異世界すぎる!「上色見熊野座神社」で、神秘の世界にトリップしてきた

2017.09.20

熊本県・奥阿蘇エリアにある高森町に、今、密かに人気を集めるパワースポットがあります。それが「上色見熊野座(かみしきみくまのいます)神社」。人気漫画作品の舞台になったことで人気に火が付き、異世界のような景色を求めて全国から多くの人が訪れています。手つかずの自然の中で長い時を刻んできた神秘の場所を、全身で体感してきました。

▲苔むした杉林の中の参道を歩くだけでも、全身にパワーがみなぎるよう

阿蘇の大自然の景色を楽しみながら、神秘の世界へ出発!

九州自動車道・熊本ICもしくは益城熊本空港ICから車で約1時間。南阿蘇方面を奥へ奥へと進むと、宮崎県高千穂町との県境手前にある高森町に着きます。深い森や昔ながらの里山の景色を色濃く残しており、「奥阿蘇」とも呼ばれるこのエリア。阿蘇の大自然の恵みを感じられる地域です。
▲高森町から阿蘇五岳を望む景色も素晴らしい(写真は、神社近くの「月廻り公園」から)

そんなのどかな景色を楽しみながらさらに車を走らせ、国道325号線から265号線に入って箱石峠方面へ上ります。急に道路沿いの森が深くなったと思ったら、お目当ての「上色見熊野座神社」の看板が見えました。
▲国道265号線沿いに登り口があります。道向かいにある「色見郵便局」を目印に

ここを一度通りすぎて、100m先にある無料駐車場に車を駐めましょう。取材日は平日だったにもかかわらず、すでに多くの県外ナンバーの車がずらり。注目度の高さが感じられます。
▲専用の駐車場は広々。ここから道路を渡り、来た道を100mほど戻れば神社の入り口に

さあ、階段を上って鳥居をくぐれば、そこからは異世界です。ちなみに参道は260段以上の階段が続き、足場が悪い場所もあるので、ヒールなど歩きにくい靴は避けたほうがよいかも。また、参道途中には簡易トイレが1個あるのみなので、近くの公園などでお手洗いも済ませて来た方がよいでしょう。夏場は夕立や急な通り雨が多い地域なので、雲の様子を見て折りたたみ傘などを持っておくとベターです。
▲鳥居をくぐると、杉並木の中で参道が奥へ奥へと伸びています

参道を進むと、最初は土の道が少し続きます。目の前は、苔やツタ、杉の木が織り成す緑一色の異空間。国道から入ったばかりなのに、不思議と静かです。
▲取材に行ったのは8月の上旬。真夏にもかかわらず、木陰は不思議とひんやり涼しさを感じます
▲参道の左右にはうっそうとした杉の森が広がります。空気が気持ちいい

少し歩くと石段が現れました。ここからは階段がずっと続きます。運動不足の人は、少し覚悟が必要な傾斜です。苔やシダに覆われたたくさんの石灯籠や石段、石垣を見ながら上っていく内に、だんだんと森が深くなってゆきます。どこか違う世界へと一歩一歩足を進めているような気分です…。
▲木漏れ日が届かなくなると、一層神秘的な雰囲気が高まります。妖怪が出てきても驚きません
▲むき出しの木の根や崩れかけた石段もあるので、足元には気をつけて。この「ありのまま」な感じも魅力です
▲苔好きにもたまらないスポット!

うっそうとした森の先にある神殿へ。縁結びや商売繁盛のご利益も

▲連なる灯籠の奥に鳥居、その奥に神殿が

石段を10分ほど登り続けると、ようやく神殿に続く鳥居が見えて来ました。ここで少し足を止めましょう。というのも、ここは参道の一番の撮影スポット。苔むした石灯籠と階段がもたらす奥行き、さらに素朴な鳥居がもたらす神秘の景色がとってもフォトジェニックなのです!

上色見熊野座神社は、『夏目友人帳』で有名な漫画家・緑川ゆき先生(熊本県出身)の短編作品『蛍火の杜へ』の舞台となった場所で、その作品はアニメ映画化もされています。この鳥居の景色も、作中の印象的なシーンに登場するので、作品の舞台を巡る“聖地巡礼”の人達が、必ず写真を抑えるスポットです。
▲鳥居から奥の神殿を見上げる構図は、ぜひ撮っておきたいカット
▲参道には100基を超える石灯籠が連なっています
▲少し登って鳥居を見下ろす構図も絵になります。作中でも登場人物が並んで下っていた場所

260段以上の階段を上りきり、ついに神殿に着きました。昔から高森の住人達が密かに守ってきた、無人の小さな神殿です。

神殿に掲げられている説明文によると、こちらには伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)、石君大将軍(阿蘇山を創った神・健磐龍命〈たけいわたつのみこと〉の荒魂といわれる)が祀られています。
▲厳かな雰囲気の境内に、素朴な佇まいの神殿

境内には、この神社の御神木である梛(なぎ)の木が植えられています。梛は昔から魔除けの力があると信じられ、その葉はお守りとして用いられることもあったそう。さらに、男女の縁結びや、人との御縁を結ぶ縁起の良い木とされています。恋愛成就や商売繁盛をお願いするのもよいかもしれません。
▲梛の葉には葉脈がなく、縦にはすぐ割けるが横にはなかなか割けないことから、縁結びのご利益があるといわれているそう
▲しっかりお参りをします。いろんな御縁がありますように…!

ちなみに、おみくじは賽銭箱のすぐ横にさり気なくおいてあります。おみくじの代金は、賽銭箱に入れましょう。このゆるい感じも、素朴な神社ならではですね。
▲神殿の壇上に、おみくじのご案内。ちょっぴりシュール
▲出ました大吉!神社のパワーをいっぱいに浴びて、良いことがありそうです。

鬼が岩を蹴破った!?大きな風穴で全身に勝ちパワーを浴びる

神殿のすぐ脇から、さらに上に登る通路があります。これは、神社にあるもう一つのパワースポット「穿戸岩(うげといわ)」へと続く道です。なんでも、岩にとんでもなく大きな穴が空いているとか…。早速向かいます。
▲ハードな山道を少しだけ登ります。未舗装の道なので、杖を使って安全に進みましょう
▲熊本地震の影響で道が崩れている場所があるので(2017年8月現在)、迂回して進みましょう

急な傾斜の山道を登ると、なにやら洞窟のようなものが見えて来ました。でも、確かに穴の向こう側の景色が見えます…。たどり着くと、確かに大きな穴が!これが「穿戸岩」です。岩が大きすぎて、山肌がえぐられたような迫力の風穴です。
▲縦横10mもの大きな穴!ここだけ、風がびゅんびゅんと吹き抜けます。天然扇風機のよう!

この「穿戸岩」は、参道と神殿から真っすぐ伸びた延長線上にあります。阿蘇山の神・健磐竜命の従者であった鬼八法師が蹴破ったといわれており、昔から地域の人に大切に守られてきたパワースポットです。大きな岩山を風穴が貫いていることから、どんな困難でもやり抜き通せる象徴として、この岩に触れると合格や必勝のご利益があるといわれています。
もちろん、岩にしっかり触れてきました。何事にも勝つにこしたことはありません!
▲神話の世界に迷い込んだような、不思議な景色です
▲岩の裏側に回ると、真下に神殿の屋根が見えます。この空洞も神社のご神体。中には賽銭箱もあるので、お参りをしましょう

現実の世界とは思えないような、美しく厳かで、幻想的な空間の中でお参り。キレイな空気とパワーをもらって、参道を下り終わる頃には生まれ変わったような心地になりました。非日常の空間に触れたい方や、幻想的な写真を撮りたい人に、ぜひ訪れて欲しいパワースポットです。

ちなみに、オススメの季節は春~初秋の緑が多い時期。晴れの日よりは、少し曇っている日の方が神秘的な雰囲気が増します。早朝や夕暮れ、霧や雨などもよく似合います。また、杉の隙間から紅葉が見える晩秋や、枯れ枯れしい色合いになる冬の景色も、乙なものです。いろんな表情を楽しみたいですね。
▲雨の日の風景。神聖な雰囲気がより一層感じられます

もう1つのパワースポット。神秘の枝を持つ杉の巨木

昔ながらの大自然や里山が多く残る高森町には、ほかにも注目を集めるパワースポットがあります。その1つが、上色見熊野座神社から車で10分ほどの場所にある「高森殿(たかもりどん)の杉」です。
▲杉の巨木から、縦横無尽に枝が伸びています

国道325号線から脇道に入り、細い牧野地の道路を上ること約5分。「高森殿の杉」と書かれた入り口が現れます。
▲ここが入り口です。道向かいには数台分の駐車場も整備されています

実はここ、一年中肉用牛が放牧されている牧野地です。そのため、入り口には手と靴の裏用の消毒液が設置されているほか、牛が敷地外に逃げないよう扉横の細い通路を入っていく必要があります。他にもいくつか注意事項があるので、注意して入るようにしましょう。
▲入り口には注意書きが。牛の安全のためにも、しっかり守りましょう
▲すぐ横で牛たちがのびのびと過ごしています。阿蘇名物の肥後あか牛でしょうか?

敷地内に入ったら、坂道を100mほど登ります。放牧地の中なので、時には牛と遭遇することもあるのだとか。基本的に牛さん達は大人しいので、もし間近に来ても刺激せずにゆっくり進めば大丈夫です。足元に牛糞が落ちていることも多いので、気をつけます!
▲地味にきつい登り坂。こんもりと見える杉の木が、お目当ての場所です

森の入り口にたどり着いたら、立て看板の横からくぐって入ります。すると、すぐ眼下に巨大な杉の木が見えて来ます。これが「高森殿の杉」です!
▲生い茂る杉の枝をくぐって入ると…
▲すぐに大きな杉の木が現れました!ちなみに、ここまで放牧牛が入ってくることもまれにあるそう

樹齢400年以上、幹周りは10m以上の2本の杉の巨木がそびえ立ちます。周囲の杉の木は普通なのに、この2本だけが巨大で、そして枝が曲がりくねっています。壮観なような、少しおどろおどろしいような…。今まで見たことないような、ものすごい枝ぶりです。
▲下から見上げると、さらにこの木の大きさと枝ぶりの不思議さが分かります

この場所は、戦国時代に当時の高森城主であった高森伊予守惟居(これきよ)と側近が、他国の侵攻を受けて逃げ、自刃をした地として伝えられています。2人はそれぞれ、この2本の木のたもとで切腹したとの言い伝えがあり、「高森殿の杉」の名前の由来となっています。そう聞くと、この異様な枝ぶりに何らかの思いがこもっているような気持ちになります。
▲枝分かれし地面まで伸びた枝からは根が出て、またそこから上に伸びています。ものすごい生命力です

一方で、嬉しいご利益もあるとか。寄り添うように立つ2本の杉を雄杉と雌杉に見立ててこの杉に抱きつき、パワーをもらった所、直後に結婚が決まった人がいるという噂も。縁結びや結婚成就のご利益があるパワースポットとしても、人気を集めています。
▲支え合うように立つ2本の巨木。その不思議な枝ぶりは、いつまで見ていても飽きません

この杉の周りだけ外界と切り離されたような幻想的な空間。科学や理屈だけでは説明できないような、不思議な何かを感じられる場所でした。きっとこの杉のパワーが、幸福な出会いをもたらしてくれるはず…!
▲高森殿の杉から駐車場へと戻る途中、阿蘇平野を一望できる素敵な景色が飛び込んできました
阿蘇の奥地で出合った、2ヵ所の不思議なパワースポット。巡る内に、心身が奥底から洗浄されたような心地になりました。持参したスマホは、映画の中の世界のような写真でいっぱい!美しく神秘的なパワースポット、ぜひ訪れてみてくださいね。
中川千代美

中川千代美

長崎生まれ、熊本在住。地方出版社に勤めたのち、「チヨミ編集事務所」として独立。地域の子育て情報誌や生活情報紙をはじめ、幅広いジャンルの編集・ライティング・企画を手がける。食欲・物欲・お出かけ欲・温泉欲・ビール欲が赴くままに熊本・九州を駆け回る日々。趣味は二胡。(編集/株式会社くらしさ)

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