“世界一美しい発射場”種子島宇宙センターで未知との遭遇!?
「世界一美しい」と言われる鹿児島県・種子島のロケット発射場。島の東南端に広がる「種子島宇宙センター」は、日本の宇宙開発における人工衛星打ち上げの中心地です。2017年3月には展示施設「宇宙科学技術館」がリニューアル。宇宙をより身近に、よりダイナミックに感じることができる、宇宙に一番近い島へ行ってきました!

無料の「施設案内ツアー」で、宇宙技術の最先端に最接近!

まず最初に、宇宙センター内をバスでめぐる「施設案内ツアー」に参加することにしました。ツアーの集合場所は宇宙科学技術館のエントランスホール。申し込みは事前予約制で、空きがある場合は当日でもOKですが、運行30分前には申し込み締切となります。


施設案内ツアーは、広大な宇宙センター内をバスで移動して見学できる無料のツアーです。ツアー参加者しか行けない「大型ロケット発射場を望む展望所」「ロケットガレージ」「総合指令棟」をめぐり、所要時間は約1時間15分。バスの出発時刻は11:00、13:30、15:30の1日3回です。なお、センター内の作業状況によっては、見学場所が変更になることもあります。



種子島宇宙センターには小型、中型、大型とロケット発射場が計3つありますが、現在使用しているのはH-IIAやH-IIBロケットを打ち上げる大型ロケット発射場。「ロケットの丘展望所」からは、その射場や組立棟の全景を見ることができます。
ちなみにH-IIロケットの読み方は「エイチツー」でも「エイチニ」でもどちらでもよいそうです。

続いて向かったのは、H-IIロケット7号機の機体や、ロケットエンジンの実物などが展示されている「ロケットガレージ」。模型ではない本物の迫力に圧倒されつつ、複雑かつ精巧な作りに細部までじっと見入ってしまいます。


展示物には原則として手を触れることができませんが、唯一触れられるのがドーリーのタイヤ。ドーリーとは、ロケットを発射台へと運搬する台車のこと。ドーリー1台に56個のタイヤがあり、タイヤひとつに最大25トンもの荷重がかかるとか。

続いて「総合指令棟」に向かう道中に、車内で「宇宙クイズ」が出題されました!皆さんもぜひ、一緒に考えてみてください。
さっそく第1問、国際宇宙ステーション(ISS)で食べられないものはどれ?次の3つの中から選んで下さい。
1.ラーメン 2.納豆 3.生野菜
では2問目、ISSに滞在する宇宙飛行士はお風呂に入れる?
1.週に1回 2.シャワーはいつでもOK 3.入れない
答えは本レポートの最後に発表しますのでお楽しみに~。
施設見学ツアーのラストは、ロケット打ち上げ時に指令管制を行う「総合指令棟」。テレビや映画などでよく目にする場所です。

目を閉じれば過去の打ち上げ時にこの場所で繰り広げられた、いくつもの歓喜や歓声、拍手、ガッツポーズの姿が目に浮かんでくるようです。


約1時間15分の施設案内ツアーを終え、ふっと、空を見上げてみました。さっきまで果てしなく遠くに感じていた宇宙が、今ではグッと近づいたような気がします。
リニューアルした「宇宙科学技術館」のココが凄い!

まず目を引くのが、大型の壁面および床面スクリーンに映し出される、大迫力のロケット打ち上げの様子。「リフトオフシアター」は映像と音響、スモークを駆使した臨場感あふれる演出で、まるでロケットの発射を間近で見ているかのような体験ができます。

次に、ISSの中で、最大の実験モジュールとして注目される有人実験施設「きぼう」の実物大モデルへ。内部に入り実際のスケールを体感できます。
ISS計画にはアメリカ、ロシア、日本など15カ国が最新技術を結集。日本は「きぼう」日本実験棟や、宇宙ステーション補給機「こうのとり」などで参加しています。

「きぼう」の実物大モデルには、宇宙飛行士気分になれるフォトスポットが新設されました。空中に浮いた果物やパソコン、コードなどが無重力状態を演出。憧れの宇宙飛行士になった気分でパチリ!カメラをあえて傾けたり、ポーズを工夫することでより本物らしく見えるはず。

リニューアルした宇宙科学技術館のコンセプトは、宇宙と地球がつながる瞬間を感じられる“生きた場所”。ロケットエリア、フロンティアエリア、サテライトエリア、ステーションエリアをめぐり、宇宙開発の技術や歴史、宇宙の神秘、天体と地球の関係などを楽しく学ぶことができます。



順路に沿って歩を進めるうちに、宇宙と地球の関係はもちろん、宇宙と自分自身がつながっていく不思議な感覚を味わうことができる宇宙科学技術館。知的探究心をかきたてる豊富な展示や詳しい説明に加え、音や映像を駆使したダイナミックな演出が見所です。

広大な敷地には、まだまだ見所がたくさん!





お待たせしました、ここで「宇宙クイズ」の答えです。1問目の正解は、2.の「納豆」。その理由は、「納豆を混ぜたときの糸が、船内をふわふわと漂ってしまうから」。2問目は、3.の「入れない」が正解。ISSに滞在中の飛行士たちは、泡が出にくいドライシャンプーと濡れタオルで体を拭いているそうです。

「世界一美しい発射場」をめぐるミッションも無事に完了。最後に押した記念のスタンプが(筆者にとっての)宇宙体験修了の証しとなりました。
2017年以降もロケットの打ち上げ予定がいくつか控えている種子島宇宙センター。多くのファンで賑わうロケット打ち上げ当日の見学も魅力的ですが、こうしてゆったりのんびりと施設を見学してまわる一日もとっても贅沢です。
ぜひ、宇宙の神秘と科学技術の進歩を肌で感じる旅へと飛び立ってみては。
種子島宇宙センター
鹿児島県熊毛郡南種子町大字茎永字麻津
[開館時間]9:30~17:00
[休館日]月曜(月曜が祝日の場合は火曜。8月は原則無休)、12月29日~1月1日、臨時休館あり
[入館料/施設案内ツアー]無料
0997-26-9244

高比良有城
1978年、長崎市生まれ(現在は鹿児島市在住)。写真学生時代に屋久島をテーマに撮影をはじめ、20歳で移住。島の情報誌制作に携わりながら丸4年を過ごす。のちに鹿児島市に拠点を移し、フリーランスのフォトグラファー、ライターとして活動。屋久島はもちろん、種子島、奄美群島、トカラ列島、甑島列島など鹿児島の個性あふれる島々にカメラを向ける。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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