキューや、夏はコテージに宿泊してキャンプも楽しめます。ぜひぜひカメラ片手に訪れてくださいね。

福岡県内で2番目に高い! 能古島展望台で絶景を楽しむ

アイランドパークで遊んで、元気があればぜひ行って欲しいのが「能古島展望台」です。アイランドパークから能古渡船場までバス停は8つありますが、その間にあるアイランドパークから2つ目のバス停「展望台・思案の森入口」で下車。そこから山道を徒歩で25分ほど頑張って上ります。
秋から涼しくなれば、紅葉拾いや山道散策をしながら、いかがですか。
そこには標高195mの展望台が!!

動画でお伝え出来ないのが残念なほど、360度遮るものがない絶景!!福岡市内にあるヤフオクドームや福岡タワー、志賀島や玄海島までくっきりと見ることができますよ!
▲こちらは福岡市内側の眺め。福岡タワーが見えます!
▲こちらは海側の眺め。一番大きく見えるのは玄海島です!

フェリー乗船までの時間は
可愛いショップでお土産探し

さて、最後に立ち寄って欲しいのが「ノコニコカフェ」です。
カラフルな手書き看板がキュートなコチラのカフェは、能古渡船場のすぐ前にありますよ。
▲道路にはこれまた可愛いビビッドカラーのテーブルやイスが

こちらは、柴田祥子さん・洋幸(ひろゆき)さん夫妻が営む、小さな小さなカフェ。
元々フランス人アーティストが営んでいたお店で、この手作りの壁や装飾は当時のオーナーによるもの。ドリンクやお酒だけ提供するお店でしたが、オーナーの帰国に際し、お店の常連客だった祥子さんが譲り受けました。
柴田さん夫妻がオーナーになって2017年で早10年だそうです。
福岡市内で暮らしていた柴田さん夫妻。会社員をしていた洋幸さんも能古島を気に入り、そのまま能古島に移住。現在では、お店で洋幸さんが作ったイラストのポストカードやグッズも販売しています。
▲可愛いポストカードは各150円(税込)
▲ロゴ入りバッグは600円~(税込)

お土産を選ぶのも良いですが、ココではフェリーが到着するまでの時間、のんびり休憩するのもおすすめです。旬のフルーツを使った手作りスムージーや手作りシロップの炭酸割りなど、手軽なドリンクや、クッキーやマフィンなどのお菓子、軽食などが揃います。
▲チョコバナナといちごみるくのスムージーは各350円(税込)
▲クッキーは日替わりで200円程度
▲お土産にピッタリのサイダーお土産セット950円(税込)。好きなサイダー4本と可愛い箱がセットに

志賀島サイダーのラベルを手掛けた、能古島在住のイラストレーター・アサバさんの作品も多数。可愛い!!
▲キーホルダーや缶バッジなど、ココでしか出合えないグッズばかり
▲ポップなカフェは、夕方からはバーに。こんなゆるい感じが人気のよう

近いけれど離島の楽しさが詰まっている
求心力がある能古島の魅力

▲洋幸さんが描くイラストは能古島に関するものがたくさん

旅の終わりに、柴田夫妻に聞いてみました。
「能古島の魅力って何ですか?」
能古島に移住して10年の洋幸さんの答えは「退屈しないところ」でした。
コンビニも、娯楽施設も、深夜まで空いている居酒屋もあるわけじゃないけど、退屈しないんですよ、と。
「僕にとっての能古島の魅力の大半は、海に尽きます。フェリーで能古島に来る、これだけでもものすごく楽しいことなんです。海って毎日表情が違うし、空の色だって違う。凄いですよね」。
▲夕方から能古島の友人たちが集まることも

今回の短い旅の間でも、小学生やおばあちゃんが旅人である私に「こんにちは」と挨拶してくれました。それだけのことなのに、何だかほっこりするものです。

柴田さんはこう言います。
「のんびりしてるんですよ、島全体が。便利なものはフェリーにのってすぐ手に入るから不便ではないし」。

海を渡って船旅を楽しみ、四季折々の花を眺めて、自然とたっぷり遊んで、また船に乗って帰る。
これだけで心もゆったりするのは、島の空気自体がのんびりしているからかもしれません。
福岡市から1時間以内でたどり着く離島、能古島。夏場は海水浴やバーベキューなどが楽しめるアウトドアスポットとして特に人気ですが、年中様々な花々が美しい風景を作り出す楽園でもあります。
キレイな景色と島の空気に癒されに、ぜひ出かけてみてはいかがですか。
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴はや18年。3歳娘の子育てをしながら、旅行情報誌を中心に活動中です。

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