異世界すぎる!「上色見熊野座神社」で、神秘の世界にトリップしてきた
熊本県・奥阿蘇エリアにある高森町に、今、密かに人気を集めるパワースポットがあります。それが「上色見熊野座(かみしきみくまのいます)神社」。人気漫画作品の舞台になったことで人気に火が付き、異世界のような景色を求めて全国から多くの人が訪れています。手つかずの自然の中で長い時を刻んできた神秘の場所を、全身で体感してきました。

阿蘇の大自然の景色を楽しみながら、神秘の世界へ出発!

そんなのどかな景色を楽しみながらさらに車を走らせ、国道325号線から265号線に入って箱石峠方面へ上ります。急に道路沿いの森が深くなったと思ったら、お目当ての「上色見熊野座神社」の看板が見えました。

ここを一度通りすぎて、100m先にある無料駐車場に車を駐めましょう。取材日は平日だったにもかかわらず、すでに多くの県外ナンバーの車がずらり。注目度の高さが感じられます。

さあ、階段を上って鳥居をくぐれば、そこからは異世界です。ちなみに参道は260段以上の階段が続き、足場が悪い場所もあるので、ヒールなど歩きにくい靴は避けたほうがよいかも。また、参道途中には簡易トイレが1個あるのみなので、近くの公園などでお手洗いも済ませて来た方がよいでしょう。夏場は夕立や急な通り雨が多い地域なので、雲の様子を見て折りたたみ傘などを持っておくとベターです。

参道を進むと、最初は土の道が少し続きます。目の前は、苔やツタ、杉の木が織り成す緑一色の異空間。国道から入ったばかりなのに、不思議と静かです。


少し歩くと石段が現れました。ここからは階段がずっと続きます。運動不足の人は、少し覚悟が必要な傾斜です。苔やシダに覆われたたくさんの石灯籠や石段、石垣を見ながら上っていく内に、だんだんと森が深くなってゆきます。どこか違う世界へと一歩一歩足を進めているような気分です…。



うっそうとした森の先にある神殿へ。縁結びや商売繁盛のご利益も

石段を10分ほど登り続けると、ようやく神殿に続く鳥居が見えて来ました。ここで少し足を止めましょう。というのも、ここは参道の一番の撮影スポット。苔むした石灯籠と階段がもたらす奥行き、さらに素朴な鳥居がもたらす神秘の景色がとってもフォトジェニックなのです!
上色見熊野座神社は、『夏目友人帳』で有名な漫画家・緑川ゆき先生(熊本県出身)の短編作品『蛍火の杜へ』の舞台となった場所で、その作品はアニメ映画化もされています。この鳥居の景色も、作中の印象的なシーンに登場するので、作品の舞台を巡る“聖地巡礼”の人達が、必ず写真を抑えるスポットです。



260段以上の階段を上りきり、ついに神殿に着きました。昔から高森の住人達が密かに守ってきた、無人の小さな神殿です。
神殿に掲げられている説明文によると、こちらには伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)、石君大将軍(阿蘇山を創った神・健磐龍命〈たけいわたつのみこと〉の荒魂といわれる)が祀られています。

境内には、この神社の御神木である梛(なぎ)の木が植えられています。梛は昔から魔除けの力があると信じられ、その葉はお守りとして用いられることもあったそう。さらに、男女の縁結びや、人との御縁を結ぶ縁起の良い木とされています。恋愛成就や商売繁盛をお願いするのもよいかもしれません。


ちなみに、おみくじは賽銭箱のすぐ横にさり気なくおいてあります。おみくじの代金は、賽銭箱に入れましょう。このゆるい感じも、素朴な神社ならではですね。


鬼が岩を蹴破った!?大きな風穴で全身に勝ちパワーを浴びる


急な傾斜の山道を登ると、なにやら洞窟のようなものが見えて来ました。でも、確かに穴の向こう側の景色が見えます…。たどり着くと、確かに大きな穴が!これが「穿戸岩」です。岩が大きすぎて、山肌がえぐられたような迫力の風穴です。

この「穿戸岩」は、参道と神殿から真っすぐ伸びた延長線上にあります。阿蘇山の神・健磐竜命の従者であった鬼八法師が蹴破ったといわれており、昔から地域の人に大切に守られてきたパワースポットです。大きな岩山を風穴が貫いていることから、どんな困難でもやり抜き通せる象徴として、この岩に触れると合格や必勝のご利益があるといわれています。
もちろん、岩にしっかり触れてきました。何事にも勝つにこしたことはありません!


現実の世界とは思えないような、美しく厳かで、幻想的な空間の中でお参り。キレイな空気とパワーをもらって、参道を下り終わる頃には生まれ変わったような心地になりました。非日常の空間に触れたい方や、幻想的な写真を撮りたい人に、ぜひ訪れて欲しいパワースポットです。
ちなみに、オススメの季節は春~初秋の緑が多い時期。晴れの日よりは、少し曇っている日の方が神秘的な雰囲気が増します。早朝や夕暮れ、霧や雨などもよく似合います。また、杉の隙間から紅葉が見える晩秋や、枯れ枯れしい色合いになる冬の景色も、乙なものです。いろんな表情を楽しみたいですね。

上色見熊野座神社
熊本県阿蘇郡高森町上色見2619
[参拝可能時間]24時間
0967-62-1111(高森町政策推進課商工観光係)
もう1つのパワースポット。神秘の枝を持つ杉の巨木

国道325号線から脇道に入り、細い牧野地の道路を上ること約5分。「高森殿の杉」と書かれた入り口が現れます。

実はここ、一年中肉用牛が放牧されている牧野地です。そのため、入り口には手と靴の裏用の消毒液が設置されているほか、牛が敷地外に逃げないよう扉横の細い通路を入っていく必要があります。他にもいくつか注意事項があるので、注意して入るようにしましょう。


敷地内に入ったら、坂道を100mほど登ります。放牧地の中なので、時には牛と遭遇することもあるのだとか。基本的に牛さん達は大人しいので、もし間近に来ても刺激せずにゆっくり進めば大丈夫です。足元に牛糞が落ちていることも多いので、気をつけます!

森の入り口にたどり着いたら、立て看板の横からくぐって入ります。すると、すぐ眼下に巨大な杉の木が見えて来ます。これが「高森殿の杉」です!


樹齢400年以上、幹周りは10m以上の2本の杉の巨木がそびえ立ちます。周囲の杉の木は普通なのに、この2本だけが巨大で、そして枝が曲がりくねっています。壮観なような、少しおどろおどろしいような…。今まで見たことないような、ものすごい枝ぶりです。

この場所は、戦国時代に当時の高森城主であった高森伊予守惟居(これきよ)と側近が、他国の侵攻を受けて逃げ、自刃をした地として伝えられています。2人はそれぞれ、この2本の木のたもとで切腹したとの言い伝えがあり、「高森殿の杉」の名前の由来となっています。そう聞くと、この異様な枝ぶりに何らかの思いがこもっているような気持ちになります。

一方で、嬉しいご利益もあるとか。寄り添うように立つ2本の杉を雄杉と雌杉に見立ててこの杉に抱きつき、パワーをもらった所、直後に結婚が決まった人がいるという噂も。縁結びや結婚成就のご利益があるパワースポットとしても、人気を集めています。

この杉の周りだけ外界と切り離されたような幻想的な空間。科学や理屈だけでは説明できないような、不思議な何かを感じられる場所でした。きっとこの杉のパワーが、幸福な出会いをもたらしてくれるはず…!

高森殿の杉
熊本県阿蘇郡高森町高森3341-1
[入場可能時間]24時間
[入場料]無料
0967-62-1111(高森町政策推進課商工観光係)

中川千代美
長崎生まれ、熊本在住。地方出版社に勤めたのち、「チヨミ編集事務所」として独立。地域の子育て情報誌や生活情報紙をはじめ、幅広いジャンルの編集・ライティング・企画を手がける。食欲・物欲・お出かけ欲・温泉欲・ビール欲が赴くままに熊本・九州を駆け回る日々。趣味は二胡。(編集/株式会社くらしさ)
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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