愛知県岡崎・八丁味噌のルーツとそのおいしさを知る旅
「愛知の食文化」と聞いて多くの人が連想するのは、やはり「味噌」ではないだろうか。徳川家康公生誕の城としても知られる岡崎城から、八丁(約870m)の距離に位置する旧八丁村(現岡崎市八帖町)で製造されているのが全国的にも知られる「八丁味噌」。今日はこの地を訪ね、そのルーツやおいしさの秘密に迫ろうと思う。

伝統産業を気軽に学べる工場見学
今日はそのうちの一社である「合資会社 八丁味噌」さんを訪ねた。「カクキュー」という屋号のほうに馴染みを感じる方が多いかもしれない。
「カクキュー 八丁味噌の郷」は原則として予約不要。無料で蔵などを見学でき、観光客にも大変な人気。今日は特別に総務部企画室の早川昌吾さんに案内していただいた。

「高温多湿なこの地が豆味噌の製造に適しており、地場の大豆や、吉良(現・愛知県西尾市)の饗庭塩(あいばじお)が入手できる環境であったことも大きな理由です」と早川さん。なるほど、西側を流れる矢作川(やはぎがわ)を使った輸送の便も考えれば、この地が味噌の一大産地となった理由にも頷ける。

たしかに米や麦を原料とした味噌は、寝かせれば甘みが増す。しかしこちらで造られる味噌は蒸した大豆を丸め、直接麹菌を繁殖させて塩と水のみを加えて仕込む。それで糖度が少ないというわけだ。
ぼんやりとしたイメージも、実際に製造元を訪れて丁寧な説明を聞けば心から納得できる。これぞ工場見学の醍醐味である。


味の違いを確かめながらの試飲はなんとも楽しく、生まれ育った地域などによって好みが大きく分かれるので、複数人で訪れれば盛り上がるはず。
また、こんにゃくに甘味噌をかけた田楽の試食も楽しみだ。


カクキュー 八丁味噌の郷
愛知県岡崎市八帖町字往還通69
[売店営業時間]9:00~17:00
[見学可能時間]
平日10:00~16:00 毎時00分開始(所要時間30分)
土日祝9:30~16:00 毎時00分、30分開始のガイドつき見学(ただし12:30の回のみ休み)
[定休日]なし(年末年始、お盆の工場見学については要問合せ)
0564-21-1355
八丁味噌料理を求め岡崎公園へ
先述の通り、岡崎城までの距離は八丁(約870m)である。
岡崎城下を通る東海道は「二十七曲り」と言われるように、防衛上の理由から曲がり角が複雑に作られている。時間に余裕があれば、この道を辿るのも一興だ。




この瑞々しさが濃厚な味噌の味を程よくやわらげていて、調和がすばらしい。
菜飯の塩気も程よく中和して最後までおいしく味わえる。菜飯の大根の葉は近隣の安城市で生産されたものを主に使用しているのだそう。

八千代本店
愛知県岡崎市康生町561-1 岡崎公園内
[営業時間]12:00~20:00(L.O.18:00)
[定休日]火曜日(祝日は営業、桜祭り期間中は無休)、12月31日、1月1日
0564-22-0267

安田淳
主に東海地方の旅行やグルメ、プロ野球などの記事を執筆する。名古屋生まれ名古屋育ちゆえ名古屋めしには目がなく、仕事プライベート問わず「名店」と呼ばれる店を食べ歩いている。よく出没する場所はナゴヤドームとスーパー銭湯。
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