柳川で川下り体験!笑いとグルメとドキドキありの、風情あふれる水上散歩だった
縦横に堀を巡らせた水郷・柳川市。江戸時代に防敵を目的として整地され、今なお残るその美しい掘割は柳川の生活に根付いています。ここでは九州を代表する観光体験「川下り」を。船頭さんの案内をBGMに、四季折々の水景を楽しむ約1時間の旅を体験しませんか。

城下町の歴史を有する柳川市で名物・川下りを楽しむ
柳河藩として繁栄したこの地は、藩主・立花氏が入城した柳川城を中心とする城下町。縦横に掘割が巡らされ、24名乗船できる舟で水上を進み町を観光する「柳川川下り」は「うなぎのせいろ蒸し」と同じく、柳川市の名物。柳川川下りで使用するこの舟は、魚のハゼ(=どんこ)に似ていることから「どんこ舟」と呼ばれています。

市内には4カ所の川下り会社がありますが、今回は下百町(しもひゃくちょう)から柳川藩主立花邸であった御花(おはな)までの川下りが楽しめる「水郷柳川観光」へ。国道443号線沿いにある「下百町乗下船場」へ向かいます。

乗船料金は大人1,500円、小人800円(税込)、約60分のコースです。こちらの待機所に集合、他の観光客と乗り合わせで出発します。
さて、いよいよ乗船!

乗下船場からどんこ船に靴を脱いで乗り込みます。取材時は1月だったので、こたつ船!(こたつ船は2月下旬まで)
長く繋げたテーブルの下には火鉢が入っておりぽっかぽか~。これから約1時間の船旅のスタートです。

今日の船頭さんは柳川生まれ柳川育ちの津村久幸(ひさゆき)さん。

揺れもないし、足元からあたたまるこたつ船で、1月とはいえ寒さはまったくなく快適!
同乗する他のお客さんと仲良くなれるのも、川下りの醍醐味。特にこたつ船は同じテーブルを囲むので(こたつ船以外の時期はテーブルはなし)、より親近感もわきますね。
船頭さんが「どっからきんしゃったとね(来たの)?」「柳川は初めてね?」など、会話を交えて案内してくれるので、「あぁ~それなら昼食はうなぎよね!」や「どのくらいいるの?」など、乗船した観光客も会話に加わり、船全体で会話している感じ。

津村さんの竿さばきでどんこ船は掘割をどんどん進みます。掘割の岸には柳の木が川にせり出しており、風流です。冬でさえも美しいと思える掘割の景色。新緑の頃には青々と茂った柳の木が観光客の目を楽しませてくれるそうです。
5分ほど掘割を進むと、狭い水門が現れました。

これは「柳川城堀水門」。ここからが立花藩の城内となり“内堀”に入ります。何と、水門は幅2.6m、高さ3.5m!

船上ではカメラを構えながら「うわぁ~!」「キャー!」という声が上がります。先程のほのぼのした雰囲気から一変、スリリングな緊張感が!

そこからはまた広い堀に。ここからが「お堀巡り」のスタートだそう。
でもこの掘割、本当に縦横無尽に巡らされています。1600年代、藩主田中吉政(よしまさ)が柳川城入城の際に人工的に整備されたという掘割。敵からの侵略を阻むために設けられたそうですが、それだけではありません。

水害対策の用途も兼ねて造られた掘割。掘割の水も農業用水や防火用水、ひと昔前までは洗濯などの生活用水にも使われるなど、柳川に住む人々の生活に寄り添ってきました。この地域の人たちにとって、重要な役目を担う生活の一部なのですね。ちなみにこの掘割、全部繋げると930kmになるとか!東京―大阪間が約500kmですから、その往復くらいと考えるとスゴイ。
詩聖・北原白秋の石碑や銅像があちこちに




途中13の橋をくぐるスリルもあり! 船頭さんの唄が聴ける場所も

くぐった姿勢のまま、長さがある橋では唄を披露してくれますよ。「川下りの唄」「柳川音頭」「柳川小唄」…。もう、これが本当に見事な歌声!“歌唱力”が船頭さんの条件なのかしら、と思うくらい。「橋の下はエコーがかかるけん、良かでしょう?」と船頭さんは笑います。

橋の下ではなかったですが、途中の「待ちぼうけ」も加えると合計4曲も披露してくださいました。歌声を聴けるのもこの川下りの醍醐味ですね。
途中、他のどんこ舟とすれ違うこともありますよ!

乗船しながら購入できる「水上売店」の寄り道もまた楽し!

中間地点にはコーヒーや甘酒、おつまみのようなテイクアウトグルメを販売する「水上売店 一期一会」があります。こちらは乗船したまま利用できる、いわば“水上のドライブスルー”!取材時は1月だったので断念しましたが、夏期はビールなんかも人気だそうです。
今回は「水上売店」のおすすめ、「揚げ餅」と「めんたいちくわ」(各200円・税込)を購入。船上で食べられるなんて贅沢~!



甘辛いタレを付けた揚げ餅も、明太子のプチプチ食感が残るピリ辛のちくわも、どちらも食べ応えあって美味です。他にも甘酒やアイスクリームなど、メニューは色々ありましたよ。水上売店の利用、おすすめです。

見どころにたどり着くと「シャッターチャンスば~い」



「ここがシャッターチャンスば~い」と、シャッターチャンスもその都度教えてくれますよ。
1時間はあっという間!笑ったり、写真を撮ったりしていると、もう終点の「御花」に到着。

「御花」は旧柳川藩主立花家の屋敷で、敷地全体が「立花氏庭園」として国の名勝に指定されている観光スポット。
屋敷は一般公開されており、レストランや料亭もあるので食事や観光を楽しむのにぴったりです。

川下りは片道運航。下船後はゆっくり観光しながら歩いて帰るもよし、無料送迎車も用意されていますよ。
四季折々の表情で楽しみも変わる。 一年中がおすすめ時期「柳川川下り」

中でも特に人気が高いのが、毎年2月11日から4月3日まで開催されるひな祭りイベント「柳川雛祭り さげもんめぐり」の時期。柳川市内各所に「さげもん」(=雛の吊るし飾り)と呼ばれるこの地域特有の雛飾りが配され、街全体が華やかになります。期間中は、水上から見える沿岸に飾られた雛人形をめぐる「雛めぐり舟」も運航しますよ。

2018年3月18日は「おひな様水上パレード」が行われ、きれいに着飾ったお稚児さんがどんこ舟に乗り、水上をパレードします。


最終日の4月3日に、夢を書いた雛短冊を川に流す「流し雛祭」で約2カ月のイベントは締めくくられます。
柳川雛祭り さげもんめぐり
福岡県柳川市内各所
[実施日]毎年2月11日~4月3日
おひな様水上パレード:2018年3月18日(日)※雨天時は25日(日)
流し雛祭:毎年4月3日
0944-74-0891(柳川市観光案内所)
季節ごとに異なる景色や表情、船頭さんや同じ舟に乗船した人たちとのあたたかな触れ合い、木々のざわめきや鳥の声…。すべてが「柳川川下り」の魅力。1時間という短い時間ですが、きっとそれ以上の旅の思い出ができるはずですよ。柳川に来られたらぜひ体験してくださいね。

桑野智恵
フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴20年弱。食育アドバイザー、フルーツ&ベジタブルアドバイザー。旅ライター視点での食育講座を、ママ応援ユニット「ごはんとからだ」にて開催中。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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