“世界一美しい発射場”種子島宇宙センターで未知との遭遇!?

2017.09.11

「世界一美しい」と言われる鹿児島県・種子島のロケット発射場。島の東南端に広がる「種子島宇宙センター」は、日本の宇宙開発における人工衛星打ち上げの中心地です。2017年3月には展示施設「宇宙科学技術館」がリニューアル。宇宙をより身近に、よりダイナミックに感じることができる、宇宙に一番近い島へ行ってきました!

無料の「施設案内ツアー」で、宇宙技術の最先端に最接近!

「種子島宇宙センター」は、青い海と白い砂浜に囲まれ、世界一美しい発射場と呼ばれています。総面積は約970万平方メートル(東京ドーム約200個分!!)。南種子町(みなみたねちょう)の東海岸に位置し、高速船やフェリーが発着する西之表港から車で約90分。種子島空港からは車で約50分の道のりです。
▲種子島宇宙センター内にある宇宙科学技術館

まず最初に、宇宙センター内をバスでめぐる「施設案内ツアー」に参加することにしました。ツアーの集合場所は宇宙科学技術館のエントランスホール。申し込みは事前予約制で、空きがある場合は当日でもOKですが、運行30分前には申し込み締切となります。
▲受付で施設案内ツアーのチケットをゲット
▲大人気の施設案内ツアー。定員に限りがあるため、事前予約がベター

施設案内ツアーは、広大な宇宙センター内をバスで移動して見学できる無料のツアーです。ツアー参加者しか行けない「大型ロケット発射場を望む展望所」「ロケットガレージ」「総合指令棟」をめぐり、所要時間は約1時間15分。バスの出発時刻は11:00、13:30、15:30の1日3回です。なお、センター内の作業状況によっては、見学場所が変更になることもあります。
▲「JAXA」のマークが入ったバスに乗り込めば、テンションも一気に盛り上がります!
▲施設概要やロケット打ち上げ時の様子を専任ガイドがレクチャーしてくれます
▲最初に向かったのは、大型ロケット発射場を望む「ロケットの丘展望所」。ロケット打ち上げの時期でなければ、大型ロケット発射場へ行くそう

種子島宇宙センターには小型、中型、大型とロケット発射場が計3つありますが、現在使用しているのはH-IIAやH-IIBロケットを打ち上げる大型ロケット発射場。「ロケットの丘展望所」からは、その射場や組立棟の全景を見ることができます。

ちなみにH-IIロケットの読み方は「エイチツー」でも「エイチニ」でもどちらでもよいそうです。
▲豊富な知識で質問にもすらすらと答えてくれる、専任ガイドの中園幸恵さん

続いて向かったのは、H-IIロケット7号機の機体や、ロケットエンジンの実物などが展示されている「ロケットガレージ」。模型ではない本物の迫力に圧倒されつつ、複雑かつ精巧な作りに細部までじっと見入ってしまいます。
▲「ロケットガレージ」に保管・展示されている、H-IIロケットの実機
▲H-IIロケットのメインエンジン。ジャンボジェット機のエンジン4基分の推進力があるとか!

展示物には原則として手を触れることができませんが、唯一触れられるのがドーリーのタイヤ。ドーリーとは、ロケットを発射台へと運搬する台車のこと。ドーリー1台に56個のタイヤがあり、タイヤひとつに最大25トンもの荷重がかかるとか。
▲横や斜めにも進むことができるドーリーのタイヤ

続いて「総合指令棟」に向かう道中に、車内で「宇宙クイズ」が出題されました!皆さんもぜひ、一緒に考えてみてください。

さっそく第1問、国際宇宙ステーション(ISS)で食べられないものはどれ?次の3つの中から選んで下さい。
1.ラーメン 2.納豆 3.生野菜

では2問目、ISSに滞在する宇宙飛行士はお風呂に入れる?
1.週に1回 2.シャワーはいつでもOK 3.入れない

答えは本レポートの最後に発表しますのでお楽しみに~。

施設見学ツアーのラストは、ロケット打ち上げ時に指令管制を行う「総合指令棟」。テレビや映画などでよく目にする場所です。
▲ロケット発射の指令管制を行う「総合指令棟」

目を閉じれば過去の打ち上げ時にこの場所で繰り広げられた、いくつもの歓喜や歓声、拍手、ガッツポーズの姿が目に浮かんでくるようです。
▲ここで発射前作業、地上安全確認、発射・追尾など打ち上げの作業全般を行います
▲以上、宇宙への夢とロマンが広がる施設見学ツアーでした!

約1時間15分の施設案内ツアーを終え、ふっと、空を見上げてみました。さっきまで果てしなく遠くに感じていた宇宙が、今ではグッと近づいたような気がします。

リニューアルした「宇宙科学技術館」のココが凄い!

施設案内ツアー以外にも、宇宙センターの見所はたくさん!およそ20年ぶりにリニューアルを果たした宇宙科学技術館では、ロケットはもちろん人工衛星やISS、天体・惑星など宇宙開発のさまざまな分野について、実物大モデルやゲームなどを用いて展示・紹介しています。
▲宇宙科学技術館の受付。入館は無料

まず目を引くのが、大型の壁面および床面スクリーンに映し出される、大迫力のロケット打ち上げの様子。「リフトオフシアター」は映像と音響、スモークを駆使した臨場感あふれる演出で、まるでロケットの発射を間近で見ているかのような体験ができます。
▲ロケット発射の様子を大迫力で体感できる「リフトオフシアター」

次に、ISSの中で、最大の実験モジュールとして注目される有人実験施設「きぼう」の実物大モデルへ。内部に入り実際のスケールを体感できます。
ISS計画にはアメリカ、ロシア、日本など15カ国が最新技術を結集。日本は「きぼう」日本実験棟や、宇宙ステーション補給機「こうのとり」などで参加しています。
▲「きぼう」日本実験棟の実物大モデル

「きぼう」の実物大モデルには、宇宙飛行士気分になれるフォトスポットが新設されました。空中に浮いた果物やパソコン、コードなどが無重力状態を演出。憧れの宇宙飛行士になった気分でパチリ!カメラをあえて傾けたり、ポーズを工夫することでより本物らしく見えるはず。
▲モデル内部では、まるで無重力状態にいるかのような写真が撮れます!

リニューアルした宇宙科学技術館のコンセプトは、宇宙と地球がつながる瞬間を感じられる“生きた場所”。ロケットエリア、フロンティアエリア、サテライトエリア、ステーションエリアをめぐり、宇宙開発の技術や歴史、宇宙の神秘、天体と地球の関係などを楽しく学ぶことができます。
▲天体・惑星など宇宙のさまざまな分野をわかりやすく丁寧に展示しています
▲日本のロケット開発の歴史を模型とともに知ることができます
▲実際に宇宙を体験した飛行士たちの、リアリティのある言葉や手形も展示

順路に沿って歩を進めるうちに、宇宙と地球の関係はもちろん、宇宙と自分自身がつながっていく不思議な感覚を味わうことができる宇宙科学技術館。知的探究心をかきたてる豊富な展示や詳しい説明に加え、音や映像を駆使したダイナミックな演出が見所です。
▲ミュージアムショップで買える「宇宙食」も、気軽に味わえるとっておきの宇宙体験!

広大な敷地には、まだまだ見所がたくさん!

起伏にとんだ自然の造形を活かし、緑の森、青い海、白い砂浜に囲まれた種子島宇宙センター。広大な敷地には自由に散策できる芝生広場があり、H-IIロケットの実物大模型や展望台、発射場跡などが点在しています。
▲芝生広場に展示された実物大のH-IIロケット。その全長はなんと50m!
▲実物大ロケットの中心あたりには宇宙飛行士の等身大モデルも!身長は筆者と同じく180cm。スケール感をご想像ください
▲かつて小型ロケットが打ち上げられていた竹崎射場のランチャー(発射装置)
▲「カーモリの峯展望所」から宇宙センターを望む
▲カーモリの峯展望所から見える奇岩「象の水飲み」。奥に伸びる岬は鉄砲伝来の地・門倉岬

お待たせしました、ここで「宇宙クイズ」の答えです。1問目の正解は、2.の「納豆」。その理由は、「納豆を混ぜたときの糸が、船内をふわふわと漂ってしまうから」。2問目は、3.の「入れない」が正解。ISSに滞在中の飛行士たちは、泡が出にくいドライシャンプーと濡れタオルで体を拭いているそうです。
▲コレクターでなくとも集めたくなるスタンプ。旅の記念に!

「世界一美しい発射場」をめぐるミッションも無事に完了。最後に押した記念のスタンプが(筆者にとっての)宇宙体験修了の証しとなりました。

2017年以降もロケットの打ち上げ予定がいくつか控えている種子島宇宙センター。多くのファンで賑わうロケット打ち上げ当日の見学も魅力的ですが、こうしてゆったりのんびりと施設を見学してまわる一日もとっても贅沢です。
ぜひ、宇宙の神秘と科学技術の進歩を肌で感じる旅へと飛び立ってみては。
高比良有城

高比良有城

1978年、長崎市生まれ(現在は鹿児島市在住)。写真学生時代に屋久島をテーマに撮影をはじめ、20歳で移住。島の情報誌制作に携わりながら丸4年を過ごす。のちに鹿児島市に拠点を移し、フリーランスのフォトグラファー、ライターとして活動。屋久島はもちろん、種子島、奄美群島、トカラ列島、甑島列島など鹿児島の個性あふれる島々にカメラを向ける。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
PAGE TOP