南禅寺 三門からの京都の絶景、レトロな水路閣…フォトジェニックなお寺巡り

2017.08.21

石川五右衛門の名せりふ「絶景かな、絶景かな」。歌舞伎「山門」(さんもん)の舞台となった三門(さんもん)のほか、レンガ造りの水路閣や禅の世界を表わした庭園など、南禅寺の素敵な写真が撮れるポイントをご紹介します。

臨済宗大本山 京都指折りの格式を誇る寺院を散策

京都洛東にある南禅寺は、臨済宗南禅寺派の大本山。京都でも屈指の格式をほこるお寺です。創建は約710年前の正応4(1291)年。文永元(1264)年に造営された離宮を、亀山天皇が法皇となられたのちに禅寺と改められたのが始まりです。
▲「中門」。威風堂々とした大本山の文字が映えます

室町時代には「五山之上」に列せられています。五山とは京都の禅寺のうちトップ5の格式をもつお寺のことです。南禅寺はさらにその上、別格に位置していました。創建時の伽藍は室町時代をはじめ3回の火災で焼失し、現在のものは江戸時代初期以降に再建されています。
▲国の重要文化財に指定されている「勅使門」
さっそく寺院の中へ。中門をくぐり左に進みます。勅使門を背にすると、前方に大きな三門が見えてきます。
▲近づいていくとかなりの大きさ!参拝者と比べると大きさがよくわかります
さっそく最初のフォトスポットが!こちらの三門は別名「天下龍門」と呼ばれ、日本三大門の一つに数えられています。寛永5(1628)年、大坂夏の陣で戦った武将や兵士の慰霊のために藤堂高虎より寄進建立されたものです。
三門を支える大きな柱越しに、法堂(はっとう)の方向を望みます。影に切り取られまるで巨大な絵画のような美しい景色が広がるここは、マストで押さえておきたいフォトスポット。春は桜、秋は紅葉と四季折々の景色が映し出されますが、夏の緑も素敵ですね。
▲三門の周辺は見事な苔の庭がひろがります
法堂を背に三門を眺めます。緑に染まる木々の向こうにそびえる姿はまさに威風堂々です。それでは、いよいよ楼上に登っていきましょう!
三門の楼上への入り口は、法堂側にあります。
受付で拝観料(大人500円、高校生400円、小中学生300円)を支払い、靴を脱いで上にあがります。ちなみに楼上に登る階段はかなり急なので、気をつけて登ってください。

絶景かな、絶景かな
高さ22m!迫力の三門から京都市内を一望

急な階段を上ると、目の前がパーッと開けます。すごい解放感!寺院周辺の木々の向こうに、京都の街並みが広がります。

歌舞伎「楼門五三桐」で、石川五右衛門がこの三門からの景色をみて「絶景かな、絶景かな」と見得を切るのはあまりに有名です。
パーンと開けた景色が撮影できる三門中央や、建物を画角に収めつつ撮影できる角がおすすめのフォトスポットです。
▲三門中央から京都市北西の景色

楼上の天井や柱・梁には狩野派の天人や鳳凰が描かれていますが、ここは残念ながら撮影禁止。心のカメラに焼き付けておいてください。
▲法堂方面の景色。写真左の方向には五山の送り火で有名な大文字山があります

法堂、水路閣、南禅院、方丈庭園…
まだまだあるフォトスポットを紹介

法堂は法式行事や公式の法要が行われる場所で、南禅寺の中心となる建物です。創建当時のものは焼失していますが、明治42(1909)年に再建されています。

法堂には本尊釈迦如来、文殊菩薩、普賢(ふげん)菩薩の三尊像が安置され、天井には明治から大正時代に活躍した画家・今尾景年(いまおけいねん)作の幡龍が描かれています。
法堂の南側にある南禅院へ向かう途中、レンガ造りの建築物が見えてきます。ドラマや映画のロケでもおなじみの水路閣は、琵琶湖の湖水を京都市内に引く「琵琶湖疏水」のために明治23(1890)年に建てられました。
▲橋脚を覗くようにカメラを向けると、合わせ鏡のような不思議な写真が撮影できます

アーチ型の橋脚が作り出す風景。レンガ造りのレトロな感じも素敵です。
格式高い寺院の中に西洋風の大きな建築はなんだかアンマッチな感じもしますが、その不思議な景観で面白い写真が撮影できるということで、若者や海外からの観光客にも人気のスポットになっています。
▲「南禅院」。拝観料:大人300円、高校生250円、小中学生150円

水路閣を背に階段を上ると、美しい池泉回遊式庭園で知られる「南禅院」に到着。ここは出家し法皇となられた亀山天皇が寄進した離宮の遺跡であり、また南禅寺発祥の地でもあります。
当時のおもかげを残す庭園は、鎌倉時代末の代表的池泉回遊式で、周囲を深い樹林で包まれた庭は幽玄な雰囲気を醸しています。また作庭は亀山法皇自身ともいわれ、京都の三名勝史跡庭園の一つに数えられています。
最後に紹介するのは、国宝に指定されている方丈庭園です。

方丈は、通常の寺院の金堂や本堂にあたります。慶長16(1611)年、京都御所の建物などを移築し、再建されました。拝観料(大人500円、高校生400円、小中学生300円)を支払い、靴を脱いで中へはいります。
薄暗い廊下を進むと見えてくるのが、江戸時代初期の代表的枯山水庭園である方丈庭園です。当時の作庭家・小堀遠州(こぼりえんしゅう)作と伝えられ、虎が子虎を連れて川を渡るさまをかたどった「虎の子渡しの庭」と呼ばれています。
白砂を川に、大岩を親虎、周囲の小岩を子虎に見立てています。岩の対角線側からカメラを向けると、大日山の借景も含めた見事な写真が撮れますよ。
こちらは別名「如心庭(にょしんてい)」と呼ばれる小方丈庭園。「心」の字形に庭石を配した枯山水の石庭で、解脱した心の如く、落ち着いた雰囲気を醸しています。いずれの庭園も方丈内をぐるりと回遊しながら眺めることができます。禅の総本山だけあって、庭園を眺めているだけで不思議と心が鎮まってきますね。
▲天上・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄の6つの世界を表した「六道庭」も順路で見られます

いかがでしたか?迫力の絶景を望む三門や、アーチ型の橋脚が不思議な風景を醸す水路閣、心鎮まる禅の庭園など、フォトジェニックなスポットが多数ある南禅寺。素敵な写真をたくさん撮りたいなら、おすすめのお寺です。

【南禅寺までのアクセス】
[電車]京都市営地下鉄「蹴上駅」下車、徒歩約10分
[バス]京都市バス「東天王町」または「南禅寺・永観堂道」下車、徒歩約10分
妙加谷 修久

妙加谷 修久

京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得しました。

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