青蓮院門跡 癒しの光に包まれるライトアップや庭園、大舞台からの絶景も

2018.10.20 更新

天台宗の三門跡寺院のひとつに数えられる「青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)」。春秋に行われるライトアップのほか、室町時代作庭の見事な庭園、飛地の境内にある大舞台からの絶景など、思わず写真に撮りたくなる魅力を紹介します。

幻想的な青い光が照らしだす、ライトアップが話題のスポット

静寂と青い光に包まれる、幽玄の庭園…。

毎年春と秋に庭園のライトアップが行われる「青蓮院門跡」。大小1,000の照明器具が庭園内の木々や竹林、苔の庭などの境内を余すところなく照らしだします。
本尊としてまつられている熾盛光如来(しょじょうこうにょらい)は光の化身とも呼ばれていて、「光」との縁も深い青蓮院門跡。ありがたい光に包まれながら、昼とは違う庭園の表情を楽しめます。

幻想的なライトアップが美しいと話題の青蓮院門跡。その歴史や見所、ライトアップ以外の魅力について紹介していきましょう。

由緒正しき寺院の、美しき庭園の魅力

平安時代、天台宗を興した伝教大師最澄(でんきょうだいしさいちょう)が作った青蓮坊(しょうれんぼう※僧侶の住坊のこと)を起源にもつ青蓮院門跡。京都市内にある三千院、妙法院と並び天台宗総本山比叡山延暦寺の三門跡寺院に数えられる、由緒正しき寺院です。場所は地下鉄東西線・東山駅より徒歩約5分の場所にあります。
門跡とは門主(住職のこと)が皇室あるいは摂関家によって受け継がれてきたお寺のこと。青蓮院も平安時代より明治時代に至るまで、門主は皇族か五摂家(近衛家・九条家・二条家・一条家・鷹司家)の子弟に限られていました。

それではさっそく寺院の魅力的なスポットを紹介していきましょう!
拝観入口の手前、長屋門の前にある巨大な楠(クスノキ)がひときわ目を引きます。ここ以外にも境内には5本の楠があるのですが、いずれも国の天然記念物に指定されています。通路にまで張り出した見事な枝ぶりは、思わず見とれてしまう雄大さです。詳細な樹齢は不明ですが、青蓮院門跡が現在の地に移った十二世紀以降に植樹されたといわれています。
拝観入口を入ると、まずは殿舎内を参拝。最初の見所はこちらの「華頂殿(かちょうでん)」。60面にもわたる蓮(はす)の襖絵(ふすまえ)は、現代アーティストの木村英輝氏が奉納したもの。ダイナミックで躍動感のある蓮の絵はインパクト抜群です。
▲襖の上には三十六歌仙の額絵が。小野小町など、なじみ深い名前の歌人が幾人も

絵画のような庭園景色!「相阿弥の庭」

先の華頂殿を奥へ進むと、目の前にはまるで一服の絵画のような見事な庭園「相阿弥の庭(そうあみのにわ)」が。雑誌やCMなどでも多々紹介されている、京都を代表する美景です。室町時代の絵師である相阿弥が作庭したと伝えられている庭園は、粟田山を借景にした池泉回遊式。殿舎内の参拝後は、順路に従い庭園内を歩いて巡ることができます。
相阿弥の庭を存分に眺めたら、続いて「小御所(こごしょ)」へ向かいます。途中、渡り廊下の横に置かれた巨大な手水鉢(ちょうずばち)を発見。
これは「一文字手水鉢」と呼ばれ、太閤豊臣秀吉によって寄贈されたもの。3~4月頃は手水鉢の上に紅梅が咲き、水面に写るその姿は見事の一言です。
小御所からも、相阿弥の庭を望むことができます。先ほどの華頂殿からの角度よりも、庭園の中央に配された「龍心池(りゅうしんいけ)」がよく見えます。池の中には色とりどりの鯉が泳ぎ、庭の景色に彩りを添えています。
▲秋の紅葉。日々変化する色とりどりの表情を楽しんで
▲まるで水墨画のような冬の庭園。静寂に包まれよう
小御所の裏手にある本堂で参拝したあとは、歩みを進め「宸殿(しんでん)」へ向かいます。宸殿は門跡寺院特有のもので、主要な法要はここで行われます。親鸞聖人が第三代門主慈圓により得度(とくど※僧侶になるための出家の儀式)をした場所でもあり「お得度の間」とも呼ばれています。
宸殿前の広大な庭園は、見事な苔に覆われています。庭の中央、左右に配された「右近の橘(うこんのたちばな)」「左近の桜(さこんのさくら)」、そして大きく枝をのばした楠が見事です。
宸殿を見終えたら、殿舎を出て、相阿弥の庭を歩きます。舎内から見た景色とはまた違う味わいです。龍心池の中央にある大石は重さが2,000貫(1貫=3.75kg)もあるといわれ、その姿は沐浴する龍の背にたとえられています。
池の前から「華頂殿」を眺めて。通路の先には小堀遠州(こぼりえんしゅう)作の庭園「霧島の庭」があり、こちらも見事な庭園です。
小高い築山の上にある「日吉神社」の前からは寺院の全景を見渡すことができます。舎殿の中から、庭園を歩いて、丘の上からといろいろな角度から観賞することができ、バリエーション豊かな写真を撮ることができそうです。

少し足を延ばせば、京都市内一望の絶景が!「将軍塚青龍殿」

青蓮院門跡から「京都一周トレイル東山コース(※)」を歩くこと約30分。東山の山頂にあるのが「将軍塚青龍殿(しょうぐんづかせいりゅうでん)」です。2014年に建てられた青龍殿は、雲の上にそびえる天空のお堂として京都の新たな観光スポットとなっています。

徒歩で30分はちょっと…という方は、青蓮院門跡から近い神宮道バス停から京阪バス(大人230円、小人120円/ともに税込、運行は土・日・祝日と11月、4月および5月連休)が利用できます。

※京都一周トレイル東山コース…伏見桃山から比叡山、大原、鞍馬を経て、高雄、嵐山、苔寺(西芳寺)に至る全長約83.3kmのトレイルコースのこと
青龍殿には「国宝 青不動」が奥殿に安置され、精緻な複製画を通じて参拝することができます。
青龍殿の前に設置された巨大な木造の大舞台からは、京都市内全域を見渡すことができます。清水の舞台の4.6倍もの広さがあり、歩みを進めるとそのスケールに驚かされます。
▲大舞台の全景。青龍殿と比較すると、その大きさがよくわかります
▲東山、北山などに囲まれた京都市内北部。鴨川の流れもよく見えます
圧倒的なパノラマ感が楽しめる大舞台は、絶好のフォトスポットでもあります。天気の良い日には遠く大阪近郊まで見ることができ、また夕刻には嵐山方面へ沈む夕日が町を照らす絶景を堪能することもできます。
大舞台から順路にそって歩くと、西の展望台があります。そこからは、市内の景色に加え将軍塚と青龍殿を望むことができます。

将軍塚は、平安遷都の際に桓武天皇が築造を命じた「京の都の始まりの地」といえる場所。都を定めるにあたり、和気清麻呂(わけのきよまろ)に伴われここに登り、この地を都とすることを決められました。その際に、将軍の像に甲冑を着せて埋め、都の安泰を祈ったのがここ将軍塚なのです。そんな歴史のロマンを感じながら、京都の町を眺めると、感慨深いものがありますね。
将軍塚青龍殿も、青蓮院同様に春秋のライトアップを実施しています。回遊式庭園や枯山水庭園と紅葉が幽玄な光に照らしだされ、見事な景色を作りだしています。

いかがでしたか?青蓮院門跡、将軍塚青龍殿はどちらも京都有数の「絵になる」スポット。ライトアップのある秋に、カメラ片手に訪れてみてはいかがですか?
妙加谷 修久

妙加谷 修久

京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得しました。

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