最も大阪らしい街・新世界で、最も大阪的な串かつを

2015.09.15

一番大阪らしい“昭和”を感じさせる下町・新世界。通天閣に天王寺動物園、そしてジャンジャン横丁。また「ソース二度づけお断り」で有名な串かつはこの街が本場。小説や漫画、映画や朝ドラの舞台として描かれることの多い「なにわ庶民の街」の素顔に、おいしくて気軽な串かつでふれる。

「串かつの街」といっても過言ではない新世界

新世界は飲食店が多く、それも串かつ、うどん、お好み焼き…と「安くてうまい、なにわフード」を出す庶民的な店が多く集まる街。

そしてなんといっても一番多いのが串かつ屋だ。
ジャンジャン横丁から新世界に一歩足を踏み入れるだけで、3軒に2軒は串かつ屋さん、といった感じなのがわかる。
そんな串かつ屋さん、店の外見から串かつの衣や揚げ方やスタイル、ソースまでどこも店の個性が出ていて、「今日はこの店」「今度はあの店」と食べ歩くのも楽しい。
下の写真をご覧あれ。この一角など、4軒串かつ屋が並んでいる。
わたしの好きな店は「だるま」。昭和4年(1929年)創業の元祖串かつで、このエリアに4軒ある。ロケーション的に気分が高まるのは、通天閣の塔脚のほんのそばにある通天閣店。
衣のパン粉が細かくてサクッとしておいしい。ソースも軽くてほいほいいくらでも食べられるのが持ち味。そしてなによりも店の若い活気が、より串かつをうまくさせてくれる。

ところで「ソース二度づけお断り」のパブリックなルール。
これは知らない客同士が気持ちよく食べられて、なおかつソースを余分にかけたり残したりしない「合理的」な、大阪らしい精神が生きている。

揚げたてで出てくる串かつはほとんどが105円(税別)。10本食べても千円ちょっと。
食べ方はまず、ソース(バットに入っていることが多い)にドボンとつける。そして皿のうえにのせる。がぶりとかじって串を引き抜きながら食べ、ビールで流し込む。
うまい! おいしい!
食べたいものをどんどん揚げてもらおう。
無料のキャベツは手でつまんでソースに漬けて食べる。
またビールをぐびり。
▲きょうのおすすめ、キス
▲そして季節限定夏のハモ。京都ではハモは料亭で出される高級食材だが、ここでは串かつメニューに(210円・税別)。奥はカリッとおいしいしそにんにく
▲串かつにソースがつけ足りなかっても心配は無用。キャベツでソースをすくってかけるんです
▲おなじみのだるま会長キャラクター。ストラップなどグッズも販売

庶民の街と通天閣

新世界への最寄駅は地下鉄御堂筋線の動物園前。
「天王寺動物園、天王寺公園(美術館)、通天閣、新世界」と表記がある1番出口。動物の足あとペインティングにそって歩き街に出よう。
JR大阪環状線のガードを潜ると、すぐにジャンジャン横丁に出る。
いきなり大きなビリケンさんの人形がお出迎え。いろいろな飲食店に混じり、将棋と麻雀店がある。昭和な懐かしい雰囲気。
▲すっぽん料理店も大阪らしい
新世界のど派手、コテコテ飲食店。それにしてもいたるところビリケンさんなどキャラクターだらけ。「サンパツ」店もこの通り
大衆演劇の「朝日劇場」、映画館の「新世界国際」。そして銭湯。うどん屋さんもタイムトリップ。
▲こちらは開園100周年を迎えた天王寺動物園
「空に灯がつく通天閣に」と村田英雄が「王将」で歌い、広く知られる通天閣。
新世界のど真ん中に立つ大阪ミナミのシンボル、通天閣は二代目だ。
明治45年(1912年)。パリ、ニューヨークを模倣してつくられた新世界は、真ん中にそびえる初代の通天閣(エッフェル塔を模したという)と遊園地「ルナパーク」(ニューヨークのコニーアイランドの同名遊園地に似せたという)とともに出来た。
第二次世界大戦中に解体され、現在の二代目通天閣は昭和31年(1956年)に完成。現在は国の登録有形文化財になっている。「ルナパーク」のジオラマは3階に展示している。

なにわのシンボル通天閣の高さは103.3メートル。展望台へは地下の「通天閣わくわくランド」から入って、エレベーターでいったん2階に上がる。
2階は「オーサカの休日」に始まり、くらくらするような「日本一のコテコテ」ばかり。
▲入場チケットはなんと「開運招福祈願札」。なのでビリケンさんの足の裏にペタッと
さらにエレベーターで上がり、地上87.5メートルにある「5階」の黄金展望台へ。
日本一の高さを誇る300メートルの超高層ビル「あべのハルカス」が天王寺動物園・公園越しに目の前に見える。
▲ビリケンさんのご本尊?が展望台に。足の裏をなでるとご利益が。なのですり減っている
▲最後まで大阪のこの調子。「なんでやねん」「どないやねん」は、こっちが言いたいとこやわ!
江弘毅

江弘毅

編集者。京阪神エルマガジン社時代に雑誌『ミーツ・リージョナル』を立ち上げ、12年間編集長を務める。著書『飲み食い世界一の大阪』(ミシマ社)、『「うまいもん屋」からの大阪論』(NHK出版新書)など、主に大阪の街や食についての著書多数。編集出版集団140B取締役編集責任者。

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